高い絵の具と安い絵の具の違い

カリン・ユエン氏:美術店の絵の具の売り場を歩くのはとてもわくわくします。一方で非常にたくさんの選択肢に圧倒されることもあります。どれが自分に一番合っているか、どのように知ることが出来るのでしょうか? 今日はアクリル絵の具の種類について、あなたが高価な絵の具に散財するべきか、お値打ち絵の具を買うべきかお話しします。

絵の具にはたくさんの種類がありますが、大きく2つに分けられます。それは学生向けの絵の具と、芸術家もしくはプロ向けの絵の具です。それはほとんど聞いたままで、学生向けのものは価格も安くなっています。

そして芸術家向けのものは、より高価となるでしょう。しかしそれはあなたが支払った金額に見合う価値があるのでしょうか? もしくは、一般的な品質のもので十分なのでしょうか? 端的に答えるならば、YESということになるでしょう。しかし棚に置いてある最も高価な絵の具を急いで買う前に、何をもってその2つがそこまで異なるものとなるのか検証してみましょう。

学生向けの絵の具は、非常にたくさんのブランドが作っています。これらがだいぶ安いのは、混ぜ物やつなぎが含まれているからで、色素の濃度が薄いのです。つまり、パンチ力やカバー力が低く、透ける部分がないようにするため、重ね塗りが必要になります。

そして色を混ぜると、さえない色になったり、期待したものや思ったものにならなかったりします。

また学生向けの絵の具は色の選択肢がとても少ないでしょう。学生向けの絵の具はシリーズ1と2しかありません。ですのでシリーズ3もしくはそれ以上のものとなると、学生向けでは手に入らないのです。

もしあなたがカドミウムレッドのようなシリーズ1や2にはない色をほしければ、「カドミウムレッドヒュー」と呼ばれるもので代用することなら出来ます。「ヒュー」とつく色は本物のカドミウムレッドの色素ではないのですが、より安価な赤色を混ぜた混合物であり、本物と似た色合いを持っています。

あなたが6つや9つの色素を一緒に混ぜたら、少しさえなくなったりグレーがかったようになってしまうこともあります。一方、より高価な絵の具はそのようなことにはなりません。

芸術家向けの絵の具は、私が今述べたことから推測できるようにより高価で、色素を詰め込める容量も大きいのです。色素は普通より濃くなっており、油絵の具のような濃度となっています。もしあなたが濃い質感がほしいときやパレットナイフを使って作業したいときに、芸術家向けの絵の具は適した濃度となっています。

それらは典型的に1つの色素だけしか含まれませんが、学生向けのものは2~3つの色素が混ぜられていることがあります。芸術家向けの絵の具は長い目で見るとより丈夫に作られています。もしあなたが私の過去の動画を見たら、絵の具にはたくさん弱点があることが分かるでしょう。しかしこれらの絵の具は紫外線に耐性があったり適応性がある特質を持っています。

私のアドバイスとしては、あなたの経験のレベルや、何を目的としているのかよく考えることです。もしあなたが学生で、例えば初級クラスの授業のために絵の具を買うのであれば、またその後に絵の具を使うことを予定していないのであれば、たくさんのお金を使い切るかわからない絵の具に投資することのないように、学生向けのもので十分かもしれません。

しかし、あなたが絵を描くことが本当に好きだと思ったなら、もっと楽しく使えるよう徐々に絵の具の質を上げていってもいいかもしれません。学生向絵の具を使い終わったときに、その都度高級な絵の具を選ぶようにすれば、一度にたくさんのお金を使う必要はありません。

もしあなたがしばらく絵を描き続けていて、質を上げようと考えているのなら、芸術家向けの絵の具は間違いなくよい体験をを提供してくれるでしょう。あなたが絵を描くことを心から楽しんでいるならば、投資することを真剣に考えてみてもいいかもしれません。