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結局のところ、“例のドレス”はなぜ2通りの見え方をしたのか

結局のところ、“例のドレス”はなぜ2通りの見え方をしたのか

インターネット上で「例のドレス」と呼ばれている、あるドレスを撮影した画像があります。それは、2015年の2月26日に投稿されて話題となった、白と金、もしくは青と黒に見えるドレスです。偶然撮影されたこの画像は世界中で議論を巻き起こし、さまざまな角度からの検証が行われました。ではそもそも、あの画像はどのようにして生まれたのでしょうか? 2通りの見え方をする不思議な画像が誕生した理由を、YouTubeのアート系チャンネル「Little Art Talks」が解説します。

シリーズ
Little Art Talks
2015年3月1日のログ
スピーカー
Little Art Talks Karin Yuen(カリン・ユエン)氏
参照動画
How #TheDress Confused Everyone | LittleArtTalks

あのドレスの画像はどうやって生まれたか

001 このドレスはインターネット上で騒乱を巻き起こしました。というのは、その色の見え方について意見が真っ二つに分かれたからです。ある人には青と黒に見え、別の人には、白と金色に見えました。#TheDress(注:2015年2月26日に投稿され話題を呼んだ画像)について多くの動画や記事がありますが、その説明のほとんどが「知覚」に関するものでした。 もちろん、誰もがそこにたどりつきますが、この写真がどのように撮影されたのか、という説明ではありませんでした。その上、説明が不十分であり、不完全だと思った記事もありました。よって、私はこの短い動画を制作し、どうしてなのか、ストーリーにもう少し付け加えてみようと思いました。 さて、この写真の反応の大多数は「何について話しているのか?」というものでした。このドレスは明らかに「何か」という問題です。ドレスが、他の色であることを想像するのは非常に難しいのです。 個人的に私は同じような経験をしました。コメントを読まずにこの写真を見たらすぐに、このドレスは青と茶色だと思いました。私は、別の日に同じ写真を見るまで、この騒ぎが何であるかよくわからなかったのです。そして、それぞれの人たちがこのドレスについてコメントしたリンクが送られてきた後、このドレスの色が、白と金色に見えたので驚愕しました。 私はフォトショップで、この写真が加工されたものではなく、同じ画像であることを確認しました。そしてまさしく同じものだと実感したのです。そして、私はこのドレスに関するたくさんの記事を読みました。 どうして、このドレスは異なる色に見えたのでしょうか?なぜ、ある見え方があり、そしてもう一つの見え方があるのでしょうか?私の他の動画を見てきたみなさんなら、すでに何が起こったかはおわかりかもしれません。 これは、知覚に関係あることは間違いないでしょう。みなさんの脳は、とある仮定によって見え方を決定します。白と金に見えた人は、そのドレスが、後ろから照らされて、青い影がドレスに映っているように見えたのです。我々の脳は「これは上部に青い影があるから実際の物体は青ではない」と補完します。 そして、実際にこの物体がより薄く暖色になると、白と金という印象を与えるのです。青と黒に見えた人たちというのは、このBuzzFeed(注:政治、経済など幅広いトピックを扱うアメリカのWebメディア)の投票では、明らかに異なる体験をしたことがわかります。 私は多くの説明を見ましたが、全く同意できないものもありました。画像からの色見本を16進コードで置き替えて「これはドレスが何であることの証拠だ」とするのは良い説明ではありません。見本にした物体が問題ではなく、写真が問題なのです。

原因はカメラのせいだった

もし、写真が非常に悪く撮影されていたら、それは質の良いものではないのですから、照明が上手く当てられたものではなく、カラーバランスの良いものではないでしょう。これは時間の無駄です。 また、もうひとつの説明を見ました。本当に、本当に、本当に、強い黄色の光がドレスの上に当たっていて、青と黒より実際には明るく見えたのだというものです。これも完全な答えではありません。 実際のところは、これはカメラがどのように機能したかという問題ではないかと思います。この問題が示すものは、スマートフォンの写真は完璧ではないということです。この写真は明らかにそれを実証しています。それでも、まだスマートフォンを愛用しますけれども……。 私たちは、今日デジタルカメラが、移り気なオート機能を内蔵していることを考慮に入れるべきです。そして、写真が取り込むのは、単なる現実の一場面ではありません。もちろん、そうかもしれませんが、その背後にはもっと多くのことが起こっているのです。 スマートフォンで写真を撮影するとき、その写真がよりよく見えるように、カメラは沢山のことを試みています。つまり、明るさやコントラスト、ホワイトバランスや色飽和など、さまざまなことを調整しているのです。特定の場面において、物体があまりにも暗いときは、多くの場合デジタルカメラは、物体が周囲から現れ出るよう、人工的に明るさを高めます。 このため、骨抜きになった画像がインターネット上であちこちを騒がせているのです。私が推測するに、あまり照明が明るくない部屋で、この人物はこのドレスの写真を撮影しようと試みました。明るい背景のもとで、あまり照明を当てられない、暗い物体を撮影すると、この場合ドレスは照らされずに暗い青と黒の色になります。 つまり、この物体は逆光になっているのです。そしてこの状況は、カメラにとって物体の細部を読むことを困難にします。一方、私たちの目は、焦点を当てるのに適していて、無意識に明るさと色を自動的に調整しています。しかし、カメラにはそれが少々難しいのです。とりわけ、私たちの視覚は、両極端のスペクトラムを同じフレーム内に持っています。極端に明るいものと、極端に暗いもの両方です。 002 ところが、みなさんのオート機能付きのデジタルカメラがこれをすると、どちらか片方を引き立てることがあります。つまり、それが自動検出であれ、みなさんが物体を被写体として選んだものであれ、彼らが被写体と思ったものは何でも引き立ててしまうのです。そして、先ほど述べたような、すべての調整を、被写体を優先順位に置いて行ってしまいます。 あるときは非常に良く機能しますが、しかしながら別の状態では、そうではありません。しばしば、(たいていは)少々の混乱を巻き起こします。恐らく、ドレスを写真撮影しようとして、あまりにも暗くて詳細がはっきりしないと認識したのです。ではどうすればいいのでしょうか?

スマートフォンできれいに写真を撮るコツ

スクリーンをタップしてみてください。スマートフォンはこのように判断します。「オーケー。これはあなたにとって重要なものだから、この写真の中できちんと現れ出るようにベストを尽くしましょう」。よって、イメージすべてを明るく照らし、白い背景から際立つようになり、興味深いことが起こります。 そしてホワイトバランスを調整してみれば、青は実際には白になります。ホワイトバランスは、カメラにとって重要な機能で、基本的に「あるべき色彩」を生成します。白に見えるものを白くし、そこからその周囲の色彩を正しい色彩になるように動かします。 そのために、青や黄色に薄く色づいてしまうような画像はありません。スマートフォンのソフトウエアは、ホワイトバランスを青い色に調整したりなど、何かしら移り気なことをしようとします。それで、像全体を照らしてしまったり、あるいはこれらの寒色の色調を暖色に動かしてしまったり、たくさんの奇妙なことが起こるのです。 それゆえ、既に灰色に照らされ、暖系の茶色に調整された、黒い色のようなものが見えるのです。そして、みなさんの脳がこの写真を露出過剰や、色褪せたものとして読んだとき、脳が、色飽和を増したり像を暗くしたりして、青と黒のドレスに見えるように補完しているのです。 そう、つまり混乱したスマートフォンが、気まぐれにインターネットを騒がせたということなのです。何が起こったのか説明は十分であったかと思いますが、ドレスは2つの見え方で見えましたか?もし、みなさんの知覚が頑固ならば、そのままにしておくことはありません。私のように見ることができます。ある見え方で見えたなら、もう一度見ると、もうひとつの見え方になります。 003 これは、視覚がいかに突然飛躍するかという私の秘訣です。白と金色に見るには、この明るい部分に焦点を当ててください。この部分に注目した後、脳が自動的に像のホワイトバランスを調整します。そうすると、明るい部分は一層明るくなります。このドレスの上半分を見た方がいいでしょう。必要ならば一息ついてください。 004 青いドレスに見るには、ドレスの暗褐色の筋に注目します。個人的には、これらの2つのエリアが最適だと思います。しばらくすると、青い色が暗くなったり、あるいは飽和して見えたりしませんか?

  

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Karin Yuen(カリン・ユエン)がアートの世界をわかりやすく解説するYouTubeチャンネル。古今東西のアートにまつわる豆知識をお送りします。

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