コンテンポラリーアートを勉強するには

カリン・ユエン氏前回の動画では、なにがコンテンポラリーアートなのかというお話をしていますが、美術の世界に関わる知識は少々難しいと思います。

このパートでは、私の個人的なおすすめをご紹介し、どのようにみなさんが、さまざまなリソースや資料を活用していくのかということをお話します。もちろん私が述べたことのすべてが、誰でも実行可能というわけではありませんが、自分がやりやすいと思ったり、興味がもてる方法を見つけられればいいと思います。

(1)アートを見ること。

ベストな方法であり、また楽しめる方法というのは、アート作品を自分で見ることです。

近くに美術館やギャラリーが無い場合、大都市近くに旅行したときなどにも立ち寄ることができます。もちろんこれは誰でも実践できるものではありませんが、作品を自分で見ることに代わるものはありません。

(2)Webサイトまたはオンライン。

近所に美術館やギャラリーがなくても、これらWebサイトで、アーカイブや記事を見ることができます。ここから始めることは、本当に自分が求めるものと共鳴するような、特定の作品を探しやすくなるでしょう。あるアーティストを判断するとき、そのWebサイトを見たり、あるいは、ギャラリーが作品を公開しているサイトを見るといいでしょう。

もし、美術館のWebサイトで作品が見られるのなら、プロフィールやプレスリリースを読んでみましょう。

掲載されている大部分の画像は、実際の美術作品を評価するとき求められる画像の質には及びません。しかしながら、少数ですが、非常に高画質なものを掲載しているサイトもあり、ズームをあてて拡大したり、作品の細部まで確認することができます。Artsy.netGoogle Art Projectです。

アートを実際に自分で見に行くことは重要ですが、どのような施設であれ、見ることができる作品は限られており、すべての作品を探す必要はないでしょう。

美術の世界でも「Pandra」(注:自動化された音楽レコメンデーションサービス)のようなものがあり、Artsy.netのThe Art Genome Projectは、ゲノムに見立てた情報にそって、コンピューターが関連する美術作品をアルゴリズムをもとに解析して集め、作品を抽出するシステムです。

これは自分の知り得るアーティストのレパートリーを広げるのに有益かつおもしろい方法です。

非常に多くのブログやWebサイトがコンテンポラリーアートの内容に言及していますが、私は好んで見るのは、COLOSSALContemporary Art Dailyです。

COLOSSALは非常にクールな表示で、クリエイターであり編集者であるクリストファー・ジョブソンが、視覚イメージをうまくキュレーションし秀逸な仕事をしています。Contemporary Art Dailyでは、基本的には、人々から集められた現在開催中の展覧会の画像を掲載していて、グローバルな規模でなにが進行中なのか知ることができます。誰もがニューヨークなどに簡単に行けるわけがないので、これはすばらしいことです。

アートを知るのにおすすめの本

(3)ソーシャルメディア。

もちろん今述べたようなものが遠く感じられるなら、Twitter、 Tumbler、 Facebookなどのソーシャルメディアがあります。Tumblerでは、ほかの人のRTに出会うこともできますし、興味のある人々や施設の情報をフォローすることができます。これらは記事にアクセスしやすい方法ですし、情報は更新され続けます。

(4)本。

最後のトピックスは、本についてお話します。私は個人的に美術の本が大好きですが、すべて人々が同じ趣向を持つわけではないということも理解しています。

本のすばらしいところは、コンテンポラリーアートが連なる多大な文脈を提供してくれるということです。そしてより詳細でニュアンスのある解説をしてくれるので、非常に多く知りたいことに応じているということです。

『art since 1900』は学校で使用したものですが、広い範囲の時代をカバーしていて、学習に最適です。2冊に分かれていて、1900年から2003年までに対応しています。著者であるハル・フォスターとロザリンド・クラウス、イヴ・アラン・ボア、ベンジャミン・ブクローが、それぞれ違った読み物を提供していて、これらの著者たちの仕事がすばらしいのは、それぞれ別の読み方の可能性や、どのように結論に至ったかが提示されていることです。

もちろんすべての本が、文字の本であるわけではありませんが、これは最近私が手に入れたおもしろい本です。

『What Are You Looking At?』といい、テート・ギャラリーの元ディレクターのウィル・ゴンパーツが書きました。彼は、洞察力をもってアーティストの人間性に迫り、ユーモラスな語り口です。もうひとつは、マイケル・ウィルソン著の『How to Read Contemporary Art』です。これは語りよりも個々のアーティストのエピソードに重点が置かれ、とりわけコンテンポラリーアートの巨匠や、ある特定のアーティストについて学びたい人向けです。

みなさんが、このように最初のアイデアを、この動画でお話した一連のリソースから得られればいいと思います。本やウェブサイトで本当に気に入ったものがあれば教えてください。私も知りたく思います。

ご視聴ありがとうございました。