“ありのまま”を見せたい若者の心理
古川健介氏(以下、古川):今でも、ほかの人がやらなそうな、いわゆるLINEとかじゃないコミュニケーションをしてたりするんですか?
大関れいか氏(以下、大関):してるかな?
ほくぴー氏(以下、ほくぴー):テレビ電話。2人で話しているところを配信するとか。
古川:それも配信するんですね。
ほくぴー:ふだんの動画を撮ってないときの話が、むちゃくちゃおもしろかったりするじゃないですか。
古川:はいはい。「するじゃないですか」と言われても、(2人の間の話なので)よくわからないんですけどね(笑)。
(会場笑)
ほくぴー:(笑)。たまたま出たおもしろさを逃してしまうことがすごくあって。それを配信してたら、もっとリアルなおもしろさが伝わるんじゃないかなと思いますね。
古川:なるほど。
ほくぴー:だから、YouTuberの人たちもチャンレンジ動画で失敗した、おもしろい場面をやっているみたいなので。その場が本当におもしろくて、それが伝わってくるからおもしろいというのがあります。だから、もっとリアルなおもしろさを磨けば、緊張したところでも笑いが取れるんじゃないかみたいな。
古川:なるほど。
大関:意外とそういう発信をしながら、2人で話すときに初めて言うこととか、(相手に対する)グチ的なものを言えるというか。
2人だけだと気まずくて話せないけど、配信していて、いろんな人がコメントしてるなかだったらバンバン言えちゃうんで。どんどん「お前、こういうところ悪いぞ」というのも言えるという(笑)。
古川:見てる人たちは、どんな気持ちで見ればいいんですか?
大関:意外と女の子が多くて。
ほくぴー:その配信では、僕よく怒られるんですよ。「女心がわかってねー!」みたいな。
中西:年齢は? 女子高生とか。
大関:配信はけっこう上の人もきてくれます。
ほくぴー:たまに奥さん(の立場の人)とかから、インスタのメッセージで「旦那さんとうまくいってないんですけど、れいかちゃんとうまくいく方法はなんですか?」と聞かれたりするんですけど(笑)。「人によるわ!」と思っちゃって。
中西:なるほど。
動画配信をするようになったきっかけ
中西:2個目のテーマでもある「Instagram、Twitter、Vine、Snapchat、YouTubeなどの使いわけ」というところです。さっき「配信」とおっしゃいましたけど、ツイキャスとかLINE LIVEみたいなものになるんですかね?
大関:あと今は、Periscopeですね。
中西:Periscope。やっぱりTwitterは中心になるんですね?
大関:そうですね。ただ、ツイキャスはガチガチの配信感があって、やるにも(心の)準備が必要だなという感じがあるので。
Periscopeはもうそのまま……。自分はすごい気軽にできちゃうので、ヒマなときにやりたくなったりします。
ほくぴー:僕はTwitterの動画で拡散して、いろんなアカウントの人に知ってもらえて、それでもっと好きになってもらうために、Twitter上で一番見やすいのはPeriscopeだから、それでちょくちょく配信しているという感じです。
中西:ちなみに、Vineとか(撮影時間が)6秒だったりするじゃないですか。どれぐらい撮り直すんですか?
大関:たぶん3人全部違うんですけど、私は撮り直ししないですね。テンション高いときにガッと撮って、「もうこれは最強だな」と。
ほくぴー:結局、勢いで思いついたネタは一番最初に撮ったやつがおもしろいという。
中西:一番初めに(動画配信を)やったときは、どういうタイミングだったんですか?
大関:本当にヒマで、テスト期間中にテスト勉強するのも……。
RedJoker氏(以下、RedJoker):そう、テスト期間のとき。
大関:「テストどうでもいいや」と思って、ヒマだなと思って見てたのを、「ちょっとやってみよう」と思って、愛犬を撮り始めたのから始まりましたね。
RedJoker:僕もテスト期間は「クソつまんねー」と思って、適当に撮り始めたのが始まりですね。
古川:なんでVineだったんですか? Twitterで書くというのではなくて。
大関:そのとき、流行ってたんだよね。いろんなのを見て一番Vineがその時おもしろくて。「なんだ、これは?」という興味があったので、Vineにしました。
中西:サービスを作ってる人は、テスト期間中にやってもらうのがいいということですね。
古川:そういうことですね。
動画ネタは1発撮りが基本
中西:どれぐらいネタを考えるんですか?
大関:私はぜんぜん考えないで、そのときパッと思いついたのを「これ、おもしろい」と思ってやっちゃう。
ほくぴー:逆に、そういうテンションのときに撮んないと、後々撮って「つまらねえ」と思っちゃったら、もう投稿できなくなっちゃう怖さがあるから、勢いがあるときに「撮っちゃえ!」みたいな。
中西:ちなみに、今はInstagramにストーリー(昨日)が出てきたじゃないですか。どれが今、一番使ってる感じですか?
大関:自分はインスタのストーリーですかね。使い分けをしていて、Twitterは動画の出し口。フォロワーもすごく多いので、プライベートなことはあんまりつぶやけないというのがあるから。
フォロワーさんがそれを求めてないというのもあるんですけど。逆にプライベートなことは全部インスタとわけてるので、インスタが一番多いんじゃないかなとは思います。
ほくぴー:プライベートだと更新の頻度は高く保てるよね。
大関:そうそう。
RedJoker:僕の周りの順位はスナチャ、インスタ、SNOWだと思います。まだみんな、スナチャやってると思う。
ほくぴー:インスタだったら1個ずつフィルターをかけるけど、SnapchatとかSNOWだと加工のフォーマットがあるから、なにも考えずに写真だけ撮ってれば簡単にいい動画ができるみたいなのはある気がする。
若者は“便利なもの”を当たり前に使っているだけ
中西:ここからけっこう核心かなと思っていますが、「なんで動画をコミュニケーションに使うんですか?」という。
大関:一番伝わりやすいからというのがあります。やっぱりLINEで文章を打って伝えるよりも、テレビ電話で顔を見ながら話したほうが絶対に伝わる。ケンカだってそうなんですけど、文章だとやっぱり怒ってるのか怒ってないのかがわからない。
RedJoker:そうですね。
大関:絵文字がないだけで「あれ、怒ってんのかな?」とか、なんかわかんなくなってめんどくさいんですけど、動画でコミュニケーションを取ることによって、相手の表情もわかって気持ちがすぐ伝わりやすいから一番めんどくさくないし、手っ取り早いんじゃないかなという感じですね。
ほくぴー:若い人というのは、そういう楽で一番効率がいいことを、本質的に頭でわかってるんじゃないかなと思って。
中西:動画を使うのが。
ほくぴー:例えば、「ファックスよりメールのほうがいいやん」と言う人は、もともとメールを使っててメールの便利さを知ってるんですけど。
ファックスの良さを語る人は、ちょっとデメリットを隠した私情がはさまってる。若い人たちはそういう不便なところを知らないから、(逆に)「なんで動画撮んないの?」という感じだと思うんですね。
一番伝わりやすいから、というのもそうだと思うんですけど、そもそも「そっちのほうがいいやん」と当たり前に思ってるだけなのかなと。
RedJoker:LINEの一番最初は文章だけだったじゃないですか。途中から10秒動画が出たときに、友達とLINEをしまくりましたね。
ほくぴー:たぶんそれを当たり前だと思ってるから、使ってるだけじゃないですかね。逆にテキストで送るフレーズとかを知らないと思ってるとか。