エニグモ2017年1月期 第2四半期 決算説明会

須田将啓氏:それでは説明をさせていただきたいと思います。2017年1月期上期決算説明会です。

まずはじめに、会社概要です。従業員数、連結で85名というかたちで、多少増えております。

上記ハイライト

さっそくですが、上期のハイライトをご説明いたします。3つあります。

1つ目は、前期のマスキャンペーンで獲得した認知、ブランドを活かしまして、会員数が大幅増だったということ。

2つ目は、半期ベースで過去最高売上・営業利益を達成したということ。

3つ目は、これらを踏まえて、通期業績予想を上方修正を予定しております。上方修正の額についてですが、現段階では未定とさせていただきたいと思います。

トレンドは引き続き同じ傾向がありまして、上期の取扱額は下期を超える見込みで推移しておりまして、とくに懸念要因、特殊要因はないんですけれども、今後の数値の会社全体のものを正確に判断して、適当なタイミングで発表したいと思いますので、現段階では未公開としたいと思っております。

連結業績概要

業績の概要です。連結です。まず、総取扱高ですが、148億円で前年度同期比146パーセント。売上高19億円。前年度同期比159.4パーセント。

営業利益8.2億円。これは前期マイナスだったので、同期比は出ないんですけれども、金額ベースでいくと、8.4億円増えたということになります。当期純利益5.4億円ということになります。

期初に立てた予算に対する進捗率ですが、営業利益・当期純利益が8割・9割というかたちで、非常に順調に推移しておりまして、上方修正というかたちを取らさせていただきます。

売上高です。昨年から連結になりましたので、途中から変わっておりますが、昨年と比較しましても、159.4パーセントというかたちで大きく伸びております。

一方で販管費ですが、昨年上期にマスキャンペーンをやりましたので、そこがなくなっているところが大きくなっておりまして、全体で見て2億円ほど減少しております。前年同期比75.9パーセントと縮小しております。

売上が順調に伸びて、販管費が下がった結果、営業利益・利益率に関しましては、8.2億円というかたちで大きく伸びております。

昨年は広告費の先行投資で戦略的減益にいたしましたが、今期は営業利益・利益率とも急回復しているということがご覧いただけると思います。昨年の投資によって顧客基盤が増えたと、また 、ブランドが上がったということで、今期はその回収に入っております。

昨年も先行投資の時にご説明差し上げたんですけれども、投資といっても固定費が伸びるような投資ではなくて、マスキャンペーンという空中戦でありますので、ビジネスの収益構造は変わらないというお話を差し上げたんですけれども、そのとおり、収益構造としては高い利益率を誇るビジネスモデルが変わっていないということがお伝えできるかなと思います。

BUYMA事業 会員数・取扱高ともに増加

続いて、BUYMA事業の概況になります。内容は例年どおりで、CtoCのサービスということです。会員数は348万人と、7月末段階で350万人に近いところまでいきました。出品数につきましては、16,000品/1日出ておりますので、年間400万以上という成長を遂げております。パーソナルショッパー数は8.2万人。ショッパーの居住国も130ヶ国と広がっております。

続いて会員数です。こちらも前年同期比135.8パーセントと、大幅に増加しております。1月末段階でだいたいちょうど300万人だったんですけれども、この半期で50万人弱増えているということで、非常に順調に増加してるかなと思います。

続いて、今期重要視しているアクティブ会員数なんですけれども、アクティブ会員数は76万人を突破し、前年同期比142.5パーセントと、順調に成長いたしました。

結果、取扱高は148億円を突破し、前年同期比140.6パーセントと、順調に増加いたしております。

続いて、取扱件数です。こちらは87万件。前年同期比149.0パーセントと、こちらも順調に伸びております。

上記ハイライトと下記の施策

続いて、上期施策のハイライトと下期の施策をご説明いたします。まず、上期施策のハイライトですが、上期の方針としまして、昨年は外部施策で、マスキャンペーンで網を広げるというところを取り組み、効率的に認知を獲得しました。

今期はその獲得した認知を効率よく会員にする。そして、その会員を効率よくアクティブ化するという2段構えの戦略でしたが、今年は、数多くの内部施策で、会員獲得・アクティブ率向上、ARPU維持を狙うという方針で進めてまいりました。

結果、会員数は前年同期比136パーセントということで、こちらは想定以上の結果になっております。アクティブ率につきましても、前年同期比111パーセント。これも会社の想定よりもいい結果になっております。

ARPUに関しましては、前年同期比94パーセントと、こちらは想定よりやや低いという結果になっております。

この前期と今期の2段構えの取り組みが奏功し、上期はアクティブ会員数が大きく伸長し、総取扱高は前年同期比141パーセントを達成することができました。

一つひとつ説明いたします。まず、会員獲得の部分ですが、最新の数字なんですけれども、42パーセントという高い認知率を活かし、刈取り広告・メディアを使いまして、前期のマスキャンペーンでBUYMAを知った、まだ会員になっていない人たちにアプローチし、効率的に会員化することができました。

続いて、2つ目のアクティブ率です。こちらもマスキャンペーンで一時的に低下したアクティブ率ですが、数多くの内部施策を強化したことによって順調に回復をし、もとの水準を超えるレベルまで上げてきております。

上期ベースで昨年と比べてみますと、前年同期比11パーセントということで、こちらも我々の想定どおり結果が出て、数値としては想定を超えるアクティブ率の向上になっております。

3つ目のARPUですが、こちらはさらに因数分解しますと、「単価」と「件数」になります。単価については、94パーセントの微減になっております。件数は、我々の目指していた維持の部分で100パーセントというところは達成できているんですが、やはりトレンドの部分で94パーセントと下がっております。

これは、新たな会員が入ったことで、新しい会員はどうしても最初の単価が下がることがあります。もう1つが為替の影響です。円高に振れたことで、商品の単価が全体的に下がっていると。この2つによって単価は下がっております。

こちらはなかなかコントロールがしづらい部分で、我々としては件数を上げていくというところがやるべきことかなと思っております。

以上、この3つ、会員獲得施策、アクティブ率向上施策、ARPU維持施策というところを下期もやっていこうと思っています。

「新規会員獲得」「アクティブ率向上」「ARPU維持」の施策

会員獲得施策、アクティブ率向上の部分につきましては、刈取り広告や「STYLE HAUS(スタイルハウス)」というメディアを使って、まだBUYMAの会員ではない人にBUYMAで買ってもらうというところを積極的にアプローチしていこうと思っています。

アクティブ率向上の部分につきましては、アプリが非常に好調でして、アプリのダウンロード数も増えておりますが、そのアプリのプッシュ機能をうまく使いましてパーソナライズ化をし、会員それぞれに合ったプッシュ機能を送ることで、アプリに来てもらって、購入につなげてもらうということを思っています。

また、STYLE HAUSも好調です。STYLE HAUSの記事をアプリのなかでも展開することで、「BUYMAでこんな商品売ってるんだ」「こういう組み合わせで買えるんだ」という情報に接することで、購入につなげてもらうことを考えております。

また、上期も取り組んでおりましたが、レコメンド機能をさらにチューニングしていって、強化していこうと思っています。

ARPUの維持施策ですが、こちらは先ほどご説明したとおり、単価は我々コントロールできないと。単価はトレンドに任せたほうがよりリアルだと思っておりますので、件数を上げる方向で考えております。

件数を上げる施策としまして、パーソナルショッパーさんに、BUYMAで売れているアイテムの商品の情報などを定期的にお伝えすることで、品揃えを増やし、たくさん買っていただくと。

また、まとめ買い施策やクーポン施策というような、購入につながる施策をやることで、ARPUを上げていこうと思っております。

会員獲得施策とアクティブ施策につきましては、上期どおり好調でしたので、引き続きこれをやっていきます。

ARPUについては、上期多少想定よりは未達でありましたので、ここを強化することで、なんとか維持して、100パーセントのところを目指していこうと思っております。

1つお伝えしないといけない部分、誤解がありそうな部分としましては、会員獲得の成長率の部分になります。

成長率、前年同期比で比べますと、昨年下期から会員獲得数は、マスキャンペーンの結果、伸びておりますので、その伸びたものと今期の数字の比較になりますので、成長率については多少下回るというか、上記よりは下がる見込みになっております。

ただ、トレンドとしてはあまり変わっておりませんので、実態の数字としては、同じようなトレンドを描くと思いますが、成長率については数字上は下がる見込みということをお伝えしておきたいと思います。

「BUYMA」英語版をグランドオープン

続いて、我々の成長戦略の柱である「GLOBAL BUYMA」についてご説明します。英語版と韓国語版ありますが、併せて「GLOBAL BUYMA」というかたちでご説明します。まず大きなトピックとしては、2016年7月に、英語版をグランドオープンさせました。

昨年10月に、実際のオープンはしているんですが、そこから半年ぐらいをかけまして、チューニングをしていって、より使いやすい状態にしていきました。また、出品数を増やすという作業をやっておりまして、グランドオープンしてもいい水準になったという判断をしまして、2016年7月に正式にグラウンドオープンいたしました。

それにともなって、アメリカおよび香港を中心にプレスリリースも打ちました。

取り上げられ方としては、例えば「POPBEE」というサイトですが、こちらでは「日本で海外ブランドを取り扱っているNo.1のサイトが英語版をリリースした」というような取り扱いをされております。

また「ButterBoom」というサイトでは、「なかなか手に入らないブランドを購入できる」と。また、「ファッションだけではなくて、ホームアイテムなども充実したサイト」というふうに取り上げられております。ブランドを現地価格で購入できるというところも伝わっております。こういうかたちで海外でも徐々に浸透してきております。

その結果、先行している韓国と合わせまして、登録会員数は順調に伸びております。

「GLOBAL BUYMA」の実現に向けて

配送国数は26ヶ国に拡大しております。国別の配送率のシェアですが、先行している韓国が一番大きいんですけれども、そのほか、香港・アメリカといったところも伸びてきております。

クオーターごとの会員数の増加なんですが、第2クオーターの7月にグランドオープンさせて、そこから1ヶ月分しか実質影響ないと思うんですが、会員数は順調に伸びてきているということで、こちらまだ規模は小さいんですけれども、手応えは感じております。

平均商品単価も3万円と、日本に比べても1.5倍以上高いということで、わりと高額な商品が安心して買われているというところがあります。こちら手応えを感じつつあります。

我々が一番最初に重視していたKPIである出品数ですが、韓国も順調に伸びておりますし、グローバル版も一気に第2クオーターで消費数が増え、合計で300万品を突破したということで、立ち上がりとしては非常に順調かなと思っております。

今後ですが、まず上期、出品数を強化し、300万人を突破ということで、日本語版と近い水準まできたかなと。合格点だと思っております。

下期ですが、その出品数をベースに、今度は流入を増やし、そして来た人にコンバージョンしてもらうという2つをやっていこうと思っております。

流入数UPの施策としては、SEOの強化やプロモーションの強化を考えております。コンバージョンレート(CVR)としては、運営の強化や機能強化をすることで、300万という多い出品数を活かした施策をやることで、流入やコンバージョンレートを上げていこうと思っています。

来年以降ですが、世界が買える、このBUYMAというブランドをワールドワイドで広めていきたいと思っております。

そのために、世界中のなんでも買えるというところで、今、扱っていない日本の商材を取り入れていこうと思っております。現段階では日本人からしか買えない部分があるんですが、日本人以外のパーソナルショッパーにも対応し、本当に世界中から世界のものが買えるサイトに進化していって、ワールドワイドで広めていこうと思っております。

メディア力の強化とBUYMA経済圏の確立

続いて、中期の戦略です。ファッションアイテムと出会うメディアを強化しております。このメディアでファッションアイテムと出会い、そして世界中からなんでも買えるBUYMAというサイトがあって、その買った商品がもう1回2次流通として出回るリセールマーケットというところに取り組んでいこうと思っております。

このファッションにまつわる部分を一気通貫で提供していくということで、BUYMA経済圏というものを確立していこうと思っております。

我々、まだ小さいですが、プラットフォームとして成立しておりまして、ほかの他社さん、例えば楽天さんとか、そういったプラットフォームを提供されている会社ができることは、我々もできると思っております。

この経済圏を確立することで、我々だったからこそ生まれる物流だとか決済というのもありますので、そういったところをちゃんと取り込んでいって、経済圏を大きくしていこうと思っております。

さらに、このBUYMAの国内の経済圏で、安定的に高い収益を産み続けながら、その収益をGLOBAL BUYMAに適切に投資をし、BUYMAを世界的なブランドに育成していこうと思っております。

日本の10倍以上あると言われている、市場の大きい北米、また成長著しいアジア、例えば、インドだとかインドネシアだとか中東といったところを取り込むことで、大規模、高成長な海外市場でホームランを狙っていこうと思っております。

国内で安定的に収益をあげつつ、世界でホームランを狙うというところが、我々の戦略かなと思っております。

その結果、BUYMAは国内で順調に伸びつつ、高い利益率で成長し続け、そしてGLOBALでホームランを狙い、リセールや関連事業で経済圏を大きくしていくということをやって、増収増益を基調として、営業利益50億円を目指すことを方針に掲げております。

この拡大につながる長期的な成長に向けての適切な再投資は行っていきながら、増収増益を基調として、この金額を目指すということをやっていきたいと思っております。

以上、決算説明、終わりにさせていただきたいと思います。