知らない人のサプライズ

西野:次が、薬屋さんが出てくる……。

トンボ:まだあるの!?

西野:薬屋さんが出てこられて、ほんともう緊張しまくっているから、もうマイクとかも離れちゃってる。何言うてるかちょっとわからなかったんですけど、その人も罪はない。誰も。

トンボ:たしかに。悪い印象はない。

西野:誰も悪くない。みんな一生懸命やって、サボってはいない。ほんで当然ですけど、さっきから話飛ばしてますけども。もちろんですけど、ボディビルダーの方からそのあと野菜のおばちゃんたちが出てきて、そのあと薬屋さんが出て、この合間ありますよね? 合間合間、もちろん曲なんか流れてない(笑)。無音の間がずーっと。

トンボ:夢ですか?

のぶみ:(笑)。

西野:体験しました。体験して、薬屋さんが出てこられて薬の魅力を話されて、それ終わりかな? と思ったら、MCの方というか主催者の方かな? 主催者の方が薬屋さんの後にばって出てこられて、「実は今日、このイベントの司会をしてくださっておりますうちのスタッフ、誕生日なんです」っていうて。

のぶみ:(笑)。

(会場拍手)

のぶみ:そうなんか!?

西野:これサプライズで、みたいな。「みんなでハッピーバースデートゥーユーを歌いましょう」みたいな。

トンボ:もう終わっちゃうんじゃないのこれ!?

西野&のぶみ:(笑)。

西野:いやお客さんからすると、誰かよくわからないスタッフのサプライズをやるんですよ。

トンボ:そうですよね。

西野:ほんでみんなで、袖のスタッフとかハッピバースデーみたいな。お客さんからすると「これ何の時間や?」みたいな。1時間ぐらい続いて最後にスタッフのハッピーバースデー歌うわけじゃないですか? もうカオスだなと。ほんとカオス。

のぶみ:カオスだね(笑)

西野:言っときますけど、1時間半ぐらいこうなってるから。1時間半ぐらい経ってまだ一笑いもないです。

一同:(笑)。

西野:一笑いもないですよ。

トンボ:すげーなー。

西野:1時間半経って最後一笑いもないまま、最後ハッピーバースデー歌って、それで一笑いもないまま休憩に入るっていう(笑)。

トンボ:あはははー(笑)

のぶみ:えー。1時間半経ったからだ(笑)

西野:休憩。いったん10分15分の休憩。

トンボ:すごいですねぇ。

のぶみ:すげーなー。

西野:15分の休憩期間もちろん曲なんか流れないですよ。流すなんていう発想がそもそもないから。それで、さすがに主催者の人に言って、「ちょっと待ってください。これあまりにもイベント静かすぎる」って言って。お客さんは萎縮しているし、よくわからない最後ハッピーバースデー歌わされて、休憩でーすって言われてなんか放り投げられて。

トンボ:どうしていいかわからないですよね。

西野:お客さんがどうしていいかわからないし。西野亮廣の独演会ってことで集まってるから、それでやっぱなんか一応曲流しときません? 休憩の間だけでもって。

のぶみ:それ言えたんだ。

ついに西野の出番が!

西野:それで、なんとか流してもらって、ほんでやった流れたと思って、次、ようやく西野の出番なんですよ。

トンボ:あーついにきた! よかったぁー。

のぶみ:それを見たかったよってなってるよ。

西野:それで、西野の出番のときに、僕が出番だぞってなったときに、まず音が止められたんですよ。

のぶみ:あ、流れてた音が。

西野:せっかく流れたのに、何で止めるんですか? って言ったら、「登場のときにもう1回曲流したいんで」って言って。「だったら今流してる曲を引っ張っていて、登場のときに曲を変えたらいいんだ。止めなくていいんだ」って。「あ、そうなんですね」って言って、1回止まった曲がもう1回流れ出して、お客さんからしたらさっきの止まってた時間何?(笑)。

一同:(笑)。

のぶみ:そうなるよね(笑)

西野:それで、主おれが出ていこうと思ったら、袖から出ていこうと思ったんですけど、主催の人に「西野さん、後ろの幕の後ろから登場してください。幕がこうやって開きますんで」。

トンボ:あーすごい。斬新ですね。

西野:おれからするとそんな演出要らないから、基本ちゃんとしようぜって思って。

一同:(笑)。

西野:まぁまぁまぁ主催者の方が、「こうやってやってすぐ出ていく。これ良くないですか?」って言うて、まじかぁ? と思って俺はもう恥ずかしくて。

のぶみ:まぁまぁそうですね。御開帳ですからね(笑)

西野:御開帳でいよいよ西野さん出てきます。みたいになって……。

のぶみ:いよいよだわ。

西野:スタッフなかなかだなと思ったんですよ。この演出というか、スタッフさんのこの仕事はなかなかだとか思って、お客さんは相当困ってると。

のぶみ:まぁ困ってますよね。

西野:お客さんは相当困ってる。1時間半このスタッフさんのノリに振り回されて、お客さんからすると何なのこれ? っていうのが1時間半引っ張られたら、普通は僕は出て行って、そこの誤解を解こうというか、とかくまず僕は「お客さんわかりますよ」と。

のぶみ&トンボ:(笑)。

西野:「今日何の会ですか?」と思ってはりますよね、ということを最初に言って、僕はあなた方の味方ですよっていうことを。

のぶみ:あーそうか。僕たちは間違ってなかったんだっていうね。

西野:僕はわかってますよと。今からこの横にいるスタッフを処刑しますんで、ご安心ください、って言うのをまずやろうと。

のぶみ:言ってくれたー。あーよかった。

舞台に上がると、そこには……

西野:それで御開帳でファーって開いたら、なんか最初照明でよく……、逆光だからわからんくて。

のぶみ:あーそうですね。客席が。

西野:なんか静かーだったんですよ。満を持して出ました。でも静かーなの。パラパラもないんですよ。

のぶみ:えー?

西野:お客さん戸惑ってんのかなと思って。こう光が強くて、だんだん客席が見えるじゃないですか? 目が慣れてきて。

のぶみ:(笑)。

西野:そしたら会場にいるお客さん全員が、僕のお面をこうやって持ってました……。

一同:こわーーーーーーーー(笑)。

のぶみ:出た。紅白のやつだ。

西野:300、400人ぐらいが、僕のお面をこうやって黙ってこうやってるんですよ。それで「え? なにこれ?」と思って。

のぶみ:ビックリした。

西野:それでビックリして横見たらスタッフも、横にいる20人ぐらいのスタッフがこうやって。

のぶみ:こえーーー!

トンボ:怖い話やんもうこれ。

西野:もうウケてもないし何? と思って。怖いの!

のぶみ:こわー。いいんですかこれ? なんかキューブリックかなんかの……。

西野:そう、時計仕掛けのオレンジみたいな。こわーと思って。よくわかんないやん。そんで袖見たらスタッフずっとこうやって僕の顔で。

のぶみ:どうすんのそれ?

西野:ど、どうすんの? じゃないですか(笑)

のぶみ:どうすんのそれ?

西野:いやどうすんのなの。こっから何があるのかな? と思ったら、もうお客さんずっとこうやし、スタッフもずっとこうやし、ここで終わりなんですよ。

一同:(笑)。

西野:彼らの演出はここで終わりなの。その後に別に……。

のぶみ:その後にドッキリでしたーみたいなことは? テッテレーみたいな。

西野:ない! そんなのはない! ずっとこう……。

のぶみ:後は任せるよっていうことなんだ。うわー。どうしよう(笑)何て言おう。

トンボ:お客さんもこの……こう……。

のぶみ:いつ下げるんだろ。

西野:お客さんもたぶんわかってないはず。

トンボ:わかってないよね。

西野:いらっしゃるんかな? 来た人いんのかなぁ?

のぶみ:何て説明されたのそれ?

西野:いやねあれね。小谷はあの時どこから、袖から見てたの?

小谷真理氏(以下、小谷) 袖から見てましたねたしか。

西野:怖かったよね!?

小谷:はい。すごかったです。

西野:もうシーンです。

のぶみ:何人ぐらいいたの?

西野:300人ぐらいです。

のぶみ:えーーーー(笑)

西野:300人ぐらいこうやって僕の顔で。

のぶみ:よく刷ったなそのお面も。よく刷ったな。

トンボ:すごいー。

正直イラッとした

のぶみ:すげーなー。どうしたんですか? だってそれ、どうぞってやられてどうしたんですか?

西野:怖い怖い怖いってなって……。

トンボ:(笑)。

西野:ほんで袖見たらスタッフが僕のお面被って、こうやってお面しながらやってるから、こいつらおちょくってるのかな? ってまず思って(笑)。

一同:(笑)。

西野:最初、正直もうイラっとしたの。

トンボ:舐めんなじゃねぇ。

西野:舐めんなよって(笑)。小谷知ってた?

小谷:イラっとされてました。

西野:イラっとしてた。それで普通にしようと思った。もう普通にして。出て行って寒くても盛り上がるんだから、余計なことしないでって思ったの。これ何? どうやらあなた方これ処理する気ないよな? と思って、お客さんもマジでこれドッキリなんでしょうね? たぶん。

トンボ:まぁドッキリなんでしょうね。

西野:まぁその、素人の悪いところが全部出てるなと思って、イラっとしちゃって。でも、キレて帰るわけにはいかないと思って。

のぶみ:300人来てる訳ですからね。

西野:たぶん彼らはそれが一番おもしろいと思ってやったから。良かれと思ってやったから。どうしようと思って。

のぶみ:どうするそれ?

西野:「えー、今日出てきてみなさん困ったと思います。ボディビルダーの方が出てこられて……」この間ずっとこうですよお客さん。僕が喋ってる間。下ろすタイミングとか習ってないから。

トンボ:そうですよね。レクチャーない。

のぶみ:まだまだなの!? なんなのそれ(笑)。

西野:「ボディビルダーを見て、野菜のお母さん方を見て、薬屋さんの話を聞いて、ハッピーバースデーを歌わされて、僕自身お客さんは今日は何を見せられてるんかな? と思ってるんと思ってきたんですけども、お前らもそっち側かい!」って言うことでようやく、それでウケて、そんでもう普通にしようって(笑)

一同:よかったー(笑)。

のぶみ:それベストかもしんないなぁ。

西野:普通にしようって。

のぶみ:いやベストだそれ。

西野:なんだろうなぁ〜。