しびれが起こる理由

みなさんも、腕の上で寝てしまったり、足を長い間組んだり、肘を思いっきりぶつけたりしたあと、じわじわと湧き上がってくる不快なじーんとした感覚を味わったことがあるのではないでしょうか。

奇妙でうずくような感覚は、一般的に「しびれ」と言われているわけですが、学名では「知覚障害」と呼ばれています。しかし、このしびれはなぜ起こるのでしょうか?

例えば、長いあいだ足を組んでいて起こるようなしびれた場合は、足の血行を悪くするので、それがしびれの原因だと思いがちです。あながち間違っているわけではありませんが、それが直接の要因ではないのです。

知覚障害は、感覚神経を妨げられることにより起こります。感覚神経は脳から脊髄に、「飼い犬がふわふわしている」だとか「ものを握るのにどれくらいの圧力がいるか」「この飲み物はまだ冷たいのか」などの情報を送ります。

手足がぎこちない状態になっていると、神経への血流が妨げられます。最初は、神経が脳に信号を送るための十分な酸素とエネルギーを得られなくなるのにつれて、感覚がなくなっていきます。

組んだ足をもとに戻したり、腕の位置をずらして圧力から解放されると、すぐに神経は正常に機能し出しますが、脳が再起動するまでのあいだに情報が正しく伝達されず、それがうずくような感覚を引き起こすのです。

知覚障害は、神経に圧力がかかることで、周りの組織が十分な血液を得られないことで起こることもあります。もっとも一般的なのは、肘(ファニーボーン)を打ったときに起こるしびれです。

肘をぶつけると、首から手にかけて走る尺骨神経に強い衝撃を与えます。この神経は薄い脂肪と皮膚だけに覆われているのみで、肘の辺りではとくにむき出しの状態になっています。

ほとんど人の知覚障害は、1~2分で治りますが、そう簡単にいかない場合もあります。机に頬杖をついたりして、長時間神経を圧迫すると、しびれが数日消えないこともあります。

もしも、神経が圧迫され続けている場合、神経がじゅうぶんにリラックスできるようにそえ木をあてがったり、手術をしなければならないこともあります。

また、腫瘍が神経を刺激したり、多発性硬化症などの神経異常がある場合、普通より麻痺状態が長く続く、慢性的な知的障害に悩まされて、単純に治すことは難しいのです。

もし、このビデオを悪い態勢で見ていて、足がしびれてきたら、立ち上がって、神経が正常に戻るまで2分は部屋の中を跳び回わるのが、最も効果的です。