グローバル販売台数

市橋保彦氏:本日はお忙しい中、お越しいただきましてありがとうございます。まずはじめに17年3月期の決算を総括して申し上げます。

16年度の実績は、このスライドに示す通りでございます。16年度は、日本国内での販売台数は、6万6,815台でしたが、これは過去最高の販売台数となりました。

海外販売は、過去最高とまではいきませんでしたが、昨年を上回ることができました。グローバルな販売台数は17万4,409台となり、これも過去最高となりました。

損益面では、売上高1兆6,837億円、営業利益は712億円、純利益は494億円となりました。前年と比較いたしますと、販売は比較的好調に推移した一方で、為替の円高、将来の成長に向けた費用負担増、あるいはトヨタ向け出荷の減少などマイナスの影響があり、減収減益という結果となりました。

配当につきましては、本年1月に公表しました見通しを上回ったことなどを踏まえ、前回の予想に対しまして、4円増配の15円とし、中間期の配当と合わせた年間では26円とさせていただきたいと考えております。

続きまして、今期の見通しについて申し上げます。今期は国内外で販売増を計画しております。国内では、先日発表しました新型車の積極的な販売。海外ではインドネシアをはじめ、回復基調にあるマーケットなどで、着実に販売を積み上げていきたいと考えております。

連結損益の状況

また、損益の見通しについてですが、まず今期も古河工場の償却費の本格発生などの負担増に加えて、今期材料市況が大きな減益要因となる恐れもあるということもありまして。

今申し上げました日本内外での販売の積み上げと、古河工場の効果も含めた原価改善を通じて、そういう中で、増収減益ということとし、売上高は1兆7,200億円、営業利益で750億円といたしました。純利益は500億円の見通しです。

なお配当については、持続的成長に向けた投資と、財務体制改善を並行しながら、従来通り配当性向を約3割を目安としまして、前期と同額の26円とさせていただきたいと考えております。

先日、新型日野プロフィアと日野レンジャーを発表しました。ドライバー不足の問題が年々深刻さを増しているなか、ライフラインのひとつである物流を支えるためには、メーカーとしても人材の確保や定着に向けて、取り組むべき課題は多いと認識をしております。

新型車はドライバー・事業者・あるいは荷主。それぞれに優れた車づくりを目指して開発をいたしました。そして運転の負担軽減や快適さの向上、燃費性能の向上、安全装備の充実、そしてアップタイム最大化となると、トータルサポートを目指したICTサービスの導入など、日野の渾身の車に仕上げることができたと思っております。

現在流れておりますテレビコマーシャルのキャッチフレーズである「社長、こいつに乗せてくれ!」のとおり、すべてのドライバーが乗りたくなるトラックになるのではないかと思っております。

発表以来、各地でお客様向けの発表会を行っております。大変多くのお客様にご来場いただき、試乗していただいており、高い期待と評価をいただいています。

この新型車は、本年年初より全面稼働を開始した古河工場で生産をします。車両生産は年内にすべて日野工場から古河工場に移管する予定であり、この工場移転を引き続きしっかりとやり切り、投資効果を確実なものとしていきたいと考えております。

日野は、車両関連は古河工場、ユニットを新田工場と、工程を再編を通じて生産体制を最適化することにより、生産性を向上しながら、同時に台数の増減に対する柔軟性を高める一方、的確商品の開発等合わせて、お客様の多様なニーズを満たすよい商品の提供を短いリードタイムでお届けすることをこれからも徹底的に追及してまいりたいと考えています。

最後に、将来に向けた日野のチャレンジについて少し申し上げたいと思います。昨今、自動車産業を昨今、自動車産業を取り囲む環境は激変し、技術革新の大きな波が押し寄せており、中でも自動運転の実用化への関心が高まってきております。

日野は、高度安全運転支援技術を追求していくことが、自動運転技術の確立につながると考えており、より安全・安心・便利な商品のために、これまでにも取り組んできた先進技術の開発をさらに進めていきたいと思っております。

様々な要素技術の開発は、一社の技術力ではなしえません。日野はトヨタグループに属するシナジーだけでなく、官民一体となった幅広い取り組みなども実用化に向けては重要と考えており、積極的に技術開発を進めてまいります。

そして、将来は物流の効率化に向けて、お客様の困りごとやニーズにタイムリーに対応できるような、新たな付加価値を提供していきたいと考えております。

また、環境技術についても、四半世紀の実績をもつハイブリッド車や、その技術の応用に加え、EV、燃料電池車といった電動車の技術開発も引き続き推し進め、適材適所でタイムリーな商品の提供をしていこうと考えております。日野はこれからも、足元と未来を見据えながら、持続的成長に向けたチャレンジを続けます。

生産体制の最適化と的確商品の開発につきましては、今月初めに大・中型トラック新型車の発表に続き、小型トラックの商品力強化なども含め、着実にこれからも進めていきたいと考えております。

よい商品とトータルサポートで、お客様のビジネスを支え、お客様と共に成長していく。日野は、これからもそういう会社であり続けたいと考えております。

以上でわたくしからのご挨拶とさせていただきます。ご清聴、どうもありがとうございました。

司会者:それでは決算の説明に移りまして、梶原専務役員お願いします。

グローバル販売台数

梶川宏氏:梶原でございます。それでは17年3月期の決算について、詳細をご説明いたします。まずはグローバルの販売台数でございます。国内外合わせた16年度のグローバルの販売台数ですが、17万4,400台。前年同期に比べては6,800台の増加となりました。国内・海外ともに増加をし、過去最高を更新するということです。

国内につきましては後ほど詳細をご説明いたしますが、海外につきましては中近東・アフリカ、こういった産油国での減少を、アジア・中南米、こういった地域でカバーし、3期ぶりの増販となっております。

国内トラック・バス市場の状況

次に国内の市場についてご説明します。16年度の大型トラック・小型トラック・バス合わせました総需要ですが、21万3,998台、前年に比べて8.6パーセントの大変伸びとなりました。7年連続の前年比のプラスです。

また2006年、これは東京都の排ガス規制があった時期でございますが、これ以来の20万台を超えるという市場となりました。わたくしどもの販売でございますが、トラック・バス合わせまして6万6,815台。これも43年ぶりの過去最高の販売となりました。全体のシェアは31.2パーセントでございます。

タイ・インドネシア販売台数

タイとインドネシアの状況についてご説明します。タイにつきましては16年度の販売は1万2,868台となり、前年に比べては5パーセントの増加でございます。タイにつきましては、5四半期連続で前年を上回るという状況になってきました。

市場全体で申し上げますと、輸出は依然として低調でございますが、建設系の需要、それから農業系の需要が少し回復してきたということから、足元の市場はおおむね堅調とい見方をしております。

17年度も引き続き堅調な市場が続くという見方でございます。

一方、インドネシアですが、16年度24,277台。前年同期に比べまして、16パーセントの大幅な増加となりました。

昨年の10月から特にマイニング、それから建設系の需要が活性化しております。足元での需要は活性化しておりまして、17年度も基本的には市場回復の基調が継続するという見方をしております。

トヨタ向け車両・ユニット売上

トヨタビジネスです。

車両につきましては、全体では10,554台減少の144,313台という結果になりました。羽村工場で生産をしておりますSUV、これが中近東向けがやや販売低調のことから、台数を落とす結果となりました。

一方、ユニットの方でございますが、全体としては36,478台減少の734,711ユニットというかたちになりました。

北米ではピックアップ市場が大変好調に推移しておりますので、順調に販売台数を伸ばしておりますが、タイのIMV向けのユニットにつきましては、同じく中近東向けの販売不振から台数を落とす結果となっております。

連結損益の状況

次に、連結決算の状況です。

先ほど社長の方からも話がありましたけども、売上高は1兆6,837億円、営業利益は712億円、営業利益率は4.2パーセント、減収減益の決算となりました。

以下、経常利益720億円、当期純利益494億円でございます。

売上の前提となります連結の売上台数ですが、下の表の通りでして、国内で5,700台の増加でございます。

ただ、一方で海外ですが、先ほど販売台数は上回るっていう話をしましたが、出荷については1部地域の需給調整の関係から、2,154台の減少となっております。

トヨタビジネスにつきましては1万台の減少です。

為替レートにつきましては、16年度の売上計上レートは結果的には109円のプラスで11円の円高となりました。

連結損益の変動要因

今回の決算における為替の影響ですが、売上高で583億円、営業利益で282億円というかたちでした。

為替の影響をなかれすればですが、実質的なところではほぼ昨年並みの収益をあげることができたというような見方をしております。

営業利益の変動要因でございます。271億円の減益の要因でございますが、販売面の影響でプラスの6億円、それから環境面の変化で198億円、このうち為替の影響が282億円です。

原価改善の成果が156億円、原価変動他、これ固定費ございますが235億円の増加となりました。

少し詳しくご説明いたしますが、販売面の営業の内訳でございますが、国内につきましては増販ならびにトータルサポート収益の増加ということから、33億円の増益となりました。

それから、海外事業の方でございますけども、連結売上台数は減少いたしましたが、地域ごとの採算改善ならびに為替対応の価格キャッチアップ、こういったことで43億円のプラスになりました。

トヨタ事業につきましては、台数の減少から65億円のマイナスでございます。

それから、原価変動他固定費の負担ですが、これは開発費、それから償却費の増加に加え、コア関係の移転関係の費用を計上しております。

また、労務費につきましても労働市場環境のコストアップが発生しておりますし、私ども海外の基盤、あるいは販売会社のメカニック等の人員の増加のコストアップ、こういたことを含めた数字です。

所在地別セグメント 売上高・営業利益

所在地別セグメントです。

日本のセグメントで増収ながらも237億円の大幅な減益となりました。これは国内の販売は好調でしたが、為替の影響に加え、トヨタ向けの出荷台数の減少、それから固定費の負担、こういった部分から、日本事業では減益となりました。

それから、アジアでございますが、為替の影響や、IMVの減少により、売上は大きく落としましたが、タイ・インドネシアでの採算の改善、こういった活動の成果がつながり、全体としては、増益となりました。

その他地域につきましては、アメリカの販売減による影響です。

営業四半期別売上高・営業利益推移

これは、四半期別の推移でございます。のちほど、ご参照ください。

グローバル販売台数

最後に、17年度の販売の見通しについてご説明いたします。 2017年度のグローバル販売台数の計画でございますが、日本6万7,000台、海外11万6,000台、合わせて18万3,000台。過去最高だった2016年度をさらに上回る、過去最高の数字を目指してみたいと考えています。

トヨタ向けにつきましては、現在のトヨタ自動車の生産計画に基づき、13万7,000台と計画しております。

国内の市場を少しご説明しますけれども、市場の見方そのものは、基本的には変わらないという見方をしております。2015、2016年度の全トラの市場は、少し大きめな数字だと思いますから、実勢レベルは、20万台をやや下回る水準だと考えております。

私ども、先ほどご説明しました、新型車を投入することもあり、しっかりと売りきっていくということから、昨年をわずかですけど上回る販売計画を実現していきたいとまとめております。

それから、海外ですけど、先ほどインドネシアでご説明しましたように、タイ・インドネシアの主力市場が、回復基調にあるという見方をしております。したがって、アジアの回復を中心として、去年、2016年度に比べて、約8,000台の増販を狙っていきたいということです。

連結損益の状況

結果として、2017年度の連結決算ですが、売上が1兆7,200億円、営業利益750億円、営業利益率は4.4パーセント、久方ぶりの増収増益の決算です。為替の前提は110円をおいております。

連結営業利益の変動要因(対 前年実績)

営業利益の増減要因ですが、販売面の影響で200億円のプラス。それから、環境面の変化で90億円のマイナス。このうち、材料市況の赤が110億円でございます。原価改善の成果が170億円、固定費の変動が242億円です。

販売面の影響でございますが、国内事業で、新型車の採算改善、ならびに、TS収益の拡大から、50億円の増益を見込んでおります。また、海外につきましては、販売の拡大と、市場の採算改善活動の成果、これを織り込み、170億円の増益を見込んでおります。トヨタ事業は、マイナスの20億円でございます。

それから、材料市況でございますけれども、鋼材の値上げを中心としたコストアップ、これが110億円の見通しです。それから、原価変動のところの固定費ですが、今年度、古河工場が本格的に立ち上がるということで、古河工場償却負担、これが110億円になります。

また、先ほどの新型車の投入に伴う新製品関係の費用、こういうことも含めまして、全体としては242億円の固定費の負担となります。

2017年度を考えてみますと、私ども、古河工場を本格的に立ち上げる、それから、新型車を投入するということで、こうした関係の費用が先行的に発生してまいります。

こうした費用の負担に加えて、材料市況を抱えた上で、これを、原価改善活動の成果、ならびに比較的堅調な国内の販売、それから市場が回復するアジアの販売、こうしたところを収益につなげて、なんとかコストアップを吸収して、為替を除いても増益になる、こういう計画を実行していきたいと考えております。

以上で報告を終わります。