マッカートニー龍馬氏のプロフィール

マッカートニー龍馬氏:はじめまして。マッカートニー龍馬と申します。高知生まれです。half Japanese, half English。

今、20歳です。10歳から8年間フランスに住んでいたんですけど、18歳ではじめて東京に住み始めて、武蔵美(武蔵野美術大学)に行ったんですけれど、(スライドに)Outと書いてあるのは……、はい、Outしました(笑)。それは約2年前でした。

今はグッドパッチと、株式会社ookamiという会社に所属しています。

本当は13歳からいろいろと作っているんですけど、それはプロフェッショナルではないので、プロフェッショナルになってから2年のワークを見ていただければと思います。

最初、「Player!」というアプリをチーフデザイナーとしてやりました。これはモバイルスポーツ観戦アプリですね。「App Store Best of 2015」と「Good Design Award 2016」をとりました。

(会場拍手)

ありがとうございます。

こういうデザインの仕事もしながら、僕はdesigner/artistというかたちで活動しています。ショートムービーとか、そういうものも作ったり、マガジンとかコーヒーショップとかとコラボレートして写真を撮ったりしています。

スキルや技術より大切なことがある

では、メインの話に入ります。

日本に来てから2年経ちました。はじめてこんな大きな街に来て、デザイナーとして仕事をしたときに、いろんなデザインコミュニティがあるな、と思いました。外国人がデザインコミュニティとして集まって、元シリコンバレー・フォーチチュン500でデザインしている人とかが集まっているデザインコミュニティがあったり。勉強会もあったり。いろいろなものがあって、東京ってすごいなって。

でも、2年間、UI・UXをメインにしているんですけれど、UI・UXの話はけっこう多いんです。このイベントも、それがメインの「UI Crunch」ですよね。

その周りに、ResearchとかCode、Testing、Prototype、Sketch、Design Processとか、いろんなワードが出てくるんですけれど。

僕、デザインを始めたときは、ツールもなにも知らなくて……Macも最近買ったし(笑)、そこまであまり知らなかったんです。でも、デザインですごくキーになる部分って、UI・UXもあるけれど、違う側面もある。でも、そこについて、あまり話されていないなと思います。

When looking at a bigger picture, I believe skills&techniques doesn't make you a better designer.

大きく見ると、スキルとテクニックもすごく大事です。自分のキャリアとして、そこですごく進んでいけます。僕もまだ20歳なので、スキルやテクニックも学びながら、いろんなブログとかもフォローしているんですけど、スキルとテクニック“だけ”ということはないなって思います。それだけだと、ちょっとつまらないなって思っています。

「体験」がデザイナーを成長させる

As a designer solving problems for people, I believe that we must understand people and the surrounding environments.

僕は今までにいろんな国に住んだことがありまして、その兼ね合いで言語や文化について知る機会があったんですが、僕たちデザイナーは、いろんな問題解決をしたり、UI・UX、サービスデザインを通して人々の課題を解決していくということで、テクニックやスキルというよりも、さまざまなバックグラウンドの人と接するということがすごく大事だなと思います。

みなさんは「Human Centric Design」という考え方はご存知ですか? AppleのJony Iveもすごくこの「人間的」という部分を観察していて、僕はそこからとても影響を受けています。

この2年間東京にいて、その部分が滞っているんじゃないかって思ったんです。コミュニティ的に。

We are under 25 years old, so we should go explore. Find inspiration outside the industry. Travel more. See more. Immerse yourselves more into places you've never been before or experienced before.

これを日本語で言うと、「もっといろんなところへ、もっと自分に違うことを体験させることが大事じゃないのか」っていうことです。ちょっと変な日本語だけど(笑)。

「デザイナーのためのデザインではない」から

自分を違う体験に持っていく。イメージしたことのない体験に自分を入れるとか、ぜんぜん違う、デザインの業界から離れてインスピレーションを持ってくるとか。そういうことがすごく大事じゃないかなって、最近すごく思っています。

自分の周りにもいろんなデザイナーがいるし、同じ仕事、似ている仕事、クリエイティブ系の仕事をしているから、やはり周りにそういう人たちが集まってくるんですけど、ぜんぜん違うバックグランドを持っている人とか、ぜんぜん違う仕事をしていてバックグランドが違う人とか、業界が違う人たちともっと関わったほうがいいと思ったんです。

なぜかというと、私たちってデザイナーのためにデザインをしているわけではなくて、いろんな人々、つまり話したこともない自分たち以外の人たちのためにデザインをしているから。

Shouldn't we be the people that are curious, willing to try new things, or to challenge new problems in different fields or topics?

私たちはそうやって解決されてこなかった問題を解決したり、解決できるようにチャレンジしたりする仕事なんですけれど、もっとそれを大きく、ぜんぜん違うフィールドでも当てはめてやってみる、トライしてみることが大事なんじゃないかなって思います。

いろんな人の考え方を知ること

僕がすごく尊敬しているドイツのインダストリアル・デザイナー、Dieter Ramsです。彼は、元Braunで、ミニマリストでファンクショナルな美しいデザインを作っています。AppleのJony Iveさんとかも、そこからインスピレーションを得ているんですけれど、彼の言葉にこのような言葉があります。

You cannot understand good design if you do not understand people; design is made for people.

なので、私たち。そう、人。いろんな人たちとコミュニケーションをとり、理解しなくてはいいデザインはできない。僕たちは、その人たちにデザインをしているんだから。すごく大事なことです。

いろんな種類の人々、いろんな違う環境、違う国や違うカルチャーに入って、ぜんぜん違う視点を持つということがすごく大事じゃないのかなと思います。

ヤングデザイナーとして、キャリアもまだまだ不安定なところもあるし、キメているところも、もちろんあるんですけれど、まだ時間はあるし、もっと外へ出てみて観察することや知ること、見てみることが大事じゃないかなということを今日はみなさんにお伝えしたかったです。

I hope you enjoyed, Thank you!

(会場拍手)