2017年 第1四半期 決算概要

稲田晴久氏:稲田でございます。よろしくお願いいたします。それではさっそくわたくしから2017年度第1四半期決済についてご説明させていただきます。

2017年度 第1四半期実績 為替影響を受け減収、営業利益は増加

売上高は3,105億円、営業利益は161億円、四半期純利益は68億円となりました。為替相場が前年同期に比べて円高に推移した影響を受け、売上高はわずかに減収となりましたが、営業利益、四半期純利益は増益となりました。

各エリアで事業基盤の強化に取り組み、2017年度の目標でもある上場来5期連続の増収増益の達成に向け、順調なスタートを切ることができたと考えています。

2017年度 第1四半期実績 セグメント利益は、日本とアジアが牽引

ここではエリアごとの売上高、セグメント利益を掲載しています。国内セグメントは、売上高が1.0パーセント減、セグメント利益が22.2パーセント増となりました。

国際セグメントは、売上高が1.1パーセント増、セグメント利益が14.3パーセント増、為替中立ベースでは、売上高が4.9パーセント増、セグメント利益が20.3パーセント増となりました。

セグメント利益は日本とアジアが牽引しました。詳しくは次のページからご説明します。

国内セグメント 第1四半期実績 収益性重視の取組みが奏功し、増益

まず国内セグメントです。売上高は1.0パーセント減の1,896億円となりました。売上数量は1パーセント増えましたが、単価の低い大容量商品が伸びたことなどから、売上高はわずかに減収となりました。セグメント利益は22.2パーセント増の87億円となりました。生産コスト削減や、販促費の効率的な投入により増益となりました。

国内セグメント 第1四半期実績

第1四半期の国内セグメント利益について、増減要因に沿って説明します。売上数量は市場並みの1パーセント増となり、6億円の増益要因となりました。天然水、ボス、伊右衛門などの主要ブランドを順調に伸ばすことができました。

3月に本体をリニューアルした伊右衛門は計画通りのスタートを切ることができ、第1四半期で10パーセント増と大きく伸長しました。

商品構成は6億円の減益要因となりました。昨年販売した高単価のブラッドオランジーナの反動もあり、商品構成が悪化しました。容器別では500ミリリットルペットボトルは微増、大容量ペットボトルは一桁半ばの伸びとなりました。

生産コスト削減は21億円の増益要因となりました。コスト改善活動については、20億円の改善となりました。包材の軽量化や、既存設備の効率的な運用を進めました。

また、為替と市況については、合計で1億円の改善となりました。販促費、広告宣伝費は5億円の増益要因となりました。

大容量ペットボトルの数量は増えましたが、過度な価格競争に踏み込まず、効率を意識した費用投入を行いました。その他は10億円の減益要因となりましたが、人件費や事業税などが増えたためです。

国内セグメント 商品戦略

2月の決算説明会では詳しくお話できなかった2017年の商品戦略について改めてご説明します。今年は基幹ブランドの強化、および新たな価値提案に注力する方針です。

基幹ブランドの強化では、3月に伊右衛門、オランジーナに続き、5月9日にはサントリー烏龍茶のリニューアルを予定しています。

いずれも各ブランドの持っている価値を高めるため、中身、パッケージを大きく進化させました。その価値をお客様に伝えるためのマーケティング活動にも積極的に取り組んでまいります。

新たな価値提案については、新商品を2つご紹介いたします。1つは4月4日に発売しましたクラフトボスです。仕事をしながら時間をかけてコーヒーを楽しみたい、一日中持ち運びたい、という現代のオフィスワーカーに向けて、ペットボトルのボスを開発しました。

もう1つは、4月25日に新発売したサントリー天然水PREMIUM MORNING TEAレモンです。透明なレモンティーという新たなカテゴリーを創出し、新規需要の獲得を目指します。

そして、今後さらなる新商品の発売も計画しています。これらを武器に最盛期の活動を強化し、年初に掲げた市場を上回る成長を目指します。

欧州 第1四半期度実績

次に、国際セグメントについてエリア別にご説明します。7ページをご覧ください。国際セグメントについては、為替中立ベースでご説明します。まずは欧州です。

売上高は5.1パーセント増、セグメント利益は0.8パーセント増となりました。昨年苦戦したフランスでは小容量商品への注力や、積極的なプロモーションの展開により、OranginaとOasisが伸長し、増収となりました。

英国においても、Lucozade Sportの好調が寄与し、増収となりました。スペインでは天候不順による業務用市場の減速により、Schweppesの販売が前年を下回り、減収となりました。

セグメント利益はスペインの減収影響や、アフリカなど新興国への投資もあり、微増となりました。

アジア 第1四半期実績

売上高は7.4パーセント増、セグメント利益は50.7パーセント増となりました。ベトナムはわずかに減収となりましたが、昨年後半から続いていた市場原則が底揺れし、当社も回復傾向にあります。健康食品事業は、大幅な増収となりました。

タイで新たなディストリビューターを活用し、店舗への配荷力を高めたことに加え、旧正月向けの出荷の前倒しもあり、Essence of Chickenの販売が好調に推移いたしました。

オセアニア・米州 第1四半期実績

最後にオセアニアと米州です。9ページをご覧ください。オセアニアでは売上高がわずかに前年同期を下回りましたが、主力のエナジードリンクVやスポーツ飲料Maximusの販売が堅調でした。米州では非炭酸カテゴリの販売が伸長し増収となりましたが、原料市況の悪化により、減益となりました。

ここまでエリア別にご説明させていただきましたが、総じて順調なスタートを切ることができたと考えています。

なお、昨年4月の地震により操業を停止したサントリー九州熊本工場ですが、本日缶飲料の製造を再開しましたので、ご報告いたします。また、ペットボトル飲料につきましても、5月に製造再開を予定しています。

これから最盛期を迎えますが、年初に掲げました経営方針に沿った活動を継続し、年間の家業利益980億円の達成を目指してまいります。私からの説明は以上でございます。