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朝、パンを食べた人に知ってほしい 私たちがふわふわなパンを食べられる理由

朝、パンを食べた人に知ってほしい 私たちがふわふわなパンを食べられる理由

パンは、私たちの生活になければならない食べ物の1つです。食パンをはじめとして、さまざまな形で食べられるパンは、主食としても、おやつとしても生活に広く浸透しています。そんなパンのおいしさを決める要因の1つに、あのふわふわな食感があります。ですが実は、ふわふわ食感のパンを作るには、調理の過程でさまざまな化学反応が用いられています。そして、そんな化学反応を引き起こす物質たちは、今日に至るまで、さまざまな科学者たちが研究し発見してきたものなのです。YouTubeのサイエンス系動画チャンネル「SciShow」。今回は、一筋縄ではなかった、パンをふわふわにする物質の歴史に迫ります。

シリーズ
SciShow
2016年11月14日のログ
スピーカー
Hank Green(ハンク・グリーン) 氏
参照動画
What's the Difference Between Baking Powder and Baking Soda? - YouTube

パンが膨らむ仕組み

もしあなたが紙細工の火山の模型を作ったことがあるならお分かりかもしれませんが、家庭にある酸とベーキングソーダが合わさって化学反応を起こす時に、ガスが生じ、火山の模型ではそれがまるで溶岩のように流れ出てきますよね。しかしそれと似た化学反応が、ケーキやビスケットをふわふわにしてくれるということをご存知でしょうか? IMG 01 レシピの中にベーキングソーダまたはベーキングパウダーが含まれている時、それらの働きにより、焼き菓子が膨らむのです。ベーキングソーダとベーキングパウダーは若干異なる化合物で出来ています。それらがあなたの調理における化学反応に影響を与えるのです。スーパーや高級なケーキのレシピが存在する前、パンを膨らませたいと思ったら、自然界のものから発酵の元を加えなければなりませんでした。 IMG 02 つまり、パンを焼く人はパン生地を外に放置することにより、空気中にある野生のイーストが中に入り込むようにしたのです。イースト菌は小麦粉の中にある糖分を消化し、二酸化炭素などの化学物質を生み出します。その工程を発酵と言います。そのすべての二酸化炭素ガスが生地をゆっくりと膨らませ、ふわふわのパンになるのです。 時が経つと人々は、生の生地や小麦粉と水の細菌の塊を取って置き、次にパンを焼く時のタネとすることを習得したのです。今日ではサワードウというパンを作る時に、まだこの手法が使われます。イースト菌がないと、そのパンは私たちに馴染みのあるあのパンの口当たりや風味を持つことはできません。 しかし、1830年代頃、パン職人たちは自分たちで、早く化学反応を起こす方法を編み出し始めました。そうすることでイースト菌が反応するのを待たなくても良いというわけです。となると、他の焼き物であるケーキやビスケットはもっと軽くふわふわにできるというのです。職人たちはベーキングソーダなどの化学物質である酵母作用物質を使用し始めました。 科学的名称で呼ぶなら、ベーキングソーダは「重炭酸ナトリウム」です。この原料はソーダ灰で、当時ではナトリウムの豊富な、海藻などの海洋植物の灰から取られたり、人工的に塩化ナトリウムとして知られる食卓塩とその他の化学物質とミネラルを反応させたりして作られました。 IMG 03 今日、ソーダ灰を生み出すための化学物質とベーキンクソーダは両方とも鉱山からきます。でもスーパーマーケットの棚にあるベーキングソーダは人類が約2世紀にわたり使ってきた化合物は同じものです。パンを焼く人が重炭酸ナトリウムと、サワーミルクという乳酸を混ぜると、化学反応により二酸化炭素の気泡ができます。 ちょうど火山の模型の噴火のような状態です。そのガスの気泡はパン生地やケーキの生地を膨らませますが、サワーミルクの酸は安定していないので、化学反応も焼けたパンなども同様の結果となりました。次にベーキングの技術で前進したのは1840年代のことです。酒石酸水素カリウムとしても知られるクリームターターが出現しました。 IMG 04 これはワインの発酵の際にできる副産物で、それを重炭酸ナトリウム、水と混ぜると二酸化炭素のガス気泡ができます。 IMG 05 クリームターターはベーキングにおける化学反応を安定させましたが、大きな欠点もありました。その年のブドウの収穫によってその出回りや価格が大きく変わってしまうのです。しばしの間、重炭酸ナトリウムとクリームターターはセットで販売されました。反応させる準備が整った段階でそれを、水分を含んだ材料に加え、そしてその生地をオーブンに入れるのです。この手法は職人にとっては効果的でしたが、クリームターターの原材料が安定していませんでした。科学者のエベン・ホースフォードが、1856年に重過リン酸石灰という酸を牛の骨から作り出す方法を見つけました。 IMG 06

ベーキングパウダーにはアルミが入ってる?

クリームターターの化学反応と同様、重過リン酸石灰、ベーキングソーダ、水を混ぜると二酸化炭素の気泡ができるのです。ホースフォードは重過リン酸石灰と重炭酸ナトリウムを混ぜ、それから幾らかのコーンスターチを加えることにより全てが乾いた状態に保たれ、反応が早期に始まるのを防ぐことができました。 彼はこの混合物を「ホースフォードのパンの準備」として売り出し、ついにベーキングパウダーが誕生したのです。1880年代、人々は牛骨からではなく重過リン酸石灰を鉱山から手に入れることができると気がつきました。 IMG 07 現在スーパーで手に入れることのできるベーキングパウダーのほとんどはダブルアクティングという表示がされています。名前の通り、ダブルアクティングのベーキングパウダーに含まれる重炭酸ナトリウムは2回反応をします。1回目は水分を含んだ材料が混ざるとき、酸と反応を起こします。そして2回目は、オーブンの熱によるものです。それにより、生地は焼いている間にも膨らみ続けるので、出来上がりもふっくらとします。 しかし、これらの熱反応をする酸にはアルミが含まれる場合があります。ある人たちはアルミが健康に影響を及ぼすのを危惧してダブルアクティングのベーキングパウダーを避けます。CDC(アメリカの疾病管理予防センター)が食品を通して取り入れるその量は健康被害を及ぼすことはないと言っているにもかかわらず、そうしているのです。 いずれにせよ、他のダブルアクティングのベーキングパウダーはアルミを含まず、代わりに酸性ピロリン酸ナトリウムなどの化合物を使っています。ですから、ベーキングソーダは重炭酸ナトリウムの異名で、ベーキングパウダーは重炭酸ナトリウムに酸、そしてコーンスターチを全て一緒に混ぜた化学混合物で、それに水分と熱を加えれば反応が起こるというわけです。 レシピの中にバターミルク、酢、クリームターターなどといった酸が含まれていないのであれば、ベーキングパウダーの代わりとしてベーキングソーダを使うことはできません。ですから次回あなたがチョコチップクッキーを焼くことがあれば、膨らんだ、あの美味しさの立役者に科学があるということを忘れないでください。

  

SciShow

Hank Green(ハンク・グリーン)たちがサイエンスに関する話題をわかりやすく解説するYouTubeチャンネル。

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