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DMM亀山会長の育成術「部下に見せるのは、失敗させる“会社の余力”」

DMM亀山会長の育成術「部下に見せるのは、失敗させる“会社の余力”」

Infinity Ventures Summit(IVS)とアマゾン ウェブ サービス ジャパン 株式会社の共催によって行なわれた、CTOおよび技術責任者のためのテクノロジー・カンファレンス「IVS CTO Night & Day 2016 powered by AWS」にDMM.com会長・亀山敬司氏、AWSジャパン・畑浩史氏が登壇。亀山氏は、「目利き」「組織」「ブランディング」をテーマに経営者としての判断基準を紹介しました。

シリーズ
IVS(Infinity Ventures Summit) > IVS CTO Night & Day 2016 > DMM会長だけど質問ある?
2016年5月26日のログ
スピーカー
株式会社DMM.com 取締役会長 亀山敬司 氏
AWSジャパン株式会社 事業開発部マネージャー 畑浩史 氏

テクノロジーへの投資判断

畑浩史氏(以下、畑) ここからはもう少しフリーコメントでいろいろとお伺いしたいので、聞いていきたいと思います。 いろいろとご質問いただいているのですが、一応「CTOの経営に役立つ」というコンセプトなので、ちょっと質問にそぐわないもの……例えば、「亀山さん、やっぱりエロいんですか?」とか「女優と寝たことありますか?」とか、いろいろあったんですけど(笑)。 (会場笑)  それはこの後の懇親会の場で直接ご質問していただいて。ここでは一応多かった意見を集約しました。 そうすると、「目利き」とか「組織」「ブランディング」「今後の展望」、だいたいこの4つのテーマに絞られたので、これで進めていきたいと思います。 ではまず最初のテーマは「目利き」です。目利きでどういう話があったかというと、一番多かったのは、「テクノロジーをどう目利きしているのですか?」と。 VRやロボットなどいろいろやられてると思うのですが、どうやってそれらへの投資の判断をされてるのかという。 亀山敬司氏(以下、亀山) ぜんぜんしてないね、これは。目利きというか、テクノロジーは本当によくわからないね。だから何もしてないです。はい、次。  次!? (会場笑)  まったく判断していない? 亀山 うん。  してないなりに、何かないですか? 亀山 してないなりにっていうと、要は俺はテクノロジーの良さがわからないから、結局みんなからそれがウケてる・ウケてないみたいな話になるから。 だからまあ、やらせてみるんだよね。やってみないとわからないから、やらせるという。だから、目利きしてるんじゃなくて、目利きしないでやらせてるということかな。  目利きはまったくしないということですか? 亀山 よくわからない言葉で、「むにゃむにゃむにゃむにゃ」って言われるから、「わからないからやってみろ」みたいな話。 (会場笑)

新規事業の見極め方

 その次の質問につながると思うのですが「儲かりそうな事業の見極め方は?」 今のお話で、技術じゃなくてそれが儲かるとか流行るというところを見極められるということでしたが、その辺って何を見て判断されてるのですか? 亀山 それはたぶん、儲からなさそうなことがわかるってことかな。  そこがなんなんですかね? どういう? 亀山 9割方、みんな(アイデアを)持ってくるときに、「こういうビジネスやりたいです」と言う。「例えばECサイトをこういうふうにやりたいです」と言ってきたら、「じゃあこれは楽天と何が違うんだ」とか「Amazonと比べてどうだ」という話。  競合ということですね。 亀山 「それをやったときに拡がるのか?」という。  拡がりですか。 亀山 例えば「今から出版社やりたい」と言われても、「じゃあ先があるのか?」という話。  「それがスケールするのか?」という。 亀山 あとは自分がそれをできるのかということ。アイデアだけ持ってきてもね。「じゃあ、できる?」に「アイデアだけです」と言われると、結局「込みで持ってこいよ」みたいになるね。 自分ができなくてもいいんだよ。「今、同僚の誰々と、外部から誰を連れてきますから、それでやります」とか言うんなら、それは具体的になるんだけど。 けっこう「やりたいです」と言われて「じゃあ人を集めてこいよ」と。社内でもいいし、外からでもいいんだけどね。そういうのセットでやろうかという話。  「競合」と「スケールするか」と「実装できるか」という。 亀山 結局、実現できて続けられるかだね。

事業が伸びていれば赤字でもいい

 一方で、任せてやらせてるじゃないですか。やっぱりうまくいかないことって当然あると思うんですよね。その撤退というか、やっぱりこれはもうやめようとか、そのへんの判断基準ってあるんですか? 亀山 それはけっこう分析をして。予定どおりの会員が増えてればとか。要はARPUだっけCPUだっけ? わからないけど、そういうのをやって、これが増え続ければいいとか、そうならなかったら半年でやめるとか、1ヶ月でやめることもあるかな。  じゃあ、やる前にもうそれの目標を決めとくという。 亀山 伸びてれば赤字でもいいんだよ。伸びてくるなというのが見えてれば、黒字は5年後でもいいわけよ。 見えない事業もあるんだけどね。DMM.makeなんかはまったく先が見えない。DMM.Africaもロボットもね。  確かに。 亀山 見えないんだけど。ただ、とりあえず広まっていくという感じがあるのと、未来がありそうという話のなかで、早めにやっていくことでポジションが取れそうかなというときには一応やるかな。  DMM.makeだと、KPIは会員数とかなんですか? 亀山 会員数では到底合わないんだよね。1人2〜3万円もらって満杯になっても、ぎゅうぎゅう詰めになっても合わないよ(笑)。儲けたいといっても無理だからね。 (会場笑) 亀山 だから、例えばドローンとかなんでもいいけど生まれた、それをうちが量産したとか。それで、それを販売するルートを作って、何箱売ったとかね。 そういう全体的に合うというプランが組めるかどうかなので。そんなふうに広がるだろうというね。 それも現場次第で、現場のやつがただボーっと運営だけ見て回してたら、誰にも広まらないんだよね。だから、そういうことはスタッフに言ってて。それができなかったらまた「じゃあ、別のできるやつ入れ」となっていく感じ。

DMMの採用・人材の育て方

 ありがとうございます。次は「組織」の話です。ではまず最初、「採用の秘訣」ですね。 DMMで採用するときに、亀山さん自身がどういうところを見てるかとか、採用の面接の仕組みがあるとか、そういう採用に関するところがあれば。 亀山 まあ、エンジニアのことは、俺、能力はわからないからさ、そこはもうCTOで見てとか、現場の社員さんで見てという話かな。(笑)。  亀山さんが採用で絡む人というのは、どのラインとかあるんですか? 亀山 俺で見てくださいと言われると、人物的な見方しかないんだけど。まあ基本、親孝行なやつを入れるぐらいかな(笑)。 (会場笑)  親孝行ですか? 亀山 それぐらいかな。だから直感的に「あ、いいんじゃない?」みたいに思うのと、「ちょっとやめたほうがいいな」というのが。  やめたほうがいい人の共通点ってあるんですか? 亀山 たぶん、どこかを見てるんだろうけど、ふにゃふにゃっとした匠の技があるんだよ、たぶんね。   匠の技が(笑)。ちょっとこれ以上深堀りしないほうがよさそう。 亀山 これ以上言っても、なにも出ないよ(笑)。  じゃあ、次ですね。「マネージャーの育て方は?」。とくにエンジニアのマネージャーをどう育てるかみたいな話なんですけど。 亀山 俺は誰も育ててないんだな。というのは、みんな勝手に育つような感じになるので。 まあ、「人は勝手に助かるんだよ」ってあったじゃない。『化物語』かな。そんなような話でさ。勝手に育つよね、そのへんは。 ただ、チャンスとか機会だけ与えてやるぐらいのことはしておいてね。なんだかんだ言っても、結局言うこと聞かないよね、いい年になるともうさすがに。 やっぱり言うこと聞くのは、子供の小・中学校までだよな。けっこうもうベースができあがってるから。なので、そこで尻叩いてもしょうがないので。 ただ、やりたいけどやれないやつはいっぱいいるだろうから、じゃあ試しにやらしてみてと。それで失敗したら自分の力を思い知って、もう1回吟味しろよという。そんな話の繰り返しかな。だから、俺がやるとしたら、失敗させるような余力を見せるぐらいかな。

部下に与えるのは「失敗」と「意思決定」の機会

 余力というのは? 亀山 余力というのは、たぶん君たちがココにいるということは、みんなココに出してもらえてる。だから体力があるわけよ、自分たちの会社が。  会社として。 亀山 だから、明日明後日潰れるような会社じゃないわけじゃない。そしたらちょっとぐらいドジってもいいからさ、ボコボコやらせてみるということになるかな。 つまり、今、余力あるうちに失敗させておいたら、本当にでかい失敗をしなくなってくるし。今、金あるうちにちょっとぐらい損させてでも、やらせてみるのがいいかな。 それはやっぱり、こういう講義を聞くのもいいんだけど、実際に実践のなかでやって、コケたほうが頭にガーンと入ってくるんだよね。 いろんな話を聞きに行って、いろんな講習に行ったりするよりも、なにかやって、うまくいかなくって。じゃあ、「なんでうまくいかなかったんだ?」と考えるという話かな。  育ててるんじゃなくて、まず育つ環境を作る。それには、チャンスを与えて、失敗させる機会も与えて、失敗しても会社の経営が傾かないような余力を持っておくという。 亀山 あと1つ大事なのは、「AとBどっちがいいですか?」って聞くなってこと。「僕はAがいいと思いますけど、どうでしょうか?」みたいな話にしろというのは言ってるね。 それをやらないとさ、いつも「AとBどっちがいい?」って言ってるやつは考えないからさ。だから「お前どっちがいいんだ?」というのを。「まず意思を示せ」と。  最初に自分の意思を持ってくる。 亀山 そうそう。それでAでよかったら「いいんじゃない」って言えばいいし。Bと言ったら、「なんでかな?」と。 違うことを教えてやれば、ちょっとは変わるんだよね。  そこは意思決定の訓練というか、常にそういう経験を積ませてるということですか?。 亀山 そうそう。それである程度7〜8割同じ意見になったら、あとは任せればいい。  ふむふむ。考えさせる? 亀山 そうそう。頭使わないとバカになっちゃうよね。

「DMM=アダルト」のイメージはどう変わったか

 じゃあ、次ですね。「ブランディング」ですね。「DMMのブランディングをどう築いてきたのですか?」です。 もともとアダルトから始まって、今本当に英会話とかいろんな、ブランディングのイメージが変わってきてると思うんですね。それをどういうふうにされてきたのかというところですね。 亀山 もともと、さっきも言ったように、アダルトから始めたわけじゃないんだよね。飲食店とか。  失礼しました。元はそうでしたね。 亀山 なんだけど、いつの間にかアダルトが大きくなっちゃったからさ。世間的にはどうしてもそうなってきて。それで、「DMMと言えばアダルト」という感じになってきたのはあるよね。 それはそれで良かったんだけど。ほかをやりたいなと思うときに、一番考えたのは、別ブランドでやろうかということだったんだけど。 つまり、アダルトはDMM、一般のはABCとかね。AmazonでもHamazonでもなんでもいいや。そんな別のブランドを適当につけてやっていこうかなと思ったの。 (会場笑) 亀山 実は昔は、ライブドア買収したいとか、エキサイト買いたいとか、そんなことで動きまわってた時期もあったの。  そうなんですか。 亀山 その頃はライブドアのブランドもちょっとグレーぽかったからさ。「グレーとピンクが混ざったらドドメ色になっちゃうのかな?」なんて話もしてたんだけど(笑)。でも、どこも売ってくれなかったり、買われちゃったりとかして、結局ダメだったわけ(笑)。 じゃあ、どうしようかと思うときに、どのみちHamazonでやったとしてもさ、どうせ「実はあの経営の実体はDMMだった」とか週刊誌に書かれちゃう。一緒だろうと。 だったら開き直って、もうエロもやってるけど、ほかもやってるよというので、強引に押し切ろうと。 そのほうが、アカウントも共通で使えるし、今までエロで蓄えた会員情報・課金情報がそのままスライドできるじゃない。ユーザーもわかりやすいしさ。 あとは、新しいサービスをDMMでテレビCM打つじゃん。無駄に終わるかもしれない。つまりFXとかが失敗して、うまくいかなくっても、エロのほうで信用が上がったということで、自分を慰めようと思ったの(笑)。  なるほど。 亀山 でないと、完全に別ブランドでやったときに、Hamazonがまったく有名にならないまま終わったらまったく無駄金じゃん。 そういうことで、初めから一般でうまくいくと思ってやったわけじゃなく、「これからは陽の目を見るために一般をやるんだー!」と燃えてやったわけじゃないのよ。とりあえずやってみようかという。うまくいったらラッキーみたいな。 それでボチボチと一般ビジネスもあたってきて、少しずつエロじゃないイメージも出てきたかなというところなんだね。結果的にね。  最初から違う方向に変えるんじゃなくて。 亀山 そうそう。もうぜんぜん。「いけたらいいね」くらい。だから、そういう意味ではうまく育ったんだけど。 じゃあ、イメージをどう育てたかというと、テレビに宣伝を打ったり、俺がNewsPicksをマメに書いたり……大して読んでくれてないみたいだけどさ(笑)。 (会場笑) 亀山 けっこういいこと書いてるからさ、たまに読んでみてよ(笑)。そんなふうにしてたらなんとなく、「この人も考えてるんだ」「やくざじゃないな」という雰囲気が出てくるわけだよ。 そしたらみんな「意外と真面目な人なのかな」とか思い出すと、ちょっとずつ評判がよくなって、ブランディング上がるみたいな。あとはローラとかたけしさんに雰囲気上げてもらって(笑)。

  

【主催】インフィニティ・ベンチャーズLLP

インフィニティ・ベンチャーズ・サミット(IVS)はインターネット業界の経営者同士が高い視座を交流し合う目的で2007年からスタートし、現在は国内最大級のインターネット業界経営者のコミュニティとなりました。新サービスを6分間でプレゼンし競い合う、スタートアップの登竜門「Launch Pad」に加え、様々な試練を乗り越えた経験者が次世代の経営者らに語り次ぐ場「IVS DOJO」などを通し、IVSはこれからの産業を担うリーダー達のコミュニティ形成と起業家の育成・啓蒙を提供する真のベンチャー・プラットフォームを目指しています。

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