『えんとつ町のプペル』のキャラ設定

絵本作家のぶみ氏(以下、のぶみ):去年ゴーストバスターズやった人って、やっぱり西野さんのファンなんですよね?

西野亮廣氏(以下、西野):いやでも、全員が全員じゃないと思いますよ。「なんかおもしろそうだな」っていうか「それ、ナイスアイデアだな」で集まった人もけっこういました。

のぶみ:そうか、西野さんのファンというか、「ナイスアイデア」で集まった人もいるのか。

西野:だから今年は、「ナイスアイデアだな」っていう層はあんまり期待できないと思うんです。だけれども、ずっとしつこく刷り込んでいったら、それが当たり前になっていって……。

山口トンボ氏(以下、トンボ):「またあの時期がきたな」っていう。

西野:もともと言うと、(絵本のキャラクターの)プペルっていう名前は、ウジェーヌ・プベルっていう、フランスの知事をやってたやつがいるんですよ。

のぶみ:あ、そうなんですか?

西野:そうなんですよ。ウジェーヌ・プベル……最終的に、パリの知事かなんかやってたんですよ。そいつがなにをやったかと言ったら、町中にゴミ箱を設置することを義務づけた人なんですよ。

のぶみ:へぇーー!

西野:フランスの清掃革命って言われてる。

のぶみ:よく調べてるわ! マジで!

西野:ウジェーヌ・プベル。

西野:プベル。

のぶみ:あります? 見せてもらっていいですか?

トンボ:フランスの。まあWikipediaですけども。

のぶみ:わ、ほんとにいる。

西野:プペルのそもそものモチーフになったっていうか、名前はそっからきてるんですけど。

のぶみ:「セーヌ県の知事となって、ゴミ箱の導入をするなどを主とする」って書いてある。清掃革命をした人だって。

西野:そうですそうです。それで、むっちゃいいなと思って。

のぶみ:そうか、フランスってゴミ投げてもよかったんですね。

西野:汚いんですよ。

のぶみ:ハイヒールでうんことか投げるから。

トンボ:ハイヒールはそのためにできたっていうね。

のぶみ:汚いから。

西野:汚いんですよ。それで、この人が……。

のぶみ:この人がフランスをけっこうきれいにしたんだ。

トンボ:なるほどなるほど。

ハロウィンのゴミ問題が騒がれたのはいつ?

西野:でもこれは、本当に運がよくて。僕が『えんとつ町のプペル』を作ったのって4年半前なんですよ。

のぶみ:そんときは考えてないってことなんですね?

西野:ハロウィンのキャラクターを狙ってやれっていうのは考えました。そのシーズンは、ちょっといいなと思って。

ハロウィンはピンポイントでいきましたけど、そんときにゴミはぜんぜん問題になってなかったですから。

トンボ:確かにね。

のぶみ:まだ騒がれてないからか。

西野:4年前は、まずハロウィンが根づいてなかったから、「ハロウィンパーティーするやつはサムい」みたいな。

トンボ:そういえば、そうでしたね。

西野:あんとき、ゴミは別に。ゴミって2年前からなんですよ。すっごい(問題に)なったのって。

のぶみ:うん。

西野:Instagramがバッて普及したから、みんな仮装を見せ合いっこして。有名人、窪塚くんがジョジョの(仮装を)こうやったりして、それがバッと広がってみたいな。『えんとつ町のプペル』を最初に書いたときって、ゴミの話はなかったんですよ。

トンボ:確かにそうだね。

のぶみ:なるほどね。

西野:それで、そこから遅れてゴミがパンってきたから、「あ、これはなんかきたな!」って思って。

トンボ:確かにそうですね。

西野:そうなんすよ。

「ゴミ拾い=プペル」を根付かせる

のぶみ:例えば、プペル以外のいろんなかっこうしてるやつ、スタッフの人たちがみんなその格好をしていったら、初めは「あれ、何なんだろう?」って思うけど、詳しい人が「あの格好は、西野さんの絵本から取ってて」みたいな。「そうなんだ? 絵本あるんだ!」って言って、広まる可能性も高いかもしんない。

トンボ:そうですね。

のぶみ:子供っていうのは、基本的に正しいことをしたがるんですよ。だからたぶん、子供も参加したんだと思うんですね。初めはとりあえず格好から見て、写真からいくかもしれないけどね。

西野:格好からね。

トンボ:本当に、それがゴミ拾いのコスチュームになっちゃうといいですよね。

西野:なっちゃうといいですね。「ゴミ拾いといえばこの格好」みたいな。

のぶみ:それで、「なんでこうなったんでしょうか? それを紐解いてみましょう」みたいなやつあるじゃないですか(笑)。

西野:そうそうそう。そっちの角度からいくっていう。

のぶみ:だから、「みんなこういう格好してください」ってお願いしてやっていったほうがいいのかもね。

西野:去年もだいぶやったんですけど、その前に「おとぎ町ビエンナーレ」っていう個展会場があって、その会場に来た人に一人ひとり「これ絶対根づかせるぞ。ゴーストバスターズの格好やろう」みたいなことをずっと言ってたんで。

たぶん、それ以上に大変だとは思うんですけども。あまりにもしっくりこないから。

2016年のハロウィンは月曜日

のぶみ:西野さんらしい感じになると思う。なぜなら、たぶんボランティアをやってて、ちょっと西野さんの絵本の宣伝になってしまうじゃないですか。

西野:はいはいはい。

のぶみ:だから、去年よりものすごい言われると思うな(笑)。

トンボ:それはね。

のぶみ:だから、それをずっとやり続けたら、「でも、悪いことしてないもんな」っていうことになるもんね。

西野:そうっすね。あとは何日にするかですよ。今ちょっと悩んでるのが、去年は10月31日が土曜日だったんですよ。

トンボ:なるほど。

西野:それで11月1日が日曜日だから、すごく動きやすかったんですね。でも、今年は10月31日が月曜日なんですよ。

トンボ:月曜日、あーー!

西野:どっちも平日なんですよ。じゃあ、ハロウィンの日の一番のピークって、実は10月31日ではなくて、その前の土曜日。

トンボ:29、30。

西野:29日とか。そっちに盛り上がりがくるんじゃねーかなと思って。それで、ゴミ拾いを30日にしたほうが。なんか僕、子供が参加してるっていうのがすげー大事な気がするんですよね。

のぶみ:うん。

西野:要は、大人が捨てたゴミを子供が拾ってるっていう、あの絵がすごくパンチが効いた。

のぶみ:それはすごくいいですね。

トンボ:確かにね。

西野:30日かなあ。

トンボ:30日、日曜日で。

のぶみ:30日にやっちゃう。

吉本の悪いイメージを払拭

西野:今日、吉本にも言ったんですよ。吉本、イメージ悪すぎるんだから。むっちゃ嫌われてるんですよ、吉本って。なんか僕が嫌われてるみたいなことなってますけど、一番嫌われてるのって吉本興業なんですよ。

のぶみ:いやいや、そんなことないでしょ(笑)。

西野:イメージが非常に悪い。

のぶみ:(笑)。

西野:嫌われてるし、ちょっとダサいみたいになってて。

のぶみ:そうなんだ。

トンボ:まあ、ハイセンスとはなってないと思いますけど。

のぶみ:(笑)。

西野:吉本ってダサいみたいな感じじゃないですか。

のぶみ:オシャレとは思われてないかもしれない。

西野:それで、「ここいらでちょっと乗っかってみないか?」みたいなのを、吉本にはもう言ったんですよ。

トンボ:なるほどなるほど。

西野:とりあえず集まる場所を確保しなきゃいけないから、渋谷∞ホールがせっかくあるんだから、「ここちょっと使わせて」っていう話は。

のぶみ:それはいいですね。

トンボ:なるほどなるほど。

西野:なんですよ。

サンタクロースとコカ・コーラの関係性

のぶみ:プペルでもうちょっと衣装を推進させるんだったら、夏じゃないからTシャツは無理だけど、ちょっとなんか着やすいやつを売ったらいいかもしれないですね。

西野:確かにね。

のぶみ:それを事前に「これ着てきてください」って言ったら。

トンボ:確かに確かに。

のぶみ:ライブのTシャツ的なやつとかね。

西野:確かに確かに。

のぶみ:そのTシャツにサスペンダーついてるみたいなやつの、冬バージョンがあればいいけどなあ。

トンボ:そう考えたら、サンタクロースもやっぱすごいですねー。

西野:すごいよ! あれは今、赤以外に考えられないんだもん。

トンボ:いや、ほんとですね。

のぶみ:あれ、初めは牧師さんなんですよね。貧しい家の子に食糧を投げ込んでたらしいですね。

西野:じゃあ、赤なんか絶対ダメじゃないですか。

トンボ:そうですね。

西野:牧師さんだったら、赤なんか一番遠い色じゃないですか。

のぶみ:たぶん黒でしょうね。

西野:そうでしょうね、もともとはね。

トンボ:確かに。

西野:あれはやっぱコカ・コーラの腕力ですよね。

トンボ:コカ・コーラ、そうですね。

のぶみ:あと宣伝力、CMで繰り返しやってるからっていうのもあるんでしょうね。

トンボ:だから、やっぱちょっとファッションみたいな感じになればいいですよね。