逆張り銘柄の特徴

中原良太氏:次にお話しするのが、逆張り銘柄の特徴。まず、「逆張り銘柄にどのような銘柄が合致するのか」というポイントなんですけど、株価が下落するのには、それ相応の理由があることが多いです。

ですので、逆張り銘柄の多くは、直前に悪材料の発表があるとか、業績の悪化があるなどの特徴があります。つまり、悪いニュースがあるということなんですね。

実際に逆張り投資をして利益を出すことを狙っていくとなると、大きく株価が下落している、悪い材料がある銘柄の中でも、過度に株価が下がった株を狙うのが王道です。

それで目安……まあ、よく言われているのは、売られすぎの株を買うことで、その後に見直し買いを期待できるんじゃないかと考えられています。

逆張り投資の注意点

この逆張り投資をする時の注意点がいくつかあります。

まず1つ目が、先ほど申し上げたとおり、逆張り投資に合致する銘柄というのは、ある程度悪い材料があることが多いです。その悪い材料が一過性でない場合、慢性的なものの場合は、すぐに業績が立ち直るとか、いい方向にシフトしていくということが考えづらいんですね。

こういう株は、たとえ割安になったとしても、みるみるみるみる人気がなくなってしまって、そのままどんどんどんどん株価が下がっていくという、負のサイクルに陥りやすい特徴があります。

ですので、こういう株は買わないようにするのが、理想というかコツですね。

もう1つありまして、株を買った後に、すごく割安なのに値上がりしないことがたまにあります。

例えば、配当利回りが3パーセントを上回るとか、4パーセントを上回るとか。もう傍から見ても、どう考えても割安な株なのに、なかなか値上がりしないということもあります。

これを「バリュー・トラップ」と言うんですね。割安なのに人気が出てこないで、値上がりにつながらない株というのが稀に出てきますので、その可能性には十分注意をする必要があります。

逆張投資の適切なタイミング

いろいろ良い点・悪い点・注意しなければいけない点をいくつかご紹介しましたが、実際に逆張り投資をする時に適切な時期・タイミングがどんな時なのかというのを2つご紹介していきます。

まず1つ目が、株価が必要以上に下落した場合です。例えば、1,000円だった株が急に900円まで下がった。10パーセントぐらいドーンと落ちたとかですね。

これは小型株だとよくありがちなんですけど、大型株だとそもそも10パーセント株価が動くってことがなかなかないんですよ。

だから、あまりにも株価が下落しすぎてしまって、どう考えても割安だと考えられる時。こういう時に安く買うのがポイントです。それで、こういう株をうまく購入するためには、注文方法を工夫していただくと。

例えば、指値注文というのを出して、今の株価よりもずーっと安い価格で指値注文を入れておくとか。

そして、安くなった時だけ株を買いましょうということをやるとうまくいきやすいということが統計的にわかっています。

もう1つタイミングがあって、相場全体が下落した時。例えば、リーマン・ショックとかライブドア・ショックのように、なんの理由もないのに、大きく株価が下がるタイミングというのがありますよね。

会社はなにも悪くないんですよ。でも、みんなが株を売って、どんどん株価が下がってるから、それに引きずられて、業績がいいはずの会社も株価が下がってしまう。そういうことがよくあるんですけど、そういう時に株を一気に仕込むというのも、1つの戦略として知られています。

短期間で反発しやすい株の特徴

実際に逆張りをする時に、ぜひチェックしていただきたい要点が2つあります。

まず1つ目。逆張りする時には、主に下がってる株を狙っていくんですけど、じわじわと下がっている株よりも、ズドーンと落ちていくような、急落している株のほうが短期間で反発しやすいということが統計的にわかっています。

これはなぜかというと、普通に考えていただければわかるんですけど、喫茶店に1,000円のコーヒーがあるとしましょうか。

1,000円のコーヒーが翌日950円になり、翌々日900円になり、その翌日850円になり、その翌日800円になり、750円…700円、毎日のように50円ずつ安くなってるとすると。

まあ、けっこうな値下がりをしてますけど、じわじわ下がっていくと、人ってなかなか気づかないんですよ。ゆっくりゆっくり変化されてる時って、あんまり気づかないんですよね。

でももし、1,000円だったコーヒーがいきなり500円にドーンと落ちたら、ものすごいインパクトがありますよね。一瞬にして半額になったと。

こういうふうに変化の大きな株というのは、投資家に注目されやすいという特性があります。

それこそストップ高とかストップ安とか、あとほかにも、値上がり率ランキングとか値下がり率ランキング、こういうものに載る可能性が出てきて、非常に露出の高い銘柄になるんですね。

そういった注目されやすい銘柄というのは、注目する投資家が増えるということですから買われやすくなると考えられます。

実際に、逆張りをする時に銘柄を選ぶ時には、ランキングサイトで銘柄を選ぶのがすごく簡単な方法です。

例えば、Yahoo!ファイナンスさんだと、値下がり率ランキングとか、高かい離率ランキング、25日のマイナス、つまり、25日移動平均と比べて、今の株価がものすごい安くなっている株のランキングがありますので、こういったページを見ると、逆張り投資に適切な株がすぐに見つけられるかなと思います。

見るべきポイントは「時価総額」と「参入障壁」

次のポイントが、安全性の高い投資。逆張り投資は、最初にも何度も何度も申し上げているとおり、落ちているナイフをつかむような投資法だと申し上げました。これはすごく危険ですよね。

それで、逆張りでも安全な投資をしたいという方は、時価総額の大きな株や参入障壁の高い業種を狙ったほうが、反発しやすいことがわかっています。

例えば、時価総額が大きな会社というのはTOPIX100の選出銘柄、ソフトバンクとかドコモとか、そういった大型の会社だけを狙うという方法がまず1つあります。

もう1つが、参入障壁の高い業種というのが狙い目だと考えらえます。例えば、化学業というのは製品を出すために、工場がどうしても必要になりますよね。

その工場というのは、まあ生半可な努力じゃ建てられないんですよね。少なくとも数億円から数十億円の予算が必要ですと。それで、生産ラインを組み立てるのに、いろんな専門家の人たち雇って、実際に運営するためにはその場の職員を雇って、やっと成立する業種じゃないですか。

そういった業種が一晩にして10パーセント価値が落ちちゃうということは、なかなか考えづらいわけですね。ということで、このような業種を狙うことで、安全性が高く取引ができるんじゃないかと期待できます。

本日のまとめ

ということで、逆張り投資のまとめをいたします。

まず、逆張り投資というのは、統計的にも効果実証済みの、著名投資家が愛用する投資法です。

それで、売られすぎた株は、割安にもかかわらず人気が出ず、なかなか利益を出せないことがあります。これをバリュー・トラップと言います。こういった弱点がありますので、注意しましょう。

急落した株を狙ったほうが、短期的に反発しやすいという傾向がつかめています。

もし、逆張りを使って安全な取引をしたい場合は、参入障壁と時価総額の2点に注目することで、安全度の高い逆張り投資ができると期待できます。

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今日はこれで以上となります。