投資のストレスを減らす3つのポイント

中原良太氏:ではこれから、ストレスはどうすれば減らせるのか。心理的な不安はどうすれば小さく抑えられるのかということをお話ししていきます。これには全部で3つのポイントがあります。

まず1つ目、勝率の高い投資法を使う。つまり、「そもそも損をしないような投資法を選びましょう」と。「損をしなければつらくもないですよね」という考え方が1つ目です。

2つ目が、リスクの小さな株を買う。つまり損が出た時に、その額をできるだけ小さく留められるようにするというのが2つ目のポイントです。

3つ目が、損切りを早くする。これは何を示しているかというと、「含み損が出ている一番つらい時期をできるだけ短くしよう」という考え方です。

ということで、今回はこの3つの方法を詳しくご紹介していきます。

勝率の高い投資法を使う

まず、ストレスを減らす方法の1つ目、勝率の高い投資法を使う。つまり、損の回数を減らすことが非常に大事です。

1勝1敗というのはトントンですよね。普通に考えれば、悔しがる必要はないんですよ、別に得もしてないし損もしてないので。でもほとんどの人は、「ものすごく悔しい」という気持ちになります。

なぜかというと、損のほうばかりが過大評価されてしまうんですね。それで、利益が小さく捉えられてしまうからです。なので、損を出すときのほうがストレスが非常に大きくなります。損ばかり大きくなって、利益が小さく感じてしまう。

ということで、損の回数をできるだけ小さく抑えるというのが、最重要の課題です。なので、勝率としては60パーセントとか70パーセントとか、それくらい確度の高い投資法を使うというのが、精神的な負担も小さいと言われています。 

リスクの小さな株を買う

ストレスを減らす方法の2つ目、リスクの小さな株を買う。つまり、損の額を減らすという方法です。

例えば、5万円の利益と3万円の損失、これが5万円利益を出して、その後に3万円損したというときに、何が起こるかというと、「うわっ、損した!」という感情ばかりが残るんですよ。5万円の利益が得られたことなんて、すぐ忘れちゃうんです。もう3万円の損のことばかり考えちゃう。

というので、利益のことはすぐ忘れてしまうんですね。逆に、損のことはものすごく覚えます。なので、ここのストレスばっかり感じちゃうんですね。

なので、この3万円という金額をできるだけ小さく圧縮するということで、損失の額を最低限に抑える工夫をする必要があります。

その方法として、リスクの小さな株を買うとか、損切りを早くするとか、いろいろ方法はあると思います。あとは、株を買う量を小さくするとか。まあいろいろ方法はあるんですけれども、損失の額を最低限に抑えるのが非常に大切です。

損切りを早くする

3つ目のポイント、損切りを早くする。

この目的は、含み損の期間、自分の証券口座を開いたときに、マイナスいくらいくら、みたいな画面が出てくると、もうものすごい落ち込むんですよね。「あー、今月10万負けた……」みたいな。

でも、この数字の前には、もしかしたら20万プラスがあったかもしれないんですよね。その先月は50万勝って、その先々月は50万勝ったみたいな。でも、今月のマイナス10万にはものすごいストレスがあると。

この損が出ている期間をできるだけ短く圧縮してあげることで、ストレスも小さく抑えることができます。

先ほども言いましたが、先月は1ヶ月間含み益が出ていた。今月は1週間含み損ですと。もう1ヶ月間という長い期間利益が出ていて、喜ばしいことがあったにもかかわらず、ここ1週間の損ばかりが残ります。

虚無感とか絶望感というのが、ものすごいストレスになるんですね。このストレスというのはやはり過大評価されてしまうので、損している期間もできるだけ小さく圧縮してあげることで、ストレスを小さく抑えることができます。

ということで、今回お伝えした3つのポイントです。1つ目が、勝率を高くしよう。2つ目が、含み損を小さくしよう。3つ目が、期間を短く抑えよう、早く損切りしよう。この3つのポイント、非常に大事ですので、ぜひ覚えておくようにしましょう。

自分のストレスの許容量を知る

最後に、ストレスを管理しましょうということで、人にはそれぞれ自分の心に乗せられる重りの量が決まっています。つまり、適切なリスク量というのがあるんですね。

例えば、たった1,000円の損でイライラしちゃう人とか、逆に100万円損してもぜんぜんイライラしない人って千差万別なんですね。せっかちな人は、小さな損でけっこうイライラしちゃうんですけど。

僕とかは小さな損でもイライラするんですよ。この間の例だと、この動画を収録しているときに、せっかく保存した動画ファイルが壊れちゃったとか。それで30分ぐらい失っちゃったんですね。それだけでものすごいストレスを感じるんですよ。

こんな人はやっぱり、お金がなくなったとき、1万円や2万円なくなっただけでものすごいストレスを感じます。

逆に、「ぜんぜんそんなのかまわない」「100万だろうが200万だろうが持っていけ」と考えられる人もいることはいます。こればっかりは、なかなか変えられないです。

少なくとも、こういうストレスに耐えられるような心を持つためには訓練が必要です。

なので、訓練を受ける前は、自分の許容量に合わせて、どれぐらいまで取れるストレスがあるのかをきちんと知って、その許容量に合わせて、投資法を作っていくのが大事だと考えています。

本日のまとめ

ということで、今回は以上です。最後にまとめをお話します。

まず1つ目、利益を増やすことももちろん大事なんですけど、今回焦点にしたのは、ストレスを増やさないこと。

自分の許容量を超えたストレスを抱えてしまうと、自暴自棄になったり、あとは、ノイローゼになって何もできなくなってしまったりという弊害がよく起こります。

ですので、ストレスを増やさないというのが非常に大事なんですね。なので、そのストレスを増やさないためにも、「感応度逓減の法則」というのを、まず1つ押さえておくのが大事だと思います。

それで、実際にストレスの小さな投資をするときの3つのポイントがあります。

1つ目が、勝率の高い投資法を使う。

2つ目が、リスクの小さな株を買う。

3つ目が、損切りを早くする。

最後に自分の心の許容量に合わせて、取れるストレス量をきちんと管理しましょうというのが非常に大事だと考えています。

もしこの1月、2月の相場でイライラすることが多い方というのは、まだストレス管理が足りていないのかもしれないです。

そういった方は、今回の感応度逓減の法則をぜひ生かしていただいて、必ずしも利益を増やすだけじゃなくて、自分の心を大事にして、嫌にならないように。

不安になったり、イライラすることも多いと思うので、そういった気持の面でのケアを事前にしておくのが大事だと思っています。今回は以上となります。最後まで御覧いただいてありがとうございました。