逆張り投資とアンカリング

中原良太氏(以下、中原):次に、「逆張り投資とアンカリング」。逆張り投資は、アンカリング効果をまったく逆の方法で使います。

どういうことかというと、逆張り投資は強力なアンカーがある株を狙うべきだと考えています。なぜアンカーがあったほうがいいのかというと、例を考えていただければわかります。

例えば、株価が1万円まで下がったら、いつもリバウンドしていたという株があったとします。今の株価は1万円の付近、底の付近にあります。

いつも1万円まで下がったらリバウンドしていたのに、今の株価はもう1万円近くですと。こういう株があったときには、株が買いやすいですよね。

今まで1万円になったら、それ以下に割れたことがなかったんですよね。まあ多くの人は「割れないだろう」と思うわけですよ。なので、株を買いやすくなるんですね。しかも割安感も出てきていると。ということで、過去のアンカーのある株を狙うのが、非常に有効になってきます。

それで、このアンカーになりやすい株価の数値というのは、ご存知のとおり、25日移動平均線とか、75日移動平均線とか、13週間移動平均線とか、26週間移動平均線とか。

あらゆる投資情報サイトで使われているような移動平均線。こういう指標がアンカーとして使われやすいんですね。

それで線に近づいていて、平均を割りそうだけど今まで割らなかった、今までずっと反発し続けてきた株があったときには、この移動平均線を使って株を買う人がすごくたくさんいます。もちろん、売る人もたくさんいるんですよね。天井にもなりやすいとか。

ということで、過去の底値とか天井がアンカーとして見える株というのが、この逆張り投資にものすごい使いやすいんですね。ちょっとマニアックな話になっちゃったかな(笑)。まあそんな感じです。

逆張り投資をするときには、中途半端な価格帯にある株が狙い目だと考えられます。つまり、順張りと真逆なんですよ。

順張りだと、高すぎる株と安すぎる株、こういう極端な価格にある株というのが順張り投資では狙い目なんですけど、逆張りの場合はどうすればいいかというと、この両端を抜いた真ん中の部分にある株のほうが、アンカーが効きやすいんですね。

移動平均線というのは、真ん中のほうに集中するじゃないですか。ということで、高すぎず、安すぎない価格の株というのが、逆張り投資には最適だと考えられます。

逆張り投資と順張り投資の使い分け

最後に、このアンカリング効果と逆張り投資と順張り投資、この2つの投資法を使い分けるコツをまとめていきます。

まず、極端な高値圏にある株というのは、順張りの買いと売りに有効だと考えています。なぜかというと、順張りの買いの場合、ものすごい高値圏に上がってしまって、例えば、年初来高値とか、高値更新中の場合というのはもう天井がないです。

天井がないので、もはや「自分の価格がすべて」「上がるところまで上がります」というような、心理的な抵抗がない状態になるので、株がすごく買われやすいと考えられます。ですので、こういった株は順張りの買いに有効だと期待できます。

逆に、順張りの売りにも有効だと考えられていて、なぜかというと、先ほども言いましたが、天井と底というのは一番距離が離れてますよね。このときに、空売りで順張りするときのアンカーはどこかというと、一番底値なんですよ。それで、ここまでの距離が十分にあると。

だから、心理的に株を買いやすくなるタイミングまで、しばらく時間的な猶予とか、価格的な猶予がある、底値のアンカーが非常に遠いということで、順張りの売りにも有効だと考えています。

極端な高値圏は、順張りの買いと売りに有利だということがわかりました。

ではその次、一番上の高値圏を抜いて、中間的な価格帯。これはどういった投資法が向いているかというと、逆張りの買いと売りに有利だと考えています。

なぜかというと、先ほども申し上げましたが、移動平均線やアンカーになりやすい株価というのが、まずこの真ん中の価格帯に集中しています。しかも、アンカーがあったうえで、不利になるアンカーが遠いというのが重要なんですけれども。

例えば、逆張りの買いをするときには、高すぎず安すぎないというのが非常に大事になってきます。それで、上昇余地を十分に残しながらも、アンカーも残しているという。そういう投資をするのが非常に重要です。

同じように、逆張りの売りをするときにも、高すぎず安すぎないというのが、大事になってきますので、積極的にこういう価格帯の株を選ぶと利益を出しやすいと考えられます。

最後に、極端な安値圏。これはお察しのとおり、順張りの買いと順張りの売りに有効だと考えています。

ということで、順張り投資と逆張り投資の2つの投資法を使うときには、価格帯別に向いている投資法がぜんぜん変わってきます。例えば、いろんなチャートを見たとき、極端な高値圏にある株を見かけたときには、「順張りのチャンスだな」と見ていくといいと思います。

逆に、「この株はちょっとパッとしないな」「あんまりいい価格帯にないな」というときには、「逆張りが狙い目かな」と考えると利益を出しやすいと思います。

このアンカリング効果を積極的に使って、順張りに向いた株、逆張りに向いた株を見つけると、利益をいつでも出せるようになると期待しています。

アンカリング効果については以上です。

曜日ごとに適した投資法

アンカリング効果に関する説明が終わったところで、これから私が絶賛研究中の分野を2つご紹介していきます。

片方は今すぐ実践できるぐらいまで研究が進んでるんですけど、もう1つはまだ研究真っ最中なので、今すぐ実践できるほどの情報はないです。

ただ、この動画を見てご自身で検証してみていただいたり、情報を集めていただくことで、ものすごく役に立つと思うので、こちらも併せてご紹介していこうと思います。

まず1つ目、「曜日別のアノマリー」というのをご紹介していこうと思います。

実は、逆張り投資と順張り投資には適切な曜日があります。曜日によって、順張りに向いている日と、逆張りに向いいてる日というのがぜんぜん違います。

(株を)長期保有している方だったら、そこまで影響が大きいものではないんですけれども、デイトレードをやる方とか、スイングトレードとか、2〜3日しか株を保有しない方というのは、非常に影響が大きいところですので、ぜひ意識したほうがいいと思います。

まず1つ目が、週明けの営業日、月曜日などに取引する株というのは、主に順張りのトレードが非常に有利になってきます。なぜかというと、私の憶測でしかないんですけれども、土日や金曜日って、ものすごいニュース多いじゃないですか。でも、土日は株の売買ができないんですよ。

どうなるかというと、月曜日に激しく株価が動くことになるんですね。それこそ、大きくグーンと上がったり、大きくグーンと下がったりということが考えられます。

そんな日に、逆張り投資をやると、まあ損ばっかり膨らむんですよ。大きく下がってるときに、下がり始めで買っちゃうみたいなことをするので、利益を出すどころか損を出してしまうことが多いんですね。

空売りの場合も一緒で、グーンと上がったときに、上がり始めで空売りしちゃって、さらにグーンと上がってしまうということで、逆張りにはぜんぜん向いてない日だと考えています。

それを裏返すと、順張りのトレードにはものすごい有利なんですね。上がったら上がり続ける、下がったら下がり続ける。そんな傾向が如実に表れてるのが、週明けの営業日です。ですので、こういった日には順張りのトレードをするのが有利だと考えています。

その一方で、それ以外の営業日というのは、週明けの月曜日と比べて、値動きが緩やかになる傾向があると考えています。ですので、逆張りのトレードをするのが、非常に有利なんじゃないかと考えられます。

なので、「今日、何曜日だっけ?」とか、「今日、週明けだな」とか、「もうそろそろ週末だな」というので、順張りの投資法を使うのか、逆張りの投資法を使うのかを明確に分けてあげると、利益を出しやすいんじゃないかなと考えています。

おもしろいでしょ? 普通は知らないですよね(笑)。曜日別に投資法を変えるとかね。でも、すごい説得力のあるものなので、自分の投資も曜日別にいろいろ入れ替えて使っています。

前場と後場の取引に対する仮説

今からお話しする話は確認中です。「これだ」と決まったものではないんですけれども、私自身が今、「こういう傾向があるんじゃないかな」と憶測していることですので、そのまま使うことは絶対にやらないでください。ご自身でいろいろ相場をチェックしてみて、そのうえで活用していただくようにしてください。

ということで、2つあります。まず1日の相場って前場と後場がありますよね。午前中の取引と、午後の取引の2つの時間帯があるんですけど、個人的には前場は逆張りが有利で、後場は順張りが有利なんじゃないかなと思っています。

例えば、前場に下がった株はリバウンドしやすいと思うんですね。逆に後場は、1回下がったら、下がり続けるんじゃないかなと思っています。

おそらく前場と後場で、参加している投資家の層がぜんぜん違うんですね。値動きの傾向もぜんぜん変わってくると思っています。なので、前場は逆張り、後場は順張り。こんな投資法の使い分け方が有効なんじゃないかなと思っています。

これは私の仮説でしかないので、詳細については確認をしていません。なので、この特徴あるいは、投資法への活用法をぜひ集計して研究してみてください。

もし、あなたがデイトレーダーだったら、必ず役立つ情報だと考えていますので、ぜひ調べてみてください。

本日のまとめ

最後にまとめについて、お話していきます。

まず、順張り投資と逆張り投資で、アンカリング効果を使い分けるのが、非常に大事ですと。先ほども、価格帯に応じて順張り投資、逆張り投資を使い分ける方法をご紹介しました。これは、アンカリング効果っていうのが、発想の原点にあるものですので、アンカリング効果についてはぜひ押さえておくようにしましょう。

実際に使い分ける方法としては、順張りは、アンカーのない株を狙いましょうと。逆張りでは、アンカーのある株を狙いましょうと。これをやることによって、より安定した投資法を生み出すことができると思います。

その後にお伝えしたことですが、投資法によって有利な価格帯っていうのはぜんぜん違います。

例えば、極端な価格帯というのは、アンカーのない、あるいはアンカーの弱い順張り投資に向いている領域です。中間の領域、移動平均線が集中している価格帯というのは、アンカーがたくさんあるし、強烈なアンカーが多いんですね。こういう価格帯は逆張り投資のほうが向いていると考えられます。

ですので、価格帯に応じて適切な投資法は違いますので、適宜使い分けるようにしましょう。

最後にちょっと、初公開のものすごく役立つノウハウ、私も実際に使っているテクニックなんですけど、曜日別とか前場・後場別というのでも、有利な投資法はぜんぜん変わってきます。

なので自分の投資法……いつが有利なのか、いつ使うと不利なのかをきちんと知っておくうえで、曜日別の傾向と、前場・後場別の傾向の2つについて念入りに調べておく必要があると考えています。

今回のコンテンツは以上です。ぜひあなたの投資にお役立ていただければと思います。