人間が勉強をする時、脳はどうなっているのか

みなさんが勉強に興味がなければ、この動画を見ないでしょう。僕も作らないですしね。

でもまだ一緒に勉強していないことがあります。それは……勉強自体!

知識を得る方法や覚える方法、すなわち勉強についての科学分野もあるのです。そしてほかの人間の脳と関係がある分野と同じように、まだまだ若い分野です。

たった20年前でも、人間が大人になったら、脳がほぼ固定されて、勉強はできるものの脳の発達は終わると思われていました。その後の脳の役割は、心臓を動かしたり携帯を置いた場所を覚えることなどに限られる、と思われていたのです。

しかし、脳機能イメージング技術などの発達のおかげで、脳の働きのきれいな画像を取ることができて、さまざまなすばらしいことを観察できました。

例えば、勉強することによって脳の細胞レベルの構造が変わっていくことや、脳が新しい情報を入れるために一生変化し続けていることなどです。

脳とコンピュータがよく比較されていますが、脳が新しい情報などに対して、新しい回路を作るというのはすばらしいですよね。この機能は、神経可塑性と呼ばれています。

生物学では、可塑性は生きているものが新しい状態に対して変化できる能力であり、脳はこの変化が得意なのです。

脳の細胞、すなわちニューロンは、ニューロン同士の接続を要求に応じていつも変えています。

各ニューロンは中心、ひょろっとした樹状突起と長い軸索からできています。

ニューロンは軸策を通じて電気信号を送信して、シナプスと呼ばれている接続に通じて樹状突起で受信します。

生まれたときはそれぞれのニューロンは、約2,500本のシナプスでほかの細胞と接続されています。しかし3歳になったら、さまざまな面白いこと、例えば豚の鳴き声や母親の顔が手で隠されたらどこへ行くかなどを習って、シナプスの数が6倍に、およそ15,000本になります。

大人になったら、これが半分に減っていくので、3歳の時の脳が一番強そうに見えるが、そのなくなったシナプスは実際必要ではなかったためなので大丈夫。

今はもう豚の鳴き声や母親の顔をわかっているから、そのシナプスはもういらなくなったというわけです。この必要ではないシナプスの選り抜きをシナプス剪定と呼びます。

その間、運転、数学問題の解き方やそのゲームの難しいレベルをクリアする方法などの新しいスキルや情報を得ながら、ニューロンも成長していきます。

勉強には一番重要なことは記憶です。なぜかというと、のちのち情報を応用するためにはその情報を保存しなければならないからです。だから脳の細胞が情報を保存している期間によって、ニューロンの接続は変わります。

例えば、短期記憶で情報を保存しているときには、すでに存在しているシナプスの構造が変わっていて、樹状突起が強くなったり、増えたりします。だから短期だけ必要な情報は、例えばゲームに必要なことのためには新しい接続を作らずに、すでに存在している接続だけを強めます。

ですが、重要なことだったら、例えば学校で習ったことや僕たちの「SciShow」で習ったことだったら、その情報を応用するたびに、長い期間にわたってニューロンが新しい接続を作るのです。

これは学校や仕事で得た情報を長期的に保存し、一生使えるようにするための長期記憶の作り方なのです。

繰り返し言いますが、脳を大事にしてください!