2016年度 連結業績

寺田直行氏:いつもお世話になっております。また、本日はお忙しいなかカゴメの決算説明会にお越しいただき、誠にありがとうございます。

2016年度決算は昨日発表しましたとおり、売上、各段階利益ともに過去最高となりました。

社長就任以来取り組んできた収益構造改革、働き方の改革が、少しずつ会社全体に浸透してきたことがようやく定量的なかたちとなって表れました。とくに国内で健康志向の多様化をうまく取り入れた事業活動ができた1年でした。

先ほど、少しずつ浸透と申し上げましたが、これはやりつくしての結果ではないということ。まだまだ仕事、働き方に無駄、無理、ムラが多く存在し、より利益を獲得できる要素はたくさんあると思っています。

ただ、想定以上の結果であったのは、やりつくしたからではなく、期中で円高による原料安やエネルギーコストの低下といった好影響による部分も幾分かありました。

それでは、決算内容について説明をいたします。まずは決算の概要についてです。

ご覧いただいていますとおり、売上高は4パーセント増の2,025億円、営業利益は63パーセント増の109億円、経常利益は61パーセントの113億円、当期純利益は97パーセント増の68億円となりました。

2016年度 事業別業績

事業別につきまして、国内加工食品事業の売上高は5パーセント増の1,637億円、営業利益は53パーセント増の88億円。国内農事業の売上高は5パーセント増の115億円、営業利益は18パーセント増の9億円。国際事業の売上高は前年並みの474億円、営業利益は約5倍の13億円となりました。

国内加工食品事業・国内農事業

国内加工食品事業につきまして、食品以外の売上高はすべて増収、営業利益はすべてのセグメントで増益となりました。

飲料は、野菜飲料の多様化した健康ニーズを先取りすることで、売上に結びつけることができました。

機能性トマトジュースは、日本初の善玉コレステロールを増やす機能性表示商品として発売し、コレステロール値を気にする40〜50代の健康ニーズを的確に捉え、前年比3割増の売上となりました。

「野菜生活100 Peel&Herb」や「野菜生活100Smoothie」も気分転換や小腹満たしなど、新しい引用シーンを提案する商品を発売できたことが、飲料事業の好調につながりました。

食品は、不採算商品の見直しを行ったことで減収となりましたが、トマトケチャップの健康情報がメディアで取り上げられたほか、減塩の関心の高まりにあわせ、トマトケチャップを使った減塩メニュープロモーションも効果的に店頭展開ができました。

また、業務用と家庭用が連携して、野菜と魚介を一緒においしく簡単に食べられるトマトパッツァが、トマトソースの売上拡大に貢献しました。

ギフト特販では、インターネットやカタログ通販、防災備蓄などの新しいチャネル開拓を進め、不採算商品の大幅な見直しも行いました。

通販では、ターゲティング精度の高いWeb広告が功を奏し、専用商品「つぶより野菜」が好調でした。

国内農事業は、「高リコピントマト」など高付加価値商品の販売を強化し、野菜の栄養素を効率よく摂りたいという消費者にニーズを取り込むことができました。

「高リコピントマト」の売上は、2007年の発売以来、毎年順調に拡大し、生鮮トマト売上の4割を占める商品に成長しました。

また、真夏でもトマトの供給が可能な、山梨県にある最新設備の菜園と契約し、需給対応力を強化したことも寄与しました。

国際事業

次に、国際事業についてご説明します。

国際事業は為替の影響により、売上で55億円、営業利益で1億円のマイナス要因がありましたが、為替を除いた実質ベースでは増収増益となっております。

国際業務用事業は、大手フードサービス顧客向けに開発した調理ソースなどが好調に推移しました。

種子・育苗事業は、一昨年のアメリカのトマトの豊作により、主要顧客の種子の買い控えがありましたが、欧州向け販売は好調に推移しました。

コンシューマー事業は、15年度に買収した米国のPBI社のフル連結化により、売上高が純増しました。

アジアでは、15年度に特別損失を計上し、事業構造の見直しを行ったことで、赤字が縮小し大幅な増益となりました。

国際事業においては、需要拡大が見込まれる加工用トマト市場での成長を目指し、業界大手の米国インゴマー社に20パーセントの出資を行い、去年10月より持分法適用会社となっております。

2016年度 営業利益増減要因

次に、営業利益の増減について説明します。

国内では、売上増加とあわせて、収益構造改革が進んだことが大きな増益要因となりました。

原価低減では、原材料の調達政策の見直しや、生産体制の最適化、国内農事業における需給対応力の強化などが、コスト削減につながりました。

また、原油安によるエネルギーコストの低下もあり、22億円の増益要因となりました。

販売促進費は、利益マネジメントを強化することで、効率的な費用投下ができたほか、滞留品の処分販売にかかる費用を削減することができ、13億円の増益要因となりました。

価格改定効果は、トマトケチャップを2015年4月に価格改定した初年度に、オムライススタジアムを開催するなど、需要喚起策に注力しました。2016年度に実質的な価格改定効果を経て、5億円の増益要因となりました。

以上が収益構造改革の成果となり、前年から42億円増の大幅な増益となりました。

2016年度 連結貸借対照表変動

連結貸借対照表については、ご覧のとおりです。

昨年12月に自己株式の公開買付けを行い、アサヒグループホールディングスとダイナパックより、発行済株式総数に対して、10.54パーセントの自己株式を総額258億円で取得しました。なお、取得した自己株式の取扱いについては、現在検討中です。

2016年度 のれん変動

のれんについては、ご覧のとおりです。

2016年度 キャッシュフロー

キャッシュフローについても、ご覧のとおりです。

以上が、2016年度の決算内容になります。