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「”努力”では一流になれない」 気鋭のクリエイターが語った、”1万時間の法則”の新解釈

「”努力”では一流になれない」 気鋭のクリエイターが語った、”1万時間の法則”の新解釈

一流になるためには気の遠くなるような努力量が必要だとする「1万時間の法則」ですが、やる気だけでそこまで到達するのは困難なもの。より早く才能を手に入れる秘訣を、しくみデザイン代表取締役の中村俊介氏が、自身の10年間に及ぶ経験から語りました。(TEDxFukuoka 2014より)

スピーカー
シクミスト/しくみデザイン代表取締役 中村俊介 氏
参照動画
才能は知らないうちにできるもの

練習せずに楽器が弾けるようになるには?

(トランペットを吹く中村俊介氏) talent1_R 中村俊介氏(以下、中村) ……けっこう音出ましたね。本番に強いみたいですね。 僕、楽器弾けるようになりたくて、自分で買ったトランペットなんですけど、まあこんな程度です。まったく弾けないですね。 (会場笑) 楽器、弾きたいですよね。小さい頃に僕、親に「音痴」って言われたんですよ。多分親は何の気なしに、「もう俊介は音痴だから」って言ったんだと思うんですけど、それから歌うのが怖くなってしまって。歌だけじゃなくて音楽そのものに憧れがあるけれど、それは自分がやることじゃない、僕は音楽の才能がないんだっていうふうに、ずっと思ってきました。 僕みたいに、音楽の才能もない、そういう人が簡単に弾けるようになったらいいなあってずっと思ってたんですよね。……この中で、楽器すっごい得意っていう人いますか? 「プロ並みだぜ俺!」っていう。 (会場笑) なかなかいないですよね。じゃあ「弾けるようになりたいなあ」って人は? 手を挙げてください。 (会場内数名挙手) みんな同志ですね。今みたいな”手を挙げた様子”が楽器になったら、演奏ができたら、すごい楽しいと思いませんか? 僕はですね、何とかそれをしたいなあと。

動きに合わせて音が鳴るシステムを自作

(中村氏の動きに合わせて音が鳴る) cap1 0217 音鳴りましたね。 cap2 0225 楽器弾きました。 cap3 0233 何のことかわかってます? ついてきてますかね? (会場笑) これですね、僕、実は10年前に作ったんです。10年前のパソコンって、今の携帯くらい(の性能)ですよ。それくらいで、あとはカメラがあったくらいで。だけど、何とか楽器弾けるようになりたい、しかも練習しなくて済むいい方法ないだろうか。「だって僕には音楽の才能ないからね」って思ってたんです。 何かいい方法ないかって考えて、そのときの技術を使って、体動かして、音が鳴ったらそれでいいんじゃない、と思って作ったんですね。 今のやつって「音鳴ったじゃん!」って思うんですけど、よく考えたら誰がやっても同じような曲になります。楽器決まってるし。だから自分の中では、もうちょっと、もっと音楽が弾けるような気分になりたいと。いや、練習はしたくないです。そんな気分になりたい。音楽の才能が欲しい。で、10年経ちました。

より高機能なシステムで「楽器が弾ける感」を演出

10年経ったらですね、もちろん時代も進化して、処理の能力とか、カメラの性能とかも上がりました。もう一回、自分の作るもの、ずっと10年間なんとかならないかなと思ってたんですけれども、作ってみようと。で、作りました。 cap4 0416 さっきよりちょっと演奏っぽいですね。 cap5 0425 まだオリジナリティがないな。ちょっと自分の声を足してみましょう。 cap6 0441 ちょっとぽくなりましたね。で、僕、じゃ何がしたかったのって、演奏がしたいんです。本当はですね、ジャズのアドリブ演奏がしたかったんですよ。むちゃくちゃかっこいいじゃないですか、弾ける人。何とかしたいなぁと。 cap7 0520 ジャズです。 cap8 0526 ぽいですねぇ。 cap9 0543 スネアっぽい感じ。もう一個くらい作りましょうね。わかってきました? ちょっと場所悪いかな。 cap10 0649 テンポが速いかもしれません。 cap11 0705 cap12 0722 遅すぎました……。 cap13 0727 cap14 0740 楽器、弾けましたよね。 (会場拍手) ありがとうございます。楽器弾けるようになりました!

才能は知らないうちにできるもの

これは、僕に音楽の才能がついたってことでしょうか? 違いますよね。みなさん、マルコム・グラッドウェルって人の、「一万時間の法則」って知ってますか? どんなことでも、すっごい頑張って一万時間続ければ才能になると、そういうふうにいわれてるんですね。 僕、音楽弾けるようになってないですよね? 音楽の才能ついてない。なんでかっていうと、弾く練習してないからです。なので僕、ちょっと違うと思うんですよね、一万時間の法則。頑張るんじゃないと。一万時間くらいなんかやってたら、全然知らないうちに、それが才能になるんじゃないかなと。 だから才能っていうのは、自分で頑張って作ったり、生まれもってきたものとかじゃなくて「何かが楽しくて夢中になってやってるうちに、知らないうちに出来上がってくるもの」なんじゃないかなぁと、思ってます。 じゃあ僕は、何の才能ついたの? ていうとこなんですけど、楽器を弾きたいっていう思いはもちろん、あったんですよね。練習しなくても、弾けるようになりたいと。 普通の何でもない人が、気持ちのいい気分に、体を動かして楽しい気分に、新しい体験が生まれるような、そういうことはどうすれば出来るだろうか。ずーっと僕、10年間、考えてきました。今思うとですね、僕の才能って、新しい体験を生み出す仕組みを作ること。そこに、自分の才能が知らないうちにできてきたんだなぁと。そういうふうに今、思ってます。 才能っていうのはですね、自分でこういうふうにしたいとか、もちろんそういうのは大事なんですけど、全然違う。楽器を演奏したい、弾けるようになりたい、って思っていた。そういうことじゃない、全然違うところに実は生まれてる。そういうものじゃないかなぁと、今ここへきて思っています。ありがとうございました。

  
※ログミーでは、TED Talksおよび各TEDxの定めるCCライセンスを遵守し、自社で作成したオリジナルの書き起こし・翻訳テキストを非営利目的のページにて掲載しています。
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「”努力”では一流になれない」 気鋭のクリエイターが語った、”1万時間の法則”の新解釈

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