信用取引残高とは

みなさん、こんにちは。今回は第4部ということで、信用取引に役立つ情報についてご説明させていただきます。まずこちらのスライドでは、信用取引残高についてご説明いたします。

信用取引残高とは、「投資家が証券会社から借り入れた金銭や株式のうち、未返済のもの」を言います。日計りされた売買は残高として残らないため、売買高=信用残高ではなく、あくまで未決済の残高となりますのでご注意ください。

信用取引残高は、売り買い別に、株数と金額の両方で表示されます。法令・規則上の正式名称は「未決済勘定」ですが、一般的には「建玉」と呼ばれています。ToSTNeT市場で売買が行われる場合や、現引き・現渡しが行われる場合など、売買高に比べて信用残高が大きく増減することもございます。

それでは(スライド)下の図をご説明させていただきます。

まず、左側の例では、信用取引により銘柄Aが300株、銘柄Bが800株、銘柄Cが1,500株とそれぞれこちらに記載してある値段で買付け額といたします。信用買い残高は下の表にございます通り、合計で2,600株。信用買い残高の金額はそれぞれの代金を合計して670万円となります。

また、図の右側の例は、信用取引により銘柄Aは100株、銘柄Bは500株、銘柄Cは1,000株売付けされた場合を示しています。こちらの場合、信用売り残高の株数は合計1,600株、また金額は合計350万円となります。

信用取引残高関連情報

こちらのスライドでは、日本取引所グループでのホームページ上で信用取引に関するさまざまな情報を提供しておりますが、信用取引の残高に関連した情報の確認方法をご紹介させていただきます。

まずトップページから、「マーケット情報」「統計情報」それから「信用取引残高等」と移動すると信用取引残高などの関連情報がご確認いただけるようになっております。

まずは、品貸料、2つ目は個別銘柄信用取引残高表とういう情報もございます。こちらは信用取引の規制措置銘柄、日々公表銘柄、特設注意市場銘柄、そして不明確情報等により注意喚起の対象となった銘柄等に加えまして、日本証券金融株式会社様が実施されております、貸株注意喚起銘柄、貸株申込制限措置銘柄について銘柄別の営業日ごとの信用取引残高を、その翌営業日にご確認いただけるページとなっております。

そして3つ目は、信用取引売買比率でございます。こちらは、銘柄別の新規売付け比率と新規買付け比率をご確認いただけるページとなっております。4つ目、信用取引現在高。こちらは毎週末に市場別の信用取引残高をご確認いただけるページとなっております。

5つ目の信用取引残高ですが、こちらは毎週末の自己委託別の信用取引残高などをご確認いただけるページとなっております。そして銘柄別信用取引週末残高ですが、毎週末の銘柄別の信用取引残高をご確認いただけるページとなっております。

そして信用取引現在高過去推移表は、4と5のヒストリカルデータとなっておりますので、ご活用いただければ幸いでございます。

信用取引の注意喚起に関する情報

続いて、信用取引の注意喚起に関する情報でございます。

こちらでは、日々公表銘柄の確認方法をご説明いたします。東京証券取引所のトップページから「マーケット情報」「株式関連」「信用取引に関する日々公表」と移動しますと、日々公表銘柄をご確認いただけるようになっております。

日々公表銘柄は信用取引残高が、一定の水準を超えた銘柄を対象に日々公表を行うことにより投資者に信用取引の利用に関して注意を促しているものでございます。こちらは、信用取引に関する規制措置を実施している銘柄ではございません。売買の制限がされているわけではないという点につきましてご承知おきくださいませ。

信用取引の規制に関する情報

続いてのページでは、信用取引に関する規制等を行っている銘柄の確認方法をご説明させていただきます。

トップページから「マーケット情報」、「株式関連」、「信用取引に関する規制等」と移動しますと、信用取引に関する規制等を行っている銘柄および信用取引に関する規制を解除された銘柄をご確認いただくことができます。

当取引所では、信用取引の利用が過度となった場合、新規の信用取引の利用を抑制するため、委託保証金率の引上げ等を行います。個別銘柄に係る信用取引の規制措置の実施および解除は、信用取引に係る委託保証金率の引上げ措置等に関するガイドラインに基づいています。

信用取引に係るテクニカル指標

最後に、信用取引を行っていただくうえで重要な指標についてご説明させていただきます。

まずは、貸借倍率でございます。こちらは、信用買残が信用売残に対してどの程度積み上がっているのかを表している指標でございます。貸借倍率が高いと需給圧迫懸念が高まっていると一般には言われています。貸借倍率の計算式につきましては、右側に示していますのでご覧ください。

続きまして、カラ売り比率でございます。こちらは、出来高に対する信用売残、貸株残とも言います、こちらの比率を示している指標になります。カラ売り率が高まっている方が、一般に買い戻しによる市場下支え効果が高いと言われております。こちらの計算式につきましても、画面にお示ししている通りでございますのでご確認ください。

続きまして、評価損益率というものもございます。こちらは、信用取引全体での評価損益の傾向を示す指標でございます。信用は短期売買が多く、利食いは早いと一般的に言われておりますので、通常、買残は含み損を抱えていると言われています。評価損益率が0パーセント近くになると過熱感が台頭、マイナス20パーセント以下に悪化すると底入れ感が出るとも言われていますので、ご確認いただければと思います。

こちらは、東京証券取引所が公表する資料「信用取引残高」をもとに、日本経済新聞社が算出・公表されておりまして、計算式につきましては、東京証券取引所のホームページに掲載しておりますので、もしご興味がおありでしたらそちらもご覧になっていただければと存じます。

続きまして、仮需比率と呼ばれている指標がございます。こちらは、短期的な買残急増=株価急騰、買残急減=株価急落の傾向を利用してトレンドを見るための指標でございます。計算式につきましては、右側に示している通りでございますのでご参照くださいませ。

最後に、回転日数と呼ばれるものもございます。こちらは、買ってから売るまで、または売ってから買うまでの1回転に何日必要となっているかというものを表している指標でございます。一般に日数が短いほど人気化している傾向にあると言われております。こちらも計算式につきましては、右側に示しておりますので、よろしければご参照くださいませ。

以上で、第4回目のセミナーは終了です。ご覧くださいまして、どうもありがとうございました。