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「マルチ商法には気をつけろ」DMM亀山会長が説く、お金と人間関係のルール

「マルチ商法には気をつけろ」DMM亀山会長が説く、お金と人間関係のルール

DMMの社員向けに定期開催される勉強会"亀山塾"。今回は会長・亀山敬司氏が「マルチ商法」をテーマに、儲けのカラクリや周りの知人に紹介して利害関係が発生することによる弊害を語りました。

シリーズ
DMM亀山塾 > 第1回
2016年4月のログ
スピーカー
DMM.com Group 会長 亀山敬司 氏

DMM亀山塾「マルチ商法には気をつけろ」

亀山敬司氏 新卒の人は初めてだろうから言っておくと、この亀山塾はうちの会社の中の実例とか、例えば前回はMVNOのマーケティングといった、事業で実際に起こった具体的な例を上げながら、勉強してもらおうかなと思ってやっています。 今日は新卒が多いと聞いたので、いきなり業務のことはわからないだろうということで、ちょっと趣向を変えて一般的な話、世間にありそうな話をしたいと思います。 俺の知り合いに若いやつがいて、最近そいつが「彼女欲しいっすよ」みたいな話になった。「でも、出会いがないんです」みたいなことを言うから、今だったら「pairs」とか「Omiai」とかいろいろなサイトがあるから申し込んでみたらどうだと。 「DMM恋活どうですか?」と言われたけど、そろそろ閉めるからちょっとお勧めできないかなと(笑)。 (会場笑) それで、そいつはアドバイスに従って「pairs」に申し込んでね。2、3ヶ月後に「どうだった?」と聞いたら、「女の子と会えたことは会えたんですけど……」と。 メッセで彼女に「みんなでパーティーをするので、そこに来てくれませんか?」と言われて、そのパーティー会場で彼女と会ったらしいんだ。 「どうだった、うまくやれたのか?」と話を聞くと、その娘がパーティーの中でいろいろな人を紹介してくれるんだって。わいわいと20〜30人いたのかな。会場をまわって、「この人、すごいんだよ」みたいに偉い人を紹介されるわけよ。よくよく話を聞くと、実はマルチ商法を勧めるようなパーティーだったんだよね。 ちなみに今まで、マルチの健康食品とか、学習教材とか、勧誘を受けたことがある人、手を挙げてみてくれる? けっこういるね。やっぱり流行ってるのね(笑)。 それで、そいつも「やっと彼女できるかなと思ったらマルチパーティーでした」というオチなんだけど。そのとき、そいつから「その中に、DMMの人もいましたよ」と言われて(笑)。 「あら〜、うちの会社のやつも参加していたんだな」と思って、それが誰かは詳しくは聞いてないんだけど……いや、実は聞いているんだけど(笑)。 そいつだけ吊るし上げてもしょうがないし、たまたまそういうところに行ったやつがいたんだろうけど、ほかにも一般的によくある話なので、ひと言みんなに言っておいたほうがいいかなと思って、今回お題にしてみました。

マルチ商法の一番の問題点

マルチ商法って初めて聞いた人はいるかな? 手を挙げてみて。だいたい聞いたことはあるみたいね。 このマルチ商法は、会員を増やしていったらその人が儲かる仕組みで、例えば自分が10万のモノを買って、それと同じモノを多くの人に10万で売ったら、そこから2万ずつもらえるという権利がついてくる。そしてその売った人がまた別の人に売ったら、さらにいくらかもらえるみたいな仕組みなんだよね。 マルチというのは、実は全部が非合法というわけでもなく、その境目はモノがあるかないかみたいな話になるわけよ。実体的なモノがあるかどうか。 だから、マルチ的な売り方が必ずしも犯罪だと決めつける必要はない。なので、堂々と「アム○○○」みたいに長くやっているところもあるし、中には悪質で、二束三文の価値のないモノを売りつけて、広がった後にドロンと消えるところもあるよね。 それで、合法、非合法関係なしに、マルチのなにが問題かというと、ひと言でいえば「友達をなくす」ってことかな。ちなみに現在マルチ進行中の人、ちょっと手を挙げてみて? さすがに挙げられないか(笑)。 これは結局、その友達との間に利害関係が生まれるということだよね。オレたちも仕事だからビジネスはやるよね。ただ、マルチは友人に対してモノを売ったときに、自分にバックが入るということで、友人間に損得が生じてしまう。要は、友達を客にするということ。 だから、友人にマルチの声をかけられた人たちは、ちょっと嫌な気持ちになったことがあるんじゃないかと思うんだよね。 懐かしい高校時代の友達が突然、電話してきたことないかな? 「おー、懐かしいな、久しぶりだから会おうか」って会ったらいきなり、「この商品よくてね」みたいな話になる。そんなこと経験ないかな? 懐かしい友達からそういう話をされたとき、ちょっとショックだよね。それは人間関係を売るみたいな話になるわけよ。つまり、そういうかたちで友達との仲をお金に替えるみたいなことが問題だと思うんだ。 その点でいうと、「pairs」とかで集めた人間に対して売り込むほうがまだましかな。つまり最近は、出会い系をそういうふうに使う人たちもいるということだよね。若い人たちがSNSを使って、「友達になろう」「夢を語り合おう」「一緒に沖縄に旅行しよう」とか言いながらね。

マルチで儲かる人・儲からない人

じゃあ、それが他人だろうが友人だろうが、「マルチは実際儲かるのか?」という話になるんだけれど、これは儲かるケースは実際ある。 例えば、自分が10万で買ったものを10人に売って、1人2万円もらったら20万になったりするわけよ。売った子供たちが孫に売ればさらにいくらか入ってくる。 だからそれは早い者勝ちで、そのマルチの立ち上げが早い段階だと儲かるケースもあるわけ。ただ、自分がどの位置にいるかわからない。だから、マルチで一番儲かるのはマルチを立ち上げるやつなんだ。 つまり、俺が自分でマルチのルールを作って、「この商品は10万円」と決めて、まず役員10人集めて売って、「お前たちは部長クラスに売ったら」ってことをやるとする。 すると部長が課長に売って、課長がヒラに売る。誰が儲かるかというと俺が一番儲かるよね。そして役員くらいまでが儲かる可能性がある。 ヒラくらいになると、売るやつがいなくて、新卒に売るしかない。でも新卒相手だとなかなか売れないじゃない。それで、10万円の元が取れなくて損をするという感じかな。 だからこのビジネスというのは、作ったやつが儲かる。そして、そこに近いやつから儲かるということになるんだよね。そういった仕組みの中で、人件費をかけずにモノを売ろうとするのがマルチなわけ。なので、必ず儲からないというものでもない。

ゴージャスな私生活をアピールする理由

さっきの話でいうと、その女の子はヒラだったんじゃないかな。新卒を呼ぶまではできたんだけど、うまく口説けなかったとしたら、ちょっと役員に手伝ってくれと連れてくるわけ。自分が慣れてないから、役員の人に「説得してくださいよ」と。 稼いでる役員の人を見せて、「この人はね、ポルシェを持っているんだ」とか「ハワイに一週間も行ってたんだ」とか、それで口説いて買わせるわけよ。実際、役員がリア充なのはウソじゃなかったりするので、説得力があるわけ。 それで新卒も「いいなぁって」なるわけ。役員も取り分がいくらか入ってくるので、協力してくれるという構造だね。 だからマルチの社長や役員は派手な感じの演出をするね。与沢○とかもそんな感じかな。よくテレビで「おれはラクラク稼いでるよ」とかやってたじゃない。あれは目立ちたいっていうより自分を広告塔に使って人を集めてる。情報商材を商品にしたマルチだね。 トラフィックとかアフィリエイトとかIT用語を使ってるけど、ネットビジネスじゃなくてネットワークビジネスなんだ。詳しくは『闇金ウシジマくん』に載ってるから読んでみたらいいよ(笑)。そんな感じのビジネスが手を替え品を替え、世の中にはいっぱいあるわけよ。 もう少し付け加えると、仮にうまくいって、10万払ったけど20万売れたとなったときに、「それにどれだけ時間をかけたのか?」ということも考えないといけないよ。 一見、儲かったように見えても、いろいろな人と会って多くの時間を使っている。例えばそれに交際費5万と100時間使ったとなると、時給500円になる。だったら普通にアルバイトしたほうがマシじゃんってこともあるわけよ。 俺は別にマルチを全面否定してるわけじゃないけど……実は否定してるんだけど(笑)。ただ、よく考えたら、そんなふうに時間を使って、いろいろな人間関係を失いながら、いくらかのお金を得たとしても、その価値に見合うのかどうかということだね。

自分をだまし続けた先にある孤独

そして、さらに一番の問題は自分をだますということ。これは人をだます以上にやっかいだということをわかってほしい。 友達がマルチを勧めるとき、嘘をついているかというと、実は、あながち嘘じゃなかったりするんだよね。というのは、自分の中で、初めはもしかしたら罪悪感があるかもしれないけど、自分のことをひどいやつだと責めたくもないじゃない。 だから、「これを売って、自分は夢を掴むんだ」そして「その夢の掴み方を友達にも教えてあげるんだ」って変換するわけよ。 なんで新人を勧誘するときにパーティーや旅行に誘うかっていうと、同じ価値観の集団のなかで、同じ色に染めようとする洗脳みたいなところがあるんだよね。 「みんなで一緒に夢をかなえようぜ」って、仲間同士で盛り上がる。夢っていうのは、意外と単純な「ポルシェを買う」とかが夢なんだけどね(笑)。 つまりね、自分自身がそれを思い込んでいるということがあるわけよ。だから、「ナントカ教」とかよく言われるけどね。ちょっと新興宗教っぽくなるよね。 そう簡単に友達はだませないわけよ。でも、自分をだましちゃうとさ、けっこう平気でだませちゃう。そもそもだましてる自覚がないんだから、彼らの言葉には説得力あるんだよ。 たぶんスタートは、ちょっとお金が欲しいなという欲から始まってるんだけど、始めちゃったら元は取りたいじゃない。 結局それがカッコ悪いから、欲が夢に変わって、その夢を誰かに教えてあげる。そして、被害者が加害者になっていくということかな。 これはマルチに限らず、自分たちがやろうとしていることとは、常に向き合わなきゃいけない。一番厄介なのは、人をだますこと以上に、自分をだますことだよね。普通は人をだましたら、罪悪感があるから「あぁ、悪いことしたなぁ」と、反省するじゃない。 でももし、自分までだまして、「あのときの俺、悪くなかったし」って思ったら、一生懲りないからね。まっすぐ自分自身と向き合えないやつは、自分を正当化して、しまいには「なんでみんな俺のことをわかってくれない」とか言い出して、孤独に生きてくことになるんだよ。

  
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