『魔法のコンパス』と『えんとつ町のプペル』の売れ行き

絵本作家のぶみ氏(以下、のぶみ):なんか今、『アメトーーク!』(出演)とかいろいろ決まってますけど、西野さんが今思ってる基準で、『魔法のコンパス』と『(えんとつ町の)プペル』ってどんくらいいったら、自分で「がんばったな」って思いますか?

西野亮廣氏(以下、西野):『魔法のコンパス』はふつうにやれば、絶対10万部超えるだろうなと思うんですよ。

のぶみ:いや、僕もちょっとそう思ってます。

西野:そんなケチくさいことをせずに、ふつうにやれば10万超すなと思って。まあ10万超したら万々歳ぐらい。そもそも向こうからいただいた話だし。

『えんとつ町のプペル』。僕ね、これは絶対に10万は売りたいんですよ。とにかく10万は売りたいですね!

のぶみ:どうします? そのためになにか考えてることとか。

西野:いやでも、個展はそうですね……とにかく個展。

のぶみ:個展すごいよなぁ。よくやる。また1ヶ月(会場に)住むって。

西野:もうだから本当にSNSですよ。写真文化だから、とにかく写真を撮りたくなるような空間を作っちゃうみたいな。それが一番の宣伝だから。

山口トンボ氏(以下、トンボ):大事ですよね。本当にそうですよね。

来春公開の映画を富山で撮影

のぶみ:すごいな。しかも今、『魔法のコンパス』と『プペル』は、西野さんの意図的にやってたところで、急に映画が決まってるんですもんね。

西野:ああ、自分が出るほうのね。はいはい、そうです。

トンボ:映画主演。

のぶみ:主演ですよね。

西野:今やってるんですよ。カッコつけて。

のぶみ:カッコつけてって(笑)。

西野:やってるんですよ。いやぁ、でも勝負ですね。

のぶみ:それはもう「ぜんぜんOKだよ」というかたちでやったんですか? 主演って。おもしろそうだなって思ったんですか?

西野:はい。いやなんか「富山に行ける」と行けると思ったんですよ。

のぶみ:ん、富山? 富山に行きたかったのか。

西野:ロケの現場が富山なので、富山に長時間いれるってむっちゃいいなと思って。人生で生きてて、何日も富山にいることってなかなかないじゃないですか。これは絶対行きたいと思って。

トンボ:いいなぁ。エハラもいるんですよね。

西野:エハラもいるし。

のぶみ:エハラ?

トンボ:エハラマサヒロ。

のぶみ:エハラマサヒロさん。

西野:公開は来春ぐらいです。

のぶみ:吉本が協賛してるんですか?

西野:吉本はそんなにタッチしていないです。吉本主催みたいなことではないです。

トンボ:(コメントで)「ミラージュランド!!」。あ、そうか。ミラージュランドですね(笑)。

西野:ミラージュランドね。

のぶみ:ミラージュランドって?

トンボ:富山に……。

西野:寂れた遊園地があるんですけど。

トンボ:本当に死ぬほどおもろい遊園地が。

のぶみ:そうなんだ。ミラージュランドっていうんだ(笑)。

西野:ぜひ行ってみてください。日本で一番おもしろい遊園地(笑)。

のぶみ:え~、すげえなぁ。

絵を展示するだけの個展はつまらない

西野:いやでも次、秋ですね。もう今年最後の勝負ですね。

のぶみ:勝負ですね。

トンボ:本当に勝負が続いてる。

西野:僕、今日トンボにもずっと言ってたんですけど、絵本ってやっぱり物語もあるし、キャラクターもいるし。

それでやっぱり個展をすると、のぶみさんもそうですけど、ただ絵を展示するだけじゃないじゃないですか? そこできちっと体験したりとか。

のぶみ:展示するだけだとおもしろくないですよね。

西野:絵を展示するだけだとね。なにか体験する場所を作ったりとか。それで、出口に絵本を置くと……やっぱり体験すればするほど、おもしろい体験にすればするほど、絵本が超売れるじゃないですか?

のぶみ:そうですね。

西野:それはむっちゃいいなと思って。個展……なんかすっげえでっかいところ貸し切って、ここで『ママがおばけになっちゃった』があって、ここで『えんとつ町のプペル』があってという、もうテーマパーク的な。「じゃあ、次『ママがおばけになっちゃった』行こうぜ」みたいな。

のぶみ:どこでやるかですよね?

西野:場所ですよね。

のぶみ:けっこうでかいですよね。

西野:アミューズメントパークを。

のぶみ:それやりたいですね。

西野:個展をやっちゃうと、聞こえはいいですけど、僕のファン、僕に興味ある人しか来ないので。のぶみさんの興味ある人が、僕のところに来てくれたらすごくうれしいし。

のぶみ:いや、おもしろいですね。でもこの前、「豊島園で対談してください」とか言われて。「豊島園って借りれるんだ?」っていうのに気がつきましたね。でも、けっこう広いスペースだしね。どうなんだろう?

トンボ:そうですよね。

のぶみ:どこでやるかですね。僕は絶対やりたいですよね。

トンボ:いやでも、そんなのできたらすごいすてきですよね。

のぶみ:そんでなんか、子供から大人まで楽しめる場所にしたら……やりようはいくらでもありますよね。

西野:でも、フェスってその発想じゃないですか?

トンボ:そうですよね。みんなで。

西野:絵本もその感じでやったら、万とかいけるんじゃないかとか。

のぶみ:どのくらいの期間で?

西野:僕そんなものを見たことがないので。たぶんわからないけど、本当にビッグサイトみたいなところを貸し切っちゃって、もうここでこうやって作るみたいなことだと思う。

のぶみ:ビッグサイトか。でかー。

西野:でも、やってるじゃないですか? ホビー賞みたいな。

のぶみ:ホビー賞ね。

トンボ:やってるやってる。

西野:あれも世界観をきっちり作り込んだほうがいい。

トンボ:そうですね。

光る原画で生まれる世界観

西野:それで世界観をきっちり作ろうと思ったら、美術費が超かかると。

のぶみ:いや、たぶんそうですよね。

西野:だから、絵を光らせたらいいと思ったんです。絵を光らせさえすれば、電気さえ落とせば、もう世界が作れるから。美術費0円で。最初の初期投資はすごいけれども。暗かったら、『えんとつ町のプペル』に限っては、電気さえ落とせば、もう完全に世界がつくれるじゃないですか?

トンボ:なるほど。

のぶみ:だからあれですよね、藤城清治さんとか、光る絵にしてるんですよ。藤城清治さんのスペースを見に行ったことがあるんですけど、やっぱりすごい幻想的になりますもんね。西野さん急にやりだしますもんね。ああいう絵じゃなかったのに、急に光らすんだもんな。

西野:光らそうと思って。

のぶみ:あれって原画はないんですよね?

西野:データで作っているから、そもそも原画がないんです。

のぶみ:でも、独演会のときに西野さんがアップされたやつ見たら……最後の仕上げ、すごいやりましたね。

西野:そうです。だいぶ変えました。

のぶみ:「ああ、ギリギリまでやったんだ」と思いましたね。

西野:すごいやりました。あれむずいですよ。

のぶみ:あれって、いろんな人に手伝ってもらってるんですよね。どうやって指示出してるんだろう?

西野:えーと、今50人ぐらいで作ってるんですよ。

のぶみ:映画だよな。

西野:難しいのは、もう初めての作業だったんですけど、例えば自分も背景をちょっと手伝うし、キャラクターもやるしってなったときに、別で動かすんですよ。背景チームとキャラクターチームがあって。

これを画面上で切り貼りするんですけど、切り貼りしたときにやっぱり浮くんですよ。別で描いているから。それでこの輪郭部分にすっごい違和感があって、これをもうすっごい時間かけて微調整していくという。

のぶみ:ああ。

西野:まず輪郭を動かしたら……。

トンボ:馴染ませる……。

西野:そう。馴染ませる作業がすっげえ時間かかるみたいな。

のぶみ:いや、そうですよね。でも、最後の本当によくできてた。びっくりした。

トンボ:すごいよくできてた。

のぶみ:あれはだから、指示するのがすげえ難しいよなというのは思いましたね。

西野:そうですよね。

のぶみ:よくやったよなー。

西野:指示するほうもされるほうも、そんなことやったことがないから、絵本で馴染ませるとか、「なに言ってるの?」みたいな、光をどうするとかやったことがないので。

のぶみ:よくやったよなぁ。『アメトーーク!』もすごいあれだけど、記者会見のときに西野さんが何を話すのかも、たぶん部数に関係してくるんですよね。