logmi・ログミー

世界をログする書き起こしメディア

すごいピッチャーほど肘や肩を壊してしまう理由

すごいピッチャーほど肘や肩を壊してしまう理由

大人気のスポーツ、野球。シーズン中は日夜テレビ中継が行われ、夏の甲子園は日本中から注目を集めます。そんな国民的スポーツである野球ですが、一方でつねに怪我と隣り合わせのスポーツでもあります。とくにピッチャーは、肩や肘に大きな負担のかかる動きをするので、他のプレイヤーとの接触がなくとも部位を「壊して」しまいます。しかし、スポーツというものは一般的にうまくなればなるほど怪我をしにくくなるもの。どうしてプロ選手たちは身体を壊してしまうのでしょうか? 今日は、そんなスポーツに関する疑問を、武道をもとにした身体の動かし方を解説するYouTubeチャンネル「理論スポーツ」の管理人の高橋氏が解説。彼が注目したのは、投球時に生じる「意識」でした。

シリーズ
理論スポーツ
2015年6月18日のログ
スピーカー
理論スポーツ 高橋大智 氏
参照動画
変化球を投げる上で注意したいこと - YouTube

変化球で気をつけたいこと

高橋大智氏(以下、高橋) こんにちは、理論スポーツ管理者の高橋です。今回お教えしたいのは、野球の世界での変化球。これについてお話ししたいと思います。変化球には、カーブとかスライダーとか、いろいろあると思うんですが、握り方もいろいろあると思います。 変化球で考えなきゃいけないことはなにかというと、指の握り方とか、どういうふうに投げるのかということです。ですがそれらは、本とか資料とかそういったもの、もしくはネットとかで調べればもう全部載っています。なので、それに従ってやれば必ずできるようになります。 ただし、変化球を覚える際に気をつけたいことがあるんですね。なにかというと、変化球というのは腕と手の動きにものすごく関わる動作っぽく、指導本には書いてあります。 例えばカーブであれば、「中指で掻くように」、例えば「親指を指パッチンするようにひねる」と。ひねるというよりは、「指パッチンするように投げて、軌道をイメージして」というふうに書かれてある。フォークボールの場合だと「最後の最後で押し込む」とかいうんですね。 こういったのっていうのは、全部、手や腕の動きに関する言葉なんですね。だから、多くの人はどう思うかというと、例えばストレートに投げたいと思ったときっていうのはどのあたりを意識するかというと、まあ勉強している方であれば、自分の投げやすいフォームを意識して投げると思うんですけど。 これがカーブとかスライダーになると、慣れてない人っていうのはどうなるかというと、こういうふうにボールを持って、例えばスライダーの握りとかカーブの握りとかをやるとどうなるかというと、意識が腕に集中するんです。 つまり、さっきまで足とか背中とかそういったところを意識して投げてたピッチャーが、カーブを投げよう、スライダーを投げようと思ったときに、腕に意識がいってしまうということが起こってしまうということが1個、注意ですね。

腕や手に意識が集中してしまう

なんで手の動きや腕の動きにとらわれやすいかというと、変化球の投げ方って言われたら、もう全部これこういうふうに書いてあるからなんですね。 だから人というのは言葉によって、まず言葉で、カーブは、例えば「中指を掻くようにしてやる」とか「指パッチンを弾くように投げる」。フォークだったら「挟んで押し込むようにする」とかっていうのを言われると、まず多くの人は押し込むように手を動かす。 挟むときも、人差し指と親指をこう曲げると、親指が根っこ出やすいんですね。 0.03.29 そういった事実を知った上で、例えばここを挟むのではなくて、人差し指をこういうふうに曲げて、親指をこっちに寄せやすくなるんですね。手の動きというのは。 0.03.42 この形を保った状態で、こう入れてあげると、フォークのかたちになるんですね。 0.03.47 そうしたら、人差し指が若干曲がり気味になります。この状態で投げると、さっき言った押し込むという動作がやりやすいんですけど。ただ「挟もう」、「投げるときに押し込もう」と思っちゃうと、これは手の動き、手首の動きにとらわれるので、意識が腕に集中するんです。

なぜ肘や肩を壊してしまうのか

例えばプロ野球で毎回何百球何十球と投げているピッチャーは、フォークやスライダーというのはピッチングの練習で確実に投げられてる肩を持っているのに、試合になると手首を痛めたり肘を痛めてしまうのはなぜで起こってしまうのか。 例えば弓や武道の世界というのは、相手を投げる技とか、何キロの重たい弓を軽々引ける力を身につければ身につけるほど、大きな怪我はしにくくなります。 だけど、なんで野球の世界とかスポーツの世界だと、こういう特殊な動き、武道でいったら誰もできないような動きができるようになればなるほど怪我のリスクが上がってしまうのかというと、それは、この人がストレートの軸を持った状態の意識で変化球を投げているか、それとも投げるときになにかしら自分の中で手や腕の動きに別の意識を付け足すことによって投げているか、そこが大きいんですね。 やはり変化球やるときに、ちょっとでも手首を動かそうと思うと、1球や2球だったらそれは成功するかも知れないですけれども、やはり筋肉に頼った投げ方になってしまうんですね。筋肉に頼った投げ方。 だから、変化球を投げるときっていうのは、言葉や指導書にこういう手や腕の動きがあるので、人はストレートで投げてるときはなにも腕の意識はないのに、これがカーブやスライダーというふうに頭の意識が変化球の意識になった瞬間に、腕に意識がいっちゃうんですよ。 腕に意識がいっちゃうと、さっきまで投げていたこの部分 (注:体全体)が一気に使えなくなってしまうということが起こって、怪我が起こってしまうということがあるんですね。 例えば1回表のノーアウトランナーなしで1番バッターの第1球目ぐらいのテンションで毎回投げれるのならいいんですけれども、やっぱり野球はそうではない。ツーアウト満塁のときもあるし、絶対取られたくない場面もある。そういった場合になにが起こるかというと、自分の最も悪いクセが出ちゃうんですね。つまり、変化球を投げようとすると腕に意識がいっちゃう。 ストレートを投げようと思って力が抜けてなかった場合によくあるのが、胸が前方に出て開きが早くなると。そういった悪いクセが出ると。そういったのが出やすくなっちゃうんですね。

ストレートと同じ意識で投げる

だから、どうしたらいいかというと、やはりストレートの意識でこいつができればいいんですよね。カーブやスライダーが投げられるといいんですね。 私がおすすめするのは、野球の世界で「正しい投げ方で変化球を投げましょう」と言っている指導者や野球の経験者というのはいると思うんですけど、私の場合だったら「ストレートのときの姿勢と同じ状態で変化球が投げられるといい」というふうな。 それはなんでかというと、ピッチング動作というのは、投げるときに腕がこう来て、こう来て、こういうふうに動くといいんですね。 0.07.31 0.07.32 0.07.33
腕がちょっと若干内側に内旋するような運動になるんですよ。
ところが、これが例えばカーブやスライダーを投げようと思うと、腕とか手首に意識がいっちゃうんですよ。そしたら、手首がこういうふうに曲がっちゃったり……。 0.07.49 こういうふうに抜けちゃったり……。 0.07.50 あるいは肘がこういうふうに動くと……。 0.07.51 肩が動くんですよ。例えば上半身がしっかり姿勢が取れているときは、だいたい土踏まずの前ぐらいに重心がくるんですけど、これが手首とか肘とか肩に来ると、重心がかかとにきちゃうんですよ。前側に重心がいってたのが、かかとにきちゃうんですよ。 そうすると、さっきの思い切って前方に重心を置いた状態でこういうふうに腕をぐるぐるまわすと、内側に曲げやすいんですけど、これがちょっとかかとに動かしちゃうと、回しづらくなっちゃうんですよ。 ということは、腕を振るときに体幹部分の筋肉を使えなくなっちゃうんですよ。変化球を意識して、手首に力を入れたり、ここ肘に力を入れたりすると、肩が動いて、そもそも持っている上半身の重心というのが腰の中心からちょっと動いちゃうので、その瞬間に、もう上腕から先しか使えない腕の動きの姿勢になっちゃうんですね。 ストレートみたいに、手になんの意識もない、上半身の力み抜けている、それによって体重がしっかり落ちた状態というのは、腕がこういうふうに動くわけです。 0.09.13 こっちに動くと筋肉というのは、この背中の裏側ですね、脇の下の筋肉がよく働くんですね。 そういった姿勢で、ストレートのときみたいに体の後ろ側、体全体の筋肉を使える姿勢のまま変化球を投げられれば、これは姿勢の観点でいうととてもいいんですね。 怪我もしにくいですし、投げる変化球にもブレがなくて正確性があって、いざという勝負のときにも使えると。だから、ぜひこのストレートを投げる意識のまま変化球が投げられるといいんじゃないかなと思うんです。

ストレートの握りで変化球を投げる方法

それで、例えばどういったストレートの握りのまま、どういうふうにすれば変化球が投げられるか? 例えばカットボール。カットボールというのは、ストレートの握りから……。 0.10.11 ほんのちょっとスライダー気味に握るわけですね。 0.10.12 スライダーとストレートの間ですね。最初の 握りを変えてあとはストレートのように投げれば、ちょっと曲がるんですね。 例えばこれとか。チェンジアップですね。あるいはチェンジアップも、同じようにストレートの握りなんですよ。だから、腕が内旋するような姿勢の状態で投げられるわけです。 だけど、これが変化球で、フォークとか……。 0.10.37 カーブとか……。 0.10.39 そういった、こっちの指の角度とかそういうのが変わって、手首に力が入ったり、肘に力が入っちゃうと、そこで体の重心が変わっちゃって、腕しか動かない動きになっちゃうんですよ。 だけど、この2つであればその問題がない。例えばチェンジアップであれば、よく人差し指で中指で握ってるのを……まあいろんなプロ野球の選手が投げてるので、まあ1個参考にするとしたら、ストレートのこの人差し指と中指を……。 0.11.08 こういうふうに薬指と中指に変える。 0.11.11 これで投げるだけでも、チェンジアップの球が、ストレートと同じ握りで同じ正しい姿勢で投げることができるんですね。なので、変化球を投げるときは……もちろんその人の才能もあります。ストレートと同じ意識で手を動かせたりとか、腕がものすごい丈夫な人っています。 だけど、なんか手や腕に特別な意識を持たないと投げられない変化球であるならば、それは怪我しちゃう可能性が高いんですね。姿勢が崩れちゃうから。重心が変わっちゃうから。 無意識のうちに、重心というのは体の中にあるので、肩の関節がちょっと動いたりしたら、それによって背骨がちょっと曲がって、後ろに行きやすくなっちゃうんですね。 そういったものを防ぐためには、もうストレートの状態で、ストレートの姿勢で、指をちょっと変えるだけで投げることができれば、もうそれは変化球になるんですよ。 だから、ぜひ怪我なく変化球を投げるというふうに考えるのであれば、こういう手首や腕の動きにとらわれてしまうような変化球はいったん置いておいて、こういう、カットボールやチェンジアップといった、ストレートの姿勢のまま投げられるものをぜひ身につければいいんじゃないかなと思います。 以上で、投げ方の説明を終わります。ありがとうございました。

  
理論スポーツ

武道の身体の使い方、姿勢に基づく
全スポーツの運動技術を高める具体的手法を公開します。
筋トレ法、栄養学、メンタル調整、身体の仕組みなど、
内容は多岐にわたります。

理論スポーツ

 

×
×
×
×
×
この話をシェアしよう!
シェア ツイート はてブ
すごいピッチャーほど肘や肩を壊してしまう理由

編集部のオススメ

無料で求人掲載できる!エン・ジャパンの採用支援ツール、engage(エンゲージ) PR

おすすめログ

人気ログランキング

TOPへ戻る