2017年3月期 連結決算の概要①

小野勇治氏:ただいま紹介いただきました、アイカ工業の小野でございます。

2017年3月期の決算、それから前中期経営計画の実績、新セグメント体系、アイカ10年ビジョンと新中期経営計画、2018年3月期の計画、この順番でご説明をいたします。

2017年3月期の連結業績の概要はご覧の通りでございます。

売上高1,516億3,300万円、営業利益180億9,900万円、経常利益183億7,400万円、当期純利益110億6,400万円となりました。

2017年3月期 連結決算の概要②

その結果、売上は7期連続増収、営業利益・経常利益は8期連続増益、当期純利益は2期ぶりの増益となりました。

また売上高・営業利益・経常利益・当期純利益、すべてで過去最高を更新することができました。特に売上高・営業利益・経常利益は5期連続で過去最高を更新しております。

国内の事業におきましては住宅着工件数の増加を受けまして、住宅向け商品が好調に推移いたしました。

一方の海外事業では、アイカ・アジア・パシフィックを中心に好調に推移いたしましたが、円高による為替換算の影響により減収となりました。

しかしながら原材料価格低下の影響から増益は確保をしております。

2017年3月期連結決算の推移

最近5年間の連結売上高・経常利益・純利益の推移はこのスライドの通りでございます。

2017年3月期 ROA・ROEの推移

こちらのスライドは、ROA・ROEの推移です。ROEにつきましては9.9パーセントとなりました。

2017年3月期 営業利益増減分析

2016年3月期と2017年3月期の営業利益の差異を要因別に分析したものです。

主な増益要因は原材料安によりますコストダウンと売上増加によるもので、34億2,000万円の増益要因がございました。

一方、利益減少要因といたしましては販管費の増加、売価差、固定費増加によるものでございまして、15億500万円の減益要因でございました。

この結果、差し引き19億1,500万円利益が増加いたしました。

2017年3月期 主要項目の状況

ご覧のスライドは設備投資額・減価償却費・研究開発費等の状況でございます。

2017年3月期の設備投資額は45億円を計画いたしまして、約39億円でございました。

主なものは中国における原材料の内製化を目的とした設備投資のうち約2億1,000万円、タイの設備増強費用同じく約2億2,000万円などのアイカ・アジア・パシフィックで約13億円でございました。

国内ではアイカハリマ工業の生産増強、これが約3億円、アイカテック建材の生産設備増強約3億円等がございました。

2017年3月期 セグメント別業績

続きまして、セグメント別の業績をご説明いたします。2017年3月期のセグメント別の売上高と営業利益はスライドの通りでございます。

ここでは、営業利益の増減を中心にご説明をさせていただきます。まず化成品セグメントの営業利益は62億2,300万円で計画の61億円を上回りました。

営業利益率も8.1パーセントと計画の7.8パーセントを0.3ポイント上回っております。これは原材料価格低下による利益率の改善。これが主な要因でございます。

建装材セグメントの営業利益は81億円を計画の78億7,000万円を上回りました。営業利益率も19.8パーセントと計画の18.8パーセントを1.0ポイント上回っております。

これもやはり原材料価格の低下によります利益率の改善、そして高付加価値品の売上比率の増加、これが主な要因でございます。

住器建材セグメントにおきましては、営業利益は63億8,700万円と計画の63億7.500万円を上回りました。

営業利益率は16.7パーセントと計画の17.1パーセントを0.4ポイント下回っております。

利益率が高い不燃化粧材である、セラール、住宅着工増の影響を受けまして好調に推移いたしましたが、計画値までは達成できませんでした。

アイカ・アジア・パシフィック(AAP)の業績

化成品セグメントのうち、アイカ・アジア・パシフィックの業績はご覧の通りです。

アイカ・アジア・パシフィックはタイ・ベトナム・マレーシアにおきまして、繊維盤用樹脂の需要を大きく伸ばし、好調に推移いたしました。

原材料安によります売価への転換、円高による為替換算の影響等から売上高は348億7000万円と前年を下回る数字となりました。

対しまして、営業利益は原材料安の恩恵を受けまして40億4,000万円と計画を上回ることができました。

化成品セグメント実績

続きまして各セグメント別の数字を説明させていただきます。まず化成品セグメントです。

このセグメントは接着剤、建設樹脂、非建設分野として注力しております機能材料事業で構成をしております。2017年3月期の売上はご覧の通りとなりました。

化成品セグメント実績(接着剤)

まず、接着剤につきましては海外ではアイカ・アジア・パシフィックがタイ・ベトナム・マレーシアにおける繊維盤用樹脂の需要を取り込むことができまして、好調に推移いたしました。

原材料安によります売価低下、円高による為替看板の影響から売上は減少しておりますが、生産量は大きく伸びております。

国内におきましては、合板向けの接着剤が好調に推移いたしました。

アイカSDKフェノール、ASPとここでは略しておりますが、このアイカSDKフェノールの北関東の拠点を活かしまして、北日本・東日本での需要を取り込むことができました。

化成品セグメント実績(建設樹脂)

次に、建設樹脂です。

外装・内装仕上げ塗材のジョリパットはリフォーム市場における需要を取り込みましたが、大手ハウスメーカーのマイナス分を挽回することができず、前年を下回る結果で終了いたしました。

また、塗床剤は国際的な食品安全衛生基準・ASAPに対応しました食品工場向けの高機能床材や、住宅ベランダ向けの防水材、これが着工増の影響を受け、好調で前年を上回りました。

一方のジョリシール・ダイナミックレジンは補修・補強市場へ積極的に展開をいたしましたが、高速道路各社の発注が減少したことによりまして、前年を下回りました。

その結果、建設樹脂全体といたしましては前年を下回りました。

化成品セグメント実績(機能材料)

次に、機能材料です。

太陽電池および自動車用樹脂は自動車向けのヘッドランプ用シール材等が順調に推移し、前年を上回りました。

また、電子材料はスマートフォン向けのフィルムで新規採用を獲得しましたが、インデックスマッチングフィルムが低迷し、前年を下回りました。

一方の有機微粒子につきましては化粧品輸出関連・塗料関連が好調に推移し、前年を上回りました。

建装材セグメント実績①

続きまして、建装材セグメントです。

このセグメントは一般化粧板・化粧ボード・不燃ボード、そしてこれらへの補助部材の連続品と呼ぶ商品群で構成されております。

2017年3月期の売上はご覧の通りとなりました。

建装材セグメント実績②

建装材セグメントの主力資材でございます。

非住宅市場は需要が弱く、汎用的なメラミン化粧版や化粧ボードは前年を下回りました。

そのような状況の中、高付加価値品でございますグラフィック化粧板やオルティノ等は前年を上回ることができました。

また2015年10月より新規連結に加わりましたアイカテック建材とのシナジー商品である化粧けい酸カルシウム板、ルナライト・カラー、これは好調に推移しました。

新規連結が寄与した結果、セグメント全体といたしましては順調に推移をいたしました。

住器健材セグメント実績

続きまして、住器建材セグメントです。

このセグメントは不燃化粧材セラール・インテリア建材およびドア・カウンター・ポストフォームで構成をしております。

2017年3月期の売上はご覧の通りとなりました。

住器健材セグメント実績

まず不燃化粧材セラールですが、住宅着工の増加を受けた住宅向けのキッチンパネル用途や学校改修等の需要を取り込みまして、大きく売上が伸びました。

ドア・インテリア建材は汎用品のコスト競争力の低下、そして医療・介護施設の物件数の減少の影響を受けまして、前年を下回る結果となりました。

一方のカウンター・ポストフォームは住宅向け・非住宅向けともに好調で、前年を上回る結果となりました。その結果、セグメント全体では前年を上回る結果となりました。