第3四半期決算実績 サマリー

富田健司氏(以下、富田):みなさん、こんにちは。富田です。本日はご参加ありがとうございます。さっそくですけれども決算概要の説明に入らさせていただきます。

まず3ページをお開けください。決算サマリーで、概況を説明させていただきます。

まず受注高ですが、造船市況が低迷しております。船舶海洋が大幅に減少したほか、昨年度に大口の受注がありましたが、ガスタービン・機械や、あるいはプラントなどで受注が減少しました結果、前年度比で1,900億円の減少となりました。

売上高の方は、円高によります減収をトルクメニスタン向けのプラント工事が、順調に進捗しておりますので、プラントの増収等で補いまして、結局は前年比微減となりました。営業利益でございますが、前年同期から439億円の減益になりました。

これは1つは円高の影響、もう1つは、2Qでご説明済みの船舶海洋での損益悪化、すなわちブラジル向けのドリルシップの船体部の減損であるとか、ノルウェー向けのオフショア作業船、受注工事損失引当金の計上、新型のLNG(液化天然ガス)船のコスト悪化。さらに、これに航空宇宙の減益が加わったことが主因になります。

それから経常利益。これは営業利益とほぼ同様の動きであります。それから四半期の純利益の減少額が少ないのは、前年同期に船舶海洋のブラジル合弁事業に関する特別損失。これを計上したためでございます。

それから先ほどふれました為替の影響に関してはネットの外貨売上高、それから加重平均レートを、費用にお示ししておりますので、それらを参考にしていただきたいと思います。

実際の影響額がどの程度なのか、算出は難しいようですが、ドルとユーロのレート差、これに影響外貨量を掛け合わせた単純計算では、ドルとユーロで合わせて250億円ほどのマイナスの影響となります。

第3四半期決算実績 セグメント別

それから次のページのセグメント別サマリーでございますが、これは資料の通りでございます。

個別の説明は後程セグメントのページで行わせていただきます。ここではその他のセグメントの減少ですが、これは建機部門の事業譲渡の影響を受けたことを申し上げておきます。

前年同期比損益計算書の概要

それから5ページのPLの概況でございます。

まず営業利益ですが、売上総利益が前年同期比で384億円の減益となりました。さらに販管費も54億円増加しましたので、営業利益は439億円の減益となっております。

販管費の増加でございますが、このうちほとんどが、2Qに実施しましたブラジル向けのドリルシップ船体部の減損、これは貸倒引当金の計上によるものです。それから持分法の利益ですが、前年同期比26億円の好転となっております。前年同期は船舶海洋のブラジル合弁事業に関する損失として計上されておりましたけれども、今期はその影響がなくなったためであります。

さらに営業外の為替差損益でございますが、前年同期比で34億円の好転となりました。昨年の12月末にかけて円安が進行しました結果、外貨建て債券の期末評価、これで多額の為替差益が発生したことによります。なおヘッジの状況ですが、昨年11月来の円安進行によりまして、為替ヘッジを進めておりまして、今年度のキャッシュ・フロー分のヘッジはほぼほぼ完了しております。

ヘッジにあたりましては、製品特性を考慮すること、それからボリューム期間を分散して行う方針に変わりはありません。それからその他の営業外損益に関してですが、前年同期比で、58億円の悪化となっております。

前期ではございますが海外子会社の事務所移転に伴う固定資産の売却益ですとか、あるいは設備投資にかかる補助金収入を前期計上しましたけれども、今期はそれが無い、むしろ固定資産の売廃却損が多かったと。これによって、悪化をもたらしたということであります。

船舶海洋

次に6ページからのカンパニーページに入っていきたいと思います。

セグメントごとにこれからご説明に入りますが、今回は第4Qの前提為替レートを、ドルユーロとも円安方向に見直したうえで、通期見通しを一部修正しております。

具体的には1ドル102円を110円に見直し、さらに1ユーロを114円から120円に見直しております。まず6ぺージの船舶海洋についてです。3Qでの受注は潜水艦1隻のみでございます。造船市況はご存知の通り低迷をしておりまして、受注見通しを900億円から400億円に引き下げましたが、2018年度までの受注を確保しております。

現在のところ手持ち工事の操業は安定しておりまして、 3Qの売上高は前年並というレベルです。売上の通期見通しも変更しておりません。営業利益の方ですが、2Qで説明しましたブラジル向けのドリルシップ、一番船の船体部の減損、それからノルウェー向けのオフショア作業船の受注工事損失引当金の計上、それから新型LNG船のコスト悪化により、前年同期比で大幅の悪化をしております。

今回営業利益の通期見通しを200億円に据え置いております。ドルの前提レートを102円から110円に見直しておりますので、理論計算では40~50億円の上方修正の要因になるわけですが、ノルウェー向けのオフショア作業船の建造コストの増加懸念が見込まれる状況になりましたので、200億円のまま据え置いたということであります。

それからノルウェー向けのオフショア作業船に関しましては、2Q時点で約20億円の建造コスト増を織り込んでおりましたけれども、設計作業が進捗するなかで、材料費、それから建造工数が2Qの想定時点よりも増加しそうだ、ということが判明したということによります。

車両

それから7ページの車両に移ります。

車両の3Qの実績でございますが、受注は海外向けが減少しましたが、主に国内向けの車両が好調でありまして、前期並みでございます。売上の方は、シンガポールや台湾などアジア向け売上が減少したこと等によって減少しております。

営業利益の方は減収要因、それから高採算案件が減少したことによって減益ということになりました。それから通期の見通しですが、まず受注は前回から大きな変動はございません。据え置いております。それで第4Q以降は、国内向けそれから北米向けの通勤電車、そらからアジア向け等の受注を見込んでおります。

売上に関しましては、海外向け案件の期ずれの影響がございまして、見通しを引き下げております。これに伴って、減益の影響が生じるんですけれども、為替の前提レートを今回、円安方向に見直しましたので、営業利益の方は従来見通しを据え置いております。

航空宇宙

次に8ページの航空宇宙に移らさせていただきます。

航空宇宙の3Qの実績でございますが、まず受注は円高、それからボーイング777の減産の影響によりまして減少しております。売上の方は、防衛相向けが増加いたしましたが、円高の影響等により減収になっております。

営業利益の方は、円高の影響が大きかった。それからボーイング787の価格改定、さらにはボーイング777の減産の影響もありまして、前年同期比で大幅な減益となりました。

一方で、通期の見通しでございますが、受注の方は、期初から大きな変動はありませんので、見通しを据え置いております。それから売上高は防衛相向けの進捗率の変動によりまして、見通しを引き下げております。

さらに営業利益でございますが、売上高の見通しを引き下げましたが、前提為替レートの見直し、円安方向への見直し、それから民需航空機の生産性向上によりますコストダウンがございますので、従来の見通しから35億円上方修正しております。

ガスタービン・機械

次に9ページのガスタービン・機械のご説明をいたします。

まず、3Qの実績でございます。受注の方は、新規開発の航空エンジン分担製造品、これの参画時にまとまった受注が前年同期ございました。これに比べると、当期は減少ということでございます。それから、売上の方ですが、トレントXWB等の航空エンジンの分担製造品が増加したこと。あるいはガスエンジンンの工事が増加したこと等によりまして、円高の影響を吸収して前年同期から微増という結果になりました。

さらに営業利益の方は、円高の影響を大きく受けました。それに加えまして、新規開発の航空エンジンの売上増、これに伴いまして開発費の償却負担が増えるという結果になりまして、前年同期比では大幅な減益となっております。

次に通期見通しの説明をさせていただきます。受注は前年公表時から大きな変化はありませんので、据え置いております。それから、売上の方ですが、前提為替レート円安に見直したのですが、一部の航空エンジンの分担製造品が来期に期ずれをする見込みであるということで、見通しを据え置いております。

一方で営業利益の方は、今回の前提レートの見直し、これを反映した見通しを引き上げているということです。

プラント・環境

次に10ページのプラント・環境の説明にまいります。

まず、3Qの実績ですが、受注は、前年同期に国内向けのごみ焼却プラント等の大口案件がございました。これに比べますと、当期は減少しました。売上の方は、トルクメニスタン向けのGTG(ガス・ツー・ガソリン)プラント工事が佳境に入っておりまして、増収になっております。

それから営業利益の方なんですけれども、海外向けのLNGタンクのコスト増加が発生しておりまして、前年同期比で減少をしております。

次に通期見通しです。受注の方は目標案件の見直しによりまして、見通しを引き下げております。それから売上、これはトルクメニスタン向けのGTGプラントの進捗が順調でございまして、見通しを引上げました。営業利利益の方は、海外向けのLNGタンクのプロジェクトでコストが悪化しております。そして相応の損失が発生する可能性が高いということで、見通しを引き下げております。

モーターサイクル&エンジン

次に11ページのモーターサイクル&エンジンでございます。

3Qの実績ですが、売上は円高の影響が非常に大きいということ。それから、新興国向けの二輪車、汎用エンジンが減少したことがありまして。一方でヨーロッパ向けの二輪とか、アメリカ向けの四輪が好調ではあるのですが、前年同期比では減収になっております。さらに営業利益の方も、同様の理由によって減益という結果になりました。

一方で通期の見通しでございますが、まず前回の公表時点から為替以外は大きな変動はありません。円安の影響を今回は、織り込みまして営業利益の見通しを引き上げました。一方で売上の方は、微増であるために、まるめて据え置いた格好にしております。

精密機械

それから、精密機械の方に移ります。

精密機械はまず油圧機械の方でございますが、2016年の後半に入りまして、中国におけるショベル販売がようやく底をうったということで、振り返ると6月以降の7ヶ月連続で前年同月比を上回るなど回復に転じています。また在庫に関しても、市場での過剰在庫の消化が済んだこともありまして、足元における当社への発注数が急増している状況でございます。

それから一方でロボットの方は海外自動車メーカー向け、半導体の製造装置メーカー向けを中心に全体的に堅調に推移しております。そして、建設機械市場全体には環境的に追い風が吹いている状況でございまして、3Qの実績は、受注・売上・営業利益ともに前年同期を大きく上回っております。

また通期見通しについても、受注・売上・営業利益とも引上げを行っております。ここまでがセグメント別の状況でございます。

貸借対照表の概要

次に13ページでバランスシートの概要をご説明いたします。

16年度3Qの有利子負債でございますが、15年度末日の2,249億円の増加となりまして、NET D/Eレシオも138.1パーセントとなりましたが、例年3Qまでは、試験需要が増加する一方で、4Qにかけて入金が進んでいくと、そして有利負債が削減されていくというトレンドになっておりまして。15年度の3Qと比べましても今回344億円の減少となっていることからも問題はないと考えております。

また、期末の有利子負債は、15年度末、3,984億円でございましたが、これを下回る水準を目指したいと考えております。

キャッシュ・フローの概要

それから、14ページのキャッシュ・フローでございます。

フリー・キャッシュ・フローの方は、マイナス1,941億円となっておりますが、キャッシュ・フローも有利子負債と同様に3Qまでは悪化、4Qでは大幅に好転というトレンドに例年なっております。前年同期比でも、営業キャッシュ・フローは434億円、投資キャッシュ・フローも56億円改善をした結果、フリー・キャッシュ・フローも491億円増加しておりまして、問題はないと考えております。

さらに通期のフリー・キャッシュ・フローは前年度118億円の黒字でございましたけれども、それ以上を確保したいと考えております。

連結受注高・売上高・利益見通し

15ページの16年度の業績見通しに移ります。

見通しの修正理由は、セグメントごとにご説明済みの通りでございます。4Qの前提為替レート、ドルで8円、ユーロで6円、円安方向に見直しておりますので、理論計算では為替の影響でアバウト130億円の営業利益の押し上げ効果があります。

さらに先ほど、少し触れましたけれども、航空宇宙のコストダウン、それから精密機械の増収の効果もございますが、一方で船舶海洋のノルウェー向けオフショア作業船の追加コスト、さらにはプラント環境の海外向けLNGタンクにかかるコスト増加、これで一部が相殺されてしまいまして全体では60億円の上方修正といたしました。

残りの16ページ、17ページはそれぞれ一覧表形式でセグメントごとに数字を示しておりますのでご参考いただければと思います。

さらに、最後の18ページはここに出ている設備、それから減価償却は10月公表日から変更はございません。

以上で、私からの説明は終わらせていただきます。ありがとうございました。