トロントのコンテストの優勝者

町澤:では、次の都市。ここまでで半分終わりました。約8日間ぐらいで、半分終わったというかたちです。

ここから2月13日、後半戦ということでトロントで開催いたしました。トロントはカナダ最大の都市で、北米4番目の約280万人を擁する、ビジネス・金融・芸術そして文化のグローバルセンターであります。世界でもっとも住みやすい都市の1つに挙げられています。

トロントのパートナーは、MaRS Discovery Districtに全面サポートいただきまして、開催することができました。MaRSは、オンタリオ州政府を主な出資者とする、半官半民の北米最大のイノベーション推進組織でございます。NTTデータは2016年9月に日本企業として初めて加入いたしました。

昨年11月28日に「豊洲の港から」カナダ・オンタリオスペシャルにて、駐日カナダ大使もいらっしゃるなか、パートナーシップ調印式を開始いたしました。私もトロントのほうに行きましたが、MaRSのイノベーションセンターとしての設備が本当にきれいで、エコシステムがかなりできあがっているという感じを受けました。

(スライドを指して)コンテストの模様になります。トロント、メガバンクのイノベーション担当の方や、アフリカで新しいイノベーションを起こそうとしている留学生、あと香港からのMBAの学生など、今回のグローバルコンテストで最大規模の260人の方が会場に集まりまして、非常に盛り上がりました。

ステージも非常に立派な設備で、写真見ていただくとわかります通り、前にステージが3つ付いています。横にもステージが付いていて、そこでTwitterのリアルツイートを流したりとか、コンテストをやるのに慣れてるんだというのを非常に感じました。

それでは、トロントWinnerのSoundpaysの方にインタビューをしたいと思います。Soundpaysは、イベント会場の巨大スクリーンから音波を利用してスマホに情報を送信し、広告表示や決済につなげるソリューションを提供しています。どうぞステージにお上がりください。

(会場拍手)

町澤:では、わかっていると思いますが、もう1回質問します。自分の国のコンテストと比較して、NTTデータのコンテストはどうでしたか?

Soundpays1:「Finovate」というのがニューヨークでもあるんですけれども。非常に興味深い経験ですけれども、やはり重要なのは、日本がワイヤレスイノベーションのホームであるiモードをスタートしたことです。モバイルデバイスにおいてコマースができるということを証明しました。

また、スクリーンの技術。さらに、人々が通勤して人々がいろいろなアクションを起こしている。それは我々のテクノロジーと相性がいいと思いました。そして、オポチュニティ。こういったコンテストというのは非常にビジネス用途があります。

町澤:もしよろしければ、(もう1人の方も)どうぞ。まだ時間ありますんで。

Soundpays2:私のほうからも付け加えるとしたら、トロフィーをロビーに飾るということだけではありません。ピーターも言った通り、やはりビジネス関係というものを作っていき、アジアのほうでローンチができたらいいな、と思っておりました。やはり理想的に日本でスタートできれば、ほかのアジア地域にも広げられるな、と思いました。

町澤:それでは、もう1問おうかがいしたいと思います。このコンテストを機会に、どのようなビジネスの展開を望んでいますか?

Soundpays1:はい。我々のワイヤレスのトランスミッションで決済ができる、超音波ということになります。どのような技術が必要かというと、やはりNTTデータが持っているような決済のネットワークです。やはりモダンで、オープンで、そしてエンゲージングなものが必要です。

それらすべての、日本のすべての人に参加してもらうためには、そういったネットワークが必要です。まさにコラボレーションをしていける、モバイルのペイメント、モバイルの認証を、すべてのデバイスに対して提供できるビジネスチャンスだと思います。

町澤:(もう1人の方も)どうぞ。

Soundpays 2:そうですね。それに追加することはあまりないんですけれども、NTTデータさんも理想的なパートナーになると思います。市場でほかにはありません。ある1社で、これだけクレジットカード、金融機関ですとか、広告宣伝、また、ドコモというNTTの関係会社とのつながり、そういったところから考えますと、まさに理想だと思います。やはりビジネス展開を望んでいます。また、東京も大好きですので、Win-Winです(笑)。

町澤:どうもありがとうございました(笑)。みなさま、盛大な拍手をお願いいたします。

(会場拍手)

北京から来たイノベーター

町澤:それでは、続きまして、2月18日に開催した北京の大会についてご紹介したいと思います。中華人民共和国の首都であり、上海に次ぐ中国第2の都市でございます。2016年の都市圏人口は2,039万人というような、大規模な人口でございます。

こちらは、コンテストに関しては中国科学院ソフトウェア研究センター(ISCAS)から全面的なバックアップをいただいて、開催することができました。どうもありがとうございます。当日は中国科学院ソフトウェア研究センターの講堂内で共同開催いたしました。開催日が土曜日の休日にもかかわらず、約50名の若いイノベーターの方が集まりまして、コンテストも盛況に行われました。

それでは、北京のWinnerの方におうかがいしたいと思います。膨大な企業データベースに対し、ディープラーニングを活用した独自アルゴリズム分析で企業評価を実現するソリューションを提案してくれました中国科学院ソフトウェア研究センター/中国北京航空航天大学です。どうぞステージへお上がりください。よろしくお願いいたします。

(会場拍手)

町澤:それでは、また同じ質問を繰り返しますが、自分の国のコンテストと比較して、NTTデータのコンテストはどうでしたか?

ISCAS1:海外でこうしたコンテストに参加するのは初めてです。そして、ほかの国の方々とコミュニケーションをする、いろんなアイデアを共有するというのも初めてでした。

町澤:はい、(もう1人の方も)どうぞ。

ISCAS2:コンテストは大変すばらしかったと思います。すばらしい機会をいただきました。世界中の方々とコミュニケーションすることができました。日本を旅することも楽しんでいます。ありがとうございます。

町澤:どうもありがとうございます。では、次の質問をしたいと思います。選考会で優勝した時、どう思いましたか?

ISCAS1:非常に興奮しました。我々にとっては大きな驚きでもありました。

町澤:(もう1人の方は)よろしいですか?

ISCAS2:エキサイティングでした。とても興奮しました。

町澤:どうもありがとうございます(笑)。ちなみに、自分の国も含めて、こういうビジネスコンテストに参加したのは初めてでしたか?

ISCAS1:このようなコンテストに参加したのは初めてでした。

町澤:ありがとうございました。みなさん、盛大な拍手をお願いします。

(会場拍手)

シンガポールで激戦を勝ち抜いた優勝者

町澤:続きましては、2月22日に行われたシンガポールのコンテストについてご紹介したいと思います。シンガポールは、急速に発展する東南アジアの雄でございます。貿易・交通および金融の中心地でございまして、世界第3位の外国為替市場、世界第4位の金融センターおよび世界の港湾取扱貨物量でも上位2港のうちに入る1港でございます。

コンテストについては、世界有数のアクセラレータStartup Bootcamp、アジアのペイメントハブを目指すAsian Payment NetworkのAPN、そして、NTTデータ経営研究所というような、いろいろなグループを巻き込んでの共同開催をいたしました。当日は約80名のイノベーターの方にご参加いただきました。

また、ここは審査の間、シンガポールの金融庁の方からご講演いただきまして、シンガポール政府のイノベーションの取り組みなど、貴重なお話をいただきました。

Winner以外の注目の企業をご紹介したいと思います。審査は大変激戦となりまして、優勝には届かなかったものの、2社にはZamma Awardという特別賞を提供いたしました。審査員より絶賛を受けたところには、Judge Award(審査員特別賞)というものを提供しております。

Judge Awardに関しては、Identitiというところが、トークンを用いた顧客識別情報をブロックチェーンで管理しKYCを実現するというソリューション。

Zamma Awardが、Policy Pal、ミレニアム向けの保険レコメンドとチャットボットのソリューションをご提案いただきました。それから、店舗からキャッシュを引き出す支援アプリのSo Cashというところに提供しました。非常にいろんなすばらしい提案がたくさんあったと聞いています。

それでは、シンガポールWinnerにインタビューをしたいと思います。移動する音源も含め、仮想空間内の正確な位置から音が再生可能な、VR用オーディオソリューションを提案しているGaudio Labです。ご登壇ください。

(会場拍手)

町澤:はい。それでは、質問いたします。自分の国のコンテストと比較して、NTTデータのコンテストはどうでしたか?

Gaudio Lab1:我々、インターナショナルなコンペティションは初めてでした。とくにVRといったところだけを指定したものには出たことがありましたけれども、新しくインターナショナルなコンテストに出会いました。

また、いろいろなエリアから来たいろいろな方に出会ったということも、非常にうれしく思っております。ですから、ただ勝つということだけでなく、ネットワーキングができたのは非常にうれしく思っております。

Gaudio Lab2:それに加えまして、非常に価値のあるリソース、オポチュニティだったと思います。明日にビジネスのミーティングもできますので、今までになく、実際のビジネスの会話ができるというのが、非常にうれしく思っております。そこが大きな違いです。

町澤:はい、ありがとうございます。そうですね、明日ビジネスミーティングをいろいろ設定しておりますので、よろしくお願いします。では、選考会で優勝した時、どう思いましたか?

Gaudio Lab2:ピッチの時は私だけが出ていましたけれども、非常に驚きました。非常にすばらしい会社が出ていましたので。

とくにフィンテックのエリアで、やはりシンガポールはフィンテックの技術で有名でありまして、オーガナイザーの1つもやはりフィンテックの分野に興味を持っているということがわかっていましたので、「すべてフィンテックだろう」と思っておりましたら、そのなかで我々が勝ちましたので。(日本語で)本当にビックリしたんです。

(会場笑)

町澤:(もう1人の方は)いいですか? はい。それでは、みなさん、盛大な拍手をお願いいたします。どうもありがとうございました。

(会場拍手)

イノベーションの本場サンフランシスコ

町澤:やっと9番目ですね。なんとかたどり着きました。2月27日にサンフランシスコで開催いたしました。ここは、言わずもがななんですが、イノベーションの本場です。自分で世界が変えられると思っている人たちが集まっていますと。身近でイノベーションが実現している街というところでございます。

こちらのコンテストの模様なんですが、こちらのコンテストのパートナーは北米のアクセラレータのPilot44、あとはNTTデータグループで北米を管轄しているNTT DATA, inc. あとはNTTデータシリコンバレー、みなさまの協力によって無事開催することができました。

Devil's Canyonという、ちょっとクラブ調の元地ビール工場をバーに変えて、やっているような所で開催いたしました。

ここでは、ステージ上の熱いピッチを楽しみながら、当社の技術開発本部の者も行って、楽天イーグルスに採用されたVRのデモンストレーションとかもそこに展示して、地ビールを楽しみながら開催できる会場になりました。約100名の方が会場にお越しになりまして、大変盛り上がりました。

こちらも、審査が非常に難航したと聞いております。審査の結果、『Bank3.0』の著書であるブレット・キングさん自らがプレゼンしたMovenを含む2社にZamma Award、Judge Award(審査員特別賞)1社というかたちでございます。

Judge Awardについては、DataRPM、自然言語分析も含め、データに隠れた洞察分析や融合分析を実現するというソリューションをご提案いただきました。もう1社がPrecision Hawk、ドローンの高度な管制システムです。こちらの会社はNTTドコモ・ベンチャーズも出資している会社でございます。最後がMovenさん、リテール金融機関向けのCX向上ソリューションというかたちの3社が、非常に注目されておりました。

それでは、サンフランシスコWinner、ブロックチェーンのデータレイヤー上に構築するデジタルID認証プラットフォームを提案しているShoCardにインタビューをしたいと思います。どうぞShoCardの方、ステージへお上がりください。よろしくお願いいたします。

(会場拍手)

町澤:はい。それでは、おうかがいしたいと思います。自分の国のコンテストと比較して、NTTデータのコンテストはどうでしたか?

ShoCard1:まず、選ばれたことは非常に光栄に思います。コンテスト参加に選ばれたこともうれしく思います。NTTデータはすばらしい会社で、すばらしい機会となりました。ほかに参加したコンテストと比べますと、我々がやっていることとシナジーが得られるということです。アイデンティティや、それから認証に関してです。

また、NTTが関与されているビジネスを見ますと、パートナーが組めるポテンシャルがあるのではないかと思いますので、非常にコンテストはよかったです。非常に機会があるということ、実際のコラボレーション、リアルなビジネスにつながるオポチュニティがあるというのが、ほかのコンテストとは違うところです。

町澤:どうもありがとうございます。(隣の人も)どうぞ。

ShoCard2:大変すばらしい、エキサイティングな機会でした。とても楽しかったです。NTTのコンペティションについて言えることは、1つはコンペティションで終わらないということです。フォローアップのビジネスオポチュニティもあるということ、そして、みなさんにお会いできる機会も設けられているというところです。ですから、そこは非常に価値があることだと思います。

それから、もう1つは、この機会を本当に楽しんでいます。サンフランシスコでも、こちらでも、楽しんでいます。スタートアップのほかのメンバーと会えることも、すばらしいと思います。NTTのビジネスも違いがありますし、スタートアップと会えるというところもほかとは違います。非常にすばらしい機会となりました。

町澤:どうもありがとうございます。(最後の方も)どうぞ。

ShoCard3:そうですね。このように非常に興味のある、イノベーティブなスタートアップ企業が、しかもグローバルに集めてこられたという点と、それから、このようなかたちでお客さまに対して、私どものプレゼンをさせていただくというような機会、なかなか海外でこのようなかたちのコンテンツはないと思います。なので、非常にいい機会を与えていただいたという感謝とともに、「さすがNTTデータさんだな」と、非常に強い印象を受けております。

町澤:それでは、ちょっと時間がなくなってきましたので、最後に1問、お1人に答えていただきたいんですが、このコンテストを機会に、どのようなビジネスの展開を望んでいますでしょうか?

ShoCard1:すばらしい機会だと思っています。日本の市場において、とくに言えると思います。いろいろな機能があり、そして、とくに金融業界に機会があると思っています。

できれば、パートナーシップをNTTデータさんと組めればいいなと思っています。ほかのクライアントさんの方々とも、ぜひ。700もの金融機関ともお仕事をされているということですので、もっと具体的なベースでPoCも行えればと思っています。それがビジネスに実際につながっていけば、と思います。テクノロジーを使って、日本の市場にも価値を提供したいと思います。

町澤:はい、どうもありがとうございました。それでは、みなさま、もう一度、盛大な拍手をお願いいたします。

(会場拍手)

最後は東京の勝者

町澤:それでは、最後の都市。3月2日、2週間前に開催しました、東京のコンテストについてご紹介をしたいと思います。東京の紹介は、みなさんご存知だと思いますので、割愛いたします。

東京選考会は、ここ豊洲センタービルで開催いたしました。ここも毎回多くの方が参加いただいて盛り上がっているんですが、前回は100名を超える参加者を迎えて開催いたしました。

今回も非常に優秀な企業がたくさん集まりまして、審査が非常に難航いたしました。審査の結果、Zamma Awardを2社、Judge Award(審査員特別賞)を1社に授賞しました。

Judge Awardは、非常にプレゼンが印象的だったんですが、株式会社カウリスさんが受賞いたしました。クラウド型の不正アクセス検知「FraudAlert」を提供して、不正アクセスを簡単に検知できる、というようなソリューションでした。Zamma Awardは、1社がInstallments、こちらは台湾からお越しになった企業ですが、C2Cの分割払いアプリのソリューションを提供しました。もう1つが国立情報学研究所、ドローンの高度な管制システムのご提案をいただきました。

それでは、東京のWinnerにインタビューをしたいと思います。「リマスターアートデジタルアーカイブ」という、絵画を高精細かつ詳細に筆致もリアルに再現できるデジタル化ソリューションを提案している、チームArs Techne VRCです。どうぞご登壇ください。

(会場拍手)

町澤:では、東京なので同じ質問はしません(笑)。なので、違う質問をします。なぜ、このコンテストに応募したのですか? お二方、教えてください。

チームArs Techne VRC1:アルステクネさんと弊社のそれぞれに、画像処理と三次元の処理の分野において、非常に技術的なことが残っておりまして。NTTさんはいろいろな分野でグローバル的な事業の進出をしていらっしゃって、ぜひ私どもの技術をより効率的に、より早く、世の中の一人ひとりに幸せ、happinessをお届けしたいと、ぜひこの機会を参加させていただいております。

町澤:(もう1人の方も)よろしくお願いします。

チームArs Techne VRC2:ビジネスコンテストで謝さんと知り合いまして、「一緒になんかやろう」と言っていた矢先にコンテストを知りまして、「これはもう出るしかないな」ということで、その想いで出させていただきました。

町澤:たまたまいいタイミングでお知りになった、ということですよね(笑)。どうもありがとうございます。それでは、このコンテストを機会に、どのようなビジネス展開を望んでいますか? お二方、お答えいただけますでしょうか。

チームArs Techne VRC2:弊社は2012年に創業して、開発に丸2年かかって、2014年度にマーケットインしたばかりなんですけれども、非常に今手応えを感じてまして、とてもこの少ない体力ではお客さまに対応できないという状況にあります。

まずは、いろいろなテレビ局さんから今お声をかけていただいているんですが、日本で今までない、例えば、歌舞伎がスーパー歌舞伎になってヒットしたり、水族館がアクティブになってイノベーションを起こしてヒットしたように、一番イノベーションが進んでないミュージアムというジャンルを、「デジタルオルセーミュージアム」というお祭りにして展開したいな、というのが私どもの希望です。

それと同時にもう1つ、やはりネットワーク系です。これが、国の財産とも言えるような、非常に重たい、ハイエンドのデータを扱わせていただいている関係上、なかなかネットワーク系のビジネスにすぐ展開することはできなかったんですが、やはりNTTデータさんとならこれはもう安心してできると思っておりますので、この2つを急速に進めたいなと思っております。

町澤:どうもありがとうございます。(もう1人の方も)どうぞ。

チームArs Techne VRC 1:今、クボタさんがしゃべられたことは、ほとんどまったく私も同じなんですけど、弊社もVRCという会社、「Virtual Reality Creative」という社名なんですけれども、三次元の事業に進出しておりまして、去年の日本の最大規模の電子機器展示会CEATECでデジタルイメージング部門でグランプリを受賞させていただきました。

その後のビジネスの展開に関しては、どうしても弊社単独ではちょっとやりづらい部分がありまして、NTTデータのような大手さんと組むことで、より早く、効率よく進んでいければと考えて、参加いたしました。

町澤:それでは、みなさま、もう一度、盛大な拍手をお願いいたします。どうもありがとうございました。

(会場拍手)