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「苦情ってね、情報なんですよ」カリスマ大家が教える賃貸経営の心構え

「苦情ってね、情報なんですよ」カリスマ大家が教える賃貸経営の心構え

賃貸物件をはじめとする不動産のオーナーを対象に、賃貸経営に関する情報提供をテーマとしたエイブル主催のイベント「全国賃貸オーナーズフェスタ 」。カリスマ大家として知られる、有限会社スズヨシの代表取締役社長・鈴木ゆり子氏が登壇し、大家としての心構えを説きました。

シリーズ
全国賃貸オーナーズフェスタin東京 > みんなを幸せにする ~幸せケチの大家業~
2016年11月13日のログ
スピーカー
カリスマ家主/有限会社スズヨシ 鈴木ゆり子 氏

大家さんの仕事をちゃんと理解すること

鈴木ゆり子氏 みなさんはアパートに対して、自分の自宅より思い入れがないのではないですか? みなさん、自分のアパート、お部屋の玄関のドアを開けたところと、自分の自宅の玄関、どちらがきれいになってますか? アパートの玄関のほうがきれいになってるっていう方います? もうすぐクリスマスですよね。ちゃんとそういうふうになってます? (スライドを指して)アパートの玄関に、うちはこうやって飾ってます。 suzu20 全部のお部屋でなくても、1部屋でいいんですよ。これ、全部100円ショップです。お正月になれば、お正月らしいのを飾ってます。 そして、不動産会社さんと管理会社さんに、「あのお部屋がきれいになってるから、お客さんを案内するときにはそのお部屋を最初に見せて」って言います。 このお部屋は、いっぱい空室があったら1階の真ん中のお部屋です。一番条件が悪いところ。そこをきれいに飾り立てる、お部屋の中もね。 そして、スリッパだってこれ100円ショップの。スリッパって3足ありますよね。1足はそこを見に来たお客様、2足目は一緒にいらっしゃるお母様とか、彼女とか。3足目は、管理会社さんとか不動産屋さんなんです。 大家さんはね、「俺がお客だ」と思ってるかもしれない。そうじゃないんですよ。不動産会社さんも管理会社さんも、大家さんからすればお客様なんです。だって、不動産会社、管理会社がお部屋を案内してくれなければ部屋が決まらないでしょう? そういう気持ちがないとダメなの。 私だって、同じ条件のまったく同じ条件のお部屋が2つあったとする。そうしたら、どっちにしようかなって。どっちを薦めようかなと思ったときに、頭にパッと大家さんの顔が浮かびますよ。いつもコミュニケーション取っててくれて、エッヘンってえばってる人より、「スズヨシさんありがとね~」って言ってくれる人の方をやっぱり紹介します。同じですよ。 だから、大家さんにとってのお客様は入居者さんはもちろんですけど、管理会社も不動産会社さんも、大家さんにとってはお客様なんです。だから、ちょっとなにかあったときに、「いつもありがとね」って。 これは、大きい会社さんは決まった色のスリッパです。あと紙のスリッパとかね。でも、こういうのをやるのは大家さんの仕事なんですよ。大家さんのやる仕事と管理会社がやる仕事は別なんです。そこをよーくわかってください。

苦情は情報

(管理費は)家賃の5パーセントか、高くたって10パーセントですよね。それで管理会社に全部やれったって無理。 私は大家さんに言うんです。私がやる仕事は、これとこれとこれをやらせてもらう。なるべく、できることはやらせてもらいます。でも、「草取りとゴミ、お掃除は、大家さんがやってください」って言ってるんです。「えーっ、管理費払ってそんなことさせるの?」って言われます。 だって、大家さんの一番のデメリットってなんですか? なんだと思います? 空室? そんなのデメリットのうちじゃない。そこで、自殺だとか他殺が起こることでしょ? 重要事項に書かなくちゃいけない。そしたら、羽生は家賃は半分でも人が入らないですよ。 それをなくすために、アパートの中に、さっきから言っている、立ち話ができるような人を1人2人見つけてくださいっていう。そしてその人に、「ひとり暮らしのおじいちゃんとかおばあちゃんがいたら、気をつけて見ててね」って。 たとえ月に2,000円か3,000円あげたっていいじゃないですか、住み込みで見ててくれるんだから。そういう人を探してくださいっていうんです。 この間もうちが管理していたところで、本当に1週間前にありました。それで、いつも話してる人が「おかしいよ」って電話してくれたから早く見つけられた。大家さんにとっては一番のデメリット。それをなくすのが、月に1回のお掃除。草取り。 行ったときに、「おはよう」って。「大家の何々です」って言うんです。「なにかあったら教えてください、困ったことあったら言ってください」って言うんですよ。 でも、大家さん言うんです。「苦情が来るから嫌だ」って。苦情ってね、情報なんですよ。「あぁ、情報をもらえたのか、ありがたいな」って。「あぁ、そう、ありがとね~気がつかないとこ教えてくれて」って。 「またなにかあったら教えてね」って言えばまた教えてくれる。それを管理会社さんに言えばいいんじゃない。そうでしょう? 「誰々が担当だから、じゃあ言っとくね」って。「それが終わってなかったらまた電話くださいよ」って。そうすればまた教えてくれる。 そうすれば、自殺、他殺だとか自然死……自然死は重要事項に書かなくてもいいんですけど、周りの人、ご近所の人がみんな見てます。警察は来るわ救急車は来るわって、なにがあったんだってみんな見てるでしょ? それでお客さんは、きれいにして案内しても、「ねぇねぇ、ここに入るの? ここにいたおじいちゃんがこうだったんだよ」って、よーく教えてくれます。そんなところへ入りたがらないでしょ? だから、なにかあったらなるべく早く見つけて。できれば、そんなふうにならないうちにお医者さんへ運べるのが一番なんです。そのためにはアパートの中で、話ができる人を何人か見つけてください。

家賃の重みを知る

パートナー選びのコツ、家賃の重みを知る、棚卸しをしてますか? アパートをやるのは、本当に1人だと大変。自分で管理してる方ってどれくらいいいらっしゃいますか? 退室の管理も。 退室する時が、大家さんと入居者さんの今までの関係が一番出てきます。入居者さん、退出するときに、命賭けてきますよ。本当に大げさに聞こえるかもしれないですけど、ネットでなんでも出てるんです。それが全部正しいと思ってる。 この間も8年いた方が退室して、「減価償却あるだろう」「経年変化あるだろう」って。もう全部ですよ、タバコで真っ黄色です。契約書に書いてあっても、裁判すれば負けます。タバコのことはうちも書いてあるんですよ、「クロスは減価償却とか経年変化は認めません」って。でも裁判すればちゃんと負けます、大家が。だってそういう判例も出てますもん。 だから、その時に入居者さんと大家さんが、管理会社さんもそうかもしれない、管理会社さんはそこまでやってくれないですよ、人間関係は。 だってお部屋のアパートのまわりのお掃除だって、1日何軒やるって決まってるんですよ。そこで私みたいに立ち話してお茶飲んでやってたら、仕事が次から次へ溜まっていって、会社から「お前なにやってんだ」って言われる。 その仕事は大家さんの仕事なんです。命の次に大事な資産を守るのは、私じゃないの。管理会社さんじゃないんですよ。大家さん、あなたなんです。それに、守る方法だとか、相談ごととか、いろいろなことはお手伝いします。 例えばそこで自殺が出たって、管理会社さんは、「どうもすいませんでした」って頭を下げて、管理から手を引けばいいんですよ。でも残されたアパートはどうするんですか? だから、それをなくすために、管理会社さんってパートナーですから、パートナーとうまくいく関係を作っておく。どこかへ出かけたときには「これ食べて」って、ほんのちょっとしたものでいいの、持っていく。なにかあったときには、「こんなんだけど大丈夫かね?」って。「なにかいい方法ある?」って。 営業の人でも、気が合う人と合わない人がいるから、自分の合う人を見つける。そして、そういう、命の次に大事な資産を守っていくんです。パートナーと。 家賃の重みを知る。羽生のほうは家賃が本当に安いんです。こういうふうに三角形がありますよね。いちばん上は森ビルさんとかああいう、すごい高いところ。うちはいちばん下の底辺。でも人数がけっこういるんです、いっぱい。 うちに、私と同じくらいの人が、もう私は65を過ぎて国民年金をもらっていますけど、います。ブラジルから来て、日本で働いて、そして結婚して、縁がなくなって、今ひとり暮らししてます。もううちに10何年、ワンルームですけど住んでくれてます。 でね、その人、なかなか正社員になれないんですよ。日本語には全然不自由しないんですよ。でも難しい漢字が読めない。だから、なかなか使っていただけないの。「私が保証人になるから」って言ってもダメなんですよ。だから今、デパートのお掃除の仕事をしてます。 お掃除の仕事っていっても、半日なんです。で、相手の人が休んだ時に1日仕事ができる。普通は家賃って振込なんです。振込なんですけど、毎月集金に行きます。カードでやっても210円とかいくら取られるんですよ。手でやれば600円とか。600円ってその人の1日の夕飯のおかず代なんです。 で、夕方に行くんですね。そうすると、「大家さん、これ読んで」って。会社からなにか連絡が来ると、漢字が読めないから私が読んでやるんです。その中に時々、給与明細が入ってる。で、パッと見るんです。多くっても8万行かないです。少ない時は5万ちょっと。 5万ちょっとの時、うちに3万3,000円払うんですよ。これでね、聞いちゃうの。「これで生活できる?」って。「大丈夫よ、私1人だから」。その中の、5万いくら、6万行かないなかから3万3,000円もらってくる。本当にありがたい! それはね、20万や30万から3万もらってくるんだったら当たり前だと思いますよ。でもね、6万行かない人から半分以上家賃をもらってくる。そうしたら、ありがたいなって思う。 こういうところに来て、みなさんの前で話をさせていただいたり、テレビに出たり、本を書かせていただいたりするとね、この低い鼻がね、クーッと伸びるんですよ。本当に浅ましいから。でも、その伸びた鼻を、月一度、その人のところに行かせてもらうとね、「あぁ、ありがたいな」と思って、元に戻させてもらえるんです。私の師匠です。 ぜひ大家さんはそういう方を見つけていただきたい。家賃の重みっていうのをぜひ知っていただきたい。

大家さんは社長、勉強しなければいけない

棚卸しをしていますか? 1年に1回、アパートとか、自分の資産を。私はね、1月1日、2日が休みなんです。その時に、いつも箱根駅伝を見ながら棚卸しをやってるんです。「このアパートはもうそろそろ5年経ったから売ろうかな」、5年経つとちょっとしたらあれになるから。 「これはどこを直そうかな」「これは息子に譲る資産だな」とか。「これは今のうちに売却して、こういうふうに使おう」とか。毎年違ってもいいんです。 そして棚卸しをしたら、自分の胸にずっと秘めておくんじゃなくて、それを子どもたち、家族に話をする。自分の心に秘めてたんじゃダメなんですよ、棚卸しは。「こういうふうにしようと思うんだけど」って、お正月だと家族全員が、働きに行ってる人たちも帰ってきますよね。子どもたちも。こういう時に話をするんです。 で、私よく言うんですよ。まだ誰も結婚してないんですけど、「嫁さんもらったら、私に一番ゴマ擦ってくれた人に一番あげるから」って、あはは(笑)。そう言ってるんです。これは冗談ですけど、だから毎年必ず棚卸しをしてください。 空室が出るのは大家が悪い、賃貸業と大家さんの違い。大家業は大家さんの気持ち次第です。あまりうちは管理物件持ってないんですけど、何軒か「お願いします」と来ます。「前の管理会社がもう全然お客を入れてくれないんだよ」。「ちっとも埋めてくれない、家賃を下げろ下げろとばっかり言う。なんとかスズヨシさんお願いしますよ」って来るんです。 でも聞いてると、みなさん、自分のことは言わないですね。管理会社とか不動産屋さんの悪口ばっかり。じゃあ自分はなにしてるんですか? 大家さんは先ほども言ったとおり、大家さんの仕事があるんです。 家賃の半分をくれるんでしたら、私も一生懸命そのアパートに行ってやります。でもそんな大家さんってゼロですから、うちの場合は。 大家さんがやるべき仕事、管理会社がやるべき仕事、お部屋の中を入居者さんが来た時に美人にしておく。なにもクリーニングなんてどこのお部屋だってかかってるんですよ。「ホコリがついてないからきれいだ」っていうわけじゃないんですよ。 お部屋にレースのカーテンひとつ下げておくだけで、イメージが全然違います。クリスマスになったらクリスマスのようなものを下駄箱の上に置いとくとか、お部屋の中をそういうふうにする。いつも気を遣う。 だってホテルはそうでしょう? クリスマス近くになったらちゃんとクリスマスが飾ってあるじゃないですか。お正月になればお正月らしいものが飾ってある。 ただ旅行に行って「景色がよかったな、ごはんがおいしかったな」だけじゃないんです。お部屋の中がどうなってるかをぜひ見てきてください。写真を撮ってくる。「あぁ、このクロスの感じはいいなぁ」と思ったら、そのクロスの写真を撮ってくる。「あぁ、この洗面所っていいなぁ」と思ったらその洗面所の写真を撮ってくる。 そして必ずリフォームする時に、自分のパートナーである管理会社さんと、「こんな感じがよかったんだけど」「あんな感じがよかったんだけど」って、話ができるじゃない。それで初めて対等でしょ?
クロスの種類も値段も、こんな小さい見本を見ただけじゃ、部屋の感じってわかんないでしょ? それをホテルだとか旅館に行ったときに、こういうところに来た時も、「あぁ、こういう感じにやるとこういう感じになるんだな」って。
電車に乗ってても、「どこか座るとこないかな?」じゃないんですよ。私は膝が痛いですから最近は座ってますけど、立って外を見るんです。なんで? 色見本がいっぱいサーッとあるじゃないですか。 みなさんのアパートだって、10年経ち、何年経てば、必ず塗り替えるんです。その時にどんな色がいいかなって。サーッと通ったときに、目立って、明るくって、嫌味のない色ってどんなのかなって。ね。 電車の外を眺めてみると、「あぁ、あれいい色だな」って。次の駅で降りて行ったっていいじゃないですか。 自分の家の近くをただ散歩するんでも、犬連れて散歩するだけではないんですよ。ちゃんと色を、「こういう塗り方はきれいだな」「いいけど、10年経つとこういう感じになるんだ」っていうのがちゃんとわかる。いつもアンテナを張ってないとダメなんです。 大家さんって、社長さんですからね。会社の社長なんですよ。空室が出るのだって、大家が悪いんです。管理会社が悪いんじゃない。管理会社と同じレベルになって、いろいろなことを勉強してアンテナ張って、「こうしたらどう?」って。

「ブス、ブス、美人」を忘れないで

自分のアパート以外のアパートを見たことありますか? 私が始めた頃、不動産屋さんには申し訳ないと思ったんですけど、「すいません、主人が転勤になりそうなもんですから、このぐらいのお部屋ありますかね?」って言ってね。 羽生市内でやるとわかっちゃうもんですから(笑)、県外に出た時はよく見てました。そして不動産屋さんのポスターを本当にたくさん見てきました。海外旅行に行ったときも、自由時間があると、必ず通訳の人をつけてもらって見てきました。そういうふうにしてますか? それで空室だらけだっていうんだったら、それは管理会社さんや不動産屋さんが悪いと思います。でも社長なんだから、いつもお部屋はどうしようって思わなくちゃいけないんです。 そして大家業のいいところ、賃貸業と大家さんの違いだと思うんですけど、大家さんって、「大家と言えば親も同然、子も同然」とかなんとかっていうじゃないですか。それが大家だと思うんです。 高校卒業して大学に来た。初めてひとり暮らしする。その時に、うちのアパートを借りてくれる。一生覚えててくれますよ。「あぁ、ああいう大家さんだった」って。会社に就職する、それでアパートを借りる。「あぁ、あの時はこういう大家さんだった」。 結婚して、新婚でアパートを借りる。「あぁそうだった」。私、結婚して初めてアパート暮らしした時の大家さん、まだ覚えてますもん。もうずーっと覚えてる。こんないい仕事ってないですよ。一生覚えててもらえる。それが大家業、大家さんだと思うんです。 そして大家業は大家さんの気持ち次第です。賃貸業って、本当に大家さんの気持ち次第です。空室がいっぱい出て困るっていう人は、口先だけなんです。なんとかしよう、こうしようって思えば、アパートっていっぱいになります。だって次から次へ考えるもん。 値段を下げるだけじゃなくて、じゃあクロスは同じ値段でもこういうクロスにしよう、じゃあこういうふうにしてみよう、カーテンは今までレースのカーテンだけだったけどじゃあこうしてみよう、じゃあここへちょっと植木を置いてみようとか、いろいろ考える。それは大家さんの仕事なんですよ。 なんとかしなけりゃと思えば考える。「あぁ、困った困った」って空室ばっかり出てるのは、困ってないんですよ。だから、満室にするのは大家さんの気持ち次第です。 そして、お部屋っていうのはね、お金を払う以上の価値がなければ借りてもらえないんです。まわりの相場が5万円だっていっても、5万円の価値がないから部屋が埋まらない。7万、8万の価値のある部屋を作って、そこを5万円で貸せば、必ず埋まります。そうでしょ? 大根ね、1本100円。主婦ってね、すごくよくわかります、高いか安いか。大根1本。それが150円の価値があるのに今日は特別サービスだって言えば、100円だったら買っていきます。明日あさって使う大根でも。それとおんなじです。 ぜひみなさん、お金を払う以上の価値があるようなお部屋を作ってください。そして、「ブス、ブス、美人」を忘れないでください。 ご清聴ありがとうございました。みなさまのアパート経営の一助となれば幸いです。どうもありがとうございました。 (会場拍手)

  
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