狙いがよくわからないトクホの食パン

ひろゆき育毛剤について勉強になりました。というわけで、でも、コメントでちょっと出たんですけど、何で食パンが入ってんねんっていう。

渡辺:これはちょっと特殊な食パンなんですよ。

ひろゆき:特殊な食パン。

渡辺:はい。これは非常に珍しくてトクホなんです。

ひろゆき:トクホの食パン。

渡辺:トクホの食パンっていうのは私の知る限りではこれだけなんですけども、これもさっき言いました難消化、難消化性再結晶アミロースという……。

ひろゆき:難消化性再結晶アミロース、あれでいいんですか?

北村:再結晶アミロース。

渡辺:はい。それで、パンの場合はほとんどが炭水化物ですよね。アミロースは難消化性なんで、炭水化物だったら吸収されてぶどう糖になるんですけども、難消化性は消化されないわけですから、これが排泄されてしまう。その分、炭水化物の全体の量が減るっていうことなんですよね。

ひろゆき:そうすると、もともとカロリーが少ない。

渡辺:そうです。消化されない。だから、その分が排泄されちゃうので血糖値が上がりにくいですよと。

ひろゆき:じゃあ、ほかの食パンに比べて、これ1枚食べたときの摂取カロリー数が少なくて済むので、ダイエットになりますよと。

渡辺:そう。それだったら少し食べるの減らせばいいと思うんですけど(笑)。

ひろゆき:いっぱい食べたいけどカロリーとりたくない、って人はこれをいいと。

渡辺:しかも、それは栄養にならないで外に出てっちゃうっていうことですから。結構値段が高いんですよね、これ。

ひろゆき:幾らぐらいするんですか?

渡辺:これ幾らぐらいだったけかな。ちょっと普通の値段よりも大分……。

ひろゆき:340円。

渡辺:だから、普通のパンの1.5倍ぐらいの 値段ですね。結構高いんですよね。

ひろゆき:じゃあ、これは別に体に悪いわけじゃない。

渡辺:でも、もったいないですね。

ひろゆき:金持ちだったらこれ食ってりゃいいんじゃね、みたいな。

渡辺:でも、食パン、普段の食事でよく食べますよね。それが1.5倍で、しかも排泄されちゃうわけですから。それにお金をかけてるわけだから、それだったらちょっと減らしてほかの野菜とか、ほかの物を食べたほうがいいんじゃないんですかっていうことです。

ひろゆき:食パン食う量減らせばんいんじゃね、っていう。

北村:ほかの物を食べれば栄養になるでしょっていうことですね。

ひろゆき:金持ちはそんなパン買わないだろって、確かにね。ほかに何かコメントで気になるのがあったら取り上げますけど。じゃあ、商品をざっと見てもらっていいですか。大体紹介しましたね。

ナノイー、プラズマクラスターの効果って?

渡辺:あと、このナノイー発生機というのを取り上げましょうかね。

ひろゆき:ナノイー。

渡辺:これはちょっと値段が高いんでパンフレットしかないんですけど(笑)。

ひろゆきパナソニックのナノイー発生機

渡辺:ええ。これも結構、一時期宣伝してて(笑)。

ひろゆき:ナノイーって何ですか?

渡辺:ナノイーっていうのは、ちょっと話が難しくなるんですけど、活性酸素の一種で、OHラジカル(ヒドロキシルラジカル)っていって、それの周りを水分で囲んだような物質がナノイーなんです。で、これはそれを発生させる機械。活性酸素っていうのはご存じのように……。

ひろゆき:オゾンとかですか?

渡辺:オゾンとはちょっと違いますけど、非常に反応性の高い物質なんです、活性っていうくらいだから。この活性酸素、OHラジカルが細菌やウイルスの周辺にとりつくんです。そうすると周りのタンパク質から水素を抜き取ってしまうんです、反応性が高いので。

ひろゆき:ああ。で、殺菌と。

渡辺:水みたいになるんですけど。そうすると水素が取られちゃうんで壊れちゃうわけです、タンパク質が。それで死んじゃうっていうか、不活化するっていう、そういうのがナノイーで。去年(2009年)、特にインフルエンザが流行りましたよね。それでやっぱりウイルスは怖い、バイ菌は怖いっていう。でも細菌っていうのは本当は必要な物だし、我々の体の中にもいっぱい細菌が住みついてるんですよ。

我々の体っていうのは実はもう細菌だらけですから、皮膚の表面にも腸にも口の中にも、それから、肺にも。

ひろゆき:排泄物の4割は細菌の死骸とかですよね。

渡辺:そう。本当は細菌だらけなわけで、細菌を排除することなんてできないんですよね。だから、細菌と仲良くしていくしかないんだけども、それをウイルスが怖い、バイ菌がよくないっていうことで、どんどんどんどん排除してこうっていうのがこういう商品で。

ひろゆき:それは無菌室をつくろうみたいな発想なんですか?

渡辺:そうです。無菌室……。

ひろゆき:多分見ている人で、家出ないっていうタイプの人はいると思うんですけど、永遠に家出ないタイプの人だったら無菌室つくるのはありですよね?

渡辺:でも、そんなことあり得ないでしょ。

ひろゆき:あり得ない人もたまにはいると思うんですけど(笑)。一般的には外に出るから、外に出たらいろんな細菌が結局入って、免疫ができてないほうがまずいよねっていう。

渡辺:そういうことです。家の中で無菌の状態に長時間いれば、どうしても抵抗力弱まりますよね、免疫力が。その状態で外に行ったらかえって危ないでしょ。つまり、このナノイー発生機でインフルエンザを予防するんだと思って使ってたら、逆にインフルエンザになりやすいっていう話ですよね。

ひろゆき:体が弱くなってしまうから。

渡辺:そう。それだったら、こんな物を、これって数千円ぐらいしますから、買って家ん中で使う必要はないですよ。使わないほうがいいですよっていうふうなことです。

ひろゆき:それか一生ひきこもるかの二択ですよね。

渡辺:それは、実際的には難しいでしょうから。これも同じです、シャープのプラズマクラスターも基本的に同じような原理で、やっぱり……。

ひろゆき:これも活性酸素を出して。

渡辺:そうです。最終的には活性酸素ができて、やっぱり水素を取ってっていうことで、ウイルスとか菌を壊してしまうっていうことで、部屋の中の細菌ですとかウイルスを極端に減らすという物ですね。

ひろゆき:病院とかで使う分には全然いいんですか?

渡辺:病院でも、すごく体が弱ってる人、免疫力が低下してる人の病室ではいいと思うんですよ、そういう人は。でも、一般の病室でそんなに使う必要はないと思います。

ひろゆき:じゃあ、時と場所を選ぶもんで、家庭で使うようなもんじゃねえだろ、みたいな。

渡辺:そういうこと。だから、かなり限定的に使えば有効だと思うんですけども、普通の家庭で使う必要は全くないし、逆に、使うことによって免疫力が下がる心配があると思うんです。

ひろゆき:じゃあ、自宅療養してるHIVの人とか、免疫力が下がってる人だったらこれ使って永遠にひきこもるってのはありですよね?

渡辺:永遠にひきこもることができれば。

ひろゆき:サナトリウム(長期療養所)みたいなとこだといいかもしれないですね。続いて何か。ほかにユーザーのコメントでこれ聞きたいとかあれば。

男性用化粧水に「水酸化ナトリウム」

渡辺:リーブ21ばっかり出てくるじゃないですか。

ひろゆき:ギャッツビーは何なんですか?

渡辺:ギャッツビーは。

ひろゆき:わりとテレビでCMやってますよね。

渡辺:そうですね、これは結構、ここに水酸化ナトリウムっていう物質が入ってて、水酸……。

ひろゆき:アルカリ性で体溶けるじゃないですか。

渡辺:そう(笑)。

ひろゆき:それ水酸化ナトリウムですか。

渡辺:水酸化ナトリウムって書いてあるでしょ。

ひろゆき:え、まじで?

渡辺:ええ。

ひろゆき:本当だ、水酸化ナトリウムだ。え?

渡辺:目に入ると角膜が溶けて失明しちゃうっていうやつなんですけど。

ひろゆき:これ何用なんですか? 「洗顔後、髭剃り後に」って。水酸化ナトリウムつけるの?

渡辺:だから、僕はびっくりして取り上げたんです。

ひろゆき:ええー!? ありなんですか?

渡辺:ありなんです、不思議なことに。

ひろゆき:だって、硫酸つけますとかと変わんないじゃないですか。体溶ける物つけるんだから。

渡辺:そう、それでびっくりして取り上げたわけです。

ひろゆき:すげえ! ちょっとつけてみてくださいよ(笑)。

渡辺:いやいや、自分でつけてください。これは、ただ、メーカーに聞いたら水酸化ナトリウムがある程度中和されてるからいいんだっていうふうな話なんです。つまり、水酸化ナトリウムは原料として使ってるんだけども、ほかの……。

ひろゆき:一応、調整剤で調整していると。

渡辺:そういうふうな話。

ひろゆき:っていうことは、じゃあ、逆にいうと、酸性の何かが入っているから中和するために水酸化ナトリウムを入れざるを得なかったっていうことですか?

渡辺:そういう面もあるんでしょうね。ただ、完全に、じゃあ全部中和されてるかっていうとよくわからないので。

ひろゆき:よく見て使わないと大変なことになるかもしれないですね。

渡辺:別にそんなにどうしても使う必要があるもんでもないし、使わないほうがいいでしょうっていうふうな感じで取り上げたんです。ちょっとびっくりするでしょ。

ひろゆき:すごいっすね。

渡辺:うん。ちゃんと表示を一つ一つ見てみると結構いろんなことがわかるし、びっくりすることが結構あるんですよね。

北村:キムタクが宣伝してんの? これ。

ひろゆき:そうなんですか?

北村:さっきから「キムタクが」ってコメントにで出てた。

ひろゆき:テレビ見ないからわかんないですよ。

北村:キムタクが宣伝してるんです、これ。

ひろゆき:確かに。だから、キムタクは最近肌荒れすごいのかって。いえ、関係ないと思います。年だと思いますけど、それは(笑)。

北村:そうそう、キムタクって出てた。

本来必要のないものを売る手法

ひろゆき:ほかにも何か気になったもんがあれば。

渡辺:これだ。これ取り上げるの、そういえば忘れてました。これは手ピカジェルっていうの、もう一時期すごく宣伝してたんですけど、これはインフルエンザの予防の手洗い消毒剤です。要するに水道が使えない場合にこれを使ってくださいっていうことなんです。

ウイルスっていうのは細胞の中に入り込むと増殖できるようになるから生物になるんですけど、細胞の外では物と同じなんです。手にくっついても物と同じだから、水できれいに洗えば全部洗い流せるんですよ、ウイルスっていうのは。だから、こんな物は全然必要ないんだけども、水で洗えないときにこれを使いなさいっていう。

ひろゆき:ただ、阪神大震災のときにそういうのが使われてたんですね。

渡辺:はい、それがこれです。ただこれ、アルコールが80パーセントぐらい入ってるんですよ。

ひろゆき:大体アルコールなんですか?

渡辺:アルコールはどうもインフルエンザウイルスをやっつけることができるっていうことが証明されてるらしくて、それでアルコールを……ものすごい臭いがして……。

ひろゆき:っていうか、アルコール80パーセントって、スピリタスとかと一緒じゃないですか。っていうか、むしろ飲んだら酔っ払えるじゃないですか。

渡辺:80パーセントは直接飲めないと思いますけど、薄めないと。

ひろゆき:スピリタスって97パーセントとかそれくらいですよね。

渡辺:それ、そのまま飲みます?

ひろゆき:結構おもしろいですよ、口の中がすごい焼けるような感じがして。

渡辺:相当胃が荒れると思いますけど。これはもう80パーセントなんで、結構手がヒリヒリするんですよね、わりと。だから、手の弱い人は荒れると思うし、今は水道水がないっていう場面ってあんまりないんですよ、実際的には。

ひろゆき:実際、被災地くらいですよね。

渡辺:コンビニでも今トイレ使えますし、それから、駅、それから、デパート、スーパーみんなトイレは大体ありますよね。自由に使えますよね。だから、そこで手洗いすればいいんで。

ひろゆき:結局、食べ物食べる前に手洗えって話ですよね。

渡辺:わざわざこういう物を使う必要はないです。だけど、テレビでばんばん宣伝して、インフルエンザ怖いですよ、怖いですよ、こういうのを使いなさいって言うと、結構これが売れちゃうわけです。

ひろゆき:でも、手洗いの場所がないような山奥とかだったら、別にインフルエンザウイルスとかそんないないですからね。

渡辺:いないでしょうからね。

ひろゆき:そういう意味で使いどころがちょっとマニアックですよね。

渡辺:だから、使う必然性っていうのが全然ないと思うんですけども。

ひろゆき:被災地とか、あとは外国行ったときとかですかね。言葉通じないからトイレ借りれないみたいな(笑)。なかなか難しい気もしますけど。

なぜ「週刊金曜日」は好き勝手なことを書けるのか?

ひろゆき:といったところで、昔の話を。

北村:昔。(「週刊金曜日」)創刊当時のクレームの話ね。

ひろゆき:クレームあったんですか? あるでしょうね、それは。

北村:ただ、思ったよりはないん

制作協力:VoXT