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ネアンデルタール人のDNAはあなたの中にも眠っている?

ネアンデルタール人のDNAはあなたの中にも眠っている?

ネアンデルタール人。約70万年前に共通の祖先から枝分かれし、約4万年前に絶滅した人類の親戚に当たる種です。実は人類とネアンデルタール人は、種の壁を超えて交雑していました。その結果、私たちの遺伝子にはわずかながらにネアンデルタール人の遺伝子が眠っていることが判明しています。YouTubeのサイエンス系動画チャンネル「SciShow」。今回は、人類の遺伝子に関する最新の研究を解説します。

シリーズ
SciShow
2017年5月4日のログ
スピーカー
Hank Green(ハンク・グリーン) 氏
参照動画
What Neanderthal DNA Is Doing To Your Genome - YouTube

ネアンデルタール人と人類

ネアンデルタール人と人類には、長く絡みあった歴史があります。私たちは約70万年前に共通の先祖から分岐し、しばらく分かたれたあと、ネアンデルタール人が4万年前に絶滅する前にまた元に戻りました。彼らは絶滅しましたが、彼らの一部、つまり彼らのDNAはまだ生き続けています。なぜなら、初期の人類は時にネアンデルタール人とイチャついていたからです。 私たち種族は十分に似通っているため、生み出された子孫も繁殖力がありました。ですから現代に至るまで、その歴史が私たちの内に生きているのです。科学者たちは私たちのDNAのうち、約2パーセントはネアンデルタール人由来のものであると推測しています。 しかもそのDNAは、ただそこに存在しているというだけではありません。今週「The Journal Cell」誌に載せられた論文によると、その微量なネアンデルタール人のDNAが、あなたの遺伝子がどれくらい活発になるかを操作しているというのです。いくつかのケースでは、なんとあなたのネアンデルタール人遺伝子が活発になったり、逆にネアンデルタール人遺伝子が少なくなったりするのです。 とくに脳内や睾丸でそれが見られます。この発見は、すべての古代異種交配の歴史が、未だに私たちの体内で見られるという新しい道を明らかにしています。なぜなら私たちはネアンデルタール人遺伝子を化石から配列しており、既に古代の従兄弟から受け継いだ似通った遺伝子についてはよく知っているからです。 それらの遺伝子は背の高さや免疫システムがどう働くかに影響を与えたり、統合失調症や狼瘡(ろうそう)といった病にかかるリスクと関係があります。この分野に関しては、さまざまな人にさまざまな影響があるでしょうから、私たちがまだ分かっていないことがたくさんあるでしょう。 この遺伝子が私たちに影響を与え得る1つの方法は、これらの遺伝子がどれほど頻繁に発現、活発化するかを変えるというものです。その遺伝子を活発化させるということは、つまり、そのDNAの配列を使ってRNA形のコピーを作るということです。 IMG01 RNAはタンパク質を形成するのに用いられます。もし遺伝子が高度に発現したなら、RNAをたくさん作るのに慣れた、つまり遺伝子のタンパク質が更に作られた、という結果になります。ですから、私たちのゲノムに残存する微量なネアンデルタール人DNAが、遺伝子がどれほど発現するかを変えているならば、人間の健康にとって非常に重要な鍵となります。

ワシントン大学の研究成果

そこでそれを解明するために、ワシントン大学の遺伝学者たちが、ネアンデルタール人の祖先を持つ200人以上の人のさまざまな身体の組織にあるRNAのレベルを図りました。彼らは被験者のゲノムにある5,000以上の部位を観察しました。そのゲノムはその人が母親か父親から受け継いだネアンデルタール人の遺伝子と、もう一方の親から受け継いだ現代人のコピーの両方を受け継いだ人のものでした。 それにより、一方の遺伝子が他方より活発に発現しているかどうかを見ることがでしました。私たちはいつも2種類の遺伝子についてよく知っています。遺伝学者たちはそれを「対立遺伝子」と呼びます。その遺伝子は通常同じように使われるからです。 しかしこの実験では、4分の1の状況で、現代人とネアンデルタールコピーがどれほど発現するかで差が生じました。そうすると、ネアンデルタール人のDNAがある多くの部分で変化が生じるかもしれないということです! 遺伝学者たちが気づいたことはそれだけではありません。時々ネアンデルタール配列は現代人のそれより使われることが少なく、またその逆もあり、バランスが取れていたのです。 IMG02 しかし、彼らは50種類以上の、異なる身体の部位のさまざまな組織を比べた時、興味深いパターンがあることに気がつきました。とくに脳と睾丸で、ネアンデルタール形はさほど発現されませんでした。これにはニューロンを発達させたり、シナプスを形成するのに使われるタンパク質を持つ遺伝子や、尾を振る精子に働く遺伝子が含まれます。何かの理由で、私たちはそれらの遺伝子をそれほど使っていないのです。 それをもって科学者たちは、ネアンデルタール人と現代人が70万年前に分かれてから、脳と睾丸がかなり急激に進化した証拠になるとしています。いずれにせよ、私たちの脳の構造はネアンデルタール人のそれとはかなり異なります。睾丸に関しては、繁殖は通常種族内に限られますから、異種交配種は繁殖力があまりありません。 科学者たちの予想では、多くのケースでネアンデルタール人の遺伝子が私たちの遺伝子と混ざり、遺伝子を活発化させるタンパク質がネアンデルタール人のDNAのものとは共用できなくなり、それらは発現率が低くなったと考えられます。しかし、ネアンデルタール人の遺伝子が強く働く事例もたくさんあります。そして初期の人類は、他の初期のヒト亜科、例えばデニソワ人などと「特別な関係」を持ったと考えられますから、研究者チームは彼らとも似たような事が生じているのではないか研究を行う計画を立てています。

  

SciShow

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