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金儲け主義の人間を集めるな–藤野英人氏が語る、いい会社・いいチームの作り方

金儲け主義の人間を集めるな–藤野英人氏が語る、いい会社・いいチームの作り方

2016年11月23日、「Tokyo Work Design Week 2016」のプログラム「新しい時代には、新しいリーダーを。未来をつくる8時間ブートキャンプ」が開催されました。第2部「投資家と考えるこれからのよりよい働き方」では、藤野英人氏が、レオス・キャピタルワークスを作った経緯を語りました。

シリーズ
さぁ、人生でいちばん大切な“お金”の話をしよう
2016年11月23日のログ
スピーカー
レオス・キャピタルワークス代表取締役社長 最高投資責任者 藤野英人 氏
Evernote マーケティングディレクター 上野美香 氏
Tokyo Work Design Weekオーガナイザー/&Co.,Ltd 代表取締役 横石崇 氏

藤野氏の「お金のプレゼン」を振り返って

横石崇氏(以下、横石) 藤野さん、ありがとうございました。この後はトークセッションをして、その後に参加者のみなさんからのQ&Aというかたちで、インタラクティブな時間を設けたいと思います。 th_スクリーンショット 2017-01-10 21.07.24 上野美香氏(以下、上野) おもしろいお話でしたね。まさかのお金から感謝の話にいくとは思っていませんでした。 th_スクリーンショット 2017-01-10 21.07.47 藤野英人氏(以下、藤野) お金とは何かということを考えると、いろんなものの「缶詰め」なんですよね。みなさんが頑張った成果のお金が今、手元にあるわけです。 th_スクリーンショット 2017-01-10 21.08.42 お金というのは、それを将来使える権利じゃないですか。だから過去の努力の缶詰めなんですけど、未来の缶詰めでもありますよね。 実はお金を紙切れだと見ないということが大事。その中にある価値をどれだけ見ることができるのかということが大切だと思います。 上野 プレゼンの中で、「日本人はお金そのものが大好き」という話と、「できれば働きたくない」という話が衝撃でした。 お金そのものが大好きというのは、私も日本人としてなんとなくわかる気はしますが、今働いている会社がアメリカのベンチャーの日本支社なんですけれど、仕事とお金を考えたときに、仕事から得るものがお金・お給料だけになっているんじゃないかなという気は、聞いていてすごく感じました。それ以外に、感謝というのはありますよね。 藤野 そうですね。働くということは、お客様とのコミュニケーションで、お客様にどのような価値を提供できるのかというところが大切です。その価値に感謝してもらってお金をいただくと。 それによって自己充足したり、成長するというところがすごくあると思うので、それをもう少し意識することが大切じゃないかなと思います。

大事なのは潔癖になりすぎないこと

上野 私はベンチャー企業で働いているからなんですけど、お給料をお金でもらっているものと、ストックオプションというかたちでもらっているものがあって、それは未来の投資の話にすごく近いのかなと思いました。 今現在貰うのはお給料ですけど、この会社が3年後5年後に成長して、そのときの企業価値が大きくなって、株式の価値が上がって返ってくる。そこにかけていると思うんですね。 もちろん100パーセント大きくなるという保証はないんですけど、そこに向かってみんなで頑張っているというところはあるのかなと思いました。 藤野 そういう面で見ると、株式というのは会社の価値を反映してるわけじゃないですか。会社の価値というのは、従業員の全部なんです。 全部というのは、血と汗と涙もあるんだけど、サボりもあるんですよね。サボっている人もいっぱいいるし、ちょっと悪いところもあると思います。 みなさんの家族でもそうだし、学校のクラスでもそうだと思うんだけど、組織というのは良いやつも悪いやつもいて、総合的に成り立っているんです。 でも全員が怠けてしまったらその組織はダメだし、やっぱり頑張っているやつと頑張っていないやつがいながら、「それはまあ総じていいよね」と。「いろいろあるけど、会社というのは総じていいことなんじゃないかな」というのがとても大事です。 あんまり潔癖になりすぎない。ちょっと嫌だったら全部否定してしまうという潔癖主義ではなくて、「悪いこともあるけど、良いところのほうが上回ってたらまあいいよね」というように、ゆるやかに組織や人を好きになれるかというところが、けっこうポイントかなと思います。 上野 減点していくよりも、加点していくほうがいいですよね。 藤野 そうですね。

マネーゲームの実態を知る

上野 あとは、日本人の思い込みなのかもしれませんけど、ファンドマネージャーも含めて、金融業界の方々の一部には、マネーゲームをする人がいたりするじゃないですか。それに対してはどう思います? 藤野 マネーゲームをしているファンドマネージャーってけっこういるんですよ。そう思われる銀行マン・証券マンというのは、確かにいっぱいいるんですよね。総じてそっちのほうが多かったような気がするので、僕はあんまり業界の人と馴染まなかったんだけど。 でも、実際に頑張って仕事してわかったのは、実は成果を出している人というのは、100人中15〜20人くらいなんですね。だから80〜85人くらいは、一生懸命頑張って損をしていると。 (成果を出している)15〜20名くらいの方というのは、わりと僕と近い考え方を持っていて、やっぱりお金を善なるものだと考えて、マネーゲームではない考え方をしている人たちが深く大きく儲けている。 やっぱり博打をやっている人たちは勝つか負けるかの世界なので、丁半博打をやっているから、勝ち負けがゼロサムなんですよね。 でも長期で投資をしている人たちは、ゲームがまったく違うので、より深く利益を上げることができるのかなと。 結果的にその2割の人は人数的には少ないんだけど、全体の8割くらいのお金を運用しているということが実態だったりします。そういう意味で、世の中の動きをもっと信じていいんじゃないかなと思います。 やっぱり生活していると、金臭いやつとか、せこいやつとかいるじゃないですか? (そういう人たちは)大して儲かってないです。儲かったとしても、いずれスるんですよ。だから、ぜんぜん嫉妬したりすることないですよね。

レオス・キャピタルワークスの経営方針

上野 藤野さんとお会いしたのは、おそらく10年位前だと思います。今はマーケティングの仕事をずっとやっていますけど、昔はIR(Investor Relations)の仕事をやっていて、上場企業が財務情報を投資家のみなさんに提供するときのスポークスパーソンという仕事なんですね。 その会社が上場するときに、最初に引き受けていただく投資家としてレオス・キャピタルワークスさんにご説明に行ったんですね。そのときに行った印象も強烈で、ほかの投資会社とぜんぜん違ったんですよ。 上野 ほかの所はだいたい会議室に通されて、ファンドマネージャーがいらっしゃって、うちの社長とミーティングするというスタイルなんですけれども。 レオスさんは当時麹町にオフィスがあって、オフィスの玄関のドアを開けたら、みなさんがクラッカーを一斉に鳴らしてくれたんですね。 「上場おめでとうございます、ここまで会社が大きくなって本当によかったですね」と何人もの方々がお祭りみたいに一緒に祝っていただいて、その後に「ではこちらでお話を聞かせてください」というかたちでした。 そのとき藤野さんはいらっしゃらなかったんですけど、雰囲気がとても暖かくて、私が金融の方たちと接しているなかでもぜんぜん違ったんですよね。人間味があるというか、いいチームでいい会社だなという感じがすごくしました。 藤野さんの会社レオス・キャピタルは、ファンドというよりかは、会社を経営されてるというふうにすごく感じるんですよね。藤野さんが金融の荒波のなかで、そういうあったかい雰囲気の会社を作るにいたった転機はあったんですか? 藤野 そうですね……まわりが嫌なやつばっかりだったんですよ(笑)。 (会場笑) 藤野 「友達にしたくないな〜」という人がすごく多くてね。話もあんまり合わないし。でもね、そういう人たちを見てたら、話も下手だし、投資も下手なんですよね。 だからやっぱり、せこくて変なやつは仕事できないですよ。本質的に考えると、いい会社を見つけるというのは、いい人たちじゃないとできないと思うんですよね。 やっぱり金儲け主義の会社を選ぶには、金儲け主義の人が選ぶ必要があるけれども、深く大きく顧客のために頑張るという人たちを選ぶためには、根本的にいい人たちで選ばないと集まらないと思うんです。

「ズルがないと儲からない」は思い込み

「お金を儲けるためには人を出し抜いてもいい」という人たちを集めちゃうと、いい人たちではないので、結果的にいいチームにはならないし、足を引っ張り合ったり、雰囲気が悪くなったり、心が痛んだりするんですよ。 だからいい仲間で、いい情報を集めて、みんなを信頼して、いい会社を探してということをすると、結果的にいい成績が出てくるんですね。それを証明したかったから自分で会社を作ったし、結果的に成績が良かった。 多くの人が、「ピュアで正しいことというのは儲からない」「誰かを負かしたりズルがないと儲からない」という思い込みがあるんですね。 でもそれは違うということを証明したかったんですね。だから会社を作ったし、美香さんが言ってくれたように、一人ひとりおもてなしをするということが大切だと思ったんです。 上野 金融業界には、いろんなファンドマネージャーさんとかアナリストさんとかがいますけど、藤野さんも、その会社のレオスさんも本当に珍しいところなので、みなさん今日はすごくラッキーだと思います。藤野さんはいい意味で変人ですからね(笑)。 藤野 そうかもしれないね。 横石 「ひふみ投信」というサービスをやられていて、R&Iファンド大賞を4年連続受賞されて、リーマンショックなどの世界的なダウントレンドの中でも、どんどん右肩上がりを続けている事実というのは……。 藤野さんみたいなことを語られる方は、数字の実績を出しにくいのかなと思っていたんですけど、ぜんぜんそうじゃないと。 上野 結果もちゃんとついてきていますよね。 藤野 僕はリーマンショックがあったときにスタートしているので、最悪のスタートなんですよ。その後、アベノミクスが始まるまでにマーケットは4割下がっているんです。 でも僕らは4割上がっているんです。だからマーケット全体ではなくて、いい会社をちゃんと選ぶとこうなるんです。 いい会社というのは、いい人たちが真面目に運営してる会社ですよね。それはやっぱり、いい人たちじゃないと見つけることはできないと思います。

  
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