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「個人が組織から離れても生きていける社会が理想」ハフィントンポスト×Sansan対談

「個人が組織から離れても生きていける社会が理想」ハフィントンポスト×Sansan対談

これからのビジネスネットワークのあり方を探求するメディア「Business Network Lab」で取材した人物をゲストに招くトークイベント「Eight Fireside Chat」。第2回は、「ハフィントンポスト」日本版の編集長・竹下隆一郎氏をゲストに、「動く的」に素早く狙いを定めるビジネスネットワーク活用術をテーマにトークを行いました(撮影:小野田陽一氏)。

シリーズ
Eight Fireside Chat Vol.2
2016年11月4日のログ
スピーカー
ハフィントンポスト日本版 編集長 竹下隆一郎 氏
Sansan株式会社 Eightコンテンツストラテジスト/Business Network Lab編集長 丸山裕貴 氏

「枯れない記事を作れ」

丸山裕貴氏(以下、丸山) ハフィントンポストの記事は、どれくらい読まれ続けるものなんですか? 竹下隆一郎氏(以下、竹下) これはおもしろくて、過去の記事が急にバズることもあるんです。意外な、編集者の重要な能力って、昔の記事を覚えているかどうかなんですよね。こういった話題が出たときに昔の記事を投入するとか。 例えば今、大統領選ですけれど、前の大統領選の記事があったらそれを投げてみるとか。都知事選だったら、前の都知事選の記事とか。そういうものを投げかけると、読まれたりします。 丸山 自分の家族とかと話していたら、差があるなと感じることもあるんですか? 竹下 そもそも人間の関心はあまり変わらないんですよね。アメリカの編集部に言われるのは、エバーグリーンな記事を作ろうって。 丸山 エバーグリーン? 竹下 緑であり続ける記事ですね。木々がずっと青々と茂っているような記事を作らないといけないと言われています。 丸山 要するに枯れちゃ……。 竹下 はい。枯れちゃダメだと言われていて。エバーグリーン、ずっと読まれ続ける、観葉植物みたいに枯れない記事を作れと言われていています。 丸山 それは、どうやって作るんですか? 竹下 そこは難しいですよ(笑)。 (会場笑) 竹下 共通の話題を見つけたりとか。日本の論壇誌の歴史に興味あるんですけど、けっこう同じことを議論しているんですよね。手を替え、品を替え。人類は同じような議論をしていると思うんですが、そこをいかにとらえるか。そこが難しいんですよね。 丸山 みんなが常に関心を持っている、言われ続けている話題はなんなのかと。ほかにありますか?

取材を受けるのは社内広報の意味もある

質問者7 ありがとうございます。今日の対談内容をうかがっていて、ネットワークというものの重要性がすごく頭に浮かびました。人脈はその名の通り重要なネットワークだと思うんですけど、ハフィントンポストのあり方も海外との連携だったり、編集長のGOがなくてもパブリッシュできるシステムだったり、ネットワークというものがすごく大事だなという感覚を得たんですけど。 今日の話は、比較的、個人のマインドセットが中心になっていたような気がして、それを集団、グループというものに置き換えるときに、編集長というマネジメントをされている方ですので、自分の管轄している組織のマネジメントにおいて、ネットワークを活発にしたり、クリエイティブにするという視点だったり。 実際にこういった場所やネットワークをアクティブにするとか、ぼくはそういうことも重要だと個人的に考えているんですけど、そういった視点で意識している部分があったら教えていただければと思います。 竹下 すみません、もう1度お願いします。組織として……? 質問者7 ネットワークというものが重要なキーワードだと思うんですけれど、自分が持っている編集部であれば、そこのネットワークの重要性もあると思うし、外部とのネットワークの重要性もあると思うんですが、それをよりよくしていくために、個人でなにか意識されていることだったり、過去になにかやったことだったり。そういった部分でコメントいただければと。 竹下 イメージしているのは、サッカーの試合ですね。私が監督で、フィールドにみんなが解き放たれて、後は自由にフォーメーションを組んで、それから監督から指示しても聞こえないというか、目の前にボールがあるぞみたいな。これは初代編集長の松浦さんが良く言っていました。 でも、ハーフタイムはみんな戻ってくるじゃないですか。その節目、節目で、みんなとミーティングをする。ハフィントンポストでは週に1回、みんなで集まっています。今日もそのミーティングがあって、それから来たんですけれど、そこはすごく大切にしています。 後はその編集長の思想をいかに編集部内に浸透させるかなんですが、やはりいくら言っても、頭に入ってこないじゃないですか。自分もそうだったんです。記者時代に、編集幹部がなにかを言っても、ほかの作業をしていたり。 実は、このように外で話すことがとても大事で。このなかにハフィントンポストの知り合いの方がいたら、「こんなことをおたくの編集長は言っていたよ」とか言うと、すごく入ったり。 丸山 人づてに聞いたほうがいいと。 竹下 そう。人づてに聞いたほうがいいんです、絶対。しかも、外部の人から聞くのがいいんです。だからもし、今日メディアの方が入っていただいていたら、ぜひ記事にしてもらいたいんです。記事を通して、私の考えを知ることは、意外に重要だなと。 私は経済部というところで記者をしていたんですけれど、なぜ新聞社の取材を大手メーカーや大手自動車が受けるかというと、社内広報の意味もあるんですよね。たくさんいる会社で、いくら社長が訓示をしても伝わらないけれど、日経新聞や朝日新聞なら読むじゃないですか。そこで会社の考えを知るということけっこうあるし、外部から言われたことは耳に入りやすいということがあるので。 これも人脈の話なんですけれど、外に企業のトップ、またはマネジメントクラスの人が出ていって、人脈を広げるというのは、巡り巡ってその情報が組織内に入ってくると、絶大な効果が生まれると思います。だから今日、みなさんにはFacebookとかで「すごくいい話を聞きました」ということをポストしてもらえると(笑)。 丸山 そうすると、ハフィントンポストが強くなると(笑)。 竹下 6次理論(6次の隔たり)じゃないですけど、6人ぐらいつながれば誰かにつながるんじゃないかと。たぶん今日みなさん全員がポストしてくれたら、何人か経れば、ハフィントンポストの社員に絶対つながるんですよ。そうすると、いいなと思います(笑)。 丸山 そういう意味では、組織のリーダーはどんどん外の人たちと会って、自分の考えを伝えていくと。 竹下 そう思いますね。 丸山 そうすると巡り巡って、(社内にも)その考えが伝わっていく。ほかになにかありますか?

個人の力を本当に信じている

質問者8 今日のお話はかなりネットワーク論みたいなところのお話が多かったんですが、やはり本来は言論人として、ハフィントンポストとしてなにかしらの思想があって、それを元にネットワークや発信をしていると思うんですね。 結局、誰にとってもそれぞれ個人の考えがあって、仕事なりビジネスなり目的があって、そのためにネットワークを作ろうという考えがあると思うので。そういうところで、差し支えない範囲で、言論人としてのお考えをお聞かせいただければと思います。 竹下 言論人というとおこがましいんですが、なにをやりたいかというと、ネット上でリベラルであることがどこまで通用するかというのをやりたいですね。やはり、ネットでは右翼的な思想とか、国家主義的な思想がまだまだ強いと思っているので。そこでどうリベラルなことができるかは、すごく大事にしています。 もう少し具体的に言うと、個人の力を、本当に信じています。個人が声を上げることで変えたり。大きな組織とか、大きな同調圧力に負けないで日本人が生きていけるかどうかということを大事にしています。 少し話が飛ぶかもしれませんが、ハフィントンポストで大事にしているテーマのひとつがLGBT。最近はLGBTQとも言いますが、同性愛の方とか、性に対していろいろな考えをもつことの話題は、すごく重要視しています。 日本社会では、男とか女とか、すごくいろんな同調圧力があるなかで、その人達は自分の性について正直にありたいと思ってもなかなか発信できない。そういう人たちにインタビューをしたりとか。あとは、LGBTの人たち、企業の担当者を呼んで、イベントをして、どうやって職場でLGBTフレンドリーな企業を作るのかということも、積極的に発信しています。 ネットワークに興味があるのも、別に人脈を広げたいとか、いいビジネスリーダーになりたいということではなくて。個人が、たとえ組織のグループから離れても生きていける社会が、一番理想だと思っています。なので、こういう話に興味があって、たとえ私が明日クビになっても……今日なにか不謹慎な発言とかしてないですよね(笑)、明日クビになっても生きていけるかな、たぶん丸山さんが助けてくれるだろうなとか。あるいは、今日いらっしゃているみなさんに助けてもらいたいんですけど、そういった社会を実現したいなと思って、一生懸命発信しているつもりです。 丸山 個人の意見を拾ってくるというところは、そこをどうやって意識されているんですか? 竹下 今、編集部に10人くらい編集者がいるんですが、それとは別に1,000人のブロガーさんがいて、本当に個人の方が書いてくれるんですね。 丸山 その人たちをピックすると。 竹下 例えば、さっきオバマ大統領の広島訪問の話が出たのでそれに引きつけると、あのとき、大手メディアでは歴史の専門家とか外交の専門家にバンバンインタビューをとっていたんですけど、我々は名もない20代の男性の、広島平和公園でボランティアをしている人に話を聞いたんですね。それで、その人の話が一番おもしろかった。だから学者とか肩書きのある人よりは、個人として発信している人をいかに見つけるかということを、編集部内では徹底しています。 丸山 ブロガーさんは、どうやって探してくるんですか? 竹下 他薦自薦。今日、もしブロガーになりたい人がいたら、ぜひあとで。受け付けています。 丸山 そうやってどんどん募集して。 竹下 ブロガーさんがブロガーさんを呼ぶみたいなことで。あと、安倍首相もブロガーになりたいとおっしゃっていただいて、実際にブログを書いてもらいましたし。安倍昭恵さんにも書いてもらいました。そうではなくて、普通の大学生が自分がバイトで経験したことを書きたいとか。そういうものもあります。 丸山 インタビューのなかでは、イギリスでは皇室の方も発信されていて、そういうのを日本でも試してみたいとか。 竹下 やりたいですね。ちょっとこれは気をつけなければいけない発言なんですけど、イギリスではキャサリン妃が1日編集長みたいなことをされていて、けっこう皇室が発信するようになっているんですね。イギリスはそういうおもしろい社会で、いわゆるエスタブリッシュメントとか、地位のある人たちとかが、自分の悩みとかを語り始めているんです。 日本でもそういうことが始まったらいいなと思っていまして。皇室の方も研究課題とかを持って、昭和天皇もいろいろ研究されていましたけれど、そういうなにか研究を発信されたりしたら、新しい皇室のかたちになるのではないかな、と。 とくにハフィントンポストは英訳もできるので、英語になったらおもしろいですよね。 丸山 それがまた海外のハフィントンポストにも載る、と。

  
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