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ユニクロ柳井氏「使命感のないビジネスは意味がない」今期営業利益+37.5%達成に向けて

ユニクロ柳井氏「使命感のないビジネスは意味がない」今期営業利益+37.5%達成に向けて

2017年4月13日に行われた、株式会社ファーストリテイリング2017年8月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお届けします。IR資料

シリーズ
株式会社ファーストリテイリング > 2017年8月期第2四半期決算説明会
2017年4月13日のログ
証券コード
9983
スピーカー
株式会社ファーストリテイリング 代表取締役会長兼社長 柳井正 氏

ファーストリテイリング今後の展望

柳井正氏(以下、柳井) 柳井でございます。よろしくお願いします。本日は、我々がどういう使命をもって商売をして、激変する市場でどのように対応して成長していくか、未来の世界においてどういう企業になりたいのかお話ししたいと思います。 まず最初に、我々ファーストリテイリングは何を目指して商売しているかお話ししたいと思います。 私たちのグループのコーポーレートステートメントは、「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」です。我々は服というビジネスで世界をよりよい方向に変えていきたいと考えています。これが我々の使命だと思います。 使命感のない、単純に金儲けをするビジネスでは意味がないと思います。私たちは本気でそういうことを考えて実行しております。 上場企業である以上、利益をあげることは必須です。利益がなければ事業を継続・拡大することは不可能です。 市場経済の仕組みのなかで拡大再生産をして、人を育成して、新しい技術や商品・サービスを創造していく。それで、世界をよりよい方向に持っていく。それが企業の使命だと考えております。そのような考え方で事業をしてまいりました。 これまでお客さまやお得意先さまはじめ、多くの人々に共感していただき、応援してもらいました。それがあったので今日までの成長が可能であったと考えております。

2017年8月期 上期実績

th_20170413_yanai 7 次に、2017年8月期上期の商売の状況についてお話ししたいと思います。 先ほどCFOの岡﨑から報告しましたように、上期は増収増益、営業利益は31.5パーセント増。海外ユニクロ事業の営業利益は65.9パーセント増の大幅増益であります。中国大陸、東南アジアの利益貢献が大きく寄与しております。 グループ全体で、経費削減が進展しております。ジーユーは上期は大幅な減益でありましたが、下期は増益に転じます。 米国ユニクロの赤字も大幅に縮小しました。引き続き事業構造改革を進めてまいりたいと思います。

2017年8月期 通期予想

th_20170413_yanai 8 通期でも増収増益を予想しております。国内ユニクロ事業は増収増益です。海外ユニクロ事業が増益を牽引します。 2月に有明オフィスが本格稼働し、新しい情報製造小売業への大展開をいたしたいと思います。なお、年間配当金は350円を継続する予定でございます。 th_20170413_yanai 9 これが2002年から2017年までのトレンドです。2017年8月期は増収増益を予想しております。

激変する世界、変化する市場でいかに成長するか

次に、今の世の中がどのように変化しているのか、我々は市場でどのように成長するのかについてお話ししたいと思います。 半導体の処理能力が過去10年間で飛躍的に増大しました。将来もこのトレンドは変わらないと考えます。 通信は5Gに入り、動画も画像も音声も、自由自在に伝えることが可能になります。メモリーはクラウドアンストレージによって無限になります。 人工知能は、アルゴリズムやディープラーニングの領域で、すでに一部人間の脳を超えた部分があります。 従来の産業はすべて高度な情報技術、テクノロジーを活用し、ハイテクかつハイタッチを同時に実現する方向に変わると信じております。 モノとインターネット間、モノとモノがつながる。モノと人がつながる。こういったIoTのある世界、これは製造業、流通業、サービス業といった業界の境界がなくなっていくと思います。

新興国で爆発するEコマース市場

新興国で、Eコマース市場が爆発しております。世界最大のEコマース市場、中国。2010年に34.3パーセントであったインターネットの普及率は、2016年6月で51.7パーセント。Eコマースの小売売上高は、2010年の5000億元から、2016年の5兆元以上と、5年で10倍になりました。 その他の新興国においても、Eコマースのめまぐるしい成長があります。 世界の成長センターで、ECにより小売業が激変しております。インドの2013年から2015年、Eコマースの小売平均成長率が68パーセント。世界の平均成長率16パーセントと比較すると、4倍以上の成長率です。2015年の130億ドルから、2020年には800億ドルの規模に成長します。 インドネシアでは、政府が11月に発表した経済政策で、EC事業の進行を国策として推進する方向性を打ち出しています。 ジョコ大統領は、2020年までに、国内EC産業の規模を1,300億米ドル、日本円で言うと13兆8,700億円にする目標を提示しております。 これはサプライチェーンの革命をもたらしていくと思います。まさに、Internet of Thingsの時代、すべての商品にICタグがついて、生産から物流も、店舗を経てお客様へ、その流れをすべて単品で把握し管理できます。 生産現場は、素材の在庫管理から裁断縫製、染めなどの作業に至るまで、自動化が急速に進みます。 商品ごとの販売量を、全社でリアルタイムで共有できます。明日どこのお店で、何が売れるのか、こういった予想も飛躍的に正確さを増していきます。 お客様と商品の企画・生産がダイレクトにつながります。すべてのプロセスが変わります。デジタルでつながった世界はもう元に戻りません。 自分がどこにいるのか、どこで商品を比較して、どこで生産し、どこで売るのか。自由自在に商売が可能な時代がやって来ました。 世界中から才能を集めて、多様性の強みを活かして、世界中でその土地のお客様に最も良い商品を提供する、それが実現できる企業になりたいと思います。 こうした世界の大きな変化に対して、ファーストリテイリングは、それを大きなチャンスと捉えて、思い切った取り組みを進めてまいりたいと思います。 その変革の取り組みは、まだまだ完全なものではありませんが、その手がかりについて説明をしたいと思います。

世界の主なSPA企業の売上高比較

まず、ユニクロですけど、引き続き世界各地で力強い支持を得ていると思います。2016年のブランド支持ランキング・ファッション部門で、香港・マレーシア・シンガポール・タイの4つの市場で第1位になりました。 中国の週刊誌『週刊中国インターネット』が実施した、中国国内における2016年有名ブランドデジタルマーケティングバリューランキングで、ユニクロは2年連続で第1位です。 th_20170413_yanai 16 ファーストリテイリングは、売上規模で世界第3位のアパレル製造小売業に成長しております。今年2月に本格稼働した有明オフィスですが、我々はこれを、「UNIQLO CITY TOKYO」と呼んでいます。世界各地から人材と情報が集まる、新たなグローバルヘッドクオーターになります。 激変する世界に対応する、そのための大胆な組織改革を進めております。職階に関係なく、全社横断のチームを作り、ダイレクトなコミュニケーションで、即断即決、即実行で、仕事を進めてまいりたいと考えております。 人工知能あるいはIoTなどの先端技術を駆使し、ダイレクトかつ双方向で、お客様とのコミュニケーションを実現し、世界各地でお客様が本当に求める商品を速やかに企画・商品化し、リアルタイムで生産し、独自の物流網でダイレクトに届ける。 全社で仕事の同期化・同時化を進めてまいりたいと思います。すべてがお客様中心、そういった組織にしていきたいと思います。 世界中でいろんな紛争とか事故とかテロとか、いろんなことがありますが、グローバル化とデジタル化の進展は地球全体で大きな1つの市場になる、そういうことだと思います。 そのなかで、世界中の中産階級が急増する、とくにアジアの40億人の3分の1〜半分が、今後、中産階級になっていくと思います。アジアで15億から20億人、ヨーロッパで8億人、米国で4億人、その他含めて、将来的に世界で40億人の中産階級が生まれてくると思います。 th_20170413_yanai 19 その一番の成長センターが、アジア環太平洋地域であります。そこに巨大な可能性があります。ファーストリテイリングでは、そのアジア環太平洋地域で強固な基盤を築いて、これが将来に向かって大きな資産となります。 先ほど話があったように、ジーユーが香港で2店舗出店し、予想を大幅に上回るお客様の指示を得て、売上を達成しております。

世界6ヵ所のR&Dセンター

その次に、我々のR&Dセンターの話をしたいと思います。世界最高水準の商品を作りたいと考えております。そのためには、東京、ニューヨーク、ロンドン、パリ、上海、ロサンゼルスのR&Dセンターが稼働し、世界中から集まったグローバルな才能が多彩な個性を発揮する服作り。 例えば、ラコステやエルメスなどで活躍したクリストフ・ルメール氏がパリのR&DセンターのArtistic Directorになっています。さらに、彼が新ライン「Uniqlo U」を手がけております。この商品はユニクロの将来を明示する商品です。 またスヌーピーで有名なコミック『ピーナッツ』が、現代アートを象徴するKAWSの手で、ユニクロのTシャツ「UT」から登場します。 イスラムの伝統服にインスパイアされた新しいコンフォートウェア「HANA TAJIMA FOR UNIQLO」。これが世界中で好評を博しております。 さらに英国の伝統に今日性あるデザインをプラスした、現代最も才能があるデザイナーの1人でありますJ.W. Andersonと、17年秋冬からコラボ企画をします。 米国のロサンゼルスでジーンズカジュアルの開発をしております。その成果が今、店頭にあるミッキーブルー。これはディスニーのミッキーと、米国西海岸のジーンズと日本の藍染めにインスパイアされた商品で、今、旬のウエストコーストのカジュアルに仕上がっていると思います。 我々はLifeWearをお客さまとともに作り上げていきたいと思います。服に個性があるのではなく、着る人に個性があり、我々はそれを信じております。作り手でなく、着る人が自分の価値観から作る服。それがLifeWearであります。 そういうことで、我々の服は一人ひとりのお客さまのスタイルを作る部品としての服となれると信じております。一人ひとりのお客さまとダイレクトなコミュニケーションを進め、お客さまの生の声を活かして、LifeWearをさらに進化させていこうと考えております。

個店経営

その次に個店経営です。1店舗1店舗の経営は全部違います。個店経営はすべての基本です。経営者マインドを持った全社員が、世界各地でその地域に密着した店舗経営を行ってまいりたいと思います。 地域のお客さまに必要とされる、愛される店舗を作っていきたいと考えます。親切な接客、店舗の清掃、スタッフの育成など、個々の店舗の基本を重視し、収益性の高い自立した店舗経営を実現して、店の成長とそこで仕事をする社員も成長していく、結果として売上、利益も増大していく、そういう経営を目指していきたいと思います。

サステナビリティの実現

次に、サステナビリティについてお話ししたいと思います。企業として、社会に対する責任を果たす、いわば義務としてのCSR、企業の社会的責任を超えたもの、こういった概念を超えて、サステナブルな社会を実現する。それを目的として、ファーストリテイリングはすべての事業活動を行おうと考えております。 この姿勢は、グローバルの社会で成長する企業の必須条件であります。社内のあらゆる部署、すべての社員が、サステナビリティを業務の判断基準の中核におき、この仕事は持続可能な社会の実現に貢献するかを考えて意思決定を行う。同時に、すべての仕事をこの観点から組み込んだやり方に変える。 サステナビリティ自体が新たな価値の創造であり、イノベーションのプロセスである。持続可能であることを目指す事業活動から、生み出される新たな知恵と経験によって、新たな成長機会が作られると思います。

「情報を商品化する」新しい業態に生まれ変わる

最後にもう1つ、今後、我々ファーストリテイリングは、「情報を商品化する」という新しい業態に生まれ変わろうとしています。そのことについてお話ししたいと思います。 我々は、世界No.1の情報製造小売業を目指してまいりたいと思います。歴史が証明しているように、歴史の変化を受ける側になると滅びると思います。それは個人も企業も同じであります。 世の中に変わらされる前に自らが変わる。周囲を変える原動力になる。新しいテクノロジーを駆使して、組織そのものを大胆に変革する。情報製造小売業はこのことであります。 先ほどお話しいたしましたように、地域に密着した個店経営と一人ひとりのお客様の情報を集めること、世界中のお客様の意見、世界中からの情報を集めて、お客様の期待を超える商品、企画、製造、物流、販売をしていく。その商品の情報とともにお客様にお届けしたい。これが我々が言う「情報製造小売業」です。 世界のそれぞれの国と地域には、それぞれのお客さまの生活・文化・歴史があります。ライススタイルは時々刻々と変わります。デジタル化は、それらに瞬時に対応するためにあります。 お客様とダイレクトにコミュニケーションをして、そこで得た情報を即座に商品化し、生産し、お届けしたいと考えています。まったく新しい業態の情報製造小売業になります。 最後に、これがすべての出発点でありますが、我々のステートメント、「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」。お客様を、ビジネスを通じてより豊かにしていく。よりよい世界を実現していきたい。そういう努力を継続していきたいと考えております。 ぜひ、みなさまのご指示とご支援をお願いいたしたいと考えております。以上でございます。ありがとうございました。

  
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