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なぜ人間の表情は世界共通なのか? 顔の動きに込められた秘密

なぜ人間の表情は世界共通なのか? 顔の動きに込められた秘密

相手の表情を見て、どんな感情を抱いているかだいたい感じ取ることができますよね。ほとんどの人間は、言葉なしでコミュニケーションを取ったり、表情筋だけを使用して、ほぼすべての感情を伝達することに長けています。自主的なものであろうと、そうでなかろうと、への字口や釣り上がった眉、しわの寄った鼻といったシンプルな表情は、雄弁に感情を物語ります。多くの心理学者は、怒り、恐れ、喜び、驚き、悲しみ、嫌悪といった人間の基本的な表情は、学習によるものではなく先天的なものであり、世界中の文化に共通のものだと考えています。今回の「SciShow」では、人間の表情にまつわるさまざまな研究結果をご紹介します。

スピーカー
Hank Green(ハンク・グリーン) 氏
参照動画
Where Do Our Facial Expressions Come From?

人間の表情は世界共通

ハンク・グリーン氏 この女性は、どんな1日を過ごしていると思いますか? capture_01 こちらはどうでしょう? caputure_02 この2人がどんなことを感じているかも、想像するには難くありませんね。 caputre_03 なぜなら、ほとんどの人間は、言葉なしでコミュニケーションを取ったり、表情筋だけを使用して、ほぼすべての感情を伝達することに長けているからなのです。 自主的なものであろうと、そうでなかろうと、への字口や釣り上がった眉、しわの寄った鼻といったシンプルな表情は、雄弁に感情を物語ります。 多くの心理学者は、怒り、恐れ、喜び、驚き、悲しみ、嫌悪といった人間の基本的な表情は、学習によるものではなく先天的なものであり、世界中の文化に共通のものだと考えています。 caputure_04 おそらくこういった基本的な表情は、刺激に対する実質的な反応として始まり、最終的に感情と関連付けられていったためと思われます。 そのままのタイトルですが、1872年に刊行されたダーウィンの著書『人および動物の表情について』によって、表情は普遍的なものであるという認識が一般化されました。人間は、生まれながらに一定の方法で感情を表現する、というものです。 ダーウィンによれば、人間は祖先から感情表現を受け継ぎ、この表現により、社会的集団の中でコミュニケーションを活用し、生存率を上げてきたというのです。また、ダーウィンは、人間の表情は、自然環境の刺激に順応してきたとしました。これについては後ほど触れます。 ダーウィンはさらに著書において、さまざまな表情を呈している人々の古い写真に言及しました。たとえば、この写真は、さまざまな悲しみを表現する人々が写っています。 caputure_06

基本的な表情はあらかじめセッティングされている

1960年代後半、心理学者ポール・エクマンは世界中を回り、さまざまな文化について、独特の研究を行って、ダーウィンによる表情の普遍性をテストしました。たとえばニューギニアでは、エクマンは外部にまったく接触したことのない、孤立した文化に遭遇しました。 エクマンは研究対象者に、「古い友人が訪ねてくる」とか、「腐ったブタの死骸を踏んでしまった」というような、感情を喚起させるような簡単な話を聞かせ、3つの異なる表情の写真を見せました。 caputure_07 するとエクマンは、「悲しみ」に対しては「しかめ面」といった、話と関連付けるだろうと予測したとおりの感情の、表情の写真を選ぶことを発見しました。完全に孤立した文化であっても、その民族は私たちと同じような基本的な表情を使うことがわかったのです。 また別の研究では、生まれながらに視覚が不自由な人も、幼児も、同様にどの表情がどの感情を表すかを教えられることなく、同じ表情を使用することがわかりました。 1970年代には、エクマンと研究者たちは、表情筋そもものの活動を記録し、より客観的な手段で、普遍的な表情を観測することを始めました。彼等は、顔動作記録システム、別名FACS(Facial Action Coding System)を完成させました。 このシステムは、筋肉の組み合わせに着目し、すべての表情における強度、持続時間、対相性に注目します。心理学者たちはFACSを使って、対象の人の表情筋の動きを、予想される表情と比較して感情を判別することができます。その笑顔が本物なのか偽物なのか、嘘を言っているのかを判別したり、口頭で感情表現できない人の感情を特定したりすることが可能です。 要するに、人間にはあらかじめセッティングされた基本的な表情があり、それを発達させてきたようなのです。

周りの環境に反応するために発達

2013年、コーネル大学において、その理由に着目した研究が行われました。研究者たちは、被験者に普通、恐れ、嫌悪の表情を作ってもらい、それぞれの表情において、どれほどの光が網膜に届いているかを調べました。 その結果わかったことは、表情とは、当初は目の中に光を入れるといったような、感覚的なインプットを管理し、周りの環境に反応するために発達したらしい、ということです。 caputure_08 たとえばジャングルを歩いていて、大きな破壊音が聞こえたとします。びっくりして、恐れの表情が顔を覆うと、目が大きく見開かれます。すると、視界が即座に広がり、目の中に入る光の量が増え、視覚能力を上げて、危険を察知します。 caputure_09 また、公園でよくわからない動物のフンを踏んでしまった場合、また別の反応が起こります。 caputure_10 嫌悪にかられて後ずさりすると、目が細められ、入る光の量が減少し、汚れた足の検分に集中します。 caputure_11 鼻にしわをよせる典型的な嫌悪の表情は、鼻の穴を縮めて入る空気の量を減らします。おそらくはそれ以上、不快な臭いを嗅ぐことを防ぐためでしょう。 このように、感情は周りの状況に対する受容を決定し、網膜に接触する光量を管理します。 社会的なコミュニケーション手段のいくつかは、このような外部刺激への反応から発達した可能性があります。そしてこれは、基礎的な表情は普遍的なものだとというダーウィンの説を裏付けるものです。 一方で、明らかに学習により身についた表情も存在します。親戚が、政治について大声でが成り立てる間、内心悲鳴を上げながらも、礼儀正しく頷いていた経験をお持ちの方であれば、人間が社交的な場面において、表情をコントロールし、感情を隠す学習ができることに納得していただけることでしょう。 表情の多くは、おそらくは先天的なものです。しかし、それらをうまくコントロールすることは、また別の話なのです。

  

SciShow

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