多くの人が直観力を持っている

DaiGo氏:まずは「そもそも直観ってみんな持ってるの? 持ってないの?」ってお話です。実は、多くの人が直観を持っていることがわかっています。

これは実験でもわかっていて、例えば、実際に行われたある実験だと2つの写真を見せるんですね。普通にしてる写真と、……例えば今、僕の写真を見てもらって、それを1.5秒だけ見せます。1.5秒だけ見せて、1回真っ白な画面に切り替わって、また今度は1.5秒だけ、眼鏡をかけた写真に切り替わるんですね。

それが消えて、質問が表示されます。「今、写真がなにか変わったことに気づきました?」と。そうすると、実は1.5秒ってけっこう短いんですよ。1.5秒って短いので、多くの人は眼鏡が加わったことに気づかないんですね。あるいは、その眼鏡がなくなったことに。

気づかないんですけど、ここからが大事なところで、ただ多くの人がなにかが変わったことには気がつくんです。つまり、今みたいに写真の実験とかほかの実験もやるんですけど、1.5秒だけ表示された絵が一瞬消えて、ほとんど同じなんだけど一部変わってる絵が表示されて、それが消えるという実験をすると、なにかが変わったことはわかるんです。

「なにかが変わりました?」って、変わってない絵を見せたり、変わった絵を見せたりするんですけど、なにかが変わったことには気づくんだけど、なにが変わったかは具体的に答えられないって現象がけっこう起こるんです。

脳をスキャンしてわかったこと

これはなぜかというと、人間の脳が直観を使う時と、ジッと見て相手とか状況を判断しようとする時を比べると、そもそも脳の使っている場所が違っていることがわかったんです。

脳の働きをMRIでスキャンして見るんですよ。その働きを見ると、実はおもしろいことがわかって、論理的に思考している場合と、直観でパッと決めた場合を比べると、ぜんぜん脳の活動が違うらしいんです。

つまり、どういうことかというと、僕らが直観によって物事を判断している場合と、よく熟考して物事を判断してる時というのは、脳で行われている情報処理のプロセスがぜんぜん違うことがわかったんですね。これはアメリカのヴァンダービルト大学のジェフリーさんって人の研究ですね。

いわゆる直観の場合は、基本的には論理的なプロセスを経ていないので、論理的な動きがなかったりするんですよ。

いわゆる直観で相手を見破ろうと思った時に、パッと見て「なんとなくこうだな」と思って、よくよく観察してみたら確かにそういう兆候が見える。それで理由をつけて言うんですけど、最初の直観的な判断は論理的な判断じゃないから、あとから理屈をつけてるだけってことがわかったんですね。

(コメントにて「おもしろいね、脳って」)そう、おもしろいんですよ。だから「なんとなくいいな」って思って見ちゃうと、これがバイアスにもつながるんですよ。「なんとなくいいな」って思って見ると、あとからいい理由がいっぱい出てくるんです。

初対面の人とかで「なんかこの人、いけ好かないな」って思った人を見てると、どんどんいけ好かない理由が出てくるんですよ。だから、あと付けで理由を探していっちゃうというのがバイアスなんです。

最初の直観はだいたい正しい

ただ大事なのはここからで、最初の直観はだいたい正しいんです。最初の直観はだいたい正しいので、最初の直観に従うことがマズイかというと、実は直観に従ったほうがいいってことがわかってるんですね。

だから、いろんな実験があるんですけど、イスラエルの大学の研究だと、これはちょっと特定の実験ですけど、だいたい人間の直観は90パーセントぐらいの確率で的中することがわかってるんですね。

どういうことかというと、実験だとコンピュータのスクリーンに、数字が映るんです。パッパッパッパッて。映るんですけど、2種類の数字が出るんです。例えば、1と2みたいな。パッパッて何回か表示されて、回数とか表示しないんです。

パッパッて表示されるのを見たあと、「どっちの数字が多かったでしょうか?」と。数字が映される時間がすごく短くて、スピードも速くパッパッて表示されるので、目で見てもどっちが何回表示されたかとかわかんないんですね。

目で見てもわかんないんですけど、その実験が終わったあと「どっちの数字が多かったですか?」って聞くと、その実験を6セットやったあとだと65パーセント。24セットやった場合は90パーセント近くの人たちが、どちらの数字がたくさん表示されたかというのを正しく答えられるんです。

だからつまり、人間って、意識的にやっても無理なこととか、意識的にやってもわからない場合は、直観を大事にしてあげると、意外と正しい選択ができるんですね。

直観を支える意志の力

だから、自分に自信があったり、『ポジティブ・チェンジ』でも書きましたけど、ポジティブに生きていて「なんでもトライしてみよう」と思う人は、けっこう迷わないんですよ。

ポジティブ・チェンジ

「どうしようかな。やめとこうかな。確かに直観的にはこっちがいいと思うんだけど、でも100パーセントとは言えないし……」とか悩んでると、せっかく自分の脳が直観的に見つけてくれたことを、自分の意識があとから否定しちゃってるんですね。こうなってくると、やっぱり物事がうまく進まなくなったりしちゃうよ、と。

(コメントにて「悩むと後悔しそうだから、直観に頼るかも」)そうなんです。悩むと後悔しそうだから、迷った時は直観に頼るって習慣を作ってる人は、けっこう強いんですね。

これは前に話した瞑想の話とも絡んでくるんですけど、瞑想というのはつまり意思力を鍛える方法で、前頭葉を鍛えると……。

それで、直観がパってひらめきますよね。直観がパッてひらめいたときに、それが論理的に考えてマズイことだった場合は前頭葉が止めてくれるんですね。自分を抑える力で。

例えば直観的に、おいしそうなスイーツを見て「あ、スイーツ食べたい」って思っても、それを意思力が、前頭葉が抑えてくれるんです。

逆に直観がポーンって出たときに、それを信じれられるかどうか、それを信じて決断をするためには意思力が必要なんです。この意思力が手伝ってくれる。だから瞑想で洞察力が鋭くなることが証明されてるというのは、そういうことなんです。

だから、直観的に選択していくことがすごく大事なんですね。では、具体的にどういう時は直観に頼っていいのか。そして、どういう時は直観に頼ってはいけないのかってお話をしていきたいと思います。

直観の正しい使い方講座

ここから先は、みなさんの直観の使い方、正しい直観の使い方講座になります。ここからは会員限定でやっていきたいと思います。ちなみに現在のチャンネル会員数は……表示しますね。こちらになります(4,025人)。

増えてますね。今月800近く増えるんじゃないかなあ、というわけで、ここから先では直観をどう使うか。そして、直観を使ってはいけないのはどういう時なのかってお話をしていきたいと思います。

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