2017年3月期第3四半期決算説明会

日覺昭廣氏(以下、日覺):本日は大変お忙しいなかをお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。みなさまには、日頃から当社の経営ならび事業活動につきましてご理解をいただいておりますことを改めてお礼を申し上げます。

これより2017年3月期第3四半期決算の概要と2017年3月期業績見通しについてご説明を申し上げます。

連結損益概要

はじめに2017年3月期第3四半期決算の概要です。3ページをご覧ください。

左の表の太枠、17年3月期第3四半期実績およびその右の前年同期比増減の数値を中心に、ポイントのみご説明をいたします。

当第3四半期の売上高は5,352億円、前年同期比で3パーセントの減収となり、営業利益は379億円と、11.8パーセントの減益となりました。

経常利益は394億円と、前年同期比で6.7パーセントの減益。四半期純利益は235億円と、12.2パーセントの減益となりました。

営業外収支

4ページは、営業外収支についてです。

当第3四半期の営業外収支は、持分法による投資利益の増加を主因に、前年同期比で22億円改善し、プラス15億円となりました。

なお第3四半期営業外収支は、右の表に示したとおり、プラス13億円と、前年同期比で17億円改善しました。

特別損益

5ページは特別損益についてです。

当第3四半期の特別利益は3億円と、前年同期比24億円減少しました。特別損失は29億円と、前年同期比2億円減少しました。以上の結果、ネットの特別損益はマイナス26億円となりました。

なお、第3四半期累計期間のネットの特別損益はマイナス39億円と、前年同期比で11億円悪化しました。

資産・負債・純資産

6ページは、資産・負債・純資産についてです。

2016年12月末の資産合計は、受取手形および売掛金や棚卸資産、有形固定資産が増加したことを主因に、2兆4,133億円。2016年3月末に比べて1,350億円増加しました。

負債合計は、有利子負債が増加したことを主因に1兆3,309億円と、16年3月末に比べて774億円増加しました。

純資産合計は、純利益の計上による利益剰余金の増加などにより、16年3月末に比べ576億円増加して1兆825億円となり、このうち自己資本は1兆4億円となりました。

負債残高は7,666億円となり、D/Eレシオは0.77となりました。

設備投資額・減価償却費・研究開発費

7ページは、設備投資額・減価償却費・研究開発費についてです。

当第3四半期累計期間の設備投資額は969億円となり、前年同期比で94億円増加しました。減価償却費は616億円。為替変動の影響もあり、前年同期比で39億円減少しました。研究開発費は427億円と、前年同期比で6億円減少しました。

セグメント別売上高・営業利益

8ページは、上段には、第3四半期、すなわち3ヶ月間のセグメント別売上高と営業利益の実績。下段には、第3四半期累計期間、すなわち9ヶ月間の累計実績をそれぞれ示しました。

第3四半期の3ヶ月間では、情報通信材料・機器が前年同期比で増収増益。環境・エンジニアリング、その他は増収減益。プラスチック・ケミカルは減収増益。繊維、炭素繊維複合材料、ライフサイエンスは減収減益となりました。

セグメント別業績(繊維)

9ページ以降は、セグメント別に当第3四半期の状況をご説明します。上の段の表の左側の欄と、その下の「3Q(10〜12月)」と記載されたコラムの内容をご覧ください。最初は繊維です。

繊維セグメントの売上高は2,458億円。前年同期比で4.6パーセントの減収。営業利益は195億円と、7.8パーセントの減益となりました。

国内では衣料用途・産業用途ともに需要が引き続き低調に推移するなかで、全般的に拡販に努めるとともに、糸綿/テキスタイル/製品一貫型ビジネスを推進をはじめとする事業の高度化や原価改善を進めることで、採算の改善に注力しました。

海外では、衣料用途を中心に、欧州や中国などにおける最終需要低迷に加え、競合激化の影響を受けましたが、自動車関連用途向けや衛生材料向けは、総じて堅調に推移しました。

セグメント別業績(プラスチック・ケミカル)

プラスチック・ケミカルセグメントは、売上高1251億円、前年同期比2.4パーセントの減収。営業利益は93億円、6.1パーセントの増益となりました。

樹脂事業は、自動車関連用途向けの出荷が、国内外とも、概ね堅調に推移しました。自動車以外の用途でも、ABS樹脂などの拡販を進めました。

フィルム事業は、国内の包装用途向けが堅調に推移しました。また、多くの製品が国内外で価格競争の影響を受けましたが、高付加価値品の拡販や原価改善に注力することで、採算の改善に努めました。

セグメント別業績(情報通信材料・機器)

情報通信材料・機器セグメントは、売上高626億円、前年同期比で0.1パーセントの増収。営業利益は83億円、11.6パーセントの増益となりました。

フラットパネルディスプレイ向けでは、スマートフォンやタブレット端末の関連材料は、有機EL用途向けの出荷が拡大するなど、堅調に推移しました。リチウムイオン二次電池向けバッテリーセパレータフィルムは、需要の伸長を背景に出荷が拡大しました。一方で、国内子会社の液晶カラーフィルター製造装置等は、需要の減退を受け、低調に推移しました。

情報通信材料・機器セグメントの売上高の詳細

12ページには、情報通信材料・機器セグメントのサブセグメントごとの売上高並びにその構成費等、対前年同期比の増減率をお示ししました。上段の第3四半期の表をご覧ください。

ディスプレイ材料では、スマートフォンやタブレット端末の関連材料は、主要顧客の稼働好調に伴い、有機EL向け等が堅調に推移しました。電子部品・半導体・回路材料は、リチウムイオン二次電池向けのバッテリーセパレータフィルムや、韓国子会社の高機能回路材料の出荷が拡大しました。

記録材料は、データバックアップ用磁気テープ向けのフィルムが堅調でしたが、熱転写用リボンフィルムは低調に推移しました。機器他は、液晶カラーフィルター製造装置の販売が低調に推移しました。

セグメント別業績(炭素繊維複合材料)

炭素繊維複合材料セグメントは、売上高378億円、前年同期比17.3パーセントの減収、営業利益は46億円、42.3パーセントの減益となりました。

航空機の最終需要は堅調に推移しましたが、サプライチェーンにおける在庫調整などを反映して、炭素繊維中間加工品(プリプレグ)の需要は弱含みで推移しました。また、圧縮天然ガスタンク向けは、原油価格下落の影響を受けて、需要が低調に推移しました。

炭素繊維複合材料セグメントの売上高の詳細

14ページでは、炭素繊維複合材料セグメントのサブセグメントごとの売上高並びにその構成費等、対前年同期比の増減率を示しています。上段の第3四半期の表をご覧ください。

航空宇宙用途については、航空機の最終需要は堅調に推移しましたが、サプライチェーンにおける在庫調整などを反映して、炭素繊維中間加工品(プリプレグ)の需要は弱含みで推移しました。

スポーツ用途は、海外で、釣り竿や自転車用途向けの需要が低調に推移しました。一般産業用途では、圧縮天然ガスタンク用の需要が低調に推移したほか、風力発電翼用途は一時的な需要減少の影響を受けました。

セグメント別業績(環境・エンジニアリング)

環境・エンジニアリングセグメントは、売上高475億円、前年同期比19.9パーセントの増収。営業利益は18億円、0.4パーセントの減益となりました。

水処理事業は、逆浸透膜などの拡販を進めましたが、日本からの輸出は円高進行の影響を受けました。国内子会社では、エンジニアリング子会社の作業機器やプラント工事が堅調に推移しました。

セグメント別業績(ライフサイエンス)

ライフサイエンスセグメントは、売上高129億円、前年同期比10.9パーセントの減収。営業利益はマイナス3億円、14億円の減益となりました。

医薬事業は経口そう痒症改善剤レミッチが堅調に推移したものの、2016年薬価改定の影響を受けました。既存薬のフエロンやドルナーは代替治療薬や後発医療薬の影響を受けて低調に推移いたしました。医療機器事業はダイアライザーが国内外で堅調に推移しました。

営業利益増減要因分析(第3四半期累計期間)

17ページのグラフは、第3四半期累計期間の連結営業利益が前年同期に比べて、39億円減益となった要因を分析したものです。

増益要因としましては、数量増が149億円。石化原料由来製品等の原料価格の下落がプラス245億円となり、合計でプラスが394億円となりました。

一方、減益要因としては、石化原料由来製品等の販売下落がマイナス258億円。石化原料由来製品の影響を受けにくい製品の価格変動、ネットがマイナス35億円。営業費差はマイナス21億円。その他、費用差がマイナス10億円。

そして、海外の子会社の邦貨換算差はマイナス109億円となり、合計でマイナスが433億円となりました。

主要子会社収益状況(第3四半期累計期間)

18ページでは、当第3四半期累計期間の主要子会社の収益状況を示しております。

東レインターナショナルは、繊維事業と炭素製品複合事業が低調に推移したことに加え、円高進行の影響を受けました。

東レエンジニアリングは産業機器やプラント工事が堅調に推移したことに加え、液晶カラーフィルター製造装置等の情報推進関連事業等が堅調に推移しました。東南アジアの子会社では、繊維事業が医療用途の需要が低調に推移しました。

プラスチック・ケミカル事業は、樹脂の原料価格安による販売価格下落と、市況悪化により低調に推移しました。中国の子会社では、繊維事業と、プラスチック・ケミカル事業は堅調に推移しましたが、円高進行による影響を受けました。

海外のフィルム事業は、出荷を拡大しましたが、円高進行による影響を受けました。

2017年3月期連結業績見通し

次に、2017年3月期連結業績見通しについてご説明いたします。20ページをご覧ください。

2017年3月期連結業績予想につきましては、昨年11月8日に公表した予想数値から、全体としては変更はありませんが、第3四半期の業績期間の累積動向に加え、事業環境の変化を踏まえ、セグメントレスの予想数値については、若干の修正を行いました。

セグメント別業績見通し(売上高/営業利益)

21ページでは、2107年3月の業績予想をセグメント別に記しました。

上段に売上高、下段に営業利益、右端に、前回の見通しとの差異を示しました。

セグメント別営業利益の前回見通しとの差異

22ページでは、2017年3月期、通期の営業利益の前回見通しと今回見通しの差異をセグメン ト別にブレイクダウンし、その要因を表の右側に示しております。

決算のご説明は以上です。