2017.3期 業績ハイライト<連結>

鈴木貴子氏:本日は、お集まりいただき誠にありがとうございます。社長の鈴木です。よろしくお願いします。

まず2017年3月期ですが、おかげさまで増収増益でした。連結売上が459億円、計画に少し未達であったものの、前年比で103パーセント。

営業利益が28億円、前年比122パーセント。経常利益が29億円、168パーセント。そして最終利益当期純利益が前年比で199パーセントの18億円という結果でした。

微増収大幅増益ができると思っています。経常利益、当期純利益は、直近10年間での、最高の数字を更新しました。前期に比べ、1月から3月。年が明けてからの特に2月3月。非常に気温が低く、防虫剤の販売が例年のようにいきませんでした。

期ズレを起こしてしまい、残念ながら第4四半期少し失速しましたが、通期では消臭、芳香剤、そして手袋、カイロ、といったものの売上が伸長し、特に高単価、高粗利商品が牽引する結果、前期を上回りました。

配当は前年プラス2円の24円を予定しています。

2017.3期 業績ハイライト<連結>

業績のハイライトを見ると59億円の売上、売上原価が274億円で、売上総利益が184億円。売上総利益率が1.3ポイント改善しました。

エアケアを中心とした高単価、高粗利品が売上を牽引した結果、販売攻勢、商品ミックスがより粗利の高いものにシフトすることができました。

全社をあげてのコストダウンができた取り組みが奏功し、非常に今利益は回復基調です。売上総利益については、他に防虫剤の販売減の影響があったこと。もう1つ、エアケア、カーケア商品の大量品の処分販売を行いました。

こういったものも売上総利益のマイナスには少し影響しています。販売管理費は156億円で、業績がよかったという結果、人件費が少し増加し、商品条件以外の拡販費の増加が少し影響しています。

結果、営業利益が28億円でした。売上高営業利益率で6.2パーセントです。

2017.3期 業績ハイライト<カテゴリー別売上高>

業績をカテゴリー別にもう少し見ていきます。まず、エアケアの売上が196億円で、カテゴリーの売上としては過去最高値を更新しています。

市場全体もエアケアの市場は、車用も含めて伸長していますが、前年比で弊社は103パーセント。売上全体の構成の中でエアケアが、今43パーセントを占めております。

この消臭・芳香剤。特に高単価、高付加価値品。消臭力の中でも、プレミアムアロマといった商品であったり、シャルダンブランドの新製品がステキプラスとともに、シャルダンフレグランスという新しい商品。

こういったものも発売し、好調に推移しています。また、脱臭炭。さらにシェアが伸長し、前期比でもプラス1パーセントシェアが伸びています。

79.1パーセントで、限りなく市場シェア8割に近づいています。防虫剤は、この春シーズンの低温の影響で、1パーセント減少して89億円。

前期の春、昨年の秋は堅調に推移しています。サーモケア・カイロですが、売上57億円で、前期が記録的な暖冬でした。

結果、非常にカイロの売上が落ち込み、マーケット自体が2割落ち込みました。対してこの昨冬は、通年並みの寒さで、カイロが回復し、前年対比では116パーセントでした。

手袋ですが、ハンドケア。売上が52億。カテゴリーとしては過去最高を更新しています。前年比103パーセントで、ニトリル手袋・ハンドフルールといった付加価値の高い商品が売上を牽引しています。

国内市場のみならず、海外でも手袋は伸びたと言えます。また手袋は粗利も非常に回復しています。そして、その他ホームケアですが、ホームケアは33億円。

前年同等100パーセントで、ホームケアの中でも米当番・洗濯槽クリーナーといった代表的な商品は非常に堅調に推移しています。

米当番、お米の虫よけですが、前期差でプラス2.8ポイント、マーケットシェアが伸長しています。現在78.5パーセントで、限りなく8割に近づいています。そして最後に湿気ケア。除湿剤ですが、売上が29億円。

売上前年対比では95パーセントと5パーセントダウンしています。使い捨てタイプの商品がまだ市場では、低価格競争であり、当社はいち早く足を抜きました。

従って、売上では失った部分があります。しかしながら使い捨てではない、より利益の出るタイプにシフト。営業活動も集中した結果、利益が大幅に改善しています。

次に営業利益の増減要因をご説明します。営業利益は前期に比べ、5億1,000万円増加しています。特に増加要因のベスト3。これが前期に対し、それぞれ2倍近く伸長しています。

2017.3期 営業利益の増減要因<連結>

増加要因として、まず販売数量の増加等による増加が10億2,000万ほどです。数量が伸びただけではなく、特に数量が伸びたのは高単価、高付加価値品。

こういったものが伸び、非常に利益には好影響が出ています。2番目に購買製造原価等の低減が9億900万です。

コストカットプロジェクト、製造現場での様々な生産効率アップのための現場活動が奏功しています。そして棚卸評価損・廃棄損等の減少が1億8,100万。

前期にエアカウンターEXといった放射線測定器の処分等を行いました。その前の期は1億分ぐらいあったんですが、今期は1億8,000万で2倍近くになっています。

減少要因ですが、販売価格引き下げによる減少が5億9,000万あります。消臭力・シャルダンといった売上を牽引した商品以外のエアケアやカーケアの商品。滞留品の処分等々で5億9,000万の影響が出ています。

そしてマーケティング費の増加分で約2億800万あります。この要因は、前期まで売上割引、つまり影響外費用に入っていた部分で、卸店さんとの取引条件を変更しました。

売上割引ではなく目標達成リベートとし、売上目標をお互いに共有している目標を達成した場合にお支払いします。そういったものに変えた結果、この科目が拡販費に入り、営業費用の方に入っています。

この部分がマーケティング費の増加分で2億強出ている部分です。

そして3番目に原材料価格等の上昇が1億2,700万円。コストダウンの努力を引き続き行っていますが、円安による仕入れ品の高騰。それから原材料価格の高騰分が約1億2,000万円です。

最後、その他6億8,000万円ほど。この部分は業績がよかったので人件費が増加しています。そして、それにまつわる経費のアップ分です。

2017.3期 配当<連結>

一株当たりの純利益は83円57銭です。配当は24円を予定しています。

ここから主要カテゴリーについてご説明します。

エアケア

まずエアケアですが、高単価・高付加価値商品が伸長しました。結果、エアケアカテゴリーの売上は103.5パーセントを記録しました。

新製品で貢献しているのが、消臭力のプレミアムアロマ。通常品よりも3割強単価が高い商品ですが、中でもこの3月に発売した、消臭力プレミアムアロマのアーバンロマンス。モダンエレガンス。

ピンクとパープルの2つの商品があるんですが、4月を過ぎても欠品を起こしているぐらい非常に今売れております。パッケージのデザイン。それから香りとも、今トレンドの上質な柔軟剤のトレンドのパッケージデザイン。香りのクオリティ。

やはり女性のお客さまから非常に支持を得て、引き続きこの71期に入っても、売上が伸長しています。まだ当面、高付加価値・高単価品の伸長トレンドは続くと見ています。

一方ではそれ以外のベーシックな既製品、それから車用の芳香剤で一部不振な商品があり、処分をしております。高単価品が増えたことで、エアケア全体の平均単価は、3円近い2円60銭平均単価がアップしています。

衣類ケア

それから衣類ケア・防虫剤ですが、その前の秋、春までは防虫剤は堅調でした。右側のブルーで網がけしている部分がこの春シーズンです。100パーセントを割っております。

93.6パーセント。89.4パーセントと、この春シーズンはずっと前年割れで推移してしまいました。この春需要期が、次の期にズレこみました。第4クォーターで少し失速してしまった原因です。

一方、マーケットシェアに関しては、防虫剤のシェアが引き続き伸びています。50パーセント越えは続いており、引き続き市場の中でドミナントな位置づけは保っています。

防虫剤ですが、粗利に関しては返品が大きく改善したこと、設備償却の部分が減少したことで、利益は大幅に改善しています。

新製品として、この春ムシューダ圧縮パックという商品を発売しています。これまでの防虫剤という狭い括りではなく、このパックの口元に掃除機を当て、中の空気を吸います。

そうすると収縮され、お洋服が縮小されます。お宅でも収納スペースを有効に使え、その中に脱酸素剤が入っており、虫が生きていけません。収納スペースを省略しつつ、同時に防虫もできるという商品を発売しています。

防虫にそれまで興味がなかった若い方や、収納スペースが足りなかった方が、防虫に目覚めていただけるような。マーケットを拡大する新製品の発売も、防虫剤のトップメーカーの責任とし、今後継続的にやっていこうと考えています。

サーモケア

サーモケア・カイロですが、カイロは前のシーズンが記録的な暖冬で、非常に市場全体が冷え込んでいました。今期はおかげさまで11月から例年通りの冷え込みとなり、回復傾向です。

グラフは月別の販売金額の前年比を示していますが、このシーズンは100パーセント越えで推移しています。

湿気ケア・ハンドケア

湿気ケアとハンドケアにつきまして、まず湿気ケア。除湿剤ですが、使い捨てタイプが依然価格競争が厳しい状態が続いています。

そこからいち早く足を抜いた当社として、売上は5パーセント前期に比べて、マイナスとなっています。しかし、そこにシートタイプと呼ばれるクローゼットの中、引き出しの中などに入れてお使いいただける除湿剤。

これは利益が高い商品になっており、営業活動をシフトしています。同時に、防虫剤のトップメーカーで、売り場の支配力があります。

この防虫剤はクローゼットの中で使うもの、引き出しの中で使うもの、使う場所は同じです。同じ売り場に並べて一緒に販売すると、このシートタイプは非常に伸びます。

アイトラッキングというマーケティングの調査で使う特殊なメガネをかけ、消費者の方々に調査をしています。結果を商談に活用してこの2つを一緒に並べると、シートタイプが非常に売れます。

防虫剤の売り場の中にこのシートタイプが入っている状況です。粗利の方は10パーセントプラスです。

ハンドケア、手袋ですが、仕入れ先をいくつか見直し、よりリーズナブルなコストで生産できるところに変えています。商品の中でも、利益の低い商品はディスコンにし、より利益の高い商品にシフトする。

こういうことを行った結果、売上も3パーセント伸び、粗利は7パーセント伸びています。また、手袋は海外も好調で、台湾の関係会社からエステー売りだけではありません。台湾から直接アメリカへ輸出する手袋も順調に伸びています。

グローバル強化

海外の市場のお話ですが、為替の影響を除けば海外ビジネスは堅調に推移しています。グラフは海外売上高の推移ですが、2016年3月期に、海外売上高比率が少し落ちています。

しかし、今期は回復して海外売上比率も伸び、今7.3パーセントまできています。早急に10パーセントを目指したいと考えています。

単体で18億6,000万の売上と前年比90.7パーセントで、やはり為替の影響があります。市場として大きいのは、欧州向けの特に手袋ですが、構成比で38パーセント。

こちらも前年比92パーセントで、業務用は堅調でしたが、B to Cの手袋の部分で少しダウンしています。その次の市場が、アメリカとアジアがほぼ並んで25パーセントずつです。

アメリカでは手袋や脱臭炭は堅調に推移しましたが、車用の芳香剤が少し伸び悩み、前年比で92パーセント。アジア向けはタイや台湾、マレーシアなどは堅調ですが、それ以外の地域がダウンいたし、前年比で96パーセント。

最後にその他の地域では中東・インド・ロシアなどが低調に推移した結果、前年比で74パーセントに終わっています。

コスト削減の状況

売上原価率ですが、前の期が61.1パーセントだったものが、今期は59.8パーセントと、1.3ポイント改善しています。1つは、高粗利な商品にシフトした商品ミックスの変化です。コストダウンの取り組みは、コストカットプロジェクトです。

部門横断型のプロジェクトを毎月会議でおこなっています。関連する部門のキーパーソンが全員集まり、全商品の原価構成を確認し、分析し合いながら、長大なる工程表を作って、1つ1つコストダウンに順次取り組む壮大なプロジェクトです。

終わりのないプロジェクト。みんな楽しみながらやっています。これがコストカットプロジェクトです。もう1つは生産現場で、ラインの効率をあげる活動を3工場が競い合うようにやっていますり

これも毎月3工場のキーパーソンが持ち回りで、それぞれの工場の現場でやっています。いわゆるチョコ停という工場のラインがちょっと停まり、その原因をちょっと解決すればすぐまた動き出すようなこと。

もっとひどいのはドカ停で、機械メーカーさんをお呼びしないと直りません。チョコ停の分析、対策を立てることがラインの生産効率をあげるのに非常に有効な手段です。

そういうところに踏み込み、毎月生産効率のアップをおこなっています。

高収益体制の確立

今期非常に良かった点として、あらゆる無駄の排除という長い名前のタスクフォースがあり、部門横断型に行っています。無駄の代表選手を撲滅することをモットーに掲げ、活動しており、前期に対し、1年間でSKUの数にして約1割減。

そして在庫が約2割減。返品も2割減で、非常に大きな成果が出ています。SKUは減れば減るほど良いというものではなく、1品あたりの効率を高める為に行っている活動です。

今後はこういったものが増えない仕組みづくりに取り組んでいこうと思っています。過年度を総括すると、何と言っても2年前に組織を大きく変え、事業マトリックス制という新しい仕組みにしました。

これにより、事業ごとの利益が明らかになり、各事業部で利益を高める為に、責任を持って動くようになりました。スピード感も出て、非常に利益が出るようになりました。これでV字回復と言えると思いますが、利益を大きく改善することができました。

以上です。