株式投資で利益を得るための3ステップ

中原良太氏(以下、中原):では、なぜ開発、実践、改善の3つの手順が一番重要なのかという理由を今からお話ししていきます。

1番目に開発、2番目に実践、3番目に改善というふうに株式投資を進めていくと何がいいか、早く実践を始めるメリットが1つあります。

実践を早く始めると、まず自分の投資法の良いところと悪いところがすぐにわかります。なぜなら、自分で実際に運用してみて、相場からフィードバックを得られるからです。

実際に利益を出したり、実際に損失を出したりということで、実践を始めることで課題や改善点がすぐにわかるという特徴があります。

そして、自分の投資法が十分に優れたものである場合は、投資による利益もすぐに手に入ると期待できます。実際に100パーセント確実に手に入るわけではないんですけど、投資による利益が手に入ると期待できます。

ただ、この実践と改善の順序を入れ替えてしまうと何が起こるかというと、こういうことが起きます。

先に改善をしてしまうと、実践を通じた知識ではなくて、想像に頼った知識を前提に投資法を改良してしまうので、想像だけに頼った的外れな改善につながってしまう可能性が非常に高いです。

そして、実際に運用するわけではありませんので、たとえもともと自分が持っている投資法が十分に良好なものであったとしても、利益は1円も得ることができないということで、時間のロスと、あと失敗の確率を引き上げてしまう、この2つのデメリットがあります。

ですので、「開発」「実践」「改善」ですね。1番目に開発。(2番目の実践で)それを使う。最後に改善する。この3つのステップの順番を必ず守るようにしましょう。

これを入れ替えてしまうと、少なからず遠回りをすることになります。ですので、あまりオススメはできないと考えています。

「4W2H」をもとに投資法を開発する

では「この開発、実践、改善、それぞれなにをするのか?」ということが気になってきたかと思いますので、それぞれの概要を説明したいと思います。

まず第1ステップが「開発」です。

開発では何をやるかというと、利益につながりやすい、効果実証済みの投資法を1つ組み上げていきます。効果実証済みの投資法ということで、過去の相場でも利益をあげたことが確認できる投資法を作りましょう。

これがなければ、利益を出したかどうかもわからない投資法になるわけですね。効果実証済みでないということは、利益が出るかどうかもわからない投資法を作り上げたことになります。これではなんの効果も見込めない。ただのギャンブルと一緒です。

なんとなくいいと思ったことをやるだけになってしまうので、効果実証をしないと、自分の投資法の信頼性を担保できません。ということで、まず効果を実証する必要があります。

その効果を実証するために、投資法にはある一定の6つのポイントを定義していかないと効果検証ができないということが起こってきます。

何を決めればいいかというと、私は投資法とは以下の「4W2H」を満たすものであると定義しています。

「4W2H」とは、Why、なぜ株を買うべきなのか。Where、どこから株を買うべきなのか、どんな証券会社を使って株を買うべきなのか。How、どんな注文方法で株を買うべきなのか。When、どのような相場のタイミング、どのようなタイミング・相場状況で株を買うべきなのか。What、どの株を買うべきなのか。How much、いくらぶん株を買うべきなのか。

この6つのポイントを押さえて、それぞれをもう文章化できるぐらい具体的な数字で定義していくことで、まず効果検証ができるようになります。

そして、自分以外のほかの投資家でもまったく同じ投資法を使うことができる。これぐらい明確にこの「4W2H」を定義していくことで、1つの明快な投資法を作り上げることができます。

私の呼ぶ投資法の開発というのは、この4W2Hを徹底的に固めていく。そして、効果を実証していくことが肝になっていきます。

ちなみに効果実証、過去の相場で本当にうまくいったのかをテストすることから「バックテスト」と呼んでいます。

投資法を1つ開発するためにバックテストは必要不可欠なものですので、ぜひ怠らずに、過去の相場で本当に利益を出せたのかというのを確認するようにしましょう。これがまず第1ステップの開発というポイントです。

初めての投資法は十中八九失敗する

では2つ目、「実践では何をするか?」。これはシンプルです。あなたが開発した投資法を実際に運用するというステップです。

ここで落ち込まないでいただきたいんですけれども、一番初めに作った投資法は、十中八九失敗に終わります。

一番最初に作った投資法は、人生で一番下手くそな投資法なんです。ですので、利益を出せないのはもう当然のことですので、落ち込む必要はまったくありません。

むしろ一番大事なのは、この失敗から何を学びとるか、そこから自分の腕をどのように磨いていくかというところが、非常に大事なポイントになってきます。

ですので、この実践を通じて学びを得るというのが投資家の主な業務ですね。実際に投資を使いながら、投資をしながら利益を出すという1つの業務と、その投資法を使いながらフィードバックを得て、自分の腕をいかに磨いていくか、この2つが非常に大事なポイントになってきます。

だいたいの場合は利益を出せないので、この出せないことをあまり気にしないようにしましょう。うまくいけば、それはバンバンザイなわけですから、効果実証済みの投資法で利益を出し続けられるんだと。

それはまさに私たちの目指す姿ですので、それを目指して、失敗はしょうがないもの、失敗はあくまで先行投資だと割り切って、落ち込まずに、その次のステップの投資法の改善というところに移っていただければと思います。

投資法の改善ポイント

では3つ目のステップ、「改善」では何をしていくかというと、実際に作り上げた投資法を改善していきます。

この改善とは何を指すかというと、実際に投資をしたときに、利益を出せない理由というのがいくつも出てきます。なぜ利益が出せないのか? リスク管理がなっていないであるとか、株を買うタイミングがよくないとか、あるいは注文方法が微妙だったとか、証券会社の手数料が高すぎたとか、いろいろな理由があるんですね。

この理由を一つひとつ潰していきます。潰していって、自分の投資法に磨きをかけて、さらにいいものへと押し上げてレベルアップをしていくという作業になってきます。

この利益を出せない理由というのは主に3つのパターンがあります。1つ目が損失が大きすぎる場合です。損失を減らすことが、1つの利益につながるポイントですね。利益を増やすためのポイントです。

たいていの個人投資家の方あるいは裁量トレードをしている方の悩みは、どんなにこつこつと利益を出していっても、リーマンショックとかライブドアショックとか、そういったタイミングでズドーンとすべてを吹き飛ばしてしまうと。

結果的に損が膨らんでしまったせいで、今までじわじわと蓄えていた利益をすべて吹き飛ばしまったと。なんの意味もなくなってしまったというのが非常に大きな失敗例として挙げられるんですね。

相場の暴落というのは避けられないものです。どんな状況になっても起こるものですし、いつ起きてもおかしくないものです。地震のような、天変地異のようなものだと思っていただければと思います。絶対に避けられないものです。

ですので、そのようななかでもいかに損失を押さえ込んでいくかというのが非常に大事なポイントなんですね。ですので改善点としては、まず自分の蒙りうる損失を減らしていくというのが1つ目のポイントです。

次に2つ目が、投資法の安定性を高めるというものです。もしあなたがデイトレードをしたことがあるのならばご理解いただけると思うんですが、デイトレードというのは、毎日のように株を売買して、地道にコツコツと利益を出していく投資法です。

もしこの投資法で半年間かけても利益が出なかったら、あなたはどういうふうに考えますか? 自分が毎日株に注文して、その時間も長い……短くはありません。1日10分とか1日15分とか、時間をかけて毎日毎日発注を出して、相場を観察して分析して、その上で利益につながりやすそうな銘柄を探していますと。それだけ時間をかけたのに関わらず、半年1年間続けても利益が出なかった。こういうときにはあなたは何を考えますか?

私だったら「この投資法、信じられない」と考えます。このように思ってしまった時点で、その投資法が信じられなくなってしまうんですね。実践ができなくなる危険性があります。ですので、この安定性をグンと高めてあげる必要があります。

それこそ月あたりの勝率を60、70パーセント以上に引き上げるであるとか、あるいは、1トレードあたりの勝率を70、80パーセントに引き上げるであるとか。負ける回数を減らす。そもそも負ける期間が少ない投資法に仕上げていくというのが非常に重要なポイントになってきます。

多くの人が投資をやめてしまう理由

最後1つが、「利益を増やす」という改良ポイントです。おそらくほとんどの投資家が、一番最初に「改良点といえば、利益を増やすことだ」と考えます。ですが、これは優先順位としては一番低いところにあります。

なぜなら、そもそも自分の投資法を続けたいと思えるかどうかというのは、損であるとか安定性に大きく依存するからです。利益の大きさは正直関係ないと言っても過言ではないんですね。

人が投資をやめてしまう主な理由は、一時的な損あるいは中長期的な不安定さ・リスクが、主な要因として考えられます。

実際に、私はそれが理由で投資をやめてしまった方を多く観察してきました。逆に、利益が少ないからやめるという方はほとんどいらっしゃらないんですね。

ですので、この利益を増やすことは一番下にあります。この点に執着するよりも前に、まずは損失を減らす、そして安定性を高める、この2点を改良していくようにするのがいいんじゃないかなと思います。

この2つを満たして、もう自分が耐えうる、損の少ない、しかも安定した売買ルール・投資法ができあがったタイミングで、はじめて利益を増やそうというふうに改良を進めていくことになります。

ということで、こちらが投資法を改善するというステップについての説明でした。もし、この「開発」「実践」「改善」という3つのステップを無視してしまったらどうなるかというと、このようになります。

8割の投資家が陥る問題、以前の動画セミナーでもご紹介しましたが、あなたは自己満足タイプ、あるいは頭でっかちタイプの投資家になると考えられます。

なぜなら、原理原則を軽視した、下調べをしないで投資をしてしまうとか、やりたいことをやって投資をしてしまうとか、いわゆるギャンブルのようなことをしてしまう可能性が高いです。

あるいは、実践を怠ってしまうと、頭でっかちタイプの投資家になります。どういうことかというと、勉強は好きだと。株式投資の勉強は大好きなんだけれども、実際に利益は出せないタイプの人間になってしまう可能性があります。

どちらもトレーダーとしては成功したとは言えないタイプの投資家だと考えています。ですので、この2つの「自己満足タイプ」「頭でっかちタイプ」の投資家にならないためにも、第1に開発、第2に実践、第3に改善の3つのステップを踏襲するのが非常に大事だと考えています。

本日のまとめ

以上が本講座の内容でした。最後に、私が本日お伝えした内容を振り返っていきましょう。本講座のまとめです。

利益を出すための最短ルートは何かというと、3つの緊急課題、この手順が非常に大事だというお話をしました。その課題は何かというと、第1に開発、第2に実践、第3に改善だと。そして、この順番が非常に重要だというお話をしました。

もし開発をしなければ何が起こるかというと、ただのギャンブラーになってしまいます。自分の投資法、自分のやりたいようにやろうと考えてしまうので、効果実証済みの投資法を使わないと、ただのギャンブラーになってしまうということがわかりました。

第2のステップ。実践を怠るとどうなるかというと、頭でっかちになってしまいます。ただひたすら勉強はするけれども、利益は出せない。なぜなら実践を怠っているから。というタイプの投資家になってしまう可能性があります。

ですので、この「開発」「実践」「改善」の3つの手順が非常に重要であることをぜひ覚えていただければと思います。

実践をしないと何が悪いかというと、利益も得られないですし、実際に改善すべきポイントのフィードバックが何も得られない状態になってしまいます。実践を伴わない改善には、むしろ危険が伴うんですね。

実経験を通じて何を改良すべきか考えるのと、なんとなく頭のなかで想像して「このように変えればいいんじゃないか」と思い込むのと、どちらがいいかというのは明快ですよね。実践を通じたほうがもちろんいい投資法が作れるようになります。

ですので、この「開発」「実践」「改善」の手順をぜひ忘れないように。そして、この手順に則って、あなたも売買ルール・投資法を開発するようにしていただければと思います。

では、今回はこの内容で終了といたします。最後までご視聴いただきまして、ありがとうございました。