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【全文】孫正義氏「4年後、コンピュータは人間の脳を超える」 ソフトバンクワールド2014書き起こし

【全文】孫正義氏「4年後、コンピュータは人間の脳を超える」 ソフトバンクワールド2014書き起こし

労働人口の減少、低い生産性など、日本の将来に対する見方は悲観的なものが多くなっています。そんななか孫正義氏が、日本の競争力を復活させるための方程式を語りました。7月15日に行われたソフトバンクグループ最大の法人向けイベント「SoftBank World 2014」内、孫正義氏による基調講演の書き起こしです。

シリーズ
Softbank World > Softbank World 2014 > 孫正義氏・基調講演
2014年7月15日のログ
スピーカー
ソフトバンクグループ 創業者 孫正義 氏
参照動画
SoftBank World 2014 [Day1:基調講演]
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「日いづる国 日本」を復活させるために

孫正義氏 皆さんおはよう御座います。ソフトバンクの孫でございます。今日はソフトバンクワールドへお越しいただきました。ありがとうございます。それでは早速、話を始めさせていただきたいと思います。 日本、素晴らしい国です。私は日本に生まれ、日本に育ち、本当に素晴らしい国だというふうに思っています。 この「日いづる国 日本」ということですけれども、この素晴らしい日本が、最近何やら、多くの日本の人々が自信をなくしてきているのではないかと思います、特にビジネスの世界で。日いづる国のはずが、もうこの20年くらい、「沈みゆく国 日本」と、このような形で語られるようになってしまいました。 無題_R 経済の成長が著しく低迷してしまった状況が、20年間も続いてしまいました。やっとアベノミクスでこの1年間、もう一度経済が復活しそうだ、という兆しが出てきました。しかし、これまで世界で2位だったGDPは3位に転落し、さらにこの後、インドやその他の国にも抜かれそうである、という、低迷する日本のGDPという問題がございます。 無題1_R その重要な要素の一つというのが、人口問題であります。これから伸びていく他の国々に対して、日本の労働人口はむしろ減っていく、という問題があります。このような状況のなかで我々は、我々自身に対して問いかけなければならないと思います。日本はこのまま沈んでいくのか、と。 私は、日本は必ず復活すると思っております。また、そうしなければならない、というふうに思っています。単に日本の現状を嘆くだけではなく、日本の将来を憂うだけではなく、どのようにしてそれを復活させていくのか、ということについての方程式、私なりの意見を述べさせていただきたいというふうに思います。

日本復活の方程式は「情報武装」

日本復活の方程式、それは、日本の生産性を上げる、ということがまず1点であります。次に、労働人口問題を解決させるということ。この2つの掛け算、これをすれば、日本の競争力を取り戻せるということであります。ただなかなか、言うは易し、行うは難しという問題があります。 生産性でいうと、日本の生産性はこの20年間、どんどん他の国に抜かれ始めております。労働人口問題は、少子高齢化と言われて久しいわけであります。従って日本の競争力が落ちているわけですが、まずこの生産性について語りたいと思います。 その鍵は、「情報武装」にあると思います。特にこの生産性、ホワイトカラーでこの重要な問題があるわけですけれども、情報のビッグバン、というふうに言われております。この情報のビッグバンは、今まさに世界中で、爆発的にITのテクノロジーが進化し、その情報がどんどんと世界中に押し寄せている、ということであります。 3_R 2018年には、ワンチップのコンピュータの中に入っているトランジスタの数、これが人間の脳細胞のニューロンの数、300億を超えると言われております。人間の脳もニューロンがくっついたか離れたか、という2進法で物を記憶したり考えたりするわけですけれども、コンピュータも全く同じで、トランジスタが中に大量に入っております。このトランジスタがくっついて電流が流れるか、流れないかの2進法で物を計算したり考えたりするということであります。 このトランジスタの数が2018年には300億を超える。つまり人間の大脳のニューロンの数を超える、ということになるわけです。どんどんコンピュータが進化する。であればその進化を、我々の手にすると。情報のビッグバンを我々の味方にして活用する、ということです。そうすれば我々は、生産性を上げられるというわけであります。

ITテクノロジーの爆発的進化は今後30年間も続き、ワークスタイルを激変させる

00_4 00_5 このコンピュータのチップには、メモリというものもあります。このメモリ容量が今後、劇的に増えていきます。メモリ容量に加えて、更にモバイルの通信速度も増える。この3つですね。ワンチップコンピュータ、CPUのなかに入るトランジスタの数。メモリチップの容量。そして通信速度。この3つの基礎的要素が、情報のビッグバンを更に加速度的に進化させていきます。 00_6 我々ソフトバンクはこの3つのなかでも、特に通信というところにこだわっているわけですけれども。我々は携帯のテクノロジーを使って世界で初めて、日本の一番難しい地域、日本の銀座において、街の中で1ギガビットという速度を達成するに至りました。これは世界初の快挙であります。一般の人々のスマホでもこのような速度でつながるようになる、ということは、もうすぐ目の前に来ているというわけであります。 00_7 CPUが、今からの約30年間で100万倍になる。メモリ容量、こちらも100万倍になる。通信速度は300万倍になる。ムーアの法則で過去30年間、このような速度で進化してきたわけですが、次の30年間も同じような速度で進化すると私は信じております。 つまり人々は今までケチケチしながらメモリ容量を使い、ケチケチしながら小さな能力のCPU、そして通信速度を使ってきたわけですが、これからは、無限大の計算能力、無限大の記憶容量、そして無限大の通信速度、これが当たり前である、という時代がやってきます。 そうすると、ますます人のワークスタイルやライフスタイルが変わってきます。これらの情報、データが全てクラウドに格納される、そのような時代がやってくるということであります。従って、人々のワークスタイルは決定的に変わっていくということです。 じゃあそのような状況のなかで、我々ソフトバンクは今、どのような事を行っているかということですが、実は我々は、iPhoneが出て即座に、apple社自身よりも、iPhoneを発明したappleよりも先に、全社員にiPhoneを配りました。appleよりも先に、全社員にiPadを配りました。そしてソフトバンクの社員は、全員が我々のクラウドにつながっております。 00_8

日本の競争力低下を如実に示す事例とは?

ちょっと皆さんにここで質問をしてみたいと思います。 もし皆さんのなかで、全社員にスマホを配布し、使っているという会社の皆さん、ちょっと手を挙げていただけますか? ……2%くらいでございました(笑)。 それではこのなかで、全社員にタブレットを会社で配って活用している、という人は? ……こちらもまだ1%未満ですね。 じゃあもう1つ聞きます。この中で、全社員がクラウドを会社の業務で使っている、という方いらっしゃいますか? ……5%くらい、こちらはやはり少し多いですね。 しかしこの3つとも、100%全社で使っている、という方、ちょっと手を挙げてください。ソフトバンクグループ以外で。 (会場笑) ……見事に0でございます。あ、1人いましたね。その程度であります。これでいいのか、ということですね。今日せっかく、私の話を聞いていただいたんですから、会社に帰ったらすぐに「これはマズい! 我が社も全部100%にしよう!」というふうに是非、ご提案をいただきたいというふうに思います。 つまり、これこそが情報化社会、情報のビッグバン時代における、生産性、ワークスタイルの中の生産性アップの基礎的カギになるわけです。ですから是非、日本全体が、日本の企業のすべてが、こういうものを活用すべきだと思います。 00_9 じゃあソフトバンクで何が起きたかというと、2009年から2014年の5年間、日本経済が全然成長していないこの時期に、企業全体が横ばいの時に、ソフトバンクでは一人当たりの生産性が倍以上になった。いち社員あたりの獲得契約数が倍以上になった。 もし、お客様の獲得数を倍にするために社員の数を倍にしていい、かける経費を倍にしていい、ということであれば達成して当然だと思います。達成して当たり前のことは何の自慢にもなりません。 しかし、もし経費が、働く兵力が横ばいで獲得できる数量が倍になれば、当然利益が増えるわけですよね。つまり生産性をあげるということはそういうことだと。先ほど手を上げていただきましたが、日本の企業の導入例、スマホを入れていない企業が7割以上、タブレットを一切入れていない企業が7割以上、クラウドを使っていない会社も7割くらい。 00_10 先ほど僕が聞いた質問は、全社員がスマホやタブレット、クラウドを使っているかという形で質問し、ほんの2~3%しか手が挙がりませんでした。一部でも使っていれば”イエス”であるとしても、まったく使っていない企業が7割くらいあると。導入していない会社がそんなにあるということは、日本が今、いかに競争力を失いつつあるか。同じ質問をアメリカでしたならば、もっと高い比率になっていると思います。

2020年にはあらゆるモノがインターネットにつながり、データを集め始める

そこで、もちろんスマホやタブレットは皆さんのほとんどがご存知ですけれど、われわれソフトバンクでは、このクラウドを行うにおいて、今、非常に近しく業務提携をしておりますVMwareについて、少しだけ事例を申し上げさせていただきます。 00_11 全世界で50万社が活用していると。Fortune100社、ようは世界の大企業のトップ100社はVMwareを100%使っている。国内市場でも84%、プライベートクラウドでも93%。それぞれの大企業で使っているということであります。 00_12 つまり、従来のようにサーバーを自社の中に置くとしても、これはバラバラで、物理的に大きくて、複雑で、保守もメンテも専門の人間が必要であると。今、これらを入れてもさまざまなサイバーアタックやウィルス、個人情報のデータの管理だとか、難しいことがたくさんありますよね? そういうものを素人の企業が、素人なりにたくさんのお金をかけて非常に遅れた技術でやっても意味がないと思うんです。それよりも、それに特化した専門の会社が一元管理で、安く高性能で、安心・安全に使えるということであれば、そのほうが遥かにいい、理に適うということですね。 この仮想空間の中でクラウドを活用するということで、私は、今日来ておられる全ての皆様にスマートフォン、タブレット、クラウドの武装比率を100%にし、活用しましょう、ということを申し上げたいと思います。 単に今、現在のものをやればいいというだけではないと思います。さらなる未来はどうなっていくか。ありとあらゆるものがライフログとして、どんどんとデータを集積していくという時代がやってくると思います。 00_13 自動車や洗濯機、冷蔵庫もテレビも、ありとあらゆる家電、そして運動シューズあるいはメガネですら、あらゆるものが、さまざまなセンサーと通信によりビックデータを集め始める時代がやってくると思います。 つまり、クラウドに溜まったデータこそが我々にとっての最大の財産になる、という時代がやってくるでしょう。今からほんの6,7年後にはInternet of things(モノのインターネット)といって、全世界で500億個くらいのものがインターネットに繋がっていき、データを集め始める。 今現在、約100億個くらいのものが既に繋がっているわけですけど、これらがもっともっと多く繋がり、ついには500億個も超えていくという時代がやってくると思います。

「ソフトバンクは繋がらない」をビッグデータの活用により解消した

つまり、鍵はビックデータにあるということです。われわれソフトバンクグループではそのビックデータをどのように活用し始めているかということで、最近テレビで、しつこく「ソフトバンクが接続率No.1」ということを一生懸命、言っておりますが、これまでソフトバンクの代名詞といえば「繋がらない」という風に言われていたわけであります。 しかし最近、我々がテレビCMで「接続率No.1」と、なぜ声を大にして言えるのかというと、ビックデータを活用してネットワークの繋がらないところをピンポイントで見つけ、そこにピンポイントで解決策を出した結果、繋がるようになったと。「接続率がNo.1になった」と自信を持って言えるようになったように、ビックデータを集めたということであります。 00_14 我々のユーザーだけでなく、docomoさんやKDDIさんのユーザーの皆さんの通信状況まで、スマホのアプリケーションソフトを使い、我々のネットワークにビックデータとして集めた。つまり、電波改善のために500億回もの接続セッションを確認し、接続率が一番になったと。 日本全国の旅館やコンビニ、駅の東口西口、あらゆるところをピンポイントで、われわれはどこが繋がっていないのか、と。他社が3月3日の水曜日の朝7時に新宿東口のどのコーナーで何%繋がっているのか繋がっていないのか、それはiPhone 5Sで繋がっているのかGALAXY 4で繋がっていないのか、機種・場所・時間・企業別ということまで含め、全ての接続率を把握できるというところにまでなったわけであります。 つまり、単にお金をかければいいというわけではなくて、データを使ってインテリジェントに問題を解決するということをやり始めたのです。ですから我々が少ない資本にもかかわらず、他社を一気に抜いていくということが可能になったのです。 同じようにYahoo!も今、565億ページもの月間ビューがありますが、これらから様々なビッグデータをどんどんと蓄積し、あるいはブランディングのためにですね、Twitterの情報もすべて我々はビッグデータで解析している、ということであります。 では、このビッグデータの世界がどうなるのか。そして我々はどのように活用、さらに我々だけじゃなくて提携先の企業とこれを進化させていくのか、ということについて少し語りたいと思います。

  
ビジネス現場の一個人、誰もがデータを意思決定に活用できる時代。人任せから脱却してみませんか?
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