ムダな会議で年間4兆円が浪費されている

横溝一将氏(以下、横溝):みなさん、こんにちは。福岡からやってまいりましたMAISIN&CO.の横溝と申します。

僕たちは今回、会議自動化ツールの「10Hz」を発表させていただきます。

突然ですが、こういうデータがあります。アメリカでは年間約4兆円ものお金がムダな会議によって浪費されている。

僕たちは日頃、福岡と東京でリモートワークをしているんですが、いろいろなツールを使っています。ただ、数年前から会議において使っているツールが変わっていない。名称は変わるけど、(中身は)変わっていないんです。

ソフトウェアというのは、どんどんいいものが出てきて、循環されていってしかるべきなのに、会議においてはそれがなされていない。これに非常に強い課題意識を感じて、今回10Hzを作りました。

10Hzは、みなさんの会議を自動化します。ポイントは3つあります。

1つ目のポイントは、この10Hzが提供しているフォームに情報を入力していくだけで、整然としたアジェンダを作成することができます。

2つ目、先のアジェンダをカレンダーやメールを通して、相手に共有することもできます。もちろん、Google、Outlookカレンダーなどと連携しています。

3つ目、アナリティクスです。みなさん、昨日、合計何回、何分、いつ誰とどこで何を話したか全部覚えている方はいらっしゃいますか? たぶん、いらっしゃらないと思います。会議って、けっこうブラックボックス化しやすいものだと思っています。

ということで、私たちは、10Hzを通じて、すべての会議の可視化に挑戦します。すでに私たちは、クローズですがメール版をリリースしており、たくさんのユーザーさんに使っていただいています。そしてすでに400社のウェイティングリストを獲得しています。

過去にもグローバルなサービスを作った経験が

では、チームの紹介をさせてください。

私が代表の横溝です。そして、取締役、CEOのJunyoungは(会場を指して)その辺にいるんですけど、この2人で会社を興しました。すでに、日本、シンガポール、韓国のベンチャーキャピタルからも資金を調達しています。

今まで紹介しました10Hzは、私たちにとって最初のサービスではありません。この「Boostnote」というサービスを以前にリリースした経験があります。

これは、オープンソースのノートアプリケーションです。オーガニックで昨年の12月にリリースしたんですけど、今オーガニックで170ヵ国以上に広がっています。この経験を持っています。

なかなか日本ってオープンソースのプロジェクトが活発に動いていないと思うんですけど、Boostnoteは日本では数少ない“世界中のユーザーさんがアクティブに活動しているオープンソースのプロジェクト”になります。

では、最後に、先ほど(トークセッションで)、澤山さんが紹介されていましたが、私たちも500 startupsのアクセラレータのスタートアップに参加してまいりました。文字通り、世界で一番のメンタリングの機会をいただきまして、一生の資産を得たなと感じています。

先ほど紹介しました、世界に広がったBoostnoteの経験、そして、500アクセラレータから得た知識、この2つを交わらせて、10Hzを世界的なグローバルサービスにもっていきたいなと思っています。

ぜひ、みなさん、このアドレスにアクセスしていただいて、ウェイティングリストに登録してください。

もし、会議を改善したい、会議をどうにかよくしたい、そういう思いがある方は、この後の懇親会でぜひ私に話しかけてください。以上でございます。ありがとうございました。

(500 Startups Japan賞を受賞)

澤山陽平氏:(500 Startups Japan賞に選んだ)理由としては、1つは、そもそも「応援したい」という話だったんですけれど、今まだ出したばっかりの10Hzが、まだまだここから伸びるんじゃないかなと思いました。可能性として、例えば、会議のアナリティクスのあたりに、なにか伸びる可能性があるんじゃないかなと思ったのが1つ。

それとVCってひたすら会議ばっかりしてるんですよ。ミーティングばっかり。だいたい僕のスケジュールは、1日7件ぐらいミーティングが入っているという状態が毎日続く。さらに最近はそれが土日にもちょっと侵食し始めているという感じなので、正直アナリティクスはけっこうほしいです。

そんなところも含めて、これからもがんばってほしいなと思って、表彰させていただきます。おめでとうございます。

文字通り盆栽を宙に浮かせた「空中盆栽」

星ヒカル氏(以下、星):よろしくお願いします。Hoshinchuの星ヒカルといいます。

「空中盆栽」というものを作ってます。まず映像を見ながらご紹介させてください。

電磁力で浮いてるんですよね。どうしてもインパクトがあるので、思わずモノに目がいってしまうところもあるんですが……。

僕たちHoshinchuは「星を輝かせよう」というアートプロジェクトをやっておりまして、その一環で作品を世界に発表しました。

盆栽は地球に見立てています。今、地球上でいろいろ難しいことが多いと思うんですけれど、このエア盆栽を浮かすのは、すごく難しいんですね。中心を取るのがすごく難しい作品です。

これ(スクリーン横の空中盆栽を指して)、ここに(支えは)なにもないです。ある種、これは世界的に「みんな、星を輝かせませんか?」というアート活動でございます。

1月21日から3月1日まで、アメリカのKickstarterで発表をしました。お金目的というわけではなくて、みなさんにバーッと広がるのはどれがいいかなと思っていろいろ見ていたときにKickstarterを見つけて、おもしろいかもと思ってやってみました。

そのときに、3,700人ほどに支援いただいて、66ヵ国くらいの方にサポートしていただきました。メディアでもいろいろ取り上げていただいて、アメリカでもすごく反響をいただきました。

そのあとにPAAKさんでお世話になったので、その前の話をするより、あとの話のほうがいいかなと思います。ということで、「苦労したことランキング」を発表させてください(笑)。

ドバイの王子がほしがっている

まず製造面は、日本国内6ヵ所、いろいろな場所で作っています。中国でも作ったりしているんですけど、製造をハンドリングするのにすごく苦労しました。これはリクルートさんのBRAIN PORTALさんにお世話になりまして、なんとかかたちになってきています。

それから、Kickstarterの顧客対応。これはもう非常にひどいです。

(会場笑)

:これは「いい加減にしてくれ」という話を、先日、KickstarterのCEOにもメールしました。イライラしないように心がけています。

それから、為替レートです。これがひどいことになっちゃって、ドルで80万ドルほどいただいたんですけど、レートがもらったときからどんどん変わって。日本の協力会社さんに発注しているんですけど、円に換金してからじゃないといけなくて、営業利益の2割くらい……ちょっとつらい思いをしています。

それから技術特許の問題を訴えてくる会社があって、それもアメリカの特許事務所なんかと何百万円か払って対応したり。あとはアメリカ国内の金融庁ですね。ここが全部の利益を収益だとみなしてきて、「3,000万くらい払え」と言われたりして、大変でした。

楽しかったことは、いろんな人、例えばドバイの王子様が「ほしい」と言ったり、よくわからない話がいっぱいあったんですけど、なによりも世界でいきなりチャレンジができたことが、僕にとっては一番おもしろかったかなと思っています。

それで、なんとか先週の9月23日から3,500個、出荷しました!

(会場拍手)

まだレートが上がってなくて悪戦苦闘中なんですけど、そういう状況です。

みなさんで星を美しくしていきましょう。ありがとうございました。

(TECH LAB PAAK賞を受賞)

麻生:授賞理由なんですが、まずみなさんもあのムービーを見て思ったと思うんですけど、いち消費者として欲しい。欲しくて一目惚れしたということが1つ。

それから、事業としては、リクルートも製造プロセスに入らせていただいてまして、たいへんお世話になってるんですけど、そのなかでいかに苦労したかをひしひしと感じているなかで、出荷できたことがやはり我がごとのようにうれしいというのが1つ。

このプロセスを通じて、今後でいうと、日本のIoT界とクラウドファンディング界、とくにKickstarter界を引っ張っていっていただける存在だと思うので、ぜひ大きくなっていただいて、PAAKにちょっとだけ感謝していただけるとうれしいなという気持ちを込めて、贈らせていただきます。おめでとうございます。

社会的孤独が課題になる時代

梶原健司氏(以下、梶原):みなさん、よろしくお願いします。株式会社チカクの梶原と申します。

我々は、「まごチャンネル」という、毎日できる最高の親孝行という、IoTのプロダクトをやっています。

チカクという会社のミッションとしては、距離も時間も超えて家族を“チカク”したいというのと、知る覚える、知覚させたいというところがあります。

(スクリーンを指して)これは、私のおじいちゃんで、私は兵庫県の淡路島というところが出身なんですけれど、ずっとおじいちゃんと3世帯で暮らしていて、すごくいい経験でした。

一方で、今、超高齢社会というのはみなさんご存知だと思いますけれど、日本だけではなくてグローバルで見ても、だいたい30パーセントくらいの人が65歳以上になっている。10億人くらいが高齢者になっています。

そのなかで、新しい社会課題として、社会的孤独ということがけっこう言われています。いわゆる振り込め詐欺みたいなものの日本における被害額は、6年間で4倍近くになったりしている。なぜかと言うと、やはり核家族化が進んでいるんですね。30年以上、進んでいます。日本だけじゃなくて世界的にずっと進んでいます。

この社会的な傾向というのは、たぶん変わらないんですけど、一方で、「生きがいというのはどこで感じるの?」と言ったら、やはり家族との団らん。お金を使いたいところというのも、それが最上位に来ます。

正直、これは私個人の思いなんですけど、「あと何回、子供を淡路島の実家の親に会わせてあげられるかな」と思ったときに、デジタル時代の二世帯住宅みたいなものを作れないかなと。まるで隣に家族が暮らしているかのような体験というものを作れないかと思いました。

どこの家にも大きいテレビがあります。そのテレビを使った、最終的には双方向コミュニケーションの実現。隣りで暮らしているレベルのコミュニケーションの頻度や量や質を目指します。

離れていても近くに感じる仕掛け

家族の最小単位って家じゃないですか。なので第1弾として、テレビにこの家型の端末をつなぐと、スマホで撮った子供の動画や写真が実家のテレビすぐに届いて、誰でも簡単に見れるというIoTのプロダクトを作っています。

具体的な特徴としては3つありまして、1つはセットアップが簡単です。この家型の端末なんですけど、これを電源のボタンを押すのではなくて、電源のケーブルとテレビにつなぐケーブルさえつなげば、もういきなり使うことができる。

2番目が、テレビリモコンでそのまま操作ができるので、「8チャン見ようかな、6チャン見ようかな、孫見ようかな」みたいな感じで見られる。だから、「まごチャンネル」といいます(笑)。

3番目としては、おじいちゃんおばあちゃんの家は、Wi-Fiの回線が15パーセントくらいしか普及していません。(まごチャンネルには)通信モジュールとSIMが内蔵されているので、ネットがないご家庭でもすぐに使うことができる。

さらに、新しいコンテンツが届くと、こうやって家の形の窓に、子供が帰ってきたみたいな感じで、明かりがつきます。新しいのがなにか来たなとわかる。(おじいちゃんおばあちゃんが)まごチャンネルを見ると、今度は「今、見始めましたよ」という通知が親のほうのアプリに届くということで、離れていても近くに感じることができる。

この半年の成果。出荷した!

(会場拍手)

ありがとうございます! これは、何回言ってもいいと思ってます! 出荷したこと!

コンシューマー向けで通信モジュール内蔵のプロダクトで、たぶん世界的にみてもけっこうレアだと思うんですけど、クラウドファンディングも去年募集しまして、出荷して、実際に使い始めてもらっています。

伊勢丹や三越の日本橋本店のようなところで、父の日や敬老の日のギフトとして「まご専用のチャンネルを送りませんか」ということで、けっこう大々的に展示や販売を展開していただいています。

まだ言えないところもあるんですけれど、けっこう有名な、誰もが知っているブランドと組んで、まずは販路を広げていくということもやっています。将来的には機能も増やしていきますけれど、日本だけではなくて、世界に出していきたいなと思っています。

ということで、応援よろしくお願いします。

(オーディエンス賞を受賞)