2017年3月期決算説明会

加留部淳氏:社長の加留部です。 平素から当社の活動にいろいろとご協力、ご理解、ご指導いただきましてありがとうございます。

2017年の3月期、当社はご案内のように資源・エネルギー関係の大幅な減損を受け、大きな赤字を出しました。

そしてこの1年間、役職員で一生懸命V字回復を図ろうとして努力した結果、(2017年)4月28日に報告しましたように、(最終損益)1,025億円ということで、初めて1,000億円台を出し、過去最高益となりました。

過去最高益というのは、数字の上では、トーメン(エレクトロニクス)との合併後の2007年に、772億円という数字があります。

ただ今回と同じように、合併の税効果やいろいろなものが入っています。今回の場合は、連結納税などの税効果が入っていました。

このようなものや、のれん代等、いろいろなものを勘案して、実力値で比較すると、2014年3月期の730億円というのが過去の自己ベストだったのですが、今期2017年3月期の数字はこの自己ベストを上回っています。

今期はIFRS(国際財務報告基準)に変わりますけれど、(当期純利益の見通しは)1,100億円ということで、自己ベストを目指して頑張っていきたいと思っています。

今日は短い時間ですけれど、私からは決算の概要報告と中計のご案内をしますので、ご理解を深めていただければと思います。今日はご出席をいただいて、本当にありがとうございます。

2017年3月期 連結決算概要(売上高)

岩本秀之氏:みなさんこんにちは。CFOの岩本です。ただいまより2017年3月期連結決算の概要ならびに2018年3月期の連結決算の業績予想についてご説明いたします。

2017年3月期の連結決算につきましては、売上高が前期比2,506億円減少の7兆9,196億円となっています。

主に石油製品取扱増加により機械・エネルギー・プラントプロジェクト本部を中心に増加したのですが、為替がUSドルで12円の円高。ユーロで14円の円高。これらの為替の影響により、約5,000億円ほどマイナスが入っており、全体では減少となりました。

2017年3月期 連結決算概要(営業利益)

セグメント別の営業利益の2期比較を表示しています。

前期(2017年3月期)の営業利益は、64億円増加の1,466億円となっています。主に売上高の減少に伴い売上総利益が減少したものの、為替の影響ならびにトーメン(エレクトロニクス)との合併、のれんの償却が終了したこと等により、販管費の負担が435億円減少したことによるものです。商品セグメント別の増減要因分析に関しましては、補足資料をご参照ください。

2017年3月期 営業利益増減要因

営業利益の前期実績からの増減額です。

前期は円高による為替影響のマイナスや特殊要因があって、当期は戻っています。トーメン(エレクトロニクス)との合併、のれんの償却終了等によるプラスがありましたが、主にアフリカをはじめとする新興国での自動車販売の不振により、全体では1,402億円から1,466億円のプラス64億という分析をしています。

2017年3月期 連結決算概要(経常利益・当期純利益)

経常利益ならびに当期純利益について記載してあります。

経常利益は、前期比302億円増加の1,582億円となっています。これは主に持分法による投資損益が増加したこと、ならびに為替差損益が良化したことによるものです。

当期純利益は、前期に処理したガス等の特損の反動による特別損益の良化や連結納税制度の適用を前提とした会計処理による税金費用の減少等もあり、前期比1,462億円増加の1,025億円となっています。

バランスシートの状況

バランスシートの状況について記載しています。

2017年3月末時点の総資産は4兆986億円と、前期末に比べて1,447億円の増加となっています。自己資本につきましては、当期純利益の積み上げによる利益剰余金の増加、株価上昇に伴う有価証券評価差額金の増加等により946億円増加して、9,832億円となっています。

有利子負債(NET)ですけれど、前期比525億円減少の1兆502億円となりまして、結果DER(NET)は1.07倍ということで、前期比0.17ポイント良化しています。

キャッシュ・フロー

営業キャッシュ・フローは、当期純利益等によりまして、1,937億円のプラス。

投資キャッシュ・フローは1,304億円のマイナスということで、結果633億円のキャッシュの獲得というかたちになっています。

なお投資キャッシュ・フローの中に「流動性確保(定期預金)」と記載がありますが、一部トランプリスク等に対応したUSドルのキャッシュ、手元流動性を確保しまして、そのキャッシュの積み上げが流動性確保に入っています。

実際の純投資ではなくて定期預金のようなかたちですので、実際にはフリーキャッシュ・フローは約1,000億と見ています。以上が前期業績です。

2018年3月期 業績予想

当期2018年3月期の業績予想です。

先ほどありましたとおり、私ども6月23日の有報(有価証券報告書)の提出から、IFRSを任意適用いたします。このため18年3月期の予想に関しましては、IFRS基準ということで、売上総利益以下、記載のようにさせていただいています。

為替に関しましてはUSドル105円。ユーロ115円ということで、当期実績よりもやや円高に見ています。

記載のとおり、当期の予想は売上総損益で5,670億円。営業活動に係る利益が1,600億円。税引前利益が1,820億円。親会社の所有者に帰属する当期利益は1,100億円を見込んでいます。

配当に関しましては、年間78円を予定しています。

2018年3月期 本部別業績予想

セグメント別に記載した売上総利益ならびに当期利益です。

この走っている期からアフリカ本部というセグメント(を設けています)。通常はすべて商品別のセグメントなのですが、アフリカ本部は各商品本部から切り出して、「アフリカ戦略を見える化しよう」ということで設けています。

従いまして(フランスの大手商社)CFAO(セーファーオー)の業績もこの中で反映をしています。

新株主還元方針

新株主還元方針についてご説明いたします。

今期はIFRSへの移行とともに、先ほど申し上げましたとおり、期初予定配当金額78円としまして、のれん償却前当期純利益ベースで配当性向25パーセントを目指すということで、ほぼ達成できたと思っています。

当期以降の新たな配当方針としましては、連結配当性向25パーセント以上を目安に、安定的な配当継続ならびに1株あたりの配当増額に努めて参ります。記載のとおり、7期続けて実額ベース増配しています。これを継続して参りたいと思っています。

以上で私からの説明を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。