浪漫(ロマン)と算盤(ソロバン)︎

司会者:ありがとうございます。次、ほかにありますか?

質問者12:目標の立て方、ゴールの作り方についての質問です。事務職などは数字では表せない仕事だと思いますが、そういった仕事の場合、芦名さんでしたらどんな目標を作りますか?

芦名佑介氏(以下、芦名):ありがとうございます。その目標はすごく難しいですね。その尺度を、僕は“浪漫と算盤”と呼んでいるのですが、浪漫で目標を立てるのか、算盤で目標を立てるのかがすごく大事です。

僕はこうしたいんだ、お客さんからありがとうと言われたいんだ、そういう気持ちは浪漫です。もうひとつ、じゃあそれを何回言われたらそうなんだ、それでいくら売上が上がったか、これが算盤です。

ほぼすべての場合において、浪漫で目標を立てている方はすごく危険です。なぜかと言うと、浪漫は目標じゃない。目標というのは、必ず数字にしないと、達成できません。

ですから、事務職の場合は、自分がなぜそれをやっているのかという目的をまず明確にして、それをしっかりと数字に落とし込んでください。例えば1日に何人の人に何回ありがとうと言われたかとか。

なぜそれが大事かと言うと、浪漫はすぐに言い訳をします。例えば、売上が上がらない、ありがとうと言われないとしても「僕は人のためになっているから」と浪漫はすぐに言い訳になってしまうんです。

算盤の人間は、こんな営業成績を出したい、100件やりたいという目標を持った時に、あと20件足りなかったことを猛烈に反省します。でも、浪漫の人間は、たとえ20件足りなくても世の中のために立ったんだとすぐいいわけをします。

目標達成が圧倒的に強いのは、そろばんの人です。周りの経営者の方を見ても、浪漫で仕事をしている人は、ほぼうまくいきません。すべて、算盤です。これぐらいの人数が来て、これぐらいの単価で、これぐらいの売上が上がって、これぐらいのペースでやっていく。これが、算盤です。

浪漫は何に大事かと言うと、人を集めるのにすごく大事です。

ですから、そこをうまく使い分けていただいて、事務職だとしても、数字にできることはあると思うので、そこを明確に数字にしてやっていただけるといいと思います。

質問者12:ありがとうございます。

みんなに好かれようとしない

司会者:他にありますか?

質問者13:お話ありがとうございます。愛のお話をされていましたが、等身大をさらけ出すということと、違いを認めるというふたつがありましたが、その後者のところで、やっぱりどうしても人に会ったときに、こいつはどちらかと言うと好きだとか、話しやすいとか、また逆の場合もありますよね。その人に対してどんなふうにアプローチして、人間関係を築いていったのかというところをちょっと教えていただければと思います。

芦名:ありがとうございます。まず一番大事なのは「すべての人間と付き合わなくちゃいけない」という考え方をなくすことです。無理なので。すべての人間に好かれようとするのは、無理だし、すべての人間を好きになるというのも無理だと思います。この人とは付き合わないという決断をすることが大切です。

ですから、人と会った時は、相手の話を聞いて、自分が思っていることを素直に話します。相手もこちらも思っていることを言わないというのは、僕にとってはすごく時間の無駄です。

僕はなんでも受け止められるので、なんでもいいから、とりあえず、言いたいことを言って欲しい。僕も、思ったことを全部言う。「なんでそんなこと言うんですか!」と嫌がる人や、それを失礼だと思う人がいれば、その人はおそらく自ずと僕から離れていくと思います。それでいいんです。

僕自身も「この人は思っていることを言っていないな」と思ったら、その人とはもう付き合わないです。「付き合わない」という決断は、こっちができるので。まずは、自分が等身大をさらけ出す勇気をちゃんと持つことです。

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