2017年3月期 決算の概要

東和浩氏(以下、東):みなさん、おはようございます。本日は大変お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

それでは、3ページに決算のポイントを記載させていただいておりますので、こちらをご覧いただければと思います。

親会社株主に帰属する当期純利益は1,614億を計上しています。前期比で223億円、12.1パーセントの減益です。目標と比べると86億円の減益になります。

実質業務純益は568億円の減少、与信費用が433億円の改善になりました。実質業務純益の減益要因について少しご説明をさせていただきたいと思います。

残念ながら、トップラインが564億円、約9.1パーセントの減少になりました。その中身ですが、国内の預貸金利益については計画線ですが、前期比で250億円の減益と、利ザヤの縮小が続いているということで、残高増加のほうで一部補完していますが、結果としては減益になったということです。

市場部門は、昨年はとくに後半で変動性が高い相場環境とボラティリティの高い相場環境になりました。債権関係損益の積み上げが想定を下回ったということで、前期比251億円の減益になっています。

また加えて、不安定な相場環境の中で、金融商品販売も伸び悩みました。ただし、2月から取り扱いを開始した「ファンドラップ」は順調で、期末にかけて投信の月次取り扱いも前年比プラスに転じております。

経費につきましては、外形標準税等の増加要因もありましたが、引き続きローコストオペレーションに取り組んでおりまして、ほぼ前年同水準を維持しています。

資本政策においては期初の方針どおり、第6種優先株式を昨年の12月に取得、償却をいたしまして、普通株式の1株当たりの配当を2円の増配とさせていただきました。

業績目標は後ほどご説明させていただきますが、当期純利益レベルで1,500億円とさせていただいております。

また最後に第5種の優先株式について、関係当局の確認を前提として今期中の取得、償却を目指しているということです。

普通株式の1株当たりの配当につきましては、その取得、償却を先送りする形で1円増配ということで20円とさせていただくということで、2年連続の増配とさせていただく予定です。

貸出金・預金の平銭・利回り

6ページをご覧いただきたいと思います。貸出金の平残と利回りの状況です。今年度の計画について少しコメントをさせていただきます。

前期の貸出金平残からです。国内の総貸出は前期比で1.44パーセントの伸びです。これは平残であります。ほぼ計画のインラインということです。

コーポレート部門はプラス1.10パーセント。コンシューマー部門は1.96パーセントで、ともに増加しているということです。

(スライド)右上の折れ線グラフのさらに上、メインターゲットにしている中小企業の貸出金を数値で記載させていただいています。平残で3.9パーセントの伸びということで、引き続いて強い伸びを確認しています。

なお、社内管理ベースで、設備資金の伸びですけれども、5パーセント程度ということで、高い伸びとなっていることが確認されています。今期も厳正な審査のもとで、総貸出ベースで1.17パーセント程度の伸びを想定しています。

前期の貸出金利回りは前期比で13ベースポイントの低下ですが、一応計画で見ていたインラインということであります。

この内訳ですが、法人貸出における競争要因で4ベースポイント程度、それから2点目としましては、住宅ローンの金利の低下で5ベースポイント程度、それから3点目として、主にマイナス金利で発生したと見られるTIBORの低下の影響で3ベースポイント程度と分析をしております。

預金金利の低下もございましたので、利鞘につきましては11ベースポイントの縮小というかたちです。

今年度の計画につきましては、信用金利の低下も一巡していると見ておりまして、貸出金利回り差で8ベースポイントの低下と考えております。

フィー収益

9ページをご覧いただきたいと思います。フィー収益について補足をさせていただきます。

前期の連結フィー収益につきましては1,606億円ということで、前期比で80億円、4.7パーセントの減益という形になりました。フィー収益比率については28.5パーセントであります。

昨年はブレグジットや米国の大統領選挙で相場が大きく変動したわけですが、そのような中で、お客様の投資行動が非常に慎重になったということで、投信の販売手数料や保険収益が大きく減少したということです。

一方で、私どもはストック型のフィーと言っておりますけれども、法人ソリューションの収益や不動産あるいは決算関連の収益は増加傾向にあります。

今後もお客様基盤の拡充と預かり資産ベースとしたフィー収益の強化を目指してまいりたいと考えております。

金融商品販売につきましては、もうすでに販売目標ではなくて、預かり資産の残高というものを目標にする運営に変更しております。

引き続きフィデューシャリー・デューティーのポリシーに従って運営をしていきたいと考えております。

中経機関の最終年度には、フィー収益比率で35パーセントを目指しているわけですけれども、今年度中にも30パーセント台の達成を目指していきたいと考えております。

与信費用、不良債権

12ページは与信費用と不良債権の状況です。

左側のテーブルでありますけれども、前期は連結ベースで、前年の258億円の費用発生から174億円の戻し入れに転じております。

新規発生が過去最低水準にとどまったということに加えて、力を入れている再生成長支援の方も含めて改善が見られたということが、この新規発生が最低水準だったことにつながったと思います。

今期は貸出のポートフォリオ全体といたしましては、引き続き懸念を抱くような状況にないということでありますけれども、さらなる戻し入れについては見込みにくいと考えておりまして、連結ベースで135億円の費用、4ベースポイントから5ベースポイント程度の費用発生と見ております。

なお、右側にチャートがありますけれども、銀行合算の不要債権比率につきましては0.16パーセント減少しておりまして、1.35パーセントということで過去最低水準を更新しているという状況です。

有価証券

13ページをご覧いただきたいと思います。有価証券ポートフォリオの状況です。

その他有価証券の評価差額が5,554億円、前年3月比と比べて952億円の増加になりました。

国債残高は前年対比で2,200億円の減少ということで、短期債の減少が続いておりまして、デュレーションは長期化しておりますけれども、ベースポイントバリューのコントロールをした運営を継続しております。

米国債の金利の上昇を受けまして、外国証券の評価差額が12月末時点では127億円でございましたけれども、第4クォーターでポートの入れ替えを実施しておりまして、3月末までには65億円まで縮小しております。

現状、足元でもさらに縮小しておりまして、今期の運営には影響はないと見ております。

右側の政策保有株式でありますけれども、他行に先駆けて削減してきた経緯がございます。

中期的にTier1対比で10パーセント台に削減するという方向であります。

具体的には、昨年度から5年間で350億円程度の削減をする計画で、前期は取得原価ベースで31億円の削減を実施しているということで、ほぼ計画どおりの進捗です。

自己資本比率

次のページが自己資本比率になります。

ホールディングの連結ベース、国内基準の自己資本比率は11.69パーセントという結果になっております。

昨年12月の第6種優先株式の取得、それから旧適格資本でございます劣後債の償還等を主因に自己資本が減少いたしました。

リスクアセットの増加は貸出金の残高の増加が主な要因であります。

それから右側の国際統一基準の数値ですけれども、後ほどご説明させていただきますが、中計では9パーセントをターゲットということでお示しをさせていただいております。

これは有価証券評価差額金の除きの数字であります。有価証券評価差額を除いたTier1比率で、8.59パーセントという結果になっています。

2018年3月期 業績目標

次のページは、今期の業績目標です。

ホールディングの連結での最終利益で1,500億円。前期比で114億円、7パーセントの減少とさせていただきました。

連単差は190億円とほぼ前年同水準です。

下段の銀行合算ベースの表をご覧いただきますと、業務粗利益は前期比で38億円の増加、増益を目指してまいりたいと考えております。

それから先ほどご説明しましたとおり、利鞘の縮小については8ベースポイントということで見ておりまして、資金利益につきましては130億円程度の減益を想定しております。

一方で、フィー収益につきましては100億円程度の増加を見込んでおります。

ファンドラップを中心とした金融商品の関連、それから法人ソリューション収益の増強といった分野を、さらなる伸びを見せていくということで取り組みを強化していきたいと考えております。

その他業務粗利益につきましては、前期苦戦した債権関係損益の反動増がありますので、この点については70億円程度の増益を見込んでおります。

それから経費ですが、戦略的な投資を続けながら引き続きローコスト運営を徹底するということで、前年実績の内側に抑えていく計画です。

業務純益以下では、株式等関係損益の改善を見込む一方で、与信費用については先ほどご説明をさせていただいたとおり、反動減とする組み立てです。