「妊娠は全治10ヵ月」

野田聖子氏(以下、野田):私の時代は中途半端な時代だったけれども、安倍総理のおかげで働く女性の立場がちゃんと位置づけられたと思うの。でも理念はできたんだけれども法律とか予算措置とか社会の在り方とかはまだまだでき上がっていないんで、これからの女性議員の人たちにはたくさんの男性議員を友達にしてそこを着々と積み上げていってほしいと思います。

高橋ひな子氏(以下、高橋):女性議員も仲間でLINEのグループを作ってよくやり取りさせてもらっていますよね。

野田:賀茂なすの会だったっけ?

高橋:そうそう賀茂なすの会。

野田:なんで賀茂なすかっていうと、ご飯を食べたところの賀茂なすがおいしかったんですよね。

高橋:そうそう。

野田:あまり生臭い会の名前にすると「また野田聖子はなんとか」って言われてみんなに迷惑かけるから、シンプルにおいしかった賀茂なすにしてって。国会議員だけど人間だし、人間だし女性なんだよね。国会議員の仕事は男も女も同じなんですよ。

ヒラリーさん負けちゃったけど、オバマ夫人のミッシェルさんが彼女のことをたたえる言葉のなかで、「happens to be woman」って言ったの。すごく仕事ができる人ですよ、女性ですけどね。っていうような使い方で。

そういう自然体で男性の知らない世界、例えば妊娠、出産、あとはおっぱいをあげたりとか男性がしたくてもできない女性としての特性から見えてくるものをしっかり伝えてゆくこと。世の中では妊娠は病気ではないという位置づけで、ネットをみていてなるほどなと思ったんだけど「妊娠は全治10ヵ月」だと。

高橋:なるほど。

野田:妊娠中って普通に動けないじゃないですか。ゲッてなっちゃたり痛くなっちゃたりいろんな不具合を経験するし、出産後は女性ホルモンがどーんと減るから鬱になりやすい。そういう一連のイベントを経て子供がいるんだっていうことを男の人は残念ながら知るすべがない。そこが日本の政治のなかで足らなかったことなのかなと。

高橋:そうですね、私たちは命削って産んで育てるわけですからね。

野田:男性しかいなかったからしょうがないんだけど、そこが政治のなかでは欠落していて、せっかく女性としてそれらを経験させてもらって今があるんだから、そのリアルを必要とされている少子化対策にはどうどうとぶつけてゆく必要があると思う。

高橋:ほんとしみじみといろんな思いを持ちながら。

野田:ひな子ちゃんもちょっと前だけど思い出して(笑)。

高橋:はい(笑)。いまだに私も息子がかわいくて、いつもつるんでます。

「命懸け」という言葉は言えなくなった

野田:ほんと命がけだよね。私子供ができてから国会議員の好きな「命懸け」って言葉、一切言えなくなったね。そんなもんじゃないよと。軽々しくいってはならない言葉ですよと。だから命懸けでどうのこうのっていう人のことは若干うさんくさく思ってる。実際、言えないでしょう? 命がけって。

高橋:言えないです。

野田:あと「国民のために」ってのも言えないの。「なにその上から目線」って感じで。やっぱり私たちは自分たちから連なる子供たちにいい政治を渡すっていう「かあちゃんの本能」が優先するんで、そういう国民という言い方がなじまない。

私たちの家族のために、そして友人のために、っていうとすごく仕事に精が出るよね。

高橋:わかります。残念なんですがそろそろ時間なんで最後に1問。「実は私はこうなんです」っていうとき野田先生はどんなお話をされますか?

野田:いろいろ武勇伝が流れすぎていて、単にお酒の強いオッサンていうイメージがあると思うんですけど、私はA型のおとめ座でその通り几帳面なんですよ。

高橋:几帳面なんですか? お嬢さまという。

野田:育ちも一応よかったんですが、どこかで置き去りにしてきたようで、残っているのが几帳面で、本なんかもきちっと置かれてないとダメだし。

高橋:例えば上下が逆さまになっていたりするとダメなんですか?

野田:ダメなんです。床に物が落ちているとダメなんです。全部拾って。

高橋:でもそれはキレイになって整理整頓もされていいんじゃないですか?

野田:でもゴミだと思っていた夫の備品とか。

(会場笑)

あわせて、捨てる癖があって、それが原因で相当夫婦喧嘩を起こしました。とにかくクシャクシャしたものが置いてあると気持ちがすっきりしない。もともと帝国ホテルで客室の掃除係をしていたのでシーツなんかもピンピンに張るのが得意。いつでも断捨離などお手伝いに行かせていただきたいと思います。

次回ゲストは木村弥生議員

高橋:(Women's Talkは)新企画で、次の方をご紹介いただくというふうにしたらいいかなと思うんですが、どなたかご紹介いただけますか?

野田:今、ひな子さんとも一緒に仕事している若手で、シングルマザーで、今度自分の住んでた東京から地縁血縁のない京都での女性らしい活動を決意した勇気ある仲間がいるんですよ。

高橋:木村弥生さん!

野田:ピンポーン! 見た目はほんとに竹下景子さんみたいなおっとり感漂う人なんだけど、ほんとに芯が強くて素敵な女性なんです。ぜひ応援もかねて。

高橋:じゃ電話してみましょうか。笑っていいともじゃないけど。

野田:気張っていいとも(笑)

(会場笑)

高橋:気張っていいとも(笑)。いいですね。

野田:彼女は看護師の資格も持ってるんですが、女性として生きていくために子供を生んでから勉強しなおしたという。

高橋:じゃあ電話をちょっとかけてみますね。この時間だったら出るかもしれない。

(以下、電話でのやりとり)

木村弥生氏(以下、木村):はい、木村です。

野田:加茂なすの会の野田聖子でございます。

木村:お疲れさまです。

野田:お元気で、がんばってますね。

木村:はい、元気です。

野田:いよいよ養子縁組斡旋法も動き始めましたんで、最後までよろしくお願いします。

木村:はい、よろしくお願いします。

野田:ところで今ひな子さんと、いかに弥生さんが頑張り娘かというお話をしてました。

木村:ははは、ありがとうございます。

高橋:それで来週の木曜日お昼の12時から1時までなんですけど、「Women's Talk~独占女性の30分~」ということで、質問をガンガンしちゃうという番組なんですが。今思ったんですけど、ご当地言葉で「来てもらえるかな」のやり取りをしたいと思うんですが、岐阜だとどういう言葉になるんですか?

うちのほうだと「来てもらえるべか」とかになるんですけど。

野田:うちはそこまでなまりませんね。「来てちょー」みたいな。

高橋:「来てちょー」ですね。木村先生は京都弁でお返事をお願いします。じゃあ野田先生お願いします。

野田:じゃあ弥生ちゃん「来てちょー」。

木村:はーい「いいですよぉー」(笑)。

(会場笑)

高橋:では、来週は木村弥生先生よろしくお願いします。

木村:はい、ありがとうございます。

高橋:はい、失礼します。ということで今日は記念すべき第1回、野田先生ありがとうございました。

野田:長老の野田がんばりました(笑)。

高橋:ほんとにいろんなお話を伺えて参考になりました。これからもよろしくお願いします。

野田:よろしくお願いします。

高橋:ではみなさんありがとうございました。また来週ー。