電池を長持ちさせる方法は効果がある?

マイケル・アランダ氏:私たちが毎日使う多くの装置には電池が使われています。そして、人それぞれ、電池を長く使うための儀式的な習慣があります。

ある人たちは電池を冷蔵庫に保管します。ある人たちは電池が充電されたらすぐにコンセントを外します。また、ある人たちは電池がもうすぐなくなる寸前にきて初めて充電するということにこだわります。

しかし、スマートフォンやラップトップコンピュータといったものの充電に関して言えば、これらの手法はほとんど効果がありません。かえって悪い結果になることもあります。

電池は、電極間を動こうとする電子を利用します。しかし、その電子の動きは電解液により阻まれます。電解液は電極の両方がワイヤーで直接繋がった場合にのみ電流を流します。

すべての電子が一度プラス電極にたどり着くと、電池は放電された状態、つまり電池切れとなるわけです。電池を充電するとは、単にそれらの電子を押してマイナス電極に戻し、元の状態に戻すことを言うのです。

すべての充電可能な電池は、時間が経つにつれて電流を保持する能力がなくなってきます。電子が分解し、欠片が崩れてしまうからです。しかしその欠片がなにでできているかにより、その電池をどのようにいかに長持ちさせることができるかが決まるのです。

実はずっとコンセントにつないでおいたほうがいい

あなたがよく耳にする電池の寿命に関する俗説は、ニッケルカドミウム電池とニッケル水素電池には当てはまります。テレビのリモコンによく使われています。

これらの電池に関しては、電子を生み出す化学反応があるため、再充電前にすべて使い切ったほうが有効です。そして満タンに充電されたらすぐに充電をやめたほうがいいです。そうしないと電解液の中で結晶ができてしまい、電池が壊れてしまったり、壊れないにしても、十分な電流を保持することができなくなったりしてしまうのです。

しかし近年の携帯可能な機械、つまりスマートフォンやラップトップには「リチウムイオン二次電池」が使われていて、その働きは異なります。

リチウムイオン二次電池は過剰に充電されるとダメージを受けますが、電池や充電器は通常そうなる前に充電が止まるように設計されています。ですからあなたの電話やラップトップが充電されたらすぐにコンセントを抜く心配をする必要はありません。

それに、リチウムイオン二次電池が完全な電池切れになるまで充電を待った場合、電池残量が70パーセントを切る前に充電するのと比べて、その寿命を最大5倍も短くしてしまいます。充電するときの電池量が多いほど、電池の寿命は長くなるのです。

電池の残量が何パーセントかということではなく、電池があとどれくらいの時間持つかを教えてくれる機能がついていれば、コンピュータがその目安を再計算するために、1ヵ月に一度すべて電池を使い切る必要があります。

しかし、なによりすべての電池にとって大きく影響を与えるのは温度です。電子化学反応は熱が高いと早くなります。ですから電池が長い間熱に触れていると、消耗が早くなります。

しかし、だからと言って電池を冷凍庫に入れればいいと言うわけでもありません。冷凍庫の中の空気中、または冷凍庫に入れた袋の中に入った電池の場合はその袋内の空気中には十分な水蒸気が含まれていて、それは氷になることのできる場所を探しています。濡れて凍った電池などお勧めできません。

ですから電話やラップトップの電池を長持ちさせたいなら、できるだけずっとコンセントに繋いでおいたほうがいいのです。あなたがどんな種類の電池を保存しているにしても、ただ引き出しに入れておくだけで充分です。