絵本をテレビで紹介するときのテクニック

西野亮廣氏(以下、西野):もう暮れですよ。2016年。

のぶみ氏(以下、のぶみ):もう本当に、みんなが、なにかを起こすのをやめようと思いますよね。放送がなくなるのはやめてほしいですよね。本当に。放送なくなってほしくないよ~。

山口トンボ氏(以下、トンボ):でも収録ものにはつきものですよね。

西野:それで、『ママがおばけになっちゃった!』が紹介される予定だった?

のぶみ:そうです。井上さんが読んでくれる予定だったんですけどね。

西野:なるほど。

のぶみ:いい番組なんですよ。いい番組だったから。客も泣いてたって言ってたから、すごく。「そっか、そんなことあるか~」って思ったんだけどね(笑)。しょうがないっすね。

西野:でも、番組によってありますね。本を紹介されて、すごく売れる番組と、ぜんぜん売れ行きには反応しないみたいな番組が。情報番組はすごく売れるし、みたいな。

のぶみ:そうそう! 情報番組が一番いいですよね! 意外に、ゴールデンやったらあれなのかなって言ってたら、けっこう違ったりするから。

西野:そうそう、そうでした。

のぶみ:でも、『めちゃイケ』のときは、けっこうだったんじゃないですか? 今回。

西野:『めちゃイケ』のときより、たぶん、僕、昨日、一昨日の『モーニングショー』っていう、朝のテレ朝の番組で。

のぶみ:『モーニングショー』はすごく売れたって聞きましたよ! 書店員の人たち、みんなすごく売れたって言ってましたよ。

西野:あれ、『えんとつ町のプペル』の15分くらいの特集を組んでくれたんです。VTRで『えんとつ町のプペル』をもうほぼほぼ紹介したみたいな。

トンボ:作り方から。

西野:そうそう。物語も。煙の上に行くまでっていう、もう星空のところまで紹介しちゃって。

トンボ:すごいっすね!

西野:俺、それでもぜんぜんいいと思ってて。というか、俺、オチも言ってもぜんぜんかまへんし。そもそも隠してないから。あれは、いいですね。

のぶみ:あ! 俺、この前、これ、こうしたほうがいいんだって思ったんですけど。

西野:はい。なんですか。

のぶみ:僕らたぶんテレビに出たら、ちょっと売れてる絵本について「これ、なんでこういうふうにしたんですか?」とか聞かれるじゃないですか。

西野:はいはい。

のぶみ:そのときに、絵本をこうやってやって、「このセリフがあるじゃないですか。このときは、こういうふうにしようと思って」って言って。絵本をめくりながら紹介していったほうが、絶対売れる! これは、もう間違いないですね。

西野:なるほど。

のぶみ:ちょっと絵本あるんですけどって言って、「ここのところは、こういうふうにしようと思って、迷ってて……」って、めくらせたほうがいいですよ。

西野:なるほど。絵をちょっとでも見せたほうがね。

のぶみ:行列のやつとか、やっぱりこうやって本を持ってめくって、説明して、「ここ、このセリフがあるんですけど、実は僕ちっちゃい頃に……」とか、そういう話でやってくと、けっこう持ったまま話せちゃうんですよ。それにこの前、気づいた(笑)。

西野:なるほど。なるほど。

のぶみ:こういうふうに言ってるうちは、オンエア上は映らないんですよ。顔が映ってるので。こういうふうにやると、ここまで撮るから。

西野:それいいですね。

のぶみ:「このセリフは、こうこうこういうときがあったからこそ描けたやつなんです」って言うと、「あ、そうなんだ。ちょっと買ってみようかな」って。

西野:それテクニックですね。テレビで絵本を紹介するときの。

のぶみ:1冊絵本紹介させてくださいって言うと、「ごめんなさい、ちょっと時間がないので」って言われるので、「ちょっと後半だけ今読み聞かせしていいですか?」って言って、俺、後半読み聞かせたんですよ。この前。

そしたら、そこにみんなすごく反応してくれて。後半だけだから、2分とか2分半だったら、ぜんぜん聞いてくれるんですよ。みんな。「あ、いいっすよ」みたいな。「逆に聞きたいです」みたいなこと言って。

だから、全編はやめたけど、いいところだけ朗読するだけでも、ちょっと違うかも。

西野:それいいですね。

のぶみ:それけっこう使える気がします。こうやって読み聞かせしてるのも、そういう人テレビにあんまりいないから。おもしろいですよね。

ダウンタウンもずっと“売るもの”があった

西野:なるほど。今、こういう話してますけど、やっぱ、売るものがあるっていいですね!

のぶみ:そうですね。

西野:それは、本当に思って! 僕、ときどき、お笑い芸人とかやってるんですけど。

のぶみ:いやいや(笑)。本格的にやってますよ(笑)。

西野:ときどきやるんですけど、やっぱりね、売るものがあるお笑い芸人と売るものがないお笑い芸人は、圧倒的に違って。ライブ終わって、そこで終わりじゃないから。売るものがあるお笑い芸人は。こっからが、2回目のギア入れて、もうひと盛り上がり作れるから。

これがすごく売れていたら、まずこれを導入にいじられるし、これが代名詞になるし。しかも、自分が寝てる間とかに、こいつがブワーって働いてくれるわけでしょ。勝手に。

で、考えてみたら、若いときというか、20代、30代のダウンタウンはずっと売るものがあったという。CDもあるし、もう切らしてなかったっていう。

のぶみ:そう。衣装もあるし。H Jungleもあるし。

西野:そういえば、ダウンタウンさんがテレビに出てないときでも、カウントダウンTVで普通に浜ちゃんが流れてきたりとか。情報番組で松ちゃんの衣装の話が流れてきてたとか。分身の術みたいなの使ってて、テレビの面積をだいぶおさえてたと思うんやけど。

トンボ:なるほど!

西野:売るものがあるって、やっぱり。

のぶみ:あと、売るものがないと、売れてるかどうかっていう判断ができないんですよ。視聴者が。「23万部売れました」「すげぇ売れてんじゃん!」になるから。「そんなにいったんですか?」って言って、「じゃあやりましょう」って。

西野:なるほど!

のぶみ:僕は、西野さんのやつ、けっこう見させてもらったんだけど。たぶん、次から内容のことに触れたほうが、伸びるだろうなとは思いましたね。

今までは、絵でこういうふうに引っ張っていったから。実は、内容どうなってるかというのが気になってる人が多いと思うし。だから、たぶん、こうやってめくって、やったほうが、引きがあると思いますね。

トンボ:西野さん、作品から入ったっていう方がすでに、これを見てる方でもいますもんね。

西野:ありがたいわ。

のぶみ:だから、『はねる』のときから、だいぶ経ってるってことですよね。

西野:そうですよ。いや、ありがたいわ。

お笑い以外に売るものがあるのは強い

のぶみ:そして、今度、また『新しい風』っていうのをやるらしいですからね。年末。

トンボ:あ~。『波8(なみはち)』の。

のぶみ:『新しい波』か。

西野:うまくいくかな、あれ。

トンボ:どうなんですかね。

のぶみ:次、誰が選ばれるんでしょうね。

トンボ:『なみいろ』がなかなか苦戦してましたからね。だから、どうなんでしょうね。

西野:はいはい。どうなると思う?

トンボ:いや~、ちょっと……。

のぶみ:誰が選ばれたか知ってるんですか?

西野:いや、知らないですけど。これから選ばれるんじゃないかな。どうかな。今から選ばれるっていう作業ですね。

のぶみ:今から。

トンボ:どうなんだろう。なんか、今までのスターの感じと圧倒的に違ってきてる感じがするんで。時代が。本当にぜんぜん知らない人だったら、もしかしたら、あるかもしれないなと思うんですけど。

西野:あるかもしれないね。

トンボ:もしかして、ちょっと知名度がある人とか混ざってくると、なんか見たことある感じに……。

西野:なったら、もうないだろうね。あと、先輩と絡み出したら、もうないだろうね。

トンボ:そうですよね。

のぶみ:ちょっと知ってたら、足引っ張るか。そっちのほうが。

トンボ:なんか、知らないほうが、もはやね。だったら、もうユーチューバーとかのほうがおもしろいんじゃないかみたいな感じがあるかもしれないですね。

西野:そうそう。

のぶみ:やっぱり、『キングオブコント』も『M-1』も、キャラ乗せてる芸人の人じゃないと、その後、売れてないですよね。ライスとかより、カズレーザーとかのほうが出るじゃないですか。

西野:あ~、まあそうですね。

のぶみ:それは、漫才の中にもキャラ入れてきたからですよね。あれ、だから、本当に難しいですよね。キャラだけで作るという手もあるはあるんでしょうね。ああいうのはね。

西野:(コメントにて)「ダウンタウン世代です。人形持ってた」。

のぶみ:あ~! 『ごっつええ感じ』のときに、UFOキャッチャーあった。

西野:だから、ゲームセンターでもダウンタウンが見れたっていうことでしょ。

トンボ:見れましたね(笑)。

西野:街中にダウンタウンがいたっていう状態でしょ。

トンボ:なんなら、パチンコとかも昔あったんじゃないですかね。ダウンタウンのパチンコとか。

西野:すごいよな。

トンボ:お笑い以外の売るものがあるって、相当強いですよね。

西野:相当強いよね。

お笑いだけやっていると、実はテレビでお笑いはあまりできない

トンボ:そう言われて見ればね。自分が動いてなくても。

のぶみ:だって、一番出るのって、お笑いの人ですもんね。テレビに出やすいの。文化人は出ないもんな。

西野:でも、お笑いだけで出ていると、テレビは、お笑い芸人に任される役っていうのは、どっちかと言うと、通訳というか、紹介する役。「この人、こんなんなんです」とか。

トンボ:逆ですよね。

西野:あんまりお笑いだけでいってると、実は、テレビでお笑いはあんまりできない。

トンボ:自分があまり目立てないですよね。

西野:そうそう。

のぶみ:あ、そっか。誰かにこうやって的が当たるようにする。

トンボ:よいしょしないといけないとかね。

西野:それやったら、映画をヒットさせているおもしろい俳優さんのほうが、お笑いができると思うな。今回すごく思った。売るもの1個、まず持たないと。

トンボ:なるほどね。

のぶみ:あとやっぱり、出ても売れないときと、出て売れる本っていうのがあるから。今回はやっぱり売れる本だったんですよ。どう考えても売れる本だったんだろうな。

だからテレビも後押ししましょうって。吉本のほうも、出していきましょうってなるよね。年末越して、年明けになったら、どうなるんですか? テレビ? 今、もうけっこう撮ってます?

西野:何個かは撮りましたけど、全部本当にバカみたいなお笑い番組ばっかりです。

トンボ:(笑)。

西野:立派な、そういう……。

のぶみ:バラエティ、バラエティ。

西野:もうそっちばっかりです。深夜のテレ東の佐久間さんがやる番組で、「おぉぉい!」とか、ずっと(笑)。

トンボ:そういうのをやってないとダメですよね(笑)。

西野:プペルはいじられ出しました。最近。「プペッてきたねぇ」みたいな。

のぶみ:(笑)。

西野:「プペッてないんや。今怒ってるんや!」っていうのを(笑)。「西野が怒ってんねん。プペッてるわけじゃないんや」っていうのを、ずっと。そういう収録ばっかりです。

のぶみ:そうなんだ(笑)。

西野:本は売れないと思います。それでは。でも、それはやっぱり入れとかないと。いじりにくくなるのが嫌なんで。

トンボ:プペルの最後が「ル」っていうところもよかったですね(笑)。

西野:プペる、ね。はい。