処分が出たら受け入れるように、という話はしていた

記者:STAP細胞問題では中間報告がもうすぐ、というタイミングなんですけれども、なにかそういう、キッカケになるような出来事というのはあったんでしょうか?

加賀屋:その点はですね、特に思い当たる節はないんですが、笹井副センター長自身は今回のいろいろなものに対して検証を行っておりますし、サンプルの確認はやっておりますけれども、それぞれ別に、全くノータッチで進めておりますので、進ちょくも当然ご存じないと思います。

ただ、当然ながら報道等で状況については耳に入ってきておりますので、先ほど一番始めにご質問ありましたように、疲労困憊、心身ともに疲れているという状況については把握しております。

記者:笹井さんの最近の勤務状況について理研側は把握しているんですか? 例えばもう夏休みをとっているとか。

加賀屋:それは現場では確認しておりますけれども、私のほうでは(情報を)持っておりません。申し訳ございません。

記者:文化放送です。先ほどもあったSTAP細胞の検証実験ですが、今後、一旦中断するとか、現時点で影響はなにかありますでしょうか?

加賀屋:今の段階ではちょっと何とも、どうするというのは申し上げられません。

記者:ニコニコ動画のナナオです。笹井氏はですね、加賀屋もご存知のように、以前の会見で普段はあまり付けない理研のバッヂを付けて会見に臨まれていたと思うんですね。ただ今回自殺したのは、まさに理研の施設内なわけです。(理研の)改革委員会は笹井氏に関してまして「辞職すべき」と指摘されていたと思うんですけれども、この改革委員会のこの提言を受けて、理研は笹井氏にどのようなお話をされていたんですか? 例えば辞職勧告なんかはされていたんですか?

加賀屋:基本的には、懲戒の対象となりましたので、懲戒はいま残念ながら理由があってストップはしていますけれども、そこの処分についてしっかりと受け入れるように、と。処分が出た段階で、それに対応するというような形でお話はされていたと思います。

記者:それはいつ頃ですか?

加賀屋:調査委員会の結果が出た段階ですので、5月上旬です。あと当然ながら、その前の段階でも理研としては役員が笹井副センター長と会って、しっかりとその辺の意思はお伝えしていました。

笹井氏を失った影響は大きい

記者:テレビ朝日のモーニングバードです。確認させていただきたいんですけれども、これは自殺ということで宜しいでしょうか?

加賀屋:はい、結構です。

記者:そしてですね、自殺の場所に自宅などではなくなぜ理研を選んだというふうに受け止められていますか?

加賀屋:まだそのへんの細かいところまでは考えが至っていない、というのが実情でございます。

記者:今日はもともと笹井さんは、理研に出勤する日だったんでしょうか? 予定として。

加賀屋:そうですね。特に欠勤とか出張とは聞いておりません。

記者:もう1点だけ宜しいでしょうか。再生医療の世界では(笹井さんは)ES細胞研究の第一人者と呼ばれていまして、笹井さんを失った影響というのはどれほどのものだというふうに受け止めていらっしゃいますか?

加賀屋:そうですね。再生医療、幹細胞研究、それから神経分野のなかではもう本当にトップランナーとして活躍されてきた方だと認識しておりますので、非常に大きいものだと我々は思っております。

記者:毎日新聞ですけれども、笹井さんは昨日に出勤なさったのが最後に来られた時だったんでしょうか?

加賀屋:昨日だと思います。ただ今朝来たのか、昨夜徹夜なりなんなりしたのか、というのはちょっとまだ確認がとれていないという状況です。

記者:帰ったかそのまま研究所にいたのか、というのはわからない?

加賀屋:はい。

辞意を漏らすようなことはあったのか?

記者:毎日新聞です。笹井さんからは特に辞意を漏らしたとか、もしくは辞表を提出されていたり、ということはあったんでしょうか?

加賀屋:辞表の提出については、私のほうでは把握してないですね。

記者:例えば竹内センター長にそういった気持ちを伝えるとか、そういうこともなかったんでしょうか?

加賀屋:そこのところの事実関係はこれから把握させていただきたいと思いますけれども、これまでそういうふうな具体的なお話は、私は聞いておりませんでした。

記者:先ほど「心身ともに疲労した状態だった」ということだったんですけれども、具体的になにか、そういうことを観察した人だったりとかから、何かそういった話が出ていたりしていたんでしょうか?

加賀屋:今回の件に関連しまして、役員等がいろいろ本人から話を聞いたりしておりました。ご存知のように笹井副センター長自身に対しての取材の依頼もいただいておりましたので、その都度我々としては確認をしまして、やはり心身の疲労というか、大変な状況なのでお断りさせてほしい、ということは言われておりました。

記者:通院をされていたとか、そういった認識はあったんでしょうか?

加賀屋:健康管理部門では当然把握をしているとは思いますけれども、我々のところではそこまでは……。いろいろ心身ともに疲れている、というところで把握しておりました。

小保方氏へは、臨床心理士などによるケアも考える

記者:小保方さんについてサポートされると仰っていましたが、具体的にはどういったことを?

加賀屋:まず今日は出勤しておりますので、所内の適切な方2名が今本人について、まあ本人も大変なショックを受けていると思いますので、まずはそういった形でサポートしています。多分大きな精神的ダメージがありますので、必要に応じて健康管理室の臨床心理士等によるケアとかもちょっと考えていきたいと思っております。

記者:東京新聞です。出勤状況について、タイムカードなどで管理はされていなかったんでしょうか?

加賀屋:そこにつきましては、副センター長、グループディレクターという立場ですので、特にカードとか、そういうものはございません。

記者:確認されたのは、昨日は出勤されていて、昨日帰られたのかどうかの確認は……。

加賀屋:そこはまだ確認できていないです。

記者:今回の自殺と職務との因果関係は、今後理研として調査されるんでしょうか?

加賀屋:職務というのは、実際の仕事の内容ということですか?

記者:仕事……まあ、労災とかの関係もあるのかもわかりませんが、その……。

加賀屋:そういうところはもちろん、確認・調査をしたうえで対応したいというふうに考えております。

再現実験の中間報告が笹井氏に伝わったのか?

記者:直近で、笹井さんが新しいほうの調査における聴取を受けていた、というようなことはあるんでしょうか?

加賀屋:申し訳ないんですが、調査のところは私どものほうにも情報がきていないので、把握はしていないです。今新たな予備調査に入っているという状況です。なので、そのなかで確認が出来るかどうかを含めて、まあこういう事態となったので確認をしたうえで、対応が必要であれば対応していきたいと考えています。

記者:関連して、一番経緯を詳しく知っている笹井さんがお亡くなりになられたことで、今後、調査が一旦中断ですとか、遅延ですとか、考えられる事は何でしょうか?

加賀屋:そういう影響はあろうかと思いますが、そういうことも踏まえて現状予備調査ですので、監査コンプライアンス室長が関係の専門家の意見を含めて決定をしていくかたちになると思います。

記者:再現実験の中間報告ですけれども、その内容についてはここ最近、笹井さんに知らされたような形跡はあるんでしょうか?

加賀屋:それは無いというふうに理解しております。

記者:それは無いと言い切れるのか、無いと思っているのか、どちらでしょうか?

加賀屋:無いと思っている、です。

記者:わかりました。ありがとうございます。

プライベートの面から、遺書の詳細発表は現時点で差し控える

記者:CDBの建物と先端医療センターの建物は直接つながっているんでしょうか?

加賀屋:渡り廊下でつながっております。

記者:笹井さんは先端医療センター内にいわゆる自分の部屋を持っていたんですか?

加賀屋:そうですね。笹井研につきましては、従前からCDBの建物の隣の部屋を利用している、という状況になっています。

記者:笹井さんの部屋というのは両方にあったと考えていいんですか? CDBの中と、先端医療センターと。

加賀屋:いえ、先端医療センターの中だけですね。

記者:主に先端医療センターで執務していたと。

加賀屋:そうですね。あとは当然会議室とか動物の実験室とかはCDB内にありましたので、研究室だけが先端医療センター内の一角にあったという状況です。

記者:デスクの仕事をするときは、笹井さんは先端医療センターにいたんですか?

加賀屋:そうです。

記者:わかりました。ありがとうございます。

記者:遺書の宛名で確認なんですけれども、秘書のほうにあったのは人事課長宛であるとか、いわゆる理研のオフィシャルな肩書き宛だったということで、残りの現場にものについては、例えばプライベートなものだからあえて確認していないとか、そういうことなんですか?

加賀屋:そうです。ちょっとプライベートなところもありますので、そしてご遺族の心情もありますので、今この場での発言は控えさせて頂きたいと思います。

記者:逆にそのプライベートではないものについては、その秘書室にあったものだけで終わりというか、それで全てと認識されているということでしょうか?

加賀屋:どこがプライベートなのか、というのもありますけれども、今お話できる段階では、秘書の机の上にあったものは人事課長と総務課長宛のものがあった、というだけです。

記者:トータルで何通ですか?

加賀屋:先ほどもお話ありましたけれども、現場に3通で、秘書のところには宛名だけ見ると2つありましたけれども、それが1通に書かれていたのかどうかっていうのは、今ちょっと確認できてないです。

遺書を「公表する努力」はするのか?

記者:ニコニコ動画のナナオです。遺書についてなんですが、これはご家族の同意があれば公表される、という理解でよろしいですか?

加賀屋:そこもですね、ちょっと今の段階では、当日ということなので、発言は控えさせて頂きたいと思います。

記者:ただ、全く公表されないと様々な、まあご存知だとは思いますけれどもいろいろな報道が流れますけれども、できれば公表されるように努力はされる、ということでよろしいですか?

加賀屋:ご遺族とのご相談になろうかと思います。

記者:もう1点、小保方さんのメンタルケアだけ話題になってますが、竹内センター長ら、また特に改革委員会から事実上の辞職勧告があった方への精神状態のケアもトータル的に行うべきだと思うんですけれども、その点どうですか?

加賀屋:もちろん、これまでも神戸の健康管理室を中心にフォローしておりましたけれども、そのへんは更に十分配慮したうえで進めていきたいと思っております。

加賀屋氏が感じた最近の笹井氏の様子は?

記者:遺書について確認なんですが、これは現場に置かれていたのか、それとも身につけていらっしゃったのか、どちらなんでしょうか?

加賀屋:そこのところは明確には確認されておりませんが、現場で本人とともに発見された、というふうに聞いております。

記者:胸ポケットとか……。

加賀屋:そこはまだちょっとわからないです。

記者:テレビ朝日です。いま「執務」とおっしゃいましたけれども、具体的にはどのような執務をされていらっしゃったんですか?

加賀屋:副センター長として?

記者:はい。

加賀屋:グループディレクターでもありますので、現状のCDBの状況も踏まえてやってましたけれども、先ほどお話しましたように、心身ともに非常に疲れているという状況でしたので、十分な業務の量をこなせていたかどうか、というのは今把握しておりません。まあ当然、研究室における研究の業務ももちろん行っていたというふうに理解しております。

記者:共同通信です。秘書さんの机というのは、笹井先生の研究室の中にあるんでしょうか? 先ほどおっしゃられた、先端医療センター側の研究室に。

加賀屋:そうです、はい。

記者:で、総務課長と人事課長というのは、CDBの総務課長と人事課長ということでしょう?

加賀屋:そうです。神戸研究支援部の、現場にある総務課、人事課の課長です。

記者:昨日は誰が笹井さんと会ったとか、喋ったとか、そういう情報はまだ……?

加賀屋:まだです。

記者:加賀屋さんご自身が最近笹井さんと接触されたのはいつ頃ですか?

加賀屋:そうですね……皆さんご存知のように、(4月の)会見の時は会っています。その会見の後、いろいろお話をさせていただいていますが、その後については、先ほどちょっとお話ありましたように、取材の関係でメール、あるいは電話で多少お話はさせていただいております。お顔を合わせてお話したのは、会見の時が最後かと思います。

記者:疲労困憊というような状態に関して、ご自身が感じられたようなことっていうのはありましたか?

加賀屋:最近はほとんどメールだったので明確にはわかりませんけれども、やはりこの問題が顕在化してから普段と違うようなところはありました。なので、そこについては総務ですとか人事の健康管理部門と情報を共有して、フォローしてきたという状況です。