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昔の人達は、GPSなしでどうやって現在位置を割り出していたのか

昔の人達は、GPSなしでどうやって現在位置を割り出していたのか

私たちは、スマートフォンがあれば自分の正確な「位置」をすぐに調べることができます。これは、端末に内蔵されているGPSのおかげです。GPSのおかげで、どんな場所にいてもリアルタイムで現在位置を知ることができます。では、GPSなんてなかった大昔、私たち人間はいかにして自らの位置を割り出していたのでしょうか?とくに目印になるものなど何1つない海の上では、どうやって進むべき方向を割り出していたのか。YouTubeのサイエンス系動画チャンネル「SciShow」が、人類が生み出してきた現在地を調べる道具たちを解説します。

シリーズ
SciShow
2017年2月26日のログ
スピーカー
Hank Green(ハンク・グリーン) 氏
参照動画
6 Creative Ways People Used to Navigate the Oceans(海を航海する6つのクリエィティブな方法)

GPSがない時代の航海術

ハンク・グリーン氏 最近はあなたが世界中のどこにいようと迷子になることは難しく、ただ単にナビゲーションアプリを起動するだけで安心です。 海の真ん中に浮かんでいる船ですらGPS機能を搭載しています。 image1 GPS機能が普及される前は、特に海の上で迷子になることはとても危険でした。訓練されていない人にとっては、湿った空気の中で周りには自分以外なにもない状況というのは耐え難いでしょう。 そのため、我々人間は海の上で得れる全ての情報を活用するテクニックをあみだしてきました。それらの多くが、太陽や北極星といった方向を教えてくれる星たちを利用しています。 image2 そして星に基づいて自分たちの位置を特定するための素晴らしい装置と、遠くて見えないような島も見つけることが出来る方法を考え出しました。ここでは、世界各地で対処しなければならなかった様々な課題に合わせた航海技術のうち、最も初期の6つの方法をご紹介します。 太平洋に位置するミクロネシアのマーシャル諸島は、約2000年前には人々が住み着いており、太平洋をカヌーと知能で治めた航海者たちの偉大な遺産として現在は位置づけられています。これらの航海者たちは、太平洋の小さな島々を迷うことなく行き来する術を持っており、ヨーロッパ人よりもずっと前に南米の人々に接触していたという証拠がいくつかあります。 彼らは星についての知識に長けており、磁気コンパスを持っていなくとも、夜空で構成されたコンパスを基に航海を続けました。マーシャル諸島周辺の海域調査をしていたジョン・マーシャルは特に、スティックチャートとして知られている独特な道具を利用していました。 image3 スティックチャートは1,100キロにもわたって続く島々周辺の海を描写しています。これはマーシャル諸島を表していますが、正確にいうと地図ではなく、ボート上で感じたことを示しています。スティックチャートは真っ直ぐな棒や湾曲した棒で、海流の流れや動きを表し、貝で島々を表しています。 image4 そして、実際には海を知るための教材として使われており、航海者たちは迷子になるのを防止するため、すべての情報を覚えてから海に出ました。

アラブ人が使った「カマール」

過去数世紀に渡って伝統的な知識のほとんどが失われてしまいましたが、海の動きに基づいて航海技術を復活させようとしている人々がいます。 カマールはシンプルな外観をした道具で、基本的には長方形の木材に結び目のある紐がついただけのものですが、航海者たちが自分たちの緯度を把握するのに必要なすべてが詰まっています。 image5 ヨーロッパの航海士たちと比較すると、アラブの探検家たちは島々が全く見えない中での航海に費やす時間が多かったです。そのため、彼らは自分たちの位置を把握し続けるための方法を必要としており、そこで西暦900年ごろにカマールが生み出されました。 一度正しい緯度を把握すれば、あとは目指す港に突き当たるまで東、もしくは西に突き進むのみです。カマールの使い方は至って単純で、紐を歯でくわえ、上部が北極星と下部が地平線と一致するまで木製の長方形を調整するだけです。 image6 北極星と水平線との間の角度は、あなたがいる緯度によって異なり、北極ではちょうど自分の頭上となり、赤道では地平線と同じになります。北にいればいるほど、顔に近いほうに長方形を寄せることになり、長方形から顔までの距離を測定することで、あなたの緯度を知ることができます。 そう、長方形からあなたの顔までの距離を測定するために紐がついているのです。おさらいすると、カマールを作って港の緯度を記録することができ、紐を正しい長さに調整し、北極星と地平線の間に長方形を置くだけです。 そして、その緯度を再び見つけるためには、長方形からあなたの顔までの距離が紐の長さと一致するまで北か南に進みます。このようにして上手くたどり着けるのはひとつの港だけです。 そのため、航海者たちは海を周回するためにたくさんのコレクションを持っていたと想像されます。より複雑なカマールが一般的な測定道具として使われており、それらの持つ紐には複数の結び目があり、紐の長さを比べることでそれぞれに対応する複数の港を把握することができました。 image7 カマールはとてもシンプルですが正確なツールであったため、20世紀にはまだ使用されていました。

ヨーロッパ人による「ヤコブの杖」

ヤコブの杖は、また別の緯度測定道具です。最も初期のヨーロッパ版は、14世紀のユダヤ人数学者であるレヴィ·ベン·ゲルションによって発明されました。1514年までには航海のために、ヨーロッパの航海士たちに使われるようになりました。 ヤコブの杖は、外見はことなりますがカマールのような機能をもっており、角度を測定するために長い棒と、それに垂直したクロスバーがついています。 image8 それを使用するには、頬まで杖を持ちあげ水平線が杖の底部分と並び、北極星、もしくは太陽に上端部分が並ぶようにクロスバーをスライドさせます。 image9 するとカマールと同様にあなたが位置している緯度が得られます。太陽を直接見てしまうのは危険じゃないかと思った方もいるかもしれませんが、太陽を直接に見なくても良いように、影を使うことを可能にするバックスタッフと呼ばれるものを備えたものが最終的に開発されました。 約20度から60度の緯度の間で最も正確な値を得ることができ、より高い緯度では人間の目がクロスバーの両側を同時に見るためには大きすぎる角度になってしまいます。しかし、ほとんどの場合は航海士たちが緯度を把握するのに便利な方法でした。

水平線がなくても使える「アストロラーベ」

アストロラーベはカマールやヤコブの杖よりも便利なものです。天文学で使用するため、2世紀のギリシャの学者ヒッパルコスによって発明されたと言われています。 航海用の道具としての使用は、西暦1481年にアフリカの海岸を下って周遊していたポルトガル人の航海者によって初めて記録されました。航海のために使用されたものはマリナーズアストロラーベと呼ばれ、太陽と星に基づいて緯度を測定するための道具でした。 カマールやヤコブの杖を超える利点としては、これを使用するために水平線を見る必要がないということです。つまり霧の中や真っ暗で地平線を見ることができない場合でも使うことが出来るということです。 マリナーズアストロラーベは重い黄銅の円盤であり、使用するために回転する針が中央にあり、航海者が上のリングを持って円盤を海に垂直にぶら下げます。そして、針が太陽もしくは北極星と並ぶように針を回します。 image10 円盤の外周には角度を測定できるように値が記されており、針が指し示した値から緯度を算出しました。簡単で正確に把握できると思うかもしれませんが、実際には揺れている船のデッキでは困難なものでした。 そのため誤った値を得ることが多く、本当に正確な測定が必要な場合は、お金をはたいてでも岸に上陸しなければなりませんでした。揺れる船でカマールやヤコブの杖を使用することも難しかったでしょうが、それらの道具を作ることは少なくとも簡単だったと思います。

「コンパス」は中国で生まれた

その事実に加え、なぜ商人たちがそれらを好んでいたのかをについてご説明します。15世紀には中国は強大な海軍力を持ち、その偉大な航海者は鄭和(ていわ)という名前の2メートルもの身長をもつ高貴なイスラム教徒でした。 image11 明朝の皇帝の命令で、ペルシャ湾とアフリカの東海岸の紅海などを航海し、たくさんの宝物をかかえた数十隻にも及ぶ船の集まりで7回ほど航海しました。彼は中国最大の発明の1つでもある磁気コンパスを使用していました。 磁気コンパスは鄭和の時代よりずっと前に発明されおり、彼の探検は、航海のためにコンパスを使用する最も初期の有名な航海のひとつです。 もともとコンパスは紀元前200年より前に、秦王朝時代の占いのために使われており、自然に生まれる磁石である天然磁石が、宝石のある特定の方向に揃うとされていました。それから人々は、天然磁石が人間の未来や運命を指し示しているのではなく、南北に整列してるだけということに気づきました。 初期の天然磁石で作られたコンパスは、スプーンのような形をしていましたが、最終的に人々は天然磁石を用いた針を作ることにしました。それから鉄針を用いたより正確なコンパスを作り始めるようになりました。 また、木材やコルクに針を付けて水に浮かせると、摩擦がなく回転します。1405年の鄭和の初めての航海では、海上を正確に導くコンパスが完成しました。

太陽の位置がわかる「サンストーン」

サンストーンは、特殊な特性を持ち航海に役立つ資源のひとつです。 image12 約1000年前のバイキングの古文書で、雲に隠れていたとしても、太陽の方向を感知できる魔法の結晶の使用が記録されています。長い間、歴史家たちはバイキングにはトロルや雷神に加え、ある魔法の岩を持っていたということを神話に書いています。 しかし最近の実験では、バイキングに利用可能だったはずの岩を使って、太陽の方向を正確に把握できるようにすることができることが示されています。それは、方解石と呼ばれる鉱物を持ちアイスランディックスパー(氷州石の一種)と呼ばれ、いくつかの歴史家はそれが本当のサンストーンだと考えています。 image13 方解石は複屈折と呼ばれる性質を持っており、2つの異なる屈折率を持っています。つまり、それを通る光が2つに分割されることを意味します。両方の反射光線が像を形成するため、複屈折結晶を通して見るものは2倍の大きさになり、これを太陽光で行うと、像の1つがもう片方よりも明るくなります。 この結晶を回転させて太陽を指すようにすると、太陽から来る光が並んで2つの像が同じ明るさになります。 image14 実際に太陽が見えないときでも、光の波がどのように並んでいるかに基づいて、太陽の位置を特定することは容易です。バイキングが方解石をサンストーンとして使用していたかどうかは定かではありません。 方解石は壊れやすく死者を燃やす際になくなってしまうため、たとえバイキングが方解石を持っていたとしても、見つけることはできないかもしれません。結局のところ、神話的なサンストーンは人々が海を航海するために考え出した創造的なアイディアの1つだったのかもしれないですね。

  

SciShow

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