連結対象会社(前期末対比)

加藤俊晴氏:みなさまこんばんは。昭和電工CFOの加藤です。よろしくお願い申し上げます。みなさまには平素より当社の企業業績にご注目いただき、厚く御礼申し上げます。

それでは2017年第1四半期決算の概要についてご説明申し上げます。

連結子会社数は前期末から2社増加の50社です。当期は化学品セグメントの機能性化学品事業で中国子会社を新たに2社連結しています。

1社は珠海に建設を進めておりました自動車向けBMC新工場が稼働し、昭和電工新材料(珠海)有限公司として連結しました。

もう1社の上海肖瓦高分子商貿も、珠海の稼働に関連し、同じく自動車向けBMC等の材料、製品の販売拠点として連結しました。

なお2社の当第1四半期への影響は、稼働直後ですので軽微です。持分法適用会社数の増減はなく、12社です。

為替レートは1月から3月の平均で113円64銭と前期の115円45銭に比べ、1円81銭の円高となりました。また資産、負債の評価に用いる期末レートは12月末の116円49銭から、3月末は112円19銭と4円30銭の円高となりました。為替感応度は為替予約を除くと1円、円高で年間5億円の営業減益要因となりました。

国産ナフサ価格は原油価格が小幅に上昇したことに伴い、キロリットル当たり4万1,800円と前年同期の3万4,300円と比べ7,500円。21.9パーセントの上昇となりました。上期予想売込は4万300円です。

アルミのLME価格は中国における生産の削減などを背景にアルミ地金の需給がタイト化し、前年同期のトン当たり1,515ドルから1,854ドルと22.4パーセント上昇しました。割増金は昨年の第1四半期がトン110ドル。第4四半期は75ドルに対し、当第1四半期は95ドルとなりました。

円建実勢価格は1月から3月の平均では前年同期のトン当たり23万1,000円に対して、26万5,000円と3万4,000円。14.7パーセントの上昇となりました。

連結業績の概要

3ページをご覧ください。2017年第1四半期の連結業績の概要を示しています。

売上高は1,832億円と前年同期比1,560億円に比べ272億円。17.4パーセントの上昇となりました。詳細は5ページでご説明しますが、主に石油化学セグメントにおける原料ナフサ価格の上昇に伴う製品価格の上昇と、3アロマの連結子会社化。エレクトロニクスセグメントにおけるハードディスクの数量増における影響があり、増収となっています。

営業利益は197億円と、前年同期の29億円から168億円の増益となりました。197億円の四半期営業利益は2004年に四半期決算制度が始まって以降、第1四半期としては過去最高です。

四半期営業利益全体で見ても、2017年第4四半期、同第2四半期についで3位となります。

詳細は6ページでご説明しますが、とくに石油化学セグメントは大幅増益になったのをはじめ、エレクトロニクスなど5セグメントが増益となりました。

経常利益は177億円と前年同期の17億円に比べ、160億円の増益となりました。

営業外損益は、持分法による投資利益は3アロマは昨年下期の連結子会社化で外れたものの、石油化学の関連会社が市況改善と高稼働により、業績が向上し、前年同期並となりました。

為替差損は海外子会社の米ドル建資産の評価により、11億円増加しました。これにより営業外損益は総じて8億円の費用増加となりました。

特別損益は、大きな動きはございません。法人税等については利益の増加に伴い、25億円増加し、13億円となりました。四半期純利益は137億円増益の150億円となりました。

非支配株主に帰属する四半期純利益は前年同期比1億円の増加となり、これにより親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比136億円増益となる146億円となりました。

特別損益の内訳

4ページをご覧ください。特別利益は、大きな項目はありませんが、昨年同期に比べ2億円増加しました。特別損失は前年同期比1億円減少の16億円を計上しました。こちらも第1四半期では、大きな案件はございません。

連結売上高差異内訳

5ページをご覧ください。連結売上高をセグメント別に示しています。前年同期に比べ、石油化学をはじめ全セグメントで増収となりました。

石油化学セグメントの売上高は前年同期比217億円増収の646億円となりました。オレフィンは、一連プラントはフル稼働が続きました。昨年3月はポリエチレンやスチレンモノマーなどの誘導品の定期修理が重なりましたが、当期はこれらの定収がなく、販売数量は増加しました。

売上高は原料ナフサ価格の上昇を受け、エチレン、プロピレンの市況が上昇するとともに、ブタジエン、ベンゼン市況の高騰を受け、C4留分、分解ガソリンの価格も上昇したため、増収となりました。

有機化学品は酢酸ビニル、酢酸エチルの数量増と市況改善により増収となりました。昨年下期より連結子会社とした3アロマの売上計上があり、大幅な増収となりました。

化学品セグメントの売上高は前年同期比12億円増収の333億円となりました。基礎化学品事業はアクリロニトリルの市況上昇、クロロプレンゴムの輸出数量増により増収となり、情報電子化学品事業は電子材料用高純度ガスが、メモリー、液晶向けに出荷が増加し、増収となりました。

機能性化学品事業は国内自動車向け出荷が堅調で、小幅増収となりました。産業ガス事業は高水準な出荷が続いたものの、小幅減収となりました。

エレクトロニクスセグメントの売上高は前年同期比34億円増収の297億円となりました。ハードディスクはPC向けメディアの出荷減が前期で底をうち、増加に転じるとともに、サーバー向け出荷は順調に増加し、メディア出荷は前年同期比約35パーセントの数量増となり、増収となりました。

化合物半導体、レアアース磁石合金は昨年同期並となりました。また、当期からエレクトロニクスセグメントに移管したリチウムイオン電池材料は、中国の補助金政策の変更による電池業界の混乱があり、中国向け輸出が減少し、減収となりました。補助金政策は段階的に明確になりつつあり、顧客の電池生産も4月から徐々に回復しつつあります。

無機セグメントの売上高は前年同期比7億円の増収となる131億円となりました。セラミックスは鉄鋼研削用、電子材料向けの販売数量が増加し、増収となりました。黒鉛電極は鉄鋼業界の増産傾向を受け、出荷が小幅に増加し増収となりました。

アルミニウムセグメントの売上高は前年同期比16億円増収の236億円となりました。アルミ圧延品は、コンデンサー用高純度箔は、国内エアコン産機向け、車載向けの出荷が増加し、中国南通子会社の出荷増もあり、増収となりました。

アルミ機能部材は鉄道車両向け出荷が増加し、増収となりました。アルミ缶はベトナムのハナキャン社の数量増により、増収となりました。

その他セグメントの売上高は昭工通商が小幅増収となり、前年同期比6億円増収の320億円増なりました。

連結営業利益差異内訳

6ページをご覧ください。連結営業利益をセグメント別にお示ししております。

第1四半期の営業利益の上期予想対比の進捗率は68パーセントとなっています。石油化学セグメントは前年同期比91億円増益の106億円となりました。

オレフィンはアジアでの堅調な需給を背景に、当社エチレンプラントは高水準の稼働を続け、エチレン、プロピレンはタイトなアジア需給を背景に市況が上昇し、高いスプレッドを維持するとともに、C4留分、分解ガソリンの市況が改善し、大幅に増益となりました。

有機化学品は酢ビ、酢エチともにフル稼働が続き、数量増で増益となりました。また3アロマの連結子会社化の利益供与もありました。

化学品セグメントは前年同期比6億円増益の31億円となりました。基礎化学品事業は、アクリロニトリルは市況上昇。クロロプレンゴムは輸出数量増で増益となりました。

情報電子化学品事業は、メモリー、液晶向け、高純度ガスの数量増により、増益となりました。産業ガス事業は高水準ながら、小幅減益となりましたが、機能性化学品事業は国内自動車向けの出荷増で小幅増益となりました。

エレクトロニクスセグメントの営業利益は前年同期比41億円増益の60億円となりました。ハードディスクは、第1四半期は出荷数量が増加し、コストダウン効果の権限もあり、増益となりました。

化合物半導体は前年同期並となりましたが、レアアースは棚卸資産簿価切り上げの影響が、前年同期に比べ改善し、増益となりました。リチウムイオン電池材料は、補助金政策変更による電池業界の影響を受け、中国向けの出荷が減少し、減益となりました。

無機セグメントは前年同期比19億円増益の1億円の損失となりました。セラミックスは電子材料向け数量増により小幅増益となりました。黒鉛電極は出荷増と水力発電所更新効果により、増益となりました。

アルミニウムセグメントの営業利益は前年同期比13億円増益の15億円となりました。アルミ圧延品は、コンデンサー用高純度箔は、国内、中国南通それぞれの出荷増により、増益となりました。

アルミ機能部材は鉄道車両向けなどの数量増により、増益となりました。アルミ缶はハナキャン社の数量増により、増益となりました。

その他セグメントの営業利益は、ほぼ前年同期並となりました。

連結貸借対照表

7ページをご覧ください。3月末の総資産は、主に昨年末が銀行休日のため、期末休日差などにより、売上債権は減少したものの、現預金、棚卸資産が増加し、前期末に比べ83億円増加の9,410億円となりました。

負債は、仕入債務の減少等により、前期末比77億円減少の6,138億円となりました。純資産の部は四半期純利益の計上により、利益剰余金が増加し、前期末比160億円増加し、3,272億円となりました。

総資産・有利子負債・D/Eレシオ・自己資本比率

8ページをご覧ください。有利子負債は前期末比30億円増加の3,630億円となりました。D/Eレシオは前期末比0.05ポイント改善し、1.11倍となりました。自己資本比率は33.3パーセントと1.5ポイント改善しました。

(ご参考)四半期別連結営業利益推移

9ページは四半期ごとの推移をお示ししております。先ほどもご説明したように、第1四半期としては、過去最高の197億円となりました。

(ご参考)セグメント別営業利益推移

10ページから12ページは、セグメント別営業利益の推移を四半期ごとに棒グラフでお示ししております。

2016年12月期決算等発表の遅延について

13ページは2016年度決算遅延と6月予定の株主総会に関する事項をまとめております。

今後の予定といたしましては、5月11日を基準日とする株主総会を6月27日に開催し、2016年12月期の計算書類を報告するとともに、一株当たり30円の配当を実施することをお分かりいたします。

セグメント別トピックス

14ページから15ページには、セグメント別にトピックスを掲載してりますので、後ほどご覧いただけたらと存じます。

以上、ご説明いたしましたように、当第1四半期の業績は総じて上期予想に対し、順調に推移しており、予想の達成に自信を深めております。超過達成に向け最大限の努力を図って参ります。

以上で私からの説明は終了いたします。ご清聴ありがとうございました。