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ランナーズハイの気持ちよさはマリファナと同じだった?

ランナーズハイの気持ちよさはマリファナと同じだった?

長時間走り続けると苦しさがやわらぎ、気分が高揚してくる現象「ランナーズハイ」。これまでは脳内麻薬とも呼ばれるエンドルフィンという物質の影響だと考えられてきましたが、最近になってその説は否定されつつあります。ランナーズハイのカギを握るのは、どうやら「内因性カンナビノイド」と呼ばれる体内の化学物質のグループではないかと言われています。それはマリファナのなかに含まれる、人をハイにさせる化合物のような働きをするのです。今回のYouTubeのサイエンス系動画チャンネル「SciShow」では、ランナーズハイの原因とそれに関する実験について紹介します。

シリーズ
SciShow
2017年6月10日のログ
スピーカー
Michael Aranda(マイケル・アランダ) 氏
参照動画
What Causes Runner's High?

エンドルフィンが原因ではない?

マイケル・アランダ氏 もしあなたが長距離走を楽しまれる方であれば、走った後に感じる、幸福感や落ち着き、痛みの緩和などの、いわゆる「ランナーズハイ」を経験されたことがあるかもしれません。 1980年代から、ランナーズハイは「エンドルフィン」と呼ばれる化学物質によって引き起こされるのだと考えられてきました。 映画『キューティ・ブロンド』の台詞を覚えていますか? 「エクササイズはエンドルフィンを生み出し、エンドルフィンは幸福感を生み出すのです!」という台詞です。しかし今、科学者たちはその幸福感の源はエンドルフィンだけによるものではないかもしれないと考えているのです。 原因となるのは「内因性カンナビノイド」と呼ばれる、体内の化学物質のグループではないかと言われています。それはマリファナのなかに含まれる、人をハイにさせる化合物のような働きをするのです。 エンドルフィンは「オピオイド受容体」として知られる、身体中の神経にある物質と結合し、脳が痛みとして処理する他の化学信号に影響を与えます。エンドルフィンは筋肉に生じる痛みを和らげることができるため、ランナーズハイによって生じる気持ちのよさの原因はエンドルフィンであると思われてきたのです。 しかしエンドルフィンは実際、「血液脳関門」という、血管の中にある有害な可能性のある物質から脳を守る、非常に繊細な皮膜を通り抜けるには大きすぎることがわかりました。ですから、エンドルフィンは脳細胞との関わりがありませんから、ランナーズハイからくる幸福感の原因ではないと考えられます。 代わりに、科学者たちはその原因となっているのが内因性カンナビノイドではないかと考えています。内因性カンナビノイドは脳内のシステムに対して、マリファナの中に含まれるTHCと同様の働きをしますが、体は自然にそれを生み出すようにできています。それは不安を抑えたり、痛みを抑えたりすることができるのです。 2015年、ある研究者グループが、ネズミが約6キロの距離を車輪の中で走った後に「アナンダミド」と呼ばれる内因性カンナビノイドを作り出したという研究結果を発表しました。 ランナーズハイからくる痛みの抑制の実験のために、走ったネズミと、そうでないネズミがそれぞれホットプレートの上に置かれました。走ったネズミの方は血中にアナンダミドを多く持っていたので、ホットプレートを熱がるようになるまでには、そうでない方よりも時間がかかったのです。 研究者たちはさらなる研究を行いました。次は、走ったネズミたちのうちのいくつかに、エンドルフィンをブロックする薬品を与え、それからの影響を受けられないようにしました。それでもそのネズミは同じように、ホットプレートの上に置かれた時、先ほどと同様にそうでない方より落ち着いていたのです。 IMG01 そして、研究者は他の走るネズミのグループに、アナンダミドを受容体と結合するのをブロックする薬品を与えました。それらのネズミの方がホットプレートに対してもっと過敏に感応したのです。それは走っていないネズミの反応と同様でした。 IMG02 この研究により、アナンダミドこそがランナーズハイで起こる、痛みや不安を抑制する原因となっていて、エンドルフィンはそれほどでもないということがわかったのです。少なくともネズミにとってはそのようです。 では人間ではどうなのでしょう? 2012年、ある研究で何人かの人間、犬、フェレットをルームランナーで30分間走らせた後、人間と犬の血液中で内因性カンナビノイドの量が上昇したことがわかりました。人間と犬の両方が走ることに適合していました。 そして2011年の研究では、11人の健康な男性のサイクリストを被験者として研究した結果、エクササイズによって生じるアナンダミドはニューロトロフィンのレベルを上昇させるかもしれないということがわかりました。これは神経間の繋がりを調整するプロテインの一種で、抗鬱作用があります。 サンプルのサイズが小さいため、これらの研究結果が私たちすべてに当てはまるとは言い難いです。しかし内因性カンナビノイドがランナーズハイと関係がある可能性は高いと言えます。それにしても私たちは自分の体に関して知らないことがまだたくさんあるものですね!

  

SciShow

Hank Green(ハンク・グリーン)たちがサイエンスに関する話題をわかりやすく解説するYouTubeチャンネル。

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