売上推移

石坂茂氏(以下、石坂):みなさん、こんにちは。代表の石坂でございます。それでは、2016年12月期通期の決算説明をさせていただきたいと思います。決算概要、事業別サマリ、成長戦略、株主還元、この順番でお話ししたいと思います。

それでは、2016年12月期の決算概要についてご説明いたします。

売上の推移でございますが、2016年12月期で52億6,800万円と、10期連続の増収を達成しております。

当初2015年の末に、ざっくりではあるんですけれども、2016年は売上50億、利益10億を実現するんだということを掲げまして、現場の事業部の調整の結果、それ以上の成果を出せたということは、非常に全社的にも良かったと思っております。

業績ハイライト

次に業績のハイライトでございます。

営業利益につきましては、プラス30パーセント成長を継続しておりまして、2015年は8億4,300万であったのに対して、先ほど言った10億を10パーセント超えた、11億1,100万という連結での利益を実現することができました。

メディア部門とサービス部門の内訳については、こちらのご覧のとおりでございますけれども、どちらかというと、メディア部門のけん引が大きかったと言えると思います。

事業別売上推移

こちらは、売上構成の推移、各事業部でございます。

引き続き、全事業が2桁成長ということで、まだ失速している事業部というのはそれほど見当たらないんですね。

既存の事業が伸びている間に、新たな事業を進出したり、買収、M&Aをすることによって、勢いを止めずに成長していくと考えているわけでございます

既存の事業に加えて、新しく入ってくる事業の利益化ができれば、もし万が一、将来的に既存の事業が横ばい、もしくは時代の趨勢に合わなくなったとしても、全社的な成長路線は継続できるというような戦略を持っております。

各事業部の推移で特筆すべきは、昨年度申し上げたとおり、けん引になるのはイベントとコーポレート。要するに、パーティを運営する事業と、それから加盟店の新規加盟、それから既存の加盟店を増やして、その事業を伸ばしていくというところ。

これが数字的にも割合としては伸びていますし、全体のなかでの割合も、イベント事業とコーポレート、すなわち連盟事業で、加盟店さんをどんどん募っていくというところが伸びているということで、去年立てた予想のとおり実現させていただいております。

利益増減分析

こちらは月並みな利益の増減分析ではございます。

利益拡大と積極的な成長投資を両立させるという、よくある図ではあるんですが。相応に人件費、そして販促投資を行っておりながらも、その投資効果、費用効果を上回る営業利益の増加を実現しておりますので、こちらは健全な成長投資ができていると認識しております。

むしろ、もっと有効な投資を進めて、収益に結びつけていきたいなとは常々思っているんですけれども、まだまだそのあたりが余力をもって成し遂げられていないというところでございます。

2017年12月期 業績見通し

次に、今期2017年12月期の業績の見通しでございます。

今回は、昨年M&Aでグループ入りをしていただいた2社を加えまして、3社の連結でご覧いただけるようになっております。2016年の連結とはいえ、まだかもめが反映されていないので、IBJ単体に近いものと思っていただいて良いです。

ウェディングの出版もやっておりますウインドアンドサン社がこちらに対しまして、2017年は旅行会社かもめの売上利益がオンされてきますのと、既存の事業が伸びることを予想しまして、売上高が92億5900万、営業利益は12億8100万、経常利益が12億7600万、当期純利益が8億6200万ということで、前年比をご覧の通りの伸びをすると考えております。

予想につきましては、各事業部ときちんと予想した上での、比較的硬めな数字を提供しておりますので、当然の事ながら連結2社も含めまして、さらに上を目指してやっていければと考えております。ただ予想としては、売上・利益は、こちらを提供させていただいております。

中期経営計画の進捗

続きまして、中期経理計画の進捗ではあります。

2018年に売上高100億というのを実現したいと思っているのですが、これは、前倒しで実現ができてしまいそうな状況になっておりまして、2018年の見込みであります。予想というのは出せていないのですけれども、計画を上回って進捗することは間違いないだろうと、思っております。

とくに2017年、今年度はグループ各社のM&A効果は、今年に限っては大きくさせるかどうかわからなく、むしろ企業文化の融合でありますとか、グループ、社員の意識の統合というところに重きをおいて、1年間きちんと準備をしたいと思っております。

あまりシナジー効果というのもを業績予想に織り込んではいないのですけれども、2018年以降につきましては、IBJの会員データベースの活用で、シナジーを最大限発揮し、グループ会社の利益率を来年度以降、きちんと改善していきたいと思っておりますので、売上のみならず、利益率も向上させていたいと考えております。

コミュニティ事業

続きまして、事業別のサマリでございます。婚活サイト、ブライダルネットのコミュニティ事業でございます。

当期は無料会員の獲得注力をしまして、昔は、有料会員の獲得ということで、無料会員獲得には積極的にやっていなかったのですが、業界といいますか、市場のトレンドは、無料会員を獲得して、有料転化していくというものがメインになてきております。

それになるべく収益を損なわないようにしながら、キャッチアップしまして、競合との差別化をしまして中長期的な成長を目指すということを実施いたしました。

それによりまして、2015年から2016年も向上はしているのですけども、方針転換をした結果、去年の売上高の伸びというのは若干鈍化しているように見えるのですが、こちらの全体の会員数は、今季計画でも月に2万人弱ほどを見込んでおりまして、前年の倍くらいの無料入会者数をここから有料転化にという施策を取るものです。

ですので、いったん横ばいにはなりましたけれども、なるべく早いタイミングで、さらに上昇カーブを描いていきたいと考えているわけです。そのために、この売上計画を実現するために、どのような入会増加策を考えているかということなのですけれども。

新規入会のメインのページを完全に無料化しておりますので、獲得数は増えています。有料転化策、そして、有料会員がまた無料になりまして、それがまた有料会員に戻ってくる、回帰してくる。という部分に最近は以前以上に力を入れているものですから、有料化施策の方法が変わってきた、改善したというところが1つあります。

そして、もう1つは今年リリースしました、性格診断アプリ。これは、うっかりやってしまうと入会してしまうので、やっていただきたいと思わないのですけれど、性格診断アプリが今年リリースしまして、本格的な広告プロモーションを2月の末からスタートする予定です。

これが非常によくできておりますので、性格診断アプリからの送客が格段に増えてくるだろうと。それに加えまして、まだ改善の余地があったり、手がけている度合いが少ないネイティブアプリ。スマートフォンにインストールする形のアプリですね。

このアプリ化がまだまだうちは進んでいないのですけれども、ブライダルデータにつきましては、従前から、少々物足りないなと思っているブライダルアプリを3月4月、遅くとも4月あたりにはリニューアルいたしますので、入会増加が見込まれるかと思います。

そして、良く言われるのですが、婚活アプリに関しましては、いろいろな婚活アプリが多く参入しており、このブライダルネットというのを長くやっているのですけれども、大丈夫かというのを良く聞かれます。

こういった会員の推移を見ても、横ばいになって伸びて、横ばいになって伸びてを繰り返しているものですから、これからどうなのかということなのですけれども。

やはりIBJでしかできない、独自な施策というのがやはり響くだろうということ。競合との差別化ということで、伸びているイベント事業、PARTY☆PARTYの参加者のアフターマッチング機能でありますとか、パーティの事業とのある融合を考えております。

あまり細かくいってしまいますと、うちの会社ウオッチされましてすぐに真似されてしまいますので、期待はしていていただきたいのですけれでも、具体的に何をやるかというのはここでは伏せさせていただきたく思っております。

それから、東大と共同研究しております、AIの分野です。ここが面白いのですけれども、最近、最もここを聞かれるのです。実装のタイミングは、研究のタイミングなものですので、いつとは言えないのですが、AIによる笑顔化プログラムというのを実装いたします。

これは簡単なものなのですけれども、婚活サービス、結婚情報サービスにおいて、やはりプロフィールにおける写真の影響力が非常に大きいです。ただ、会員のみなさまも最初はやはり緊張していて、写真を笑顔で撮る割合というのは少ないんですね。

したがって、出していただいた写真を、あまり大きく補正するわけではないですけれども、ちょっと笑顔にするようなプログラムがあるものですから、自分で設定することによりまして、出したままの写真をちょっと笑顔化することができるという、そういったプログラムですね。そういった事を実装して競合との差別化を計っていきたいと思っております。

イベント事業

続きまして、婚活パーティー、合コンのセッティング事業をやっている、イベント事業のところです。

現在33店舗の直営店、それからフランチャイズ店舗を運営しておりますが、ここの稼働率の最大化を優先して、売上利益の向上を図っていきたいと考えております。

昨年度、20億くらいの実績ではあったのですけれども、2017年は24億くらいの売上、そして動員数も2割以上アップさせるという計画を立てています。

こちらが、やろうと思えば出店もまだまだ余地があると思っているのですが、ここ1、2年でだいぶ出店をいたしましたので、ずっとさせ続けるという考え方もあるんですけれども。2016年はフランチャイズ店舗も含めて、出店10、増床2とやっております。

これに伴ってページビューも増やしていって、動員数も増やしているのですが、このペースで出店をやると、どうなるかと言うと、クオリティの維持が難しくなるだろうと。クオリティの維持ができなくなると、1つ出てくるマイナス面は、中止のイベントが増えるだろうと。

男女の比が開きすぎたりとか、30名集めるところを10名集まっていないとか。したがって、その中止率が出てきている数を見ていたり、数字だけでなく現場の接客クオリティにつついて考えると、あまり出店を増やしていくよりかは、稼働率を向上するほうの余地があるんですね。

この稼働率を優先して上げていくことによって、サービスクオリティを維持して、満足度を高めて売上に反映していくと。当然、動員数も伸ばします。

ページビューが増えている分、その受け皿も増やさなくていいのかという点については、稼働率をきちんと見てキャッチできているかどうか、それから外会場で行うものであるとか、あまり社内のハードに依存しないような運営を心がけて、売上計画をきちんと実現したいと思っております。

新規顧客の取り込み策というのは、会員基盤を持つ企業とのイベント提携を進めていて、手間がかかるわりに上手くいかないのがあるんですけれども、継続的にはまっていくと、どういう効果があるかと言うと、うち単体で行うよりも婚活色が薄まる。

これはプラスなんですね。要するに、婚活ニーズがある人でもをウォンツがない人が多数いるこのマーケットには、婚活パーティーとか、出会いだとか、結婚というものを前面に出して来る人は、一定の割合に限られています。

ニーズはあるんだけれども、婚活パーティーに出たいって思ってない人が多いわけです。なので、他の企業とのタイアップとか、自社でやる場合でも婚活色を薄めたものを、いろいろとバリエーションを高めて改善することで、参加ハードルを下げて新たな層の顧客を取り込んでいく。

2つ目、リピーターの増加策。あんまりリピーターばっかりだと、「いつもいる人同じなんだけど」って言われるのも困るんで(笑)。リピート率はけっこう大事で、6割~7割くらいがリピーターであってもいいなと思います。

これをきちんと増加させていくとこで、イベント企画と店舗運営のラインを分割しました。これは今まで、店舗ごとにスタッフを配属させて、イベントを企画し、集客の管理をし、運営をして、現場のスタッフのディレクションをすると。

今まで、こういった経験をするリーダーやマネジャークラスを育成すのは、有効だったんですが、拡大していくと店舗ごと、スタッフごとに、クオリティのばらつきでてくるので、得意なことに注力してもらおうと。

そうすると、接客や運営が得意な人は店舗側で、接客それからサービススタッフのディレクションに注力すると。それから集客に対して執着力を持っていて、他社と企画しながらオリジナリティを豊富にだしていく人は、企画と集客に責任を持つ。

こういうふうにラインを分割して強化してまいりました。これによって、今まで以上に企画の種類、それから本数の充実と、現場での接客のクオリティアップが実現できるのではないかと考えております。

ラウンジ事業

続きまして直営の結相談所のラウンジ事業です。

こちらは冒頭に書いておりますとおり、男性入会比率が飛躍的に向上し、成婚数が去年は増えたというのがここに載っております。

とくに男性入会比率が重要で1Qに33.8パーセントで女性の方が多いんですね。高額なサービスほど女性のほうが入会します。低額でリーズナブルな料金のサービスほど男性の入会が多いです。

したがって、直営の結婚相談所はどちらかと言うと、高付加価値、高額サービスなので、女性の入会がどんどん増えます。ところが直営店だけではなく、約1,400社になろうとしている加盟店も各地で女性の入会率が高いです。

なので、全体の約1割弱を占めているこのIBJメンバーズの直営店が男性入会に注力しないと連盟全体の会員がアンバランスになっていきますので、男性入会に注力して去年の4Qで48.9パーセント。

私の方から事業部長と話し合いまして、直営店については男性の入会比率を50パーセント超にしようと、去年の3Q、4Qから施策を進めてきた結果、実は今年の1月、2月に全体の入会者のうち、男性の入会者が50パーセントを超えています。

それはマーケティングのスタイルによって、変えることはできますので、それをまず直営店が身をもって示して、上手くいった施策を加盟店に広げていくことを考えております。

増加策は書いてありますとおり、ハイクラス男性限定の入会キャンペーンを実施する。それから男性がいるところと提携を行う。そして入会営業のインセンティブを男性重視に変更していく。

これによって男性が増え、お見合いが増加し中途退会が抑制されますので、女性も期待値を持って会員活動を継続して成婚が増えますので、それによって結婚カップルが増えれば、提携先のウェディングであるとか指輪、ライフデザイン事業への送客が増えるということです。

売上計画につきましては、今期も去年以上にきちんと成長カーブを描いて売上計画は17億円を計画しております。

コーポレート事業

そして前期、飛躍的に伸びましたコーポ―レート事業です。

これは全国の加盟相談所へのシステム提供や独立開業の支援しています。2015年の前々期の新規の加盟店はアベレージで15件くらいだったと。2016年は月次で30件というのを年末に向けて実現しましょうという話をしました。

3Qあたりで30件をクリアしています。そのあとも、30件前後くらいで年末まで毎月推移していまして、2017年度については、新加盟数月30件をアベレージ以上にもっていきまして、個人の開業とはことなる単価の高い法人パッケージを去年から導入しました。

件数と単価の向上によって、売上計画を成長路線で実現しようと考えているわけですね。これは前年度から引き続き、まだまだ伸ばしていける事業だと思っております。

2017年売上計画は、9億円くらいを目指しておりまして、新規加盟数も昨年の289件に対しまして、けっこう固めの数字ですけれども、月に30件ぐらいを目途とした新規加盟数を目指しています。加盟相談所数は順調に推移していますけども、まだまだ伸びると思います。

加盟数の増加をどうやって実現したかみていくと、開業のニーズの拾い上げですね。このマーケティングチャネルを増やしたということが一番だと思います。

例えば、フランチャイズフェアの積極的な出店や広告・マーケティングのスタイルを変えました。それと営業ラインを若干増加しました。

それと単価アップの施策。法人パッケージによって単価を切り上げて、コンサルを付加した単価のパッケージを作ったのと、実は相談所とイベント事業をセットで販売しているところが増えております。

要するに相談所を運営するだけではなくて、婚活パーティーなどのイベントもセットでIBJが直営店でやってるのと同じようにやりたいというところに、地域にパーティーのフランチャイズ権を提供しまして、セット販売をしております。

もちろん個人の開業や運営も支援はしていくんですが、法人については会員さんをすでに保有している企業にセールスを注力して、新規事業として提案して、事業としては成功率の高い、すでに既存の事業がある法人に加盟を促していき、実現していくと考えております。

当然、会員数が増えると、加盟相談所さんのメリットは大きくなります。会員が増えればお見合いの件数も増えますから。それとは別に新機能の追加をしておりまして、会員が増えるメリット、機能が向上するメリット、これをアピールしてシステム料の段階的な価格改定を2017年度以降に改善していきたいと考えております。

ライフデザイン事業

5つ目のライフデザイン事業。

とくにM&Aによってグループになっていただいた2社、そして昨日発表しましたソニー生命さんとの合弁事業である保険代理事業ですね。こういったことで、結婚のみならず、婚活中の会員ともシナジー効果と書いているんですけれども。

この図に書いてあるとおりで、結婚カップルだけがどうしても目に留まるんですが、実は婚活中の会員にも旅行のニーズもあるんですね。ここに書いてあります、旅行ニーズに隠れている結婚(出会い)ニーズの掘り起こし。これをじっくり実現したいと考えております。

昨日の発表だったので、保険はここに織り込んではいないんですけれども、住宅とか保険は、独身の方も資産運用ニーズや将来のライフデザイン設計のところでニーズがありますし、啓蒙していきたい部分でもありますので、そういった仕掛けを試し、上手くいくものを伸ばしていくと。

今までも婚約指輪とか、結婚式場の送客でやってきておりますので、段取りと手順というのは、以前よりもわかってきている分、別の分野にもつなげていきたいと思います。

IBJの社会的必要性

3つ目の成長戦略です。まず、IBJの社会的必要性。

未婚率は上昇しているんですが、結婚志向は日本では相変わらず非常に高いです。多様性はいろいろと出てきてはいるんですけれども、政府の支援も結婚を実現することによって、そして育児をすることによって少子化対策をするんだということは明確に打ち出されております。

そういったバックボーンがありますので、個人においてもいずれは結婚機会があればしたいという未婚者は9割近くいる現状は変わりません。

婚活利用者の動向

こちらは前回も出したとおりなんですけれども、婚活サービスのニーズが高まり、要するに抵抗感がなくなって、サービス利用者は増加傾向にあると。結婚したカップル5万サンプル中、直近では8パーセント以上の人が婚活サービスを利用して結婚した人というデータが一部出ているものですから、今後まだまだ伸びていくだろうと考えて良いと思うんですね。

今はもう、婚活ではなくて恋人探しみたいな方々も、物心をついた頃からスマートホンをいじっているような子が増えているものですから、当然のように、婚活サイトや、サービスを使うことに抵抗感はなくなっていくだろうと考えております。

マーケットを拡大する中での売上拡大要素

我が社のマーケットがそのように拡大する中での、売上の拡大要素というのは、2つあります。

ユーザー数の拡大と、LTV(顧客生涯価値)。人はどれだけ我が社のサービスを利用してくれるか、売上を落としてくれるか、というところになるわけです。

こういったところに注力をして、マッチング通路を作って、ゲートウェイ戦略を拡大する、地方自治体にノウハウを提供する、領域、総合ライフデザインにしていく、技術開発、テクノロジーやサイエンスなどを導入していくということで、売上拡大を意識してくと。

下に書いてあるとおり、婚活というキーワードはまだ生きているのですけれども、検索数も増え続けて、まだ増えています。ですが、広くニーズのある客を抱え込むには、婚活色を薄めて潜在ユーザーを掘り起こすということも必要だと考えております。

結婚はしたいのだけれども、結婚サービスを利用意向なしというのがまだまだこれだけいるというマーケットなので、そこをどれだけ掘り起こせるかというのがポイントなんですね。

我が社に入会している会員様で、とくに直営の結婚相談所なんておもしろいのですけれども、結婚相談所を最初から利用しようと思っている人というのは、入会者のうち、本当に1割か2割なんですね。

広告で集めているのではなく、イベントやセミナーや婚活パーティーに最初参加して、相談所に入ろうなんて考えていなかったと言うけれども、いろいろ考えたらそっちの方がいいな、IBJの方がいいな、と考え流ようになっていて、利用意向がない人を利用させることができないわけではないんですね。

潜在ユーザーをいかに掘り起こすか、という仕組み、カラクリが大事になってくるかと思います。

ゲートウェイ戦略

そういった中で、昔からありがちなものと思われるかもしれないですけれども、こういった性格診断アプリというのもリリースさせていだだきました。

これはロジックとか、どれだけリッチなものかというよりも、ユーザーインターフェイスで、使いやすいものかというのが一番大事なので、研究し、使いやすく、入会誘導しやすいものを作ったのです。

もちろんロジックもディグラム診断というものを使用して、木原先生からいただいているものなので、非常におもしろい。診断結果も「なるほど、そうか!」というものが出てくる。こういった、手軽な性格診断をフックに、高相性の会員を紹介して各サービスを訴求していく。

普通は何か条件等、どれくらいどういう人がいるのですか、と入力させられて、ポチっと押すと、あなたに合う会員がこれだけいます。というのが従来型だったのですけれども、あなたの性格を診断して、その性格に合った人はこういうタイプの人何ですよという、アプローチしやすいゲートウェイを作ったわけです。

地方自治体戦略

そして、地方自治体。2016年は、9自治体から受託をいたしまして、細かいところではもっとやってはいるのですけれども、各自治体オリジナルの研修プログラムを実施しました。

本当は我が社の上手くいっているシステムを導入すれば、自治体の婚活は上手くいくのでは ないかと、私は思っているのですけれども、各自治体の個人情報の取り扱いに対してセンシティブであるところなどが、単年度での予算しかなかなか組めないという部分もありまして、継続的なシステム導入というのは、あまり無理にやろうとは私も最近は思っておりません。

どんなことが多いかといいますと、単年度での予算の中での各地域のサポーターへの研修プログラム。IBJのメソッドというのを積極的に学びたいというニーズありますので、そういったものを提供していくことですとか、地域の独身男女への気分を盛り上げるためのセミナー、研修、そういったものをメインに行ってきました。

自治体のところから収益的なところを望む部分は、あまりないのですけれども、日本の婚活マーケットを掘り起こしていくのは私は非常に有効だと思っておりますので、民間では掘り起こすことのできない、自治体側での集客には貢献していきたいなと。

そして、自治体での安い、無料のサービスにお客様が入ってくると、そこから民間にも確実に流れてくるのは、加盟店からもそういった話はよく聞きますし、私も実感として感じておりますので、合理的なご要望であれば、そういったことも受け付けていきたいと思っております。

なかなか合理的なことがないんですよね。交通費だけで出していただく費用が終わってしまうですとか。システムに関する見解があるのか無いのかわからないのですが、それだけの値段でできるわけないですとか。後からいろいろな要望が出てきてしまうですとかは、それはもう赤字要因になるので、そういったものは一切受けないということです。

領域拡大戦略

そして、領域拡大戦略、LTVの向上ですね。

こういったライフデザインを考える会社というのは、いろいろなところで出てくるものですので、投資家のみなさまも、いろいろなところでみるなと思っておられると思うのですけれども。この婚活のサービスを提供している業界において、本当にこういった結婚以降のライフデザインのニーズを補足し、事業にしていけるのはIBJだけだと自負しております。

何故ならば、日本最大級の婚活会員基盤を持っているということが、これを実現できる確からしさを高めることであり、もう一つは、成婚を生み出すというのはあらゆる業者がやっているのですけれども、やはり結婚相談所を束ねていて、かつ、婚約のところまでサポートする事業者はあまり多くないんですね。

1人に絞って、お付き合いを始めたところで成婚実績といっているところも、マッチング業者ではあるものですから、婚約までお世話して、両家のご挨拶までサポートするくらいやらないと、その先の新婚旅行、ウェディング、保険、住まい、こういうところまでフォローアップしていくということは不可能なんですね。

したがって、今申し上げた通り、この領域拡大を実現できる可能性が高いのは、業界では我が社ではないかな、というふうに自負しておりますので、ここは、トライアルアンドエラーを重ねてやっていこうということです。

技術開発戦略

そして、技術開発戦略は引き続きやっております、AI、人工知能です。

東京大学の山崎先生と共同研究開発をすすめておりまして、漠然とした好みを可視化して提案していく、条件検索に頼らない、レコメンテーション機能のようなものを考えています。

また、先ほど説明いたしました、笑顔をさりげなく画像調整することによりまして、お客様のボタンを押すと、スマホで調整済みのやつが表示されると。簡単なところからはじめていくと。

この程度でAIかと思われるかもしれませんが、十分にレコメンドデータをきちんと分析した上で、きちんとそれをデータ化して蓄積してそれを可視化して提案してくということをやってきますので、人工知能的な機能を活用しているものと思います。

配当・自己株式取得

そして、最後は株主還元です。配当と自己株式取得を行いまして、4期連続に増配と株式取得を行いました。

還元総額は約4億円です。2016年の予想配当金額は、1株について6円。配当金総額は2億1,600万円、取得自己株式数は505,300株、取得総額は1億8,700万円となっております。

こちらは去年に実施した自己株取得でございますので、ずいぶん前になりますけれども、還元は4億円とさせていただいております。

以上をもちまして、2016年通期決算説明を終わらせていただきます。